ペンギン仕掛けの目覚まし時計2

織風 羊

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第一章

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 豪勢な部屋の向こうからインターホン越しに声が聞こえる。

「所長、ただいま参りました」

「おー来たか、まぁ入りーな」

「はい、失礼します」

「実はな、自分に辞令が出てんねん」

「はい、どの様な?」

「何んかな、願い事してる女の子がおるらしいわ。叶えたってーや」

「単純に願いを叶えると言ってもあまり大きいことは無理だと思いますが?」

「例えば?」

「例えば、運命を変える、とか」

「お前、何ボケてんの? そんなもん宇宙連邦会議で違反になっとることやないかい」

「はっ、失礼しました。私に出来ることであれば、謹んでお受けいたします」

「よっしゃ、よう言うた。ほなら早速やけど準備にかかってくれ」

「はい、では行ってまいります」

「何処行きはるん? 一体何処に行きはるん? 最高のボケやな。行き先も聞かんと何処行きはるの?」

「あっ、いえ、あの、失礼しますた」

「『しますた』ってボケー。地球じゃー、地球行ってこいやー。って言うことで頼むわ」

「はい、早速準備に取り掛かります」

「済まんなぁ、よろしゅうにな。あっ、そうそう、それと向こう行ってからのシェルターやねんけど、研究所の保管庫にあるタイムマシーン型のやつな、あれ使うてや。何んかあれな、地球で言う目覚まし時計にそっくりやねんて。ええカモフラージュになると思うで。でな、シェルターの中の冷蔵庫に魚の詰め合わせをな、ケースで入れといたさかい、ワシからの餞別やから向こう着いたら食べてーな。地球ではシラスって言うらしいで。其れで、と、向こうに着いてから仕事に取り掛かるまでは暫くは古本屋に居といて。其処で年寄りのエージェントが店の主人になって働いとるさかい。分からんことあったら、そいつに聞いてーや」

「はい、分かりました」

「まぁ、自分やったら、即、完結、即、帰星やろ。なんせ此の星一番の宇宙理論物理学者やしな」

「お褒めに預かり恐縮です」

「ほんなら、頼んだで。マルセリーノ統括教授」
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