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鬼は誰
八
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リスリが少年を見て呟く。私も目を見開いた。彼の下半身が黒くなっていた。
「うん、なんか……さっきから、流れ込んでくるんだ……」
「なにが?」
同じ視線になって聞けば少年は顔を合わせたくないかのように俯いた。じっと考え、それからぽつりと話し始める。
「なんだろう、なんか……黒くて、悲しいものが……」
それって、もしかして。思いながらも言い出せなかった。
「それに声が聞こえてくる。……捕まえろって……それが使命だって……」
突如、リスリが後ずさった。驚いたが彼女は更に尻もちをついて、少年から離れ始める。
「も、も、もしかして、お前、鬼か……?」
少年はリスリの言葉に顔を上げ、目を丸くした。私は、少年の顔をもう覗き込むことは出来なかった。
「うん、なんか……さっきから、流れ込んでくるんだ……」
「なにが?」
同じ視線になって聞けば少年は顔を合わせたくないかのように俯いた。じっと考え、それからぽつりと話し始める。
「なんだろう、なんか……黒くて、悲しいものが……」
それって、もしかして。思いながらも言い出せなかった。
「それに声が聞こえてくる。……捕まえろって……それが使命だって……」
突如、リスリが後ずさった。驚いたが彼女は更に尻もちをついて、少年から離れ始める。
「も、も、もしかして、お前、鬼か……?」
少年はリスリの言葉に顔を上げ、目を丸くした。私は、少年の顔をもう覗き込むことは出来なかった。
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