オレンジ

秘密

再会 side桃輝

あのあと地学室に行き、明日の準備をした。

あの女にイライラしながら準備したせいなのかいつもの倍近くかかった。下校チャイムもとっくになってしまった…せっかく部活に顔を出そうと思ったのに！

職員室で印刷も終わらせて、帰りの支度をすませて
「お先に失礼します～」
と職員室を出る。

すると、やはりか。山下先生が続けて
「お先に失礼します～」
と出てきた。

…鬱陶しい。無視するに限る。

が。

「高瀬先生～車ですかあ～？」

ときたもんだ。嫌な予感バリバリ。

「ええ。」

ニッコリ。

「私ぃ～今日、電車なんですよぉ～」

予感的中！

「そうなんですね。では。」

とさりげなく会話を切ろうとしたが。

「高瀬先生～送って下さい～」
と直球だ！しかもいつの間にか後ろにいた佐東先生も
「そうだな。女性１人では危ない。送ってもらいなさい」
ときたもんだ。

イライラ

「そうですね、じゃあ後ろに乗ってください。」
ニッコリ。
きっと助手席とか言い出すに違いないので先回りし、助手席後ろのドアを開けて「どうぞ、山下先生。」ニッコリ。

よし。大人しく乗った。

車内では山下先生が色々話しかけてたが適当に相槌を売った。もう覚えてもいない。

山下先生を家の前で下ろし、「お礼がしたいから上がって下さい」という誘いを丁重に断り、車を発進。曲がり角を曲がったところでスピードアップ！もちろん追いかけられないようにだ。

一時間ほど適当に車を走らせたら腹が減ってきたので近くのファミレスに入った。

いつもなら30分も車を走らせたらすっきりするのに今日はまだイライラしやがる！

ドアをあけながら感情に任せてネクタイをむしりとる。…あーもう！

「いらっしゃ…」

そんなイライラ全開の俺を出迎えたのは…

高橋だった…