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20話
しおりを挟む一人と一匹は隣の宿に戻っている。
部屋の中で缶ビールの蓋を開ける音がする。
「おう、コミネ君、だいぶ落ち着いてきたようやね」
「一体あなた方は、どれほどの科学力をお持ちなのですか」
「大したことないで」
「大したことがないって、あれだけの医学の理論と、それを利用できる力が? とんでもない科学力じゃないですか」
「せやから大したことないねんて。マジックとおんなじやん。お前らは、その種を必死で探そうとするけど見つからん。知ってしもうたら、何やそう言うことか、って思うやろ? 医学を含めた科学いうもんはみんな似たようなもんや。たった一つのことを知らんから凄いなぁって言うてるに過ぎんのよ。ただ一つ、それだけでは済まん事があるんよ。それはな、生命そのものは全てに繋がってるんよ。動物、草木、海棲生物、地球、宇宙、お前らが言う魂いう奴とかな、それぞれが連鎖状に繋がって空間を形成してるのよ」
コミネは缶ビールを掴んだままぺペンギンを凝視している。
「あ、ごめん、いつの間にか医学を通り過ぎて宇宙理論物理学に方向が変わっていってもうとったわ」
「物理というよりも哲学に近いような気がします」
「ああ、それな、それ専門にやってる奴おるで、宇宙哲学の教授が訳の分からんことばっかり言うとるわ」
「宇宙哲学ですか・・・。」
「まぁ、お前らの言う宗教みたいなもんや。ちょっと違うんは神さんとか仏さんが存在せえへんだけで、ワイらの星では似たような見えへん力の存在は確認できてる。宇宙工学部の連中は今、それを数値化できる機械を拵(こしら)えとるわ。まぁ、お前らが盲信的に信じてる科学ゆうやつもある意味で宗教や。変な言い方かも知らんけど、科学いうのは科学で分からんことを解明することが科学やねんな。お前らは科学で証明できひんもんは信じない! 言うてるけど、今のお前らには分からんことだらけやないか。そんな科学を信じてるお前らは盲信的な科学教の信者みたいなもんやと思わへん?」
「え? はあ・・・。」
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