親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina

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 という訳で、俺はそれから変わった。今まで見向きもしなかった家業である酒造りをイチから覚え、身体中を果汁まみれにした。

 サボりがちだった数学文学中等院(日本で言う中学ね)にも毎日通うようになり、学校が休みの日は、酒造りを手伝った。

 生まれ変わったように勤勉になった俺を、母親はあの日落馬して頭でも打ったんだとお医者さんに何度も診せに行ったけど、父親と、兄貴は歓迎してくれた。

 いくら顔が良くたって、勉強出来なくて仕事もできなくちゃ、お嫁に行くしかなかったから……そう、俺が生きてるこの世界では、男も嫁に行く。
 
 ついでに妊娠も出来る。俺が勤勉になったのは、最初はただひたすら申し訳ないって気持ちが十割だったけど、そのことを思い出してハッとして、冗談じゃねえやと思ったのが、今は十割だ。

 何故なら、この世界の常識と前世の常識に照らし合わせて見れば、俺は肉屋のマックスにロックオンされてる。マックスは幼馴染で、誰よりもやわらかい雪石を俺に投げ、俺が一生懸命固めたガチガチの雪石に、ワザと当たりに来て俺の「つーかまえた」をやられたがってた奴だからだ。

 さすがに16歳になった今は雪石遊びはやらないけど、用もなくやって来て俺の苦手な力仕事を代わってくれたりするのだ。怖い。今、俺はすげえ怖い。いつマックスに告られるか、「そういう気配」を感じる度ぬるっとかわすのに神経使ってる。あんまり露骨に避けるとマックスが苛立って急に押し倒したりしてくるかもしんないから。男と結婚なんてキモすぎる、まっぴらごめんだ。俺はこの世界で真面目に酒屋をやって、お城や街の皆様を楽しい気分にさせて前世の償いをして一生を過ごすつもりだ……ったんだけど。

 その事件は、宝石商が王冠作り終わったあと血吐いて倒れたって噂の立派な戴冠式が終わった翌日に訪れた。

「ちょっと、ちょっとちょっと! アンタ、ファビアン、アンタ一体何をしたの!」
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