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7巻
7-3
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「それで? フェリスからはある程度話は聞いてはいたけど、もう少し詳しい状況を教えてもらえる」
中階層の中央部分に移動しながら、その道中でチェイサーさんがリークさんに話を振る。
「そうっすね……行方不明になってる冒険者のほとんどが実力ある人物達ってところまでは分かっているっす。彼らが行方不明になっている場所は中層階から深層階だけみたいっすね」
「表層階には一切いないの?」
「はい。ギルドが派遣した調査隊の調べによると、表層階にいた人物は全員無事だったとのことっす。中層階の奥深くから深層階にかけて、潜っていった人達が主にいなくなってるっすね。それから、行方不明者が出始めた頃から、魔獣をあまり見かけなくなったとも調査報告書に書かれてたっす」
「……なるほどね」
チェイサーさんは腕を組みながら、何か思い当たることがあるのか、ふむふむと頷いている。
「何か気になることでもあるんですか?」
「かなり昔に、今回このダンジョンで起きている状況と同じような話を聞いたことがあるのよね」
「本当ですか!?」
「えぇ、その時は私も小さな子供で、曾祖母から聞いた話なんだけど……」
チェイサーさんの話によれば、彼女のひいおばあさんが子供の頃、ダンジョンに入った人が行方不明になる事件が起きたらしい。
その当時もかなり騒ぎになったけど、一カ月もしないうちに全員が無事に戻って来たとのことだ。
「ダンジョンで何があったんですか?」
「それが……魔獣と遊んでいたらしいの」
「「はい…………?」」
僕とリークさんが揃って首を傾げる。
「魔獣と遊ぶって……どういうことでしょう?」
「いやね? 私も詳しい話は分からないのよ。なにせ当時の曾祖母はちょ~っとボケはじめていたから、私も夢物語程度にしか聞いてなかったし」
「なるほど……」
僕の問いに、チェイサーさんが肩を竦めながら答えた。
リークさんも少しでも情報を得ようと質問する。
「行方不明者を探す方法とかは聞いたりしてないんっすか?」
「そうね、曾祖母の話では探す方法というか『道』があった――みたいなことは言っていたと思うわ」
「『道』……っすか」
『道』がどんなものか分からないけど、いまのところその『道』以外にグレイシスさんとカオツさんを捜す手がかりがない。
まずは、三人でその『道』らしきものを見つけるところから始めることにした。
「あの、チェイサーさん」
「なぁ~に?」
僕が話しかけると、チェイサーさんが間延びした声で返事する。
「特殊なダンジョンって表層から中層に行くのには、『扉』のようなものを使わなきゃ移動出来ないじゃないですか」
「えぇ、そうね」
「仮に『道』も『扉』と同じようなものだとして……それを探す手がかりとかってあるんですか?」
「全てのダンジョンではないんだけど、一部のダンジョンでは『扉』を見つける方法が発見されているところもあるの」
「本当ですか!?」
チェイサーさんは一つ頷くと、どこから取り出したのか、ハムスターのような動物を指先で摘まんで持ち上げた。
「これなんだけどね?」
そう言いながら、彼女はその小動物を見せてくれた。
チェイサーさんの話によれば、Sランク冒険者やギルドマスターしか行けないような上級ダンジョンの深層階、しかも奥深くにしか棲息しない超希少種で、『ココヤ』という魔獣なんだって。
ココヤは『扉』の近くに巣を作ったり、『扉』に寄っていく性質があるらしく、新しい『扉』を探したい場合はこの魔獣が役に立つそうだ。
「ふえ~……そんな魔獣を持っているなんて凄いですね」
「あぁ、この子は、友達と酒飲み勝負をした時に勝った戦利品なのよ~」
「えっ」
その友達というのが、リークさんの上司のギルドマスターと聞き、僕は稀少種の魔獣をとられてシクシクと泣くギルマスさんの顔を思い浮かべる。
「いい貰い物をしたわ~」と笑うチェイサーさんに苦笑いしつつ、ココヤが反応する方に向かって僕達はダンジョン内を進むことにした。
数時間ほどダンジョンを歩き続けたけれど、いつも入るダンジョンに比べて、全く魔獣が見当たらない。どちらかと言えば魔草がかなり多いような気がする。
とはいえ、油断は禁物だ。万が一、強力な魔物が現れた場合に備えて、腰に提げた剣の柄に手を置く。
ふと空中に浮かぶ画面を見ると――ちょうど二百メートル先に魔草の反応があった。でも、リークさんが左手の指を少し動かした瞬間に、その反応が跡形もなく消えてしまう。
隣を歩くリークさんは、特に魔草がいた方を見ていたわけでもなく、チェイサーさんと話しながら歩いているだけだ。
ここ数時間、リークさんとチェイサーさんは僕を交えて、いろんなことを話しながらのんびりとした感じで歩いているんだけど……
僕達の周囲に反応があった、危険度のかなり高い魔草を軽く手を振るか、指を動かすだけで瞬殺していた。
多分、二人が持つ魔法か特殊能力を使って排除しているのかもしれないんだけど……僕の出番が一切ない。
やることがないな、と思いながら、画面の上にある時計を見ると、お昼の時間が近付いていた。
「あの……お二人ともお腹は空いていませんか? 皆さんの分も食事を作ってきたので、お昼休憩にしませんか?」
僕がそう尋ねると、リークさんとチェイサーさんが凄く嬉しそうに首を縦に振る。
少し見晴らしが良い場所へと移動し、程よい大きさの石をテーブルや椅子代わりにして席に着く。
平べったい石の上にランチョンマットを敷き、その上に腕輪の中から取り出したお皿とコップ、四角い籠を並べた。それから籠の蓋を開けて、その中からいろんな食材を使ったバターロールサンドと、イタリアン風味の生春巻きを大皿に並べていく。
「あら、初めて見る食べ物ね! けど美味しそう!」
「師匠、いただきます!」
二人が料理を見て目を輝かせる。
今回僕が作ってきた一つ目の食べ物は、バターロールの中央に切れ目を入れてそこにいろんな具材を詰めたロールサンド。
ハンバーグや薄くカットしたトマトとレタスを挟んだものや、アボカドとエビをマヨわさびソースで和えたもの、ポテトサラダにハムとレタスの組み合わせや、焼きそばパンっぽいもの、など種類は豊富だ。いろんな味を楽しめると思う。
もう一つが生春巻き。生春巻きとはいっているけど、ライスペーパーの代わりに生ハムで巻いてある。具材はモッツァレラチーズとトマト、アスパラ、ベビーリーフが入っている。
そのまま食べても美味しいし、シーザードレッシングをつけて食べてもいい。
ココヤは、カシューナッツをあげたら一心不乱に齧りついていた。
お気に召したようで良かったです。
「いただきます!」
それぞれが好きなものを手に取って口に運ぶ。
「おいしぃ!」
「スゲー美味いっす!」
もぐもぐ口を動かして絶賛するチェイサーさんとリークさんの言葉に、僕は照れてしまう。
「前回はあまり思わなかったんだけど……」
チェイサーさんが話している途中で、急に空中に浮かんでいた画面が真っ赤に染まった。
画面の端に、ウヨウヨと動く魔草の群れが映る。
かなり強い魔草の群れのようだけど、僕達がいるところからかなり距離がある。
すぐに襲われる恐れはないだろうけど……と口の中に入っていた食べ物をゴクリと飲み込む。
自分一人で戦ったら即死レベルの強さだけど、この二人と一緒に、『傀儡師』のアプリを使ってなら、僕も戦えるかも――
そう思っていると、チェイサーさんが口元をナプキンで拭いてから手を顔の前に持ってくる。
そして手のひらの上に黒い霧のようなものを浮かび上がらせると、ふぅっと霧に息を吹きかけた。
息を吹きかけられた黒い霧が、スゥッとそこから空気中に溶け込むように消えてしまう。
僕は何が起きているのか首を傾げながら、画面に視線を向けた。
その瞬間――画面の右端から中央くらいまで占めていた魔草の群れが、もの凄い速さで消えていく。ものの数秒で魔草は駆逐され、真っ赤な画面が通常のものへと戻った。
唐突な展開についていけず、画面を見ながら生ハム春巻きが入った口を動かしていると、リークさんが変な声を上げた。
「うぇっ!? チェイサーさん、もしかして……あの離れていた場所にいた魔獣か魔草を一気にやったんっすか?」
「えぇ、ちょっと数も多そうで面倒な感じがしたから、この黒い霧で焼き払っちゃったわ。ちなみに魔獣じゃなくて魔草だったわね」
手のひらで黒い霧を弄びながら、チェイサーさんはウフフと笑う。
どうやらチェイサーさんの手のひらの黒い霧は、彼女の特殊能力の一つらしい。
触れたら刃物のような鋭さがあり、炎のように熱い。
チェイサーさんの言葉に、リークさんは感心しきりだ。
「ほえ~……俺でさえ魔獣か魔草のどちらかなのかも、全体の数も分からなかったのに……それを全て把握して対処したってことっすね」
「そういうこと」
「スゲーっす!」
Sランク冒険者でもあるリークさんが呆然とするレベルなんて……チェイサーさんは僕が想像も出来ないくらい、めちゃくちゃ強い人なんだな……
僕がそう思っていたら、テーブルの上に残っているパンや生ハム春巻きを見たチェイサーさんの視線がこちらへ向いた。
「フェリスから聞いてた通り、ケント君の食べ物を食べると疲れが少し取れた感じがするのと、なんていうか……魔力を潤滑に身体全体に回せている気がするわ」
そしてキラリッと目を光らせた後、僕に向かって手を合わせる。
「ケント君! お肌が綺麗になったり髪の毛の艶を増すものがあったら、ぜひお願いね♪」
それを聞いた僕は、先ほどの魔草撃退のお礼も兼ねて、自家製のアセロラジュースをプレゼントした。
この世界にも地球産のアセロラと味も効果も似ているものがあったので、暁ではそれをジュースにして出すことがあるんだけど……
フェリスさん達女性陣にかなり好評だったから、チェイサーさんにも喜ばれると思う。
リークさんも羨ましそうな顔でこちらを見てきたので、同じく瓶に入ったアセロラジュースを腕輪の中から取り出して渡した。
「このジュースは、そのまま飲んでもいいし炭酸やお酒で割っても美味しく飲めますよ」
僕がそう説明すると、二人とも大喜びしてくれたのだった。
食事を終えてから、僕達はまた手がかりとなりそうな『扉』や『道』を探し始めた。
再開してから二時間ほど経った頃、僕達はお目当ての『道』じゃないけど、深層階へと続く『扉』を発見した。
歩いている途中、ココヤがチェイサーさんの手のひらから飛び降りたと思ったら、地面を走って少し先にある竹藪のような場所に向かっていった。
僕達がその後を慌てて追うと、ココヤは木と木の間を上手く走り抜けながら、一本の木の前で立ち止まる。
何をするのかと思えば――ココヤは、その木の前でパタリと倒れた。
まるで気絶をしたように倒れているココヤのもとにたどり着くと、僕はチェイサーさんにどういうことか尋ねたんだけど……
「さぁ?」
チェイサーさんは首を傾げただけ。
「え……? いやいやいや、ココヤのこと、知ってるんじゃないんですか?」
「知らないわよ? ただ『扉』の近くに行って倒れるってことくらいしか分からないわ」
最終的に、それだけ知ってればよくない? とチェイサーさんから言われてしまった。
「まぁ……それもそうですね」
この不思議な光景を気にしつつも、僕は頷いた。
チェイサーさんが地面に倒れるココヤを掴んで手のひらに乗せてから、目の前にある木に手を当てる。
すると、木の表面が波打ち――『扉』が出現した。
チェイサーさんはいったん『扉』の中に入って、深層階へ向かう入口だということを確認してから出てきた。
「中層階でまだ見ていない場所を回ることにしましょう」
確かにここで深層階に行ったとしても、『道』が中層階に残っている可能性もまだある。
中層階を端から端まで歩くには丸二日以上かかるから、時間はかかるかもしれないけど……
地道に捜索しようと三人で話し合って、僕達は次の『扉』を探すために歩き出す。
それから歩き続けること数時間。空が暗くなってきたところで一日目は終了したのだった。
毛玉との出会い
やっぱり魔草には、他のダンジョン以上によく遭遇したんだけど、かなり手強い奴が多くて、リークさん達の手を借りることが多かった。
代わりに、僕でも倒せるくらいのレベルの魔獣だったりした場合は、二人は魔草や魔獣の存在に気付いていても、僕に討伐させるようにしていた。
そもそも、今回僕以外の二人は助っ人として付いてきてもらっているだけだ。
それはつまり、僕のレベルではどうしても倒せないような魔獣や魔草が出た場合に対応してもらうということ。
実際、二人も僕のレベルならなんとか倒せそうな相手であれば、あまり手を出さないようにしていたんだって。
僕としても、一人の冒険者として暁を代表してダンジョンに入っているから、守られるだけの存在としてここにいるわけじゃない。
頑張るぞー! と心の中で決意して、『傀儡師』を起動させた後、僕は少し離れた場所にいる魔草へと走り出す。
今回倒す魔草は、僕の背丈くらいの大きさの木だ。幹の部分はヒョロリとした感じで細く、それと同じくらい細い枝が何本も不揃いに生えている。枝にはタンポポのような形の葉があって、その先には涙のような形状の袋が何個かぶら下がっている。
袋の中には、パチンコ玉くらいの大きさの種が満杯に入ってて、木に衝撃が加えられたり、近くに敵が通ったりすると袋が弾けて中の種が四方八方へと飛び散る仕組みだ。
種が飛び散るだけならば危険はないが、この魔草の種の表面は鋭い刃のようなもので覆われている。しかも、かなりのスピードで飛び出てくるので当たると全身血だらけになる。
種に当たってしまうと、含まれている微量の毒が身体を蝕む。
解毒しなければ血が止まらず失血死してしまい、他の魔草や魔獣を引き寄せることになる厄介な植物だった。
走りながら視線だけを画面に向けて、『魔獣合成』を一緒に起動させた。
これは魔獣や魔草の持つ特殊な力を一時的に自分やアイテムに付与出来るアプリだ。
僕は腕輪の中から魔草『リプサ』の棘を取り出した。
これは砂漠のようなダンジョンに棲息している魔草で、全く水分がないような場所でも育つ。
そしてこの魔草の不思議なところは、とにかく水分に敏感なことだ。少しでも水分を含んだものが近くにあれば、そこから全てを奪い取る勢いで吸い取って自分の中に貯め込む性質がある。
かなり注意しないと、カサカサのミイラにされちゃうから危険だけど、死んでしまえば素手で触っても大丈夫だ。
「『合成』」
取り出した『リプサ』の棘を、剣の刀身部分に当てて合成する。
魔草を相手にする場合、炎系の魔草か魔獣を使えば焼き払うことによって簡単に討伐出来るんだけど、僕が今いる場所は草木が生い茂る地帯だ。
そんなところで炎系の能力を使って魔草を攻撃して、火がもしも周りに飛んだりしたら、辺り一面火の海と化してしまう。その影響を考えて、火ではなく、植物の水分を強奪する能力――植物の天敵の能力を使用しようと考えたのだ。
刀身が、透き通った水色のような色に変化して、ほんの少しだけ剣が重くなる。
グリップ部分を強く握り締めて、十体近くいる魔草のうち仲間と距離が一番離れている一体に向かって突撃していく。
足の速さを上げる魔法薬を使って走り、袋が弾けるよりも早く剣を振る。
「よっ……と!」
下から斜め上に剣を振り上げるようにして切り付けた瞬間、魔草の水分が剣に抜き取られた。
金属を引っ搔いた時のような不快な音を出して、魔草は一瞬で干からびてしまった。
僕の背丈くらいにあったはずが、半分以下の大きさになって萎れている。
仲間の魔草達がザワザワと体を動かして、一カ所に集まり始めた。
僕の身体はいったん魔草達から距離を取ると岩陰に隠れた。
それから腕輪から魔法薬が入った瓶を取り出して、魔草が固まって身を寄せ集めているところに、その瓶をポイッと投げつける。
瓶は弧を描くようにして飛んでいくと、ちょうど魔草が固まっている中央付近に落下――する前に、空中でガチャンッと割れる。
集まっていた魔草の数体が、瓶に反応して一斉に種を放ったからだ。
その後も襲い来る種の攻撃を岩の陰に隠れてやり過ごしながら、魔草達の群れを見る。
瓶の液体がかかった魔草の動きが鈍くなっていた。
瓶の中身は、相手を異常に遅くさせる魔法薬だった。
岩の陰からヒョコリと顔を出して魔草の動きが遅いのを確認してから、魔草に向かって駆け寄って剣を振るっていく。
スパッと魔草を切り伏せて、最後の魔草の体に剣を突き立て終えると――討伐終了。
「ふぃ~っ」
息を吐き出しながら、僕は額の汗を拭った。
『傀儡師』のアプリを終了して、剣を鞘に納める。
「師匠、お疲れ様っす!」
「なかなか面白い戦闘をするのね~。あ、ちなみに……これ、貰っていってもいいかしら?」
離れていた場所で見ていたリークさんとチェイサーさんが、僕の戦いぶりを褒めてくれた。
チェイサーさんがこちらに近寄りながら、地面に干からびて落ちている魔草を摘まんで僕に尋ねる。
どうやらこの魔草は薬の材料になるようで、しかも数日かけて干すという作業をしなくていい分、理想の状態なのだとか……チェイサーさんはとても嬉しそうだ。
その後も魔草を討伐しながらダンジョン内を進む。
あっという間に、周囲が暗くなってきて、本日の捜索は終了となった。
中階層の中央部分に移動しながら、その道中でチェイサーさんがリークさんに話を振る。
「そうっすね……行方不明になってる冒険者のほとんどが実力ある人物達ってところまでは分かっているっす。彼らが行方不明になっている場所は中層階から深層階だけみたいっすね」
「表層階には一切いないの?」
「はい。ギルドが派遣した調査隊の調べによると、表層階にいた人物は全員無事だったとのことっす。中層階の奥深くから深層階にかけて、潜っていった人達が主にいなくなってるっすね。それから、行方不明者が出始めた頃から、魔獣をあまり見かけなくなったとも調査報告書に書かれてたっす」
「……なるほどね」
チェイサーさんは腕を組みながら、何か思い当たることがあるのか、ふむふむと頷いている。
「何か気になることでもあるんですか?」
「かなり昔に、今回このダンジョンで起きている状況と同じような話を聞いたことがあるのよね」
「本当ですか!?」
「えぇ、その時は私も小さな子供で、曾祖母から聞いた話なんだけど……」
チェイサーさんの話によれば、彼女のひいおばあさんが子供の頃、ダンジョンに入った人が行方不明になる事件が起きたらしい。
その当時もかなり騒ぎになったけど、一カ月もしないうちに全員が無事に戻って来たとのことだ。
「ダンジョンで何があったんですか?」
「それが……魔獣と遊んでいたらしいの」
「「はい…………?」」
僕とリークさんが揃って首を傾げる。
「魔獣と遊ぶって……どういうことでしょう?」
「いやね? 私も詳しい話は分からないのよ。なにせ当時の曾祖母はちょ~っとボケはじめていたから、私も夢物語程度にしか聞いてなかったし」
「なるほど……」
僕の問いに、チェイサーさんが肩を竦めながら答えた。
リークさんも少しでも情報を得ようと質問する。
「行方不明者を探す方法とかは聞いたりしてないんっすか?」
「そうね、曾祖母の話では探す方法というか『道』があった――みたいなことは言っていたと思うわ」
「『道』……っすか」
『道』がどんなものか分からないけど、いまのところその『道』以外にグレイシスさんとカオツさんを捜す手がかりがない。
まずは、三人でその『道』らしきものを見つけるところから始めることにした。
「あの、チェイサーさん」
「なぁ~に?」
僕が話しかけると、チェイサーさんが間延びした声で返事する。
「特殊なダンジョンって表層から中層に行くのには、『扉』のようなものを使わなきゃ移動出来ないじゃないですか」
「えぇ、そうね」
「仮に『道』も『扉』と同じようなものだとして……それを探す手がかりとかってあるんですか?」
「全てのダンジョンではないんだけど、一部のダンジョンでは『扉』を見つける方法が発見されているところもあるの」
「本当ですか!?」
チェイサーさんは一つ頷くと、どこから取り出したのか、ハムスターのような動物を指先で摘まんで持ち上げた。
「これなんだけどね?」
そう言いながら、彼女はその小動物を見せてくれた。
チェイサーさんの話によれば、Sランク冒険者やギルドマスターしか行けないような上級ダンジョンの深層階、しかも奥深くにしか棲息しない超希少種で、『ココヤ』という魔獣なんだって。
ココヤは『扉』の近くに巣を作ったり、『扉』に寄っていく性質があるらしく、新しい『扉』を探したい場合はこの魔獣が役に立つそうだ。
「ふえ~……そんな魔獣を持っているなんて凄いですね」
「あぁ、この子は、友達と酒飲み勝負をした時に勝った戦利品なのよ~」
「えっ」
その友達というのが、リークさんの上司のギルドマスターと聞き、僕は稀少種の魔獣をとられてシクシクと泣くギルマスさんの顔を思い浮かべる。
「いい貰い物をしたわ~」と笑うチェイサーさんに苦笑いしつつ、ココヤが反応する方に向かって僕達はダンジョン内を進むことにした。
数時間ほどダンジョンを歩き続けたけれど、いつも入るダンジョンに比べて、全く魔獣が見当たらない。どちらかと言えば魔草がかなり多いような気がする。
とはいえ、油断は禁物だ。万が一、強力な魔物が現れた場合に備えて、腰に提げた剣の柄に手を置く。
ふと空中に浮かぶ画面を見ると――ちょうど二百メートル先に魔草の反応があった。でも、リークさんが左手の指を少し動かした瞬間に、その反応が跡形もなく消えてしまう。
隣を歩くリークさんは、特に魔草がいた方を見ていたわけでもなく、チェイサーさんと話しながら歩いているだけだ。
ここ数時間、リークさんとチェイサーさんは僕を交えて、いろんなことを話しながらのんびりとした感じで歩いているんだけど……
僕達の周囲に反応があった、危険度のかなり高い魔草を軽く手を振るか、指を動かすだけで瞬殺していた。
多分、二人が持つ魔法か特殊能力を使って排除しているのかもしれないんだけど……僕の出番が一切ない。
やることがないな、と思いながら、画面の上にある時計を見ると、お昼の時間が近付いていた。
「あの……お二人ともお腹は空いていませんか? 皆さんの分も食事を作ってきたので、お昼休憩にしませんか?」
僕がそう尋ねると、リークさんとチェイサーさんが凄く嬉しそうに首を縦に振る。
少し見晴らしが良い場所へと移動し、程よい大きさの石をテーブルや椅子代わりにして席に着く。
平べったい石の上にランチョンマットを敷き、その上に腕輪の中から取り出したお皿とコップ、四角い籠を並べた。それから籠の蓋を開けて、その中からいろんな食材を使ったバターロールサンドと、イタリアン風味の生春巻きを大皿に並べていく。
「あら、初めて見る食べ物ね! けど美味しそう!」
「師匠、いただきます!」
二人が料理を見て目を輝かせる。
今回僕が作ってきた一つ目の食べ物は、バターロールの中央に切れ目を入れてそこにいろんな具材を詰めたロールサンド。
ハンバーグや薄くカットしたトマトとレタスを挟んだものや、アボカドとエビをマヨわさびソースで和えたもの、ポテトサラダにハムとレタスの組み合わせや、焼きそばパンっぽいもの、など種類は豊富だ。いろんな味を楽しめると思う。
もう一つが生春巻き。生春巻きとはいっているけど、ライスペーパーの代わりに生ハムで巻いてある。具材はモッツァレラチーズとトマト、アスパラ、ベビーリーフが入っている。
そのまま食べても美味しいし、シーザードレッシングをつけて食べてもいい。
ココヤは、カシューナッツをあげたら一心不乱に齧りついていた。
お気に召したようで良かったです。
「いただきます!」
それぞれが好きなものを手に取って口に運ぶ。
「おいしぃ!」
「スゲー美味いっす!」
もぐもぐ口を動かして絶賛するチェイサーさんとリークさんの言葉に、僕は照れてしまう。
「前回はあまり思わなかったんだけど……」
チェイサーさんが話している途中で、急に空中に浮かんでいた画面が真っ赤に染まった。
画面の端に、ウヨウヨと動く魔草の群れが映る。
かなり強い魔草の群れのようだけど、僕達がいるところからかなり距離がある。
すぐに襲われる恐れはないだろうけど……と口の中に入っていた食べ物をゴクリと飲み込む。
自分一人で戦ったら即死レベルの強さだけど、この二人と一緒に、『傀儡師』のアプリを使ってなら、僕も戦えるかも――
そう思っていると、チェイサーさんが口元をナプキンで拭いてから手を顔の前に持ってくる。
そして手のひらの上に黒い霧のようなものを浮かび上がらせると、ふぅっと霧に息を吹きかけた。
息を吹きかけられた黒い霧が、スゥッとそこから空気中に溶け込むように消えてしまう。
僕は何が起きているのか首を傾げながら、画面に視線を向けた。
その瞬間――画面の右端から中央くらいまで占めていた魔草の群れが、もの凄い速さで消えていく。ものの数秒で魔草は駆逐され、真っ赤な画面が通常のものへと戻った。
唐突な展開についていけず、画面を見ながら生ハム春巻きが入った口を動かしていると、リークさんが変な声を上げた。
「うぇっ!? チェイサーさん、もしかして……あの離れていた場所にいた魔獣か魔草を一気にやったんっすか?」
「えぇ、ちょっと数も多そうで面倒な感じがしたから、この黒い霧で焼き払っちゃったわ。ちなみに魔獣じゃなくて魔草だったわね」
手のひらで黒い霧を弄びながら、チェイサーさんはウフフと笑う。
どうやらチェイサーさんの手のひらの黒い霧は、彼女の特殊能力の一つらしい。
触れたら刃物のような鋭さがあり、炎のように熱い。
チェイサーさんの言葉に、リークさんは感心しきりだ。
「ほえ~……俺でさえ魔獣か魔草のどちらかなのかも、全体の数も分からなかったのに……それを全て把握して対処したってことっすね」
「そういうこと」
「スゲーっす!」
Sランク冒険者でもあるリークさんが呆然とするレベルなんて……チェイサーさんは僕が想像も出来ないくらい、めちゃくちゃ強い人なんだな……
僕がそう思っていたら、テーブルの上に残っているパンや生ハム春巻きを見たチェイサーさんの視線がこちらへ向いた。
「フェリスから聞いてた通り、ケント君の食べ物を食べると疲れが少し取れた感じがするのと、なんていうか……魔力を潤滑に身体全体に回せている気がするわ」
そしてキラリッと目を光らせた後、僕に向かって手を合わせる。
「ケント君! お肌が綺麗になったり髪の毛の艶を増すものがあったら、ぜひお願いね♪」
それを聞いた僕は、先ほどの魔草撃退のお礼も兼ねて、自家製のアセロラジュースをプレゼントした。
この世界にも地球産のアセロラと味も効果も似ているものがあったので、暁ではそれをジュースにして出すことがあるんだけど……
フェリスさん達女性陣にかなり好評だったから、チェイサーさんにも喜ばれると思う。
リークさんも羨ましそうな顔でこちらを見てきたので、同じく瓶に入ったアセロラジュースを腕輪の中から取り出して渡した。
「このジュースは、そのまま飲んでもいいし炭酸やお酒で割っても美味しく飲めますよ」
僕がそう説明すると、二人とも大喜びしてくれたのだった。
食事を終えてから、僕達はまた手がかりとなりそうな『扉』や『道』を探し始めた。
再開してから二時間ほど経った頃、僕達はお目当ての『道』じゃないけど、深層階へと続く『扉』を発見した。
歩いている途中、ココヤがチェイサーさんの手のひらから飛び降りたと思ったら、地面を走って少し先にある竹藪のような場所に向かっていった。
僕達がその後を慌てて追うと、ココヤは木と木の間を上手く走り抜けながら、一本の木の前で立ち止まる。
何をするのかと思えば――ココヤは、その木の前でパタリと倒れた。
まるで気絶をしたように倒れているココヤのもとにたどり着くと、僕はチェイサーさんにどういうことか尋ねたんだけど……
「さぁ?」
チェイサーさんは首を傾げただけ。
「え……? いやいやいや、ココヤのこと、知ってるんじゃないんですか?」
「知らないわよ? ただ『扉』の近くに行って倒れるってことくらいしか分からないわ」
最終的に、それだけ知ってればよくない? とチェイサーさんから言われてしまった。
「まぁ……それもそうですね」
この不思議な光景を気にしつつも、僕は頷いた。
チェイサーさんが地面に倒れるココヤを掴んで手のひらに乗せてから、目の前にある木に手を当てる。
すると、木の表面が波打ち――『扉』が出現した。
チェイサーさんはいったん『扉』の中に入って、深層階へ向かう入口だということを確認してから出てきた。
「中層階でまだ見ていない場所を回ることにしましょう」
確かにここで深層階に行ったとしても、『道』が中層階に残っている可能性もまだある。
中層階を端から端まで歩くには丸二日以上かかるから、時間はかかるかもしれないけど……
地道に捜索しようと三人で話し合って、僕達は次の『扉』を探すために歩き出す。
それから歩き続けること数時間。空が暗くなってきたところで一日目は終了したのだった。
毛玉との出会い
やっぱり魔草には、他のダンジョン以上によく遭遇したんだけど、かなり手強い奴が多くて、リークさん達の手を借りることが多かった。
代わりに、僕でも倒せるくらいのレベルの魔獣だったりした場合は、二人は魔草や魔獣の存在に気付いていても、僕に討伐させるようにしていた。
そもそも、今回僕以外の二人は助っ人として付いてきてもらっているだけだ。
それはつまり、僕のレベルではどうしても倒せないような魔獣や魔草が出た場合に対応してもらうということ。
実際、二人も僕のレベルならなんとか倒せそうな相手であれば、あまり手を出さないようにしていたんだって。
僕としても、一人の冒険者として暁を代表してダンジョンに入っているから、守られるだけの存在としてここにいるわけじゃない。
頑張るぞー! と心の中で決意して、『傀儡師』を起動させた後、僕は少し離れた場所にいる魔草へと走り出す。
今回倒す魔草は、僕の背丈くらいの大きさの木だ。幹の部分はヒョロリとした感じで細く、それと同じくらい細い枝が何本も不揃いに生えている。枝にはタンポポのような形の葉があって、その先には涙のような形状の袋が何個かぶら下がっている。
袋の中には、パチンコ玉くらいの大きさの種が満杯に入ってて、木に衝撃が加えられたり、近くに敵が通ったりすると袋が弾けて中の種が四方八方へと飛び散る仕組みだ。
種が飛び散るだけならば危険はないが、この魔草の種の表面は鋭い刃のようなもので覆われている。しかも、かなりのスピードで飛び出てくるので当たると全身血だらけになる。
種に当たってしまうと、含まれている微量の毒が身体を蝕む。
解毒しなければ血が止まらず失血死してしまい、他の魔草や魔獣を引き寄せることになる厄介な植物だった。
走りながら視線だけを画面に向けて、『魔獣合成』を一緒に起動させた。
これは魔獣や魔草の持つ特殊な力を一時的に自分やアイテムに付与出来るアプリだ。
僕は腕輪の中から魔草『リプサ』の棘を取り出した。
これは砂漠のようなダンジョンに棲息している魔草で、全く水分がないような場所でも育つ。
そしてこの魔草の不思議なところは、とにかく水分に敏感なことだ。少しでも水分を含んだものが近くにあれば、そこから全てを奪い取る勢いで吸い取って自分の中に貯め込む性質がある。
かなり注意しないと、カサカサのミイラにされちゃうから危険だけど、死んでしまえば素手で触っても大丈夫だ。
「『合成』」
取り出した『リプサ』の棘を、剣の刀身部分に当てて合成する。
魔草を相手にする場合、炎系の魔草か魔獣を使えば焼き払うことによって簡単に討伐出来るんだけど、僕が今いる場所は草木が生い茂る地帯だ。
そんなところで炎系の能力を使って魔草を攻撃して、火がもしも周りに飛んだりしたら、辺り一面火の海と化してしまう。その影響を考えて、火ではなく、植物の水分を強奪する能力――植物の天敵の能力を使用しようと考えたのだ。
刀身が、透き通った水色のような色に変化して、ほんの少しだけ剣が重くなる。
グリップ部分を強く握り締めて、十体近くいる魔草のうち仲間と距離が一番離れている一体に向かって突撃していく。
足の速さを上げる魔法薬を使って走り、袋が弾けるよりも早く剣を振る。
「よっ……と!」
下から斜め上に剣を振り上げるようにして切り付けた瞬間、魔草の水分が剣に抜き取られた。
金属を引っ搔いた時のような不快な音を出して、魔草は一瞬で干からびてしまった。
僕の背丈くらいにあったはずが、半分以下の大きさになって萎れている。
仲間の魔草達がザワザワと体を動かして、一カ所に集まり始めた。
僕の身体はいったん魔草達から距離を取ると岩陰に隠れた。
それから腕輪から魔法薬が入った瓶を取り出して、魔草が固まって身を寄せ集めているところに、その瓶をポイッと投げつける。
瓶は弧を描くようにして飛んでいくと、ちょうど魔草が固まっている中央付近に落下――する前に、空中でガチャンッと割れる。
集まっていた魔草の数体が、瓶に反応して一斉に種を放ったからだ。
その後も襲い来る種の攻撃を岩の陰に隠れてやり過ごしながら、魔草達の群れを見る。
瓶の液体がかかった魔草の動きが鈍くなっていた。
瓶の中身は、相手を異常に遅くさせる魔法薬だった。
岩の陰からヒョコリと顔を出して魔草の動きが遅いのを確認してから、魔草に向かって駆け寄って剣を振るっていく。
スパッと魔草を切り伏せて、最後の魔草の体に剣を突き立て終えると――討伐終了。
「ふぃ~っ」
息を吐き出しながら、僕は額の汗を拭った。
『傀儡師』のアプリを終了して、剣を鞘に納める。
「師匠、お疲れ様っす!」
「なかなか面白い戦闘をするのね~。あ、ちなみに……これ、貰っていってもいいかしら?」
離れていた場所で見ていたリークさんとチェイサーさんが、僕の戦いぶりを褒めてくれた。
チェイサーさんがこちらに近寄りながら、地面に干からびて落ちている魔草を摘まんで僕に尋ねる。
どうやらこの魔草は薬の材料になるようで、しかも数日かけて干すという作業をしなくていい分、理想の状態なのだとか……チェイサーさんはとても嬉しそうだ。
その後も魔草を討伐しながらダンジョン内を進む。
あっという間に、周囲が暗くなってきて、本日の捜索は終了となった。
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