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2巻
2-2
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「今日は『魔法薬の調合』もレベルアップしちゃいましょうっ!」
いつかは『魔法薬の調合』アプリを、レベルアップする時が絶対くるんだ。
それが、今になっただけ。
お金もまだあるし……やるなら今でしょっ!
ということで、タブレットの画面をポチリと押す。
【Lvを上げますか? はい/いいえ】
『はい』をタップ。
【※『魔法薬の調合 Lv3』にするには、655000ポイントが必要になります】
当然、『同意』をタップ。
浮かび上がった時計マークを眺めながら、脳内で計算する。
『情報』と『魔法薬の調合』を合わせ、レベルアップのために一気に百二十万以上もお金が飛んでいったことになるのか。
心臓の辺りの服をギュッと握り締める。
1ポイント=1レン=元の世界の1円だから、この金額があれば新車が買えるな……
いや、そこはあまり考えないようにしよう。アッギスさんのためだし!
と、そこで時計のマークが消えたので、僕はレベルを上げた『魔法薬の調合』アプリを開いてみる。
【New! 『中級魔法薬師』の称号を手にしました】
お、称号までゲットしちゃったよ。
今までは、『魔法薬師見習い』程度の薬が作れるようになります、みたいな表記だったのにな。
さて、肝心の魔法薬の種類だけど……作れる種類が格段に多くなっている。
また、その表も少し変化していて、今回からは【注意事項】や【魔法薬ランク】なんて表示が増えていた。
『魔法薬ランク』はその名の通り、SS、S、A、B、C、D、Eまでのランクがあって、魔法薬を評価するものらしい。さっき『情報』で見た中にあったのと、同じものだ。
SSは最上級のもので、ほとんど手に入らないレベル。
どんな怪我や病気、症状も治す万能薬だったり、不老不死になる薬、死者を蘇生させる薬なんかが該当するそうだ。
Sは最高位の魔法薬師や王宮魔法薬師などといった、一握りの優秀な人間しか作れないレベルの魔法薬。
Aだと上級魔法薬師が作るものがほとんどで、中級魔法薬師でも、魔力制御能力や調合力の高い人なら作れるレベルの魔法薬。
B、Cは中級以下の魔法薬師が作れる魔法薬。
Dは見習いレベルで、Eは粗悪品とのこと。
ちなみに、魔法薬のランクが高いからと言って、入手難易度や治癒速度が高評価になるわけではないらしい。
そういえば称号も手に入ったんだっけ、と『情報』で自分のステータスを確認してみると、職業のところに『中級魔法薬師』の表示が増えていた。
どんどん新しいのが追加されていくな~と気になるけど、今は『魔法薬の調合』アプリの確認が先だな。
必要な魔法薬を探すため、アプリを開く。
表の上に検索欄があるので『魔力抑制剤』と打ち込めば、すぐに十五個ほどの魔法薬がヒットした。
それぞれ確認していくと、『魔力を完全に止める』ものと『過剰な放出を抑える』もの、それに『一時的に魔力を止める』ものなど、同じ抑制剤でも色々あるみたいだ。
アッギスさんの奥さんに必要な魔法薬は……話を聞く限りでは、『過剰な放出を抑える』やつがよさそうだろうか。
ただ、『過剰な放出を抑える』タイプの魔法薬は三つあるのだが、そのうちの二つは、注意事項に〝妊婦服用――不可〟と表示されていた。
なので必然的に、残っている魔法薬を選択することになる。
うん……『情報』のレベルを上げておいてよかったよ。
そのまま知らずに、妊婦さんが服用しちゃダメなものを調合していたかもしれないからね。
僕はタブレットの画面に表示されている魔法薬をタップして、どのような材料が必要か確認することにした。
【魔力抑制剤 (妊婦服用可)】
※異世界のものを使用
乾燥したアグレブの実:3個 チチットの爪 :1個 ヘルディク草 :2束
カルグル草 :1束 ヘルヒグスの鱗 :1枚 炎淡魚の背骨 :1つ
水狼の髭 :2本 ルコットの種 :4粒 泥熊の牙 :1個
チョコレート※ :1欠片 スターフルーツ※:1個 オレンジ※ :2個
キウイ※ :1個 しその葉※ :1枚 飲料水※ :100ml
必要な材料はこんなものか。
ここに書いてある『異世界』ってのは、僕が元いた地球のことだ。
これらの素材は、地球のものを購入することが出来るアプリ『ショッピング』を使えば簡単に手に入る。
魔法薬のレシピも、今回のレベルアップで微妙に表示が変わって分かりやすくなった。『ショッピング』で買えばいいものにマークが付いたのはありがたいな。
それにしても……この材料を見ただけだと、いったい味はどうなっているのかと恐ろしくなってくる。
まぁ、アプリの力で調合するわけだし、そんなに変な味にはならないだろう……たぶん。
ともかく、中級の魔法薬師が調合するものだけあって、使用する材料がさすがに多くなっているな。
これを自分一人で全て集めるのは……時間もないし、仮に時間があったとしても至難の業だ。見たことない素材も多いし、かなり強い魔獣の素材が多い。
『水狼の髭』や『泥熊の牙』なんて、普通の店で売ってなさそうだよな~。
「でも、これを調合出来たら……アッギスさんの奥さんはきっと治るはず!」
《シュ~!》
「お、ハーネもそう思うか?」
《シュシュー!》
僕の問いに、ハーネも尻尾を振りつつ頷く。
それじゃあ、早速行動を起こさねば!
ということで、まずは『ショッピング』で買えるもの……※マークが付いているものを購入して、自室に置いておく。
それから残りの材料だけど……
とりあえず、街に買いに行かないといけないんだけど、どこで売っているかわからない。
全ての材料が一ヶ所で売られているはずがないし。
ああ、探し回ってる時間も惜しいな。
こういう時、フェリスさんやグレイシスさんがいれば、すぐに聞けたのに――と残念に思う。
「はぁ~。ショッピングでもこの世界のものを買えればいいのになぁ~」
それか、この世界のものを買える新しいアプリが出ればいいのに、なんて考えながらタブレットを眺める。
「……まぁ、ないものはしょうがないな。時間がかかっても、街中にある材料屋をしらみつぶしに探して……ん?」
頭を掻きながら溜息を吐きそうになった時、ふと、腕に嵌められた魔法薬師の証のバングルが目に入る。
その時、唐突にグレイシスさんの言葉が頭の中に蘇った。
『魔法薬師になれば、街中で絶対に手に入れることが出来ないような最高級の――かなり良質な薬草や魔法薬の材料を、安く手に入れることが出来るの』
そうだ、これだ!
僕は急いで立ち上がると、家を出て『魔法薬師協会』へと走って行ったのであった。
アッギスさん、もうちょっとだけ待っててくださいね。
もう少ししたら、魔法薬を調合して持って行きますから!
魔法薬師協会でお買い物
魔法薬師協会は、試験を受けに行った日以来訪れていなかったから、一人で入る(ハーネもいるけど)には少し緊張した。
建物の広い柱廊を通り抜け、受付がある所へと向かっていく。
思わず走りそうになるけど、さすがに早歩きくらいに抑える。
受付の前にまで行くと、受験の時にお世話になった初老の男性が、あの日と同じように受付窓口に立っていた。
「ヤマザキさん、お久し振りでございます」
丁寧に挨拶をしてくれる彼に頭を下げつつ、早速本題に入る。
「こんにちは。あの、今日は魔法薬を調合する材料を購入したくて来たんですけど」
「かしこまりました。必要な材料はお決まりでしょうか?」
「はい、これに書いてます」
僕はポケットから、材料が書かれた紙を出す。
中には、『魔力抑制剤』に必要なものの他に、違う魔法薬の材料も書いている。
アッギスさんの奥さんは、たぶん体力も低下しているだろうから、『体力増加』や『貧血改善』などなど、妊婦さんも安心して服用出来る魔法薬も作ろうと思い、調べておいたのだ。
だいたいは手持ちの材料で何とかなりそうだったんだけど、妊婦さんでも使えるものとなると、足りない材料がちょくちょくあったんだよね。
僕が渡した紙を受け取った初老の男性は、書かれている材料を一つずつ確認していく。
「この材料を使って調合するのはヤマザキさんですか?」
そして、そう問いかけてきた。
「そうですけど……何か問題がありましたか?」
僕が頷いて聞き返すと、一瞬驚きの表情を見せる初老の男性。
だけどすぐに、微笑みながら首を横に振った。
「いえいえ、何も問題ありませんよ……ただ、こちらの材料をご用意するのに、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」
「大丈夫です」
「お待ちになっている間、この建物内にいらっしゃいますか?」
あー、どうしようかな。
街に出てもいいけど、材料はここで揃うし……この前来た時はあまり見て回れなかったから、建物の中を見学してもいいかもしれない。
「そうですね……それじゃあ、建物の中を見学しておこうかと思います」
「それでしたら材料が全て揃い次第、伝令リチューを向かわせますので、目印となる『香石』をお持ちください」
伝令リチュー? 香石って何?
それを聞く前に、初老の男性は受付台の上に置いていた金色のハンドベルを振る。
――チリンッ、チリリンッ。
澄んだ綺麗な音色がハンドベルから響く。
そしてその余韻が消える前に、受付台の上――僕と初老の男性の真ん中に、背中に筒を背負った小さな動物がどこからともなくやってきて、ちょこんと座った。
なるほど、このリスみたいなのが、伝令リチューなんだろう。
初老の男性は伝令リチューの前に、僕が持ってきた紙を置く。
「『薬草保管庫』と『薬用魔獣保管庫』へ行って、それぞれの素材管理師へ渡すように。いいですね」
そんな彼の言葉を受けて、伝令リチューはピィーッ! と鳴いてから、紙をクルクル巻いて背負っている筒の中に入れる。
そしてそのまま、タタタタターッと走ってどこかへ行ってしまった。
あんなに小さいのに器用だな。それに案外足が速い。
伝令リチューを見送った僕は、初老の男性にタンブルキーホルダーみたいに金属に繋がれた香石を受け取ってから、協会内を散策することにした。
建物の中を散策するのは意外と面白かった。
薬草なのだろう見たこともないような植物や、魔獣の剥製、それから今まで協会内で製作された歴代の魔法薬が置かれている薬棚など、見飽きない。
気分はどこかの展示会に来たような感じだ。
家でやることがなくなった時でも、ここに来ればいい暇潰しになりそうだな~、なんて考えながらぶらついていた。
すると……
ピピィ~。
足元から可愛らしい鳴き声が聞こえてきた。
下を見ると、伝令リチューが首を傾げながら立っている。
「あぁ、もう受付に戻ってもいいのかな」
「ピィー……ビャッ!?」
「うん?」
僕を見上げながら可愛らしく鳴いていた伝令リチューが、突然奇妙な声を上げて固まってしまった。
しかも、全身の毛を逆立てながら僕の顔を凝視しているし、ガタガタと全身が震えてるんだけど……一体どうした!?
何をそんなに怯えているんだと驚いていると――
《シュ~!》
僕の頭から肩の方へ移動してきたハーネが、にょろり、と顔を出していた。
そしてその顔を下に向け、舌をチロチロッと出しつつ伝令リチューにご挨拶をする。
《シュシュ~♪》
「ビビビビッ……ビビャーッ!」
嬉しそうな声……というか音? を出すハーネに対して、伝令リチューは警戒音を発して、素早い動きで僕から離れた。
「あぁ……うん、ハーネが怖いのね」
ハーネを見てビビっている伝令リチュー。
まあそうだよね、リスからしたらヘビは天敵だ。
嬉しそうに話しかけているハーネには申し訳ないが、相手が怖がっているのであまり身を乗り出さないようにしてもらうことにした。
《シュ~……》
残念そうなハーネを宥めつつ、伝令リチューに声をかける。
「ごめんね、怖かったよね? ハーネは絶対君のことを襲わないから心配しないで。それよりも、僕を呼びに来てくれたんでしょ? 戻ろっか」
「ピ……ピピィー……」
恐る恐るといった感じで、伝令リチューは移動を開始する。
僕の前をタタタッと走り、何度か立ち止まっては振り返って、僕がついてくるのを確認する伝令リチュー。
プリっとしたお尻と尻尾を揺らす後ろ姿に顔が緩みそうになるけど、何度もこちらを振り向くのは……ハーネが自分を襲ってこないかと、確認しているのかもしれない。
ちょっと可哀想だなと思ったので、少し距離をとりながら、伝令リチューの後を歩いていった。
受付に着くと、伝令リチューは素早い動きでどこかへと行ってしまった。
ありがとうと言う暇もなかったなと思っていると、初老の男性から声をかけられる。
「ヤマザキさん、お待たせいたしました。ご注文をいただいていた材料が全て揃いましたので、ご確認ください」
そう言って魔法薬の材料の入った、蔦で編まれた籠を台の上に置かれた。
中を見れば、アプリで表示されていた材料の挿絵通りのものが全て入っていた。
ハーネは僕の頭の上から降りて、好きな匂いでもするのか籠の近くまで寄って匂いを熱心に嗅いでいる。
「はい。確かに全て揃っています」
ハーネを籠から離しながら僕がそう言うと、初老の男性は何やら紙を取り出す。
「ありがとうございます。それでは支払いの方に移らせていただきますね」
どうやらこの紙は伝票らしい。
支払いはいくらくらいになるかな~と、持っていた籠を台の上に置いてから、軽い気持ちで伝票を覗き込み――
目が飛び出るかと思った。
《魔法薬師協会 会員ケント・ヤマザキ様》
・乾燥したアグレブの実 3個
6200 レン
・チチットの爪 1個
3600 レン
・ヘルディク草 2束
4360 レン
・カルグル草 1束
4480 レン
・ヘルヒグスの鱗 1枚
23050 レン
・炎淡魚の背骨 1つ
59300 レン
・水狼の髭 2本
39580 レン
・ルコットの種 4粒
3000 レン
・泥熊の牙 1つ
331590 レン
・その他、魔獣の毒液や毒草など
58450 レン
合計 533610レン
見間違いかと思って目を擦ってからもう一度確認してみたけど、数字が変わることはない。
すっげー高い。ここなら安く手に入れられるって話だったと思うんだけど……
伝票を見ながら固まっている僕を見て、男性が口を開いた。
「ここで取り扱っております魔法薬の材料は、国お抱えの『上級鑑定士』が認める最良のものしかございません。まぁ少々値が張りますが……当協会が持つ材料と同等の材料をご自身で手に入れる手間などを考えるならば、どうでしょうか。『安く』感じるのも『高く』感じるのも、お客様次第です」
その言葉に、僕は心の中で確かにそうだな、と頷く。
もし僕が、これらの材料を手に入れようとしても、まずレベルが足りない。
今の戦闘力だって、中級ダンジョンの中階層で四苦八苦しながら戦い、ハーネと力を合わせてようやく魔獣を倒せるくらいだ。
しかし、手に入れたい材料は、かなりの高レベル――中級から上級ダンジョンにいる強い魔獣のものである。
そんな魔獣と戦って、協会にある物と同じクオリティのものを手に入れるなんて、出来るはずもない。
たぶん、購入しようと思っている材料の『元』となる魔獣と直接対面なんてしたら……速攻で倒される自信がある。
運よく倒せたり素材を拾えたりしたとしても、こんなにいい状態のものは手に入らないだろう。
そう考えると、他のどこにも置いてないような最良の材料をここで少し高くても購入出来るということは、今の僕にとっては『安い』方なんだと結論付ける。
初老の男性は、それに、と口を開く。
「当協会でご購入いただいた材料で調合するならば、他のどのような材料で調合した魔法薬よりも効果が格段に上がることを、保証いたします」
「え……それは本当ですか!?」
「はい。魔法薬は使う材料の品質が良ければ良いほど、効果が高くなります。なので、品質が悪い材料で調合しますと、魔法薬の効果も悪くなります」
「へぇ~」
感心して頷いていると、初老の男性は思い出したように付け足す。
「ヤマザキさんのお師匠様――シャム様も、ご自分で材料を手に入れられなかった場合は、ここで購入されていますよ」
彼によれば、グレイシスさんはここで材料を購入する他に、ダンジョンで採ってきた魔法薬の材料だったり、調合した魔法薬だったりを売ってもいるそうだ。
そういえば、よく街に魔法薬とかを卸しに行くって言っていたけど……それは、ここに来ていたんだな。
一人納得して頷いていると、男性が首を傾げる。
「それでは、お支払いはいかがいたしましょうか? 『炎淡魚の背骨』と『水狼の髭』、それに『泥熊の牙』以外ですと街でも普通に売られていますので、すぐに手に入れることが出来ると思います。ちなみに、『泥熊』は繁殖期以外、滅多に姿を見せない魔獣でして、大変手に入りにくい商品となっており、他のものよりも少々値が張っております」
言われてみれば、確かに高い。一つだけ桁が違うもんな。
……でも、ここの材料を使えば効果が格段に上がるという言葉が確かなら、今回だけはここで買ってみようかな……
少々以上の値はするけど、今回の魔法薬は、出来る限り良いものを調合したいと思っているので、この出費は必要な金額だろう。
僕は腕輪の中から全財産を入れている革袋を取り出すと、中からお札の束を取り出す。
十万レンの束を六つ、そっと受付窓口の台に置いた。
いつかは『魔法薬の調合』アプリを、レベルアップする時が絶対くるんだ。
それが、今になっただけ。
お金もまだあるし……やるなら今でしょっ!
ということで、タブレットの画面をポチリと押す。
【Lvを上げますか? はい/いいえ】
『はい』をタップ。
【※『魔法薬の調合 Lv3』にするには、655000ポイントが必要になります】
当然、『同意』をタップ。
浮かび上がった時計マークを眺めながら、脳内で計算する。
『情報』と『魔法薬の調合』を合わせ、レベルアップのために一気に百二十万以上もお金が飛んでいったことになるのか。
心臓の辺りの服をギュッと握り締める。
1ポイント=1レン=元の世界の1円だから、この金額があれば新車が買えるな……
いや、そこはあまり考えないようにしよう。アッギスさんのためだし!
と、そこで時計のマークが消えたので、僕はレベルを上げた『魔法薬の調合』アプリを開いてみる。
【New! 『中級魔法薬師』の称号を手にしました】
お、称号までゲットしちゃったよ。
今までは、『魔法薬師見習い』程度の薬が作れるようになります、みたいな表記だったのにな。
さて、肝心の魔法薬の種類だけど……作れる種類が格段に多くなっている。
また、その表も少し変化していて、今回からは【注意事項】や【魔法薬ランク】なんて表示が増えていた。
『魔法薬ランク』はその名の通り、SS、S、A、B、C、D、Eまでのランクがあって、魔法薬を評価するものらしい。さっき『情報』で見た中にあったのと、同じものだ。
SSは最上級のもので、ほとんど手に入らないレベル。
どんな怪我や病気、症状も治す万能薬だったり、不老不死になる薬、死者を蘇生させる薬なんかが該当するそうだ。
Sは最高位の魔法薬師や王宮魔法薬師などといった、一握りの優秀な人間しか作れないレベルの魔法薬。
Aだと上級魔法薬師が作るものがほとんどで、中級魔法薬師でも、魔力制御能力や調合力の高い人なら作れるレベルの魔法薬。
B、Cは中級以下の魔法薬師が作れる魔法薬。
Dは見習いレベルで、Eは粗悪品とのこと。
ちなみに、魔法薬のランクが高いからと言って、入手難易度や治癒速度が高評価になるわけではないらしい。
そういえば称号も手に入ったんだっけ、と『情報』で自分のステータスを確認してみると、職業のところに『中級魔法薬師』の表示が増えていた。
どんどん新しいのが追加されていくな~と気になるけど、今は『魔法薬の調合』アプリの確認が先だな。
必要な魔法薬を探すため、アプリを開く。
表の上に検索欄があるので『魔力抑制剤』と打ち込めば、すぐに十五個ほどの魔法薬がヒットした。
それぞれ確認していくと、『魔力を完全に止める』ものと『過剰な放出を抑える』もの、それに『一時的に魔力を止める』ものなど、同じ抑制剤でも色々あるみたいだ。
アッギスさんの奥さんに必要な魔法薬は……話を聞く限りでは、『過剰な放出を抑える』やつがよさそうだろうか。
ただ、『過剰な放出を抑える』タイプの魔法薬は三つあるのだが、そのうちの二つは、注意事項に〝妊婦服用――不可〟と表示されていた。
なので必然的に、残っている魔法薬を選択することになる。
うん……『情報』のレベルを上げておいてよかったよ。
そのまま知らずに、妊婦さんが服用しちゃダメなものを調合していたかもしれないからね。
僕はタブレットの画面に表示されている魔法薬をタップして、どのような材料が必要か確認することにした。
【魔力抑制剤 (妊婦服用可)】
※異世界のものを使用
乾燥したアグレブの実:3個 チチットの爪 :1個 ヘルディク草 :2束
カルグル草 :1束 ヘルヒグスの鱗 :1枚 炎淡魚の背骨 :1つ
水狼の髭 :2本 ルコットの種 :4粒 泥熊の牙 :1個
チョコレート※ :1欠片 スターフルーツ※:1個 オレンジ※ :2個
キウイ※ :1個 しその葉※ :1枚 飲料水※ :100ml
必要な材料はこんなものか。
ここに書いてある『異世界』ってのは、僕が元いた地球のことだ。
これらの素材は、地球のものを購入することが出来るアプリ『ショッピング』を使えば簡単に手に入る。
魔法薬のレシピも、今回のレベルアップで微妙に表示が変わって分かりやすくなった。『ショッピング』で買えばいいものにマークが付いたのはありがたいな。
それにしても……この材料を見ただけだと、いったい味はどうなっているのかと恐ろしくなってくる。
まぁ、アプリの力で調合するわけだし、そんなに変な味にはならないだろう……たぶん。
ともかく、中級の魔法薬師が調合するものだけあって、使用する材料がさすがに多くなっているな。
これを自分一人で全て集めるのは……時間もないし、仮に時間があったとしても至難の業だ。見たことない素材も多いし、かなり強い魔獣の素材が多い。
『水狼の髭』や『泥熊の牙』なんて、普通の店で売ってなさそうだよな~。
「でも、これを調合出来たら……アッギスさんの奥さんはきっと治るはず!」
《シュ~!》
「お、ハーネもそう思うか?」
《シュシュー!》
僕の問いに、ハーネも尻尾を振りつつ頷く。
それじゃあ、早速行動を起こさねば!
ということで、まずは『ショッピング』で買えるもの……※マークが付いているものを購入して、自室に置いておく。
それから残りの材料だけど……
とりあえず、街に買いに行かないといけないんだけど、どこで売っているかわからない。
全ての材料が一ヶ所で売られているはずがないし。
ああ、探し回ってる時間も惜しいな。
こういう時、フェリスさんやグレイシスさんがいれば、すぐに聞けたのに――と残念に思う。
「はぁ~。ショッピングでもこの世界のものを買えればいいのになぁ~」
それか、この世界のものを買える新しいアプリが出ればいいのに、なんて考えながらタブレットを眺める。
「……まぁ、ないものはしょうがないな。時間がかかっても、街中にある材料屋をしらみつぶしに探して……ん?」
頭を掻きながら溜息を吐きそうになった時、ふと、腕に嵌められた魔法薬師の証のバングルが目に入る。
その時、唐突にグレイシスさんの言葉が頭の中に蘇った。
『魔法薬師になれば、街中で絶対に手に入れることが出来ないような最高級の――かなり良質な薬草や魔法薬の材料を、安く手に入れることが出来るの』
そうだ、これだ!
僕は急いで立ち上がると、家を出て『魔法薬師協会』へと走って行ったのであった。
アッギスさん、もうちょっとだけ待っててくださいね。
もう少ししたら、魔法薬を調合して持って行きますから!
魔法薬師協会でお買い物
魔法薬師協会は、試験を受けに行った日以来訪れていなかったから、一人で入る(ハーネもいるけど)には少し緊張した。
建物の広い柱廊を通り抜け、受付がある所へと向かっていく。
思わず走りそうになるけど、さすがに早歩きくらいに抑える。
受付の前にまで行くと、受験の時にお世話になった初老の男性が、あの日と同じように受付窓口に立っていた。
「ヤマザキさん、お久し振りでございます」
丁寧に挨拶をしてくれる彼に頭を下げつつ、早速本題に入る。
「こんにちは。あの、今日は魔法薬を調合する材料を購入したくて来たんですけど」
「かしこまりました。必要な材料はお決まりでしょうか?」
「はい、これに書いてます」
僕はポケットから、材料が書かれた紙を出す。
中には、『魔力抑制剤』に必要なものの他に、違う魔法薬の材料も書いている。
アッギスさんの奥さんは、たぶん体力も低下しているだろうから、『体力増加』や『貧血改善』などなど、妊婦さんも安心して服用出来る魔法薬も作ろうと思い、調べておいたのだ。
だいたいは手持ちの材料で何とかなりそうだったんだけど、妊婦さんでも使えるものとなると、足りない材料がちょくちょくあったんだよね。
僕が渡した紙を受け取った初老の男性は、書かれている材料を一つずつ確認していく。
「この材料を使って調合するのはヤマザキさんですか?」
そして、そう問いかけてきた。
「そうですけど……何か問題がありましたか?」
僕が頷いて聞き返すと、一瞬驚きの表情を見せる初老の男性。
だけどすぐに、微笑みながら首を横に振った。
「いえいえ、何も問題ありませんよ……ただ、こちらの材料をご用意するのに、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」
「大丈夫です」
「お待ちになっている間、この建物内にいらっしゃいますか?」
あー、どうしようかな。
街に出てもいいけど、材料はここで揃うし……この前来た時はあまり見て回れなかったから、建物の中を見学してもいいかもしれない。
「そうですね……それじゃあ、建物の中を見学しておこうかと思います」
「それでしたら材料が全て揃い次第、伝令リチューを向かわせますので、目印となる『香石』をお持ちください」
伝令リチュー? 香石って何?
それを聞く前に、初老の男性は受付台の上に置いていた金色のハンドベルを振る。
――チリンッ、チリリンッ。
澄んだ綺麗な音色がハンドベルから響く。
そしてその余韻が消える前に、受付台の上――僕と初老の男性の真ん中に、背中に筒を背負った小さな動物がどこからともなくやってきて、ちょこんと座った。
なるほど、このリスみたいなのが、伝令リチューなんだろう。
初老の男性は伝令リチューの前に、僕が持ってきた紙を置く。
「『薬草保管庫』と『薬用魔獣保管庫』へ行って、それぞれの素材管理師へ渡すように。いいですね」
そんな彼の言葉を受けて、伝令リチューはピィーッ! と鳴いてから、紙をクルクル巻いて背負っている筒の中に入れる。
そしてそのまま、タタタタターッと走ってどこかへ行ってしまった。
あんなに小さいのに器用だな。それに案外足が速い。
伝令リチューを見送った僕は、初老の男性にタンブルキーホルダーみたいに金属に繋がれた香石を受け取ってから、協会内を散策することにした。
建物の中を散策するのは意外と面白かった。
薬草なのだろう見たこともないような植物や、魔獣の剥製、それから今まで協会内で製作された歴代の魔法薬が置かれている薬棚など、見飽きない。
気分はどこかの展示会に来たような感じだ。
家でやることがなくなった時でも、ここに来ればいい暇潰しになりそうだな~、なんて考えながらぶらついていた。
すると……
ピピィ~。
足元から可愛らしい鳴き声が聞こえてきた。
下を見ると、伝令リチューが首を傾げながら立っている。
「あぁ、もう受付に戻ってもいいのかな」
「ピィー……ビャッ!?」
「うん?」
僕を見上げながら可愛らしく鳴いていた伝令リチューが、突然奇妙な声を上げて固まってしまった。
しかも、全身の毛を逆立てながら僕の顔を凝視しているし、ガタガタと全身が震えてるんだけど……一体どうした!?
何をそんなに怯えているんだと驚いていると――
《シュ~!》
僕の頭から肩の方へ移動してきたハーネが、にょろり、と顔を出していた。
そしてその顔を下に向け、舌をチロチロッと出しつつ伝令リチューにご挨拶をする。
《シュシュ~♪》
「ビビビビッ……ビビャーッ!」
嬉しそうな声……というか音? を出すハーネに対して、伝令リチューは警戒音を発して、素早い動きで僕から離れた。
「あぁ……うん、ハーネが怖いのね」
ハーネを見てビビっている伝令リチュー。
まあそうだよね、リスからしたらヘビは天敵だ。
嬉しそうに話しかけているハーネには申し訳ないが、相手が怖がっているのであまり身を乗り出さないようにしてもらうことにした。
《シュ~……》
残念そうなハーネを宥めつつ、伝令リチューに声をかける。
「ごめんね、怖かったよね? ハーネは絶対君のことを襲わないから心配しないで。それよりも、僕を呼びに来てくれたんでしょ? 戻ろっか」
「ピ……ピピィー……」
恐る恐るといった感じで、伝令リチューは移動を開始する。
僕の前をタタタッと走り、何度か立ち止まっては振り返って、僕がついてくるのを確認する伝令リチュー。
プリっとしたお尻と尻尾を揺らす後ろ姿に顔が緩みそうになるけど、何度もこちらを振り向くのは……ハーネが自分を襲ってこないかと、確認しているのかもしれない。
ちょっと可哀想だなと思ったので、少し距離をとりながら、伝令リチューの後を歩いていった。
受付に着くと、伝令リチューは素早い動きでどこかへと行ってしまった。
ありがとうと言う暇もなかったなと思っていると、初老の男性から声をかけられる。
「ヤマザキさん、お待たせいたしました。ご注文をいただいていた材料が全て揃いましたので、ご確認ください」
そう言って魔法薬の材料の入った、蔦で編まれた籠を台の上に置かれた。
中を見れば、アプリで表示されていた材料の挿絵通りのものが全て入っていた。
ハーネは僕の頭の上から降りて、好きな匂いでもするのか籠の近くまで寄って匂いを熱心に嗅いでいる。
「はい。確かに全て揃っています」
ハーネを籠から離しながら僕がそう言うと、初老の男性は何やら紙を取り出す。
「ありがとうございます。それでは支払いの方に移らせていただきますね」
どうやらこの紙は伝票らしい。
支払いはいくらくらいになるかな~と、持っていた籠を台の上に置いてから、軽い気持ちで伝票を覗き込み――
目が飛び出るかと思った。
《魔法薬師協会 会員ケント・ヤマザキ様》
・乾燥したアグレブの実 3個
6200 レン
・チチットの爪 1個
3600 レン
・ヘルディク草 2束
4360 レン
・カルグル草 1束
4480 レン
・ヘルヒグスの鱗 1枚
23050 レン
・炎淡魚の背骨 1つ
59300 レン
・水狼の髭 2本
39580 レン
・ルコットの種 4粒
3000 レン
・泥熊の牙 1つ
331590 レン
・その他、魔獣の毒液や毒草など
58450 レン
合計 533610レン
見間違いかと思って目を擦ってからもう一度確認してみたけど、数字が変わることはない。
すっげー高い。ここなら安く手に入れられるって話だったと思うんだけど……
伝票を見ながら固まっている僕を見て、男性が口を開いた。
「ここで取り扱っております魔法薬の材料は、国お抱えの『上級鑑定士』が認める最良のものしかございません。まぁ少々値が張りますが……当協会が持つ材料と同等の材料をご自身で手に入れる手間などを考えるならば、どうでしょうか。『安く』感じるのも『高く』感じるのも、お客様次第です」
その言葉に、僕は心の中で確かにそうだな、と頷く。
もし僕が、これらの材料を手に入れようとしても、まずレベルが足りない。
今の戦闘力だって、中級ダンジョンの中階層で四苦八苦しながら戦い、ハーネと力を合わせてようやく魔獣を倒せるくらいだ。
しかし、手に入れたい材料は、かなりの高レベル――中級から上級ダンジョンにいる強い魔獣のものである。
そんな魔獣と戦って、協会にある物と同じクオリティのものを手に入れるなんて、出来るはずもない。
たぶん、購入しようと思っている材料の『元』となる魔獣と直接対面なんてしたら……速攻で倒される自信がある。
運よく倒せたり素材を拾えたりしたとしても、こんなにいい状態のものは手に入らないだろう。
そう考えると、他のどこにも置いてないような最良の材料をここで少し高くても購入出来るということは、今の僕にとっては『安い』方なんだと結論付ける。
初老の男性は、それに、と口を開く。
「当協会でご購入いただいた材料で調合するならば、他のどのような材料で調合した魔法薬よりも効果が格段に上がることを、保証いたします」
「え……それは本当ですか!?」
「はい。魔法薬は使う材料の品質が良ければ良いほど、効果が高くなります。なので、品質が悪い材料で調合しますと、魔法薬の効果も悪くなります」
「へぇ~」
感心して頷いていると、初老の男性は思い出したように付け足す。
「ヤマザキさんのお師匠様――シャム様も、ご自分で材料を手に入れられなかった場合は、ここで購入されていますよ」
彼によれば、グレイシスさんはここで材料を購入する他に、ダンジョンで採ってきた魔法薬の材料だったり、調合した魔法薬だったりを売ってもいるそうだ。
そういえば、よく街に魔法薬とかを卸しに行くって言っていたけど……それは、ここに来ていたんだな。
一人納得して頷いていると、男性が首を傾げる。
「それでは、お支払いはいかがいたしましょうか? 『炎淡魚の背骨』と『水狼の髭』、それに『泥熊の牙』以外ですと街でも普通に売られていますので、すぐに手に入れることが出来ると思います。ちなみに、『泥熊』は繁殖期以外、滅多に姿を見せない魔獣でして、大変手に入りにくい商品となっており、他のものよりも少々値が張っております」
言われてみれば、確かに高い。一つだけ桁が違うもんな。
……でも、ここの材料を使えば効果が格段に上がるという言葉が確かなら、今回だけはここで買ってみようかな……
少々以上の値はするけど、今回の魔法薬は、出来る限り良いものを調合したいと思っているので、この出費は必要な金額だろう。
僕は腕輪の中から全財産を入れている革袋を取り出すと、中からお札の束を取り出す。
十万レンの束を六つ、そっと受付窓口の台に置いた。
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