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3 破邪の剣
しおりを挟む「構えを解かぬその警戒心、大したものだ」
「おのれ、私を臆病者だと嘲笑するか」
「いや、臆病は悪いことではない。傲慢は命を危険に晒すが、臆病は自身の護衛だ」
ロルカは構えを未だ解かず、剣の目の前までやって来た。
その時、枝が音を立てて揺らいだ。
一羽の小鳥である。
「風の動きを読んだな。小鳥と知り、目は私から離さずというところか。お前は待つに相応しい騎士かもしれない」
「パステルナークと言ったな。お前は妖刀でなければ、なぜ喋ることができる」
「破邪の剣、とでも言っておこうか。この国に住む妖魔を消す為に遠く岩山へ行ったが、返り討ちに遭い、逃げているところを妖術によって剣に変えられた。姿が変わる前に、この森まで逃げ、魂だけは気力で保ち、破邪の剣として森で眠り、勇敢な騎士を待っていた」
「その気力が無ければ、どうなっていたのだ」
「人を襲う妖魔の手先となり、奴らの持つ武器の一つとなった私は、人を殺めるための単なる道具になっていたであろう」
ロルカの構えが中断から下段の構えに変わっている。
受け身の体制から流水の如く流れて交わす構えである。
未だ警戒心を解く時ではない。
「その破邪の剣が私を待つ理由とは」
「共に戦ってほしい」
「私はネルーダ王国の親衛隊隊長だ、王を警護するために国へ帰らなければならない」
「この国はカロッサという。そしてお前はこの国から出ることはできない。出る時は肉体を捨てて魂になった時だ」
「どういうことだ」
「お前の国は、この時代には存在しない。私は念通力を使いあらゆる時代とあらゆる場所の騎士を探し、この森へ召喚しようとした」
「それはお前が私を呼んだということか」
「そうとも言えるが、そうで無いとも言える。私の念通力は、この国の神々、金色の瞳を持つ男女の神とその子、三体の神々に願ったものだから、お前はこの国の神々によって召喚されたと言った方が正しい」
「もう一度聞く、私が国へ帰れる方法は」
「妖魔を倒せ、共に戦ってほしい」
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