金になるなら何でも売ってやるー元公爵令嬢、娼婦になって復讐しますー

だんだん

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リリスとしての仕事 第一王子との再会

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王都は相変わらず浮かれた雰囲気で、一月後にまた戦争が始まるというのに緊張感が無い。



勇者が何とかしてくれるとでも思っているのだろうか。呑気なことだなと思う。



私と第二王子のの見立てでは勇者は殆んど役に立たない。



いくら潜在能力が高いにせよ、一ヶ月で実戦経験を積ませるところまで行くことは難しいからだ。



しかし、だからといって殺されてしまえば軍全体の士気に大きく関わるだろう。神から授けられた力が無くなれば、王国軍の戦意が失われそのまま崩壊ということもあり得る。



第一王子には是非とも勇者が死なないように立ち回って貰いたい。そんなことを考えていると、







「リリス!!」







いつもの部屋で待っていると息を切らせた第一王子が入ってきて、がばっと抱きついてくる。







「....クロウ様。」







名前を呼んでそっと腕を回す。

以前よりも骨張った身体に、何故だかぎゅっと胸の辺りが苦しくなった。



去年よりも深くなった皺に、疲労を感じさせる目の下の隈をそっと撫でた。



別に愛おしい男という訳ではないのだが、それでもこうして会うと大事な恋人のように思えてくるのは、リリスとしての演技なのか、長年の付き合いの上の情なのか、自分でももう分からない。



お父様の死にこの人が関わっているのは確実だ。私は復讐のために生きてきたのだ。









「会いたかった !リリス。」







そのまま柔らかく唇を重ねられる。



スルリ、と服の滑る音がしてどちらともなく身体を重ねた。温かい肌に触れ、安心する。

首筋に息が掛かり、身体が跳ねた。少し、お酒の匂いがする。





「クロウ様、お風呂は?」



「お前が入って欲しいのなら、今入るよ。」





歳を重ねて更にお父様に似た彼に優しく髪の毛を撫でられ、子どもの頃に戻ったような心地になる。頭に添えられた手に、そのまま頬ずりしてサービスだからと心の中で独りごち、キスを落とした。





「久し振りですから、一緒に入りたいです。」





仕事として切り替えるためにそう言った。



彼は少し残念そうにするも、すぐに気を取り直したように私に向き直った。

首の後ろに手を回すように言われ、言うことを聞くとそのままお姫様抱っこで運ばれる。





「ひゃんっ?!クロウ様っ!」





驚いて思わず変な声が出た。

彼が私をこのように持ち上げることなど殆んど無かった。







「軽いな。前より痩せたか?しっかり食べているか?」







心配そうに顔を覗かれ、そのまま額に口付けを落とされる。







「ちゃんと食べてますよ。クロウ様の方こそ、痩せたのではないですか?」



「まあ、少し忙しくてな。」





バスルームまで運ばれ、そっと下ろされる。



いつものように一緒にお湯に浸かれば、以前より痩せた身体にどうしたって目が行く。



前からとても筋肉質とは言えない身体付きだったが、かなり貧相だ。

暫くいつものようにイチャイチャする。

歳を取ってお父様に似てきた彼と至近距離で接するのはどうにも辛いところがあるが、これも仕事だと頭を切り替えた。





「出ましょうか。」





柔らかいタオルで彼の身体を拭き、第一王子の手を引いてベッドに向かう。

そっと優しく押し倒され、見つめられる。



熱っぽい視線に応えるように唇を重ねた。



にゅるり、と侵入してくる舌を受け入れて骨の目立つようになった肩に手を回す。



こうしてキスをしていても以前ほど立たなくなった鳥肌に自分の変化を感じる。



昔はこの人のこと、大嫌いだったっけ。



嫌がらせで無茶な要求をするくらいには嫌いだった。



けれど今はどうだろう。

そこまでの嫌悪感はもう無い。初めて会ったあの日からかなりの時間が経過していた。







「リリス....っ」







我慢できないとでも言うように、しかし勢い任せではなく大事なものに触れるかのようにそっと身体に触れられる。



そのくすぐったいような感覚にぴくっと身体が思わず跳ねる。

胸の頂を優しく食まれ、思わず声が漏れた。



じわり、と私の下からにじみ出るものを感じて、早く欲しいです、と掠れた声で伝える。



嬉しそうな顔をした第一王子にもう一度口付けをせがまれて瞳を閉じた。

優しく重なる唇に、吐息が漏れる。



傷付けないように気を遣ってくれているのか、下腹部をそっと撫でられる。



大丈夫そうだ、と頷く彼を急かすように首に抱きつく。





グイッと入ってくる感覚に、顔を歪める。



何人としようがこの感覚には慣れる気がしなかった。



それでも痛くないように気を遣ってくれてるのが分かって少し嬉しくなる。好きではない相手であろうと気遣ってくれるのは嬉しいものだ。



挿入しきった後も、暫く身体を付けたままお互い深く口付け馴染むのを待った。



ゆっくりと動き初めたそれに、鼻に掛かったような矯声が漏れる。



背中からぞくぞくと上がってくるような快感に飲み込まれて思考が纏まらなくなる。



水音と自分の声と彼の荒い息遣いだけが室内に響き、動きが早くなるにつれ卑猥な温度になっていく屋内の空気に汗が吹き出した。





「出すぞ。」





彼の汗が私の胸の辺りに垂れて、ツーと落ちていく。



頷くとシーツをぎゅっと握り、更に早くなっていく彼の腰の動きに翻弄されながら互いに果てた。





そして彼の温もりを感じながら私は瞳を閉じたのだった。



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