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31話
しおりを挟むこの国の上空を星間連絡船が飛び去って行く
ある星からある星へ
それぞれの任務を背負いながら
ある者は任地へと旅立ち
ある者は任務を終え母星へと帰る
素晴らしいスピードで上空を過ぎ去っていく星の連絡船
それは流れ星と呼ばれる時もある
やがて時空を超えた速度で限界点を超え
光よりも早く時間の壁はなくなり
遥か彼方の星へと夢を届けに行く。
「統括教授、いつまでそうやって隠れているのですか」
「ちょっとな」
「少しだけと仰られても・・・、星間連絡船にどうして乗られなかったのですか? あれからもう地球時間で一年以上ですよ」
「まぁな」
隣のお土産物屋さんには、常に誰かがいる。
繁盛、その言葉のままである。
大繁盛するのは時間の問題であろう。
その隣の料理民宿の隣のこの酒屋の店先で。
『時の酒屋』と名付けられている店先で。
「戻りましたー」
「ああ、お帰りなさい、先生」
「先生はやめてください、医学教授」
「いやー、医学教授もやめてもらわないと・・・。この店で働いていただいて、もう、一年以上になるのですから、お互いの呼び方も相応に慣れないといけませんね」
「済みません、タッタリア先生」
「ちょっとちょっと、お互いにコミネさん、店長、で行こうと決めたじゃないですか」
「ふと出てしまうのですよ」
「困ったものでね、お互い様ですが・・・。これ、次の配達先です」
タッタリア医学教授、(あっ・・・、失礼しました(織風羊))、ではなく店長がコミネにメモ用紙を手渡す。
「了解です、えーと、ビール、ワン・ケースか。行ってきます」
コミネはビールのケースを自転車の荷台に乗せてしっかりとゴムバンドで締める。
べダルに足を掛け、体重を乗せて踏み込み、自転車を走らせる。
店長は、それを見送ると店の奥へと入って行く。
店長が奥の部屋に戻るとマルセリーノが卓袱台の下に置いてある小道具箱から顔を覗かせる。
「何やねん、先生? 医学教授? タッタリア先生? コミネさんと店長でいきましょう! ってか。お仲の良ろしい事でございますわ!」
「そうはおっしゃられますが、コミネさんを当店に紹介されたのは統括教授ですよ」
「うっ、・・・。せやけど、まぁ、この店も繁盛し出したみたいでよろしいやないですか」
「うーん、まぁ、やっぱり、リンさんのお店には敵わないですが」
「そんなん無理に決まってるやん、商品価値は商品にあらず、リンを見るためにやって来て、観覧料を払う代わりにお土産がついて来る」
「確かにそう思います」
「これは繰り返される恒例行事みたいなもんやな」
「いえ、宇宙の摂理、時代が移ろおうとも変わらない真理、です」
「おっ、タッタリア、上手いこというねぇ」
「え? そうでしょうか? 上手く言えましたか?」
「おう、完璧や、お祝いにそこの冷えてる缶ビールの栓、抜いてくれへん」
「駄目です、これは商品です」
「お前、昔からそんなケチやったっけ?」
「コミネさんの給料になるものですから、絶対に駄目、です」
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