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0 prologue 私は誰で、ここはどこ?
私の婚約者はセクハラが大好き?
しおりを挟むエルヴィス様が少しだけ肩の高さを変えて、斜めを向くと、メリルが、私のドレスの裾を少しだけ返して、絹の靴を脱がせる。
「え?」
背中と膝の高さが同じくらいになるよう横抱きだったのを、上半身を少し起こして、エルヴィス様が顎をしゃくると、メリルと年嵩の侍女が、ドレスの背中のくるみボタンを外していく。
「え? ええ?」
ここで、エルヴィス様の侍従が、目をそらし、壁に額をつけるような姿勢になる。
「え? ええ?と? あの……エルヴィス様?」
「君のドレスを脱がせるのは、初めてだね」
「いえ、あの! 侍女がいますから、わざわざお手を煩わせなくても大丈夫ですから……」
これは、どーゆーシチュエーションなの? 罰ゲーム? 冗談なの?
「煩わせるだなんて、心外だなぁ、とても楽しくさせていただいてるよ?」
開いた背中に手を添え直し、そっとベッドの掛けカバーの上に寝そべるようにおろされる。
やっとおろしてくれたのはいいのだけれど、この状況は……
添えられた手が背を支えて少しだけ私の身を浮かし、膝裏を支えていた腕がドレスを鷲掴みにし、
「リナ。リィナリッテ……赤く染まった肌も綺麗だね。それにとてもいい匂いだ……」
本日三度目の、首筋へのキスと共に囁かれ、一気にドレスが引き剥がされた。
「えっ、るっ! っうヴィス……様!」
ギュッと目を瞑り、これから何かをされるのかよくわからなくて、震えながら耐える。
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