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11 星が星である理由
しおりを挟むマルセリーノが涼太の家へ通い始めてから、月日が過ぎていくにつれて、涼太の彼女の病状も進んでいる。
涼太の顔に覇気がどんどん無くなっていくのが手に取るように分かる。
マルセリーノは、今では、ほぼ毎日、涼太の部屋に来ている。
そんな時、涼太がマルセリーノに話しかける。
「ねぇ、マルセリーノさん、死んだらどうなるのかなぁ」
「どうなると思う?」
「俺、宗教とかも無いし、死んだら何処へ行くとか、天国とか、地獄とか、分からないよ」
「まぁ、いろんな宗派があって、もっと言うたら、安っぽい神さんまで作ってもうて、いろんなこと言うてるんも事実やしな」
「本当のところ、どうなるのかなぁ」
涼太は、ぺペンギンに尋ねるでもなく、独り言のように呟いた。
「せやなぁ、人だけやなくて、この星の生き物は皆んな、小さな分子、原子、みたいなもんでできてるわな」
「俺、勉強してこなかったし、分子とか原子とか言われても分からないよ」
「うん、人やったら、爪とか、髪の毛とか、それ以外のいろんな物が組み合わさって身体を作ってるやん」
「ですね」
「ほんでも、爪に思考力はないし、髪の毛かって同んなじで、真っ直ぐ伸びたり、くるくる回ってたり個性はあるけど、自分自身やって思われへんやん?」
「それは分かります」
「でも、それは、自分自身を構成する細胞であるから、自分や無い! なんて言い切るのもどうかと思うねんな」
「・・・・・・・・。」
「うん、例えば地球で考えてみ。山があり、そこから川が流れ、河原には石ころがある。どれもこの星を構成する成分やろ。地球には地球を構成する成分があって、それ以外の物は無い。せやから、この肉体も全て地球の構成成分からできてんねん。でもな、もしも、河原にある石ころを拾て、空に向かって投げた時、高く高く飛び続けて大気圏を抜けた時、どんなに小さい石ころでも宇宙の星になるやん。その星が、太陽の光を受けて輝き出した時、それは、それこそが、その人の今まで生きてきた生命の証やないやろか。もちろん、肉体そのものは、この地球の構成成分になるだけやけど、それも逆に考えたら、肉体でさえも永遠にこの星で生き続ける大切な地球の構成成分の一つやと思わへん?」
「・・・・・・・・・。」
「まぁ、せやしな・・・」
その時、涼太のスマホの呼び出し音が鳴った。
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