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第1章
密談(適当)しました
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ミリアさん達は、例に漏れず謁見の間に案内されていました。
今日は長旅で疲れているだろうということで、すぐにその間での話は終わました。
謁見の間は確かに豪華なのですが……魔王城の謁見の間と比べると、それほどではありません。
なので、ミリアさんもアカネさんも、特に謁見の間の風景について興味を持っていませんでした。
ちょっと悔しそうな王様の顔が面白くて、笑いを堪えるのに必死でした。
その後、お二人が休めるよう客用の部屋に用意され、夕方までの自由時間を確保することに成功。ナイス私。
表向きは案内役、本当は監視役という立ち位置である私は、二人の部屋に残っていました。
何かあれば、すぐに扉の外で待機している兵士に連絡をする。という手筈です。
……まぁ、そんなことしませんけどね。
『ウンディーネ、魔法で音を遮断してください』
『任せて……!』
部屋全体を包み込む魔力の反応。
ですが、極めて反応が薄く、城内にいる宮廷魔導師程度では察知出来ないでしょう。
とにかく、これで外に音が漏れなくなりました。
……さて、待ちに待った自由時間です。
「もういいのだな?」
「はい、もう自由に喋ってもらって大丈夫ですよ」
そう言った瞬間に、ミリアさんはふかふかのソファに小さな体を沈み込ませました。
だらしない格好ですが、この人なりに気を張っていたのでしょう。
…………本音を言えば、とてもそうには見えませんでしたけどね。
「改めて、会えて良かったぞ、リーフィア」
「はい、相変わらずお元気なようで、安心しました。アカネさんも、長旅お疲れ様です」
「なぁに、これくらいは慣れておるわ。じゃがまぁ……こんなことは初めてじゃったからなぁ、少し変に疲れてしまったわ」
──胸のせいかのう? と、アカネさんは肩が凝ったようにマッサージをします。
「開幕からツッコミづらいボケかましてくるの、やめていただけますか?」
アカネさんの胸は、虚しいほどの絶壁です。
肩が凝るなんてあり得ないことです。
「はっはっはっ悪い悪い。これが妾の持ちネタ? で良かったかのう? まぁ、それなのじゃよ」
どうじゃ? 面白いじゃろう?
そう言いたげな顔です。
「絶対に虚しくなるだけだと思うので、その持ちネタはお勧めしません」
「む、そうなのか……ディアスは絶対に受けると言っておったのじゃがなぁ……」
あの人、仲間になんてことを教えているのですか。
というか持ちネタという言葉を知っていたの──ああ、そういえばあの人も勇者でしたね。
今更わかりましたが、あの人も召喚された元同郷なのでしょうか?
持ちネタという言葉を知っているのなら、そうなのかもしれません。
私がちょっとしたカタカナを言っても、何となく意味が伝わっている理由がわかりました。きっと、ディアスさんが広めたのでしょう。
でも、気にはなりますが、今はどうでもいいことです。
「おそらく、面白がっているのはディアスさんだけかと」
「うむ、余もそれ面白くないと思っていたぞ」
「なん……じゃと?」
ガクッと地面に項垂れるアカネさん。
ディアスさんに騙されていたことよりも、ミリアさんに面白くないと言われたことにショックを感じているようですね。
その気持ちわかります。痛いくらいわかります。
「まぁ、そんなことはどうでもいいです」
「そんなこと!?」
絶望したような顔をこちらに向けないでください。
反応に困ります。
「……とにかく、近況の報告を致します」
「ああ、よろしく頼む」
細かい報告は、魔王城に帰ってからする予定です。
今は簡単な近況報告。
女子同士が久しぶりに会って、「最近どうだったー?」と話し合うくらいの軽いノリで、報告を済ませます。
内容は勇者と国王についてです。
説明を終えた辺りで、アカネさんは頭痛を感じたのか、顔を歪めながら額に手を当てていました。
ミリアさんは……途中から飽きたのか、スヤスヤと眠っていました。面倒なので起こしません。
アカネさんが聞いていれば、とりあえずは問題ないでしょうからね。
「──とまぁ、簡単な報告は以上になります」
「色々と質問したいことはあるが……とにかくご苦労様じゃ。……はぁ、本当に面倒なことをしてくれたのぉ、ここの国王は」
溜め息混じりにそう言い、アカネさんは残っていたティーカップの中身を飲み干します。
「前の国王は、意外と頭のキレる奴でな。妾達も苦戦したものじゃ。最近……と言っても十年くらいか。そこからは全然名前を聞かなくなったと思ったら、まさか世代交代していたとは」
「しかも、その国王がどうしようもない人ですからね。アカネさんがそうなるのも、頷けます」
「……初対面のリーフィアに求婚。魔王に招待状を送る。警戒心丸出しで友好を築くつもりのない雰囲気。どれもこれも、何を考えているのかわからんな」
「おそらく、何か仕掛けてくるとしたら──」
「ああ、間違いなく、食事時じゃろう」
私達の考えは同じようです。
やはり、アカネさんを相手にすると安心して話し合うことが出来ますね。
……え、ミリアさんですか?
どうせ参加していたって何もわかりませんよ。
「ほぼ間違いなく、毒が入っているでしょうね」
「お主、毒耐性は?」
「10です」
「…………お主には、規格外という言葉がお似合いじゃな。普通、毒耐性程度はそこまで上げぬ」
「そうなのですか? 生きている上で絶対はないので、用心のためですよ。それで、アカネさんは?」
「妾は6じゃな。ある程度の毒ならば、無効化出来る」
6くらいならば、弱い毒は無効化。強い毒は気分が悪くなる程度に抑え、即死級の劇毒は若干の猶予がある。
……そんな感じですかね。
「まぁ、何かあれば、私の回復魔法でどうにかします」
「ちなみに回復魔法は?」
「勿論、10です」
「…………」
あれ、アカネさんに呆れられました。何ででしょう?
「……うむ、まぁわかった。食事中に関しては、リーフィアを信じるとしよう」
「ええ、お任せください。アカネさんは怪しまれないよう……毒があるとわかって食べるのも精神的に嫌でしょうけど、我慢して食べてください」
「それくらいは慣れておる。構わん。……じゃが、本当に厳しくなった時は、回復を頼む。ミリアは……別に教えなくていいな」
「ええ、この人には、いつも通りの自然体で居てもらった方が、こちらも動きやすいでしょう」
私とアカネさんは、何かがあるとわかっていいても、いつも通りを演じることが出来ます。
ですがミリアさんは、警戒し過ぎて逆に警戒されてしまいそうです。
だったらちょうど眠っている訳ですし、このまま何も知らないで行動していただきましょう。
私が頑張った近況報告を、途中で眠った罰だと思ってください。
今日は長旅で疲れているだろうということで、すぐにその間での話は終わました。
謁見の間は確かに豪華なのですが……魔王城の謁見の間と比べると、それほどではありません。
なので、ミリアさんもアカネさんも、特に謁見の間の風景について興味を持っていませんでした。
ちょっと悔しそうな王様の顔が面白くて、笑いを堪えるのに必死でした。
その後、お二人が休めるよう客用の部屋に用意され、夕方までの自由時間を確保することに成功。ナイス私。
表向きは案内役、本当は監視役という立ち位置である私は、二人の部屋に残っていました。
何かあれば、すぐに扉の外で待機している兵士に連絡をする。という手筈です。
……まぁ、そんなことしませんけどね。
『ウンディーネ、魔法で音を遮断してください』
『任せて……!』
部屋全体を包み込む魔力の反応。
ですが、極めて反応が薄く、城内にいる宮廷魔導師程度では察知出来ないでしょう。
とにかく、これで外に音が漏れなくなりました。
……さて、待ちに待った自由時間です。
「もういいのだな?」
「はい、もう自由に喋ってもらって大丈夫ですよ」
そう言った瞬間に、ミリアさんはふかふかのソファに小さな体を沈み込ませました。
だらしない格好ですが、この人なりに気を張っていたのでしょう。
…………本音を言えば、とてもそうには見えませんでしたけどね。
「改めて、会えて良かったぞ、リーフィア」
「はい、相変わらずお元気なようで、安心しました。アカネさんも、長旅お疲れ様です」
「なぁに、これくらいは慣れておるわ。じゃがまぁ……こんなことは初めてじゃったからなぁ、少し変に疲れてしまったわ」
──胸のせいかのう? と、アカネさんは肩が凝ったようにマッサージをします。
「開幕からツッコミづらいボケかましてくるの、やめていただけますか?」
アカネさんの胸は、虚しいほどの絶壁です。
肩が凝るなんてあり得ないことです。
「はっはっはっ悪い悪い。これが妾の持ちネタ? で良かったかのう? まぁ、それなのじゃよ」
どうじゃ? 面白いじゃろう?
そう言いたげな顔です。
「絶対に虚しくなるだけだと思うので、その持ちネタはお勧めしません」
「む、そうなのか……ディアスは絶対に受けると言っておったのじゃがなぁ……」
あの人、仲間になんてことを教えているのですか。
というか持ちネタという言葉を知っていたの──ああ、そういえばあの人も勇者でしたね。
今更わかりましたが、あの人も召喚された元同郷なのでしょうか?
持ちネタという言葉を知っているのなら、そうなのかもしれません。
私がちょっとしたカタカナを言っても、何となく意味が伝わっている理由がわかりました。きっと、ディアスさんが広めたのでしょう。
でも、気にはなりますが、今はどうでもいいことです。
「おそらく、面白がっているのはディアスさんだけかと」
「うむ、余もそれ面白くないと思っていたぞ」
「なん……じゃと?」
ガクッと地面に項垂れるアカネさん。
ディアスさんに騙されていたことよりも、ミリアさんに面白くないと言われたことにショックを感じているようですね。
その気持ちわかります。痛いくらいわかります。
「まぁ、そんなことはどうでもいいです」
「そんなこと!?」
絶望したような顔をこちらに向けないでください。
反応に困ります。
「……とにかく、近況の報告を致します」
「ああ、よろしく頼む」
細かい報告は、魔王城に帰ってからする予定です。
今は簡単な近況報告。
女子同士が久しぶりに会って、「最近どうだったー?」と話し合うくらいの軽いノリで、報告を済ませます。
内容は勇者と国王についてです。
説明を終えた辺りで、アカネさんは頭痛を感じたのか、顔を歪めながら額に手を当てていました。
ミリアさんは……途中から飽きたのか、スヤスヤと眠っていました。面倒なので起こしません。
アカネさんが聞いていれば、とりあえずは問題ないでしょうからね。
「──とまぁ、簡単な報告は以上になります」
「色々と質問したいことはあるが……とにかくご苦労様じゃ。……はぁ、本当に面倒なことをしてくれたのぉ、ここの国王は」
溜め息混じりにそう言い、アカネさんは残っていたティーカップの中身を飲み干します。
「前の国王は、意外と頭のキレる奴でな。妾達も苦戦したものじゃ。最近……と言っても十年くらいか。そこからは全然名前を聞かなくなったと思ったら、まさか世代交代していたとは」
「しかも、その国王がどうしようもない人ですからね。アカネさんがそうなるのも、頷けます」
「……初対面のリーフィアに求婚。魔王に招待状を送る。警戒心丸出しで友好を築くつもりのない雰囲気。どれもこれも、何を考えているのかわからんな」
「おそらく、何か仕掛けてくるとしたら──」
「ああ、間違いなく、食事時じゃろう」
私達の考えは同じようです。
やはり、アカネさんを相手にすると安心して話し合うことが出来ますね。
……え、ミリアさんですか?
どうせ参加していたって何もわかりませんよ。
「ほぼ間違いなく、毒が入っているでしょうね」
「お主、毒耐性は?」
「10です」
「…………お主には、規格外という言葉がお似合いじゃな。普通、毒耐性程度はそこまで上げぬ」
「そうなのですか? 生きている上で絶対はないので、用心のためですよ。それで、アカネさんは?」
「妾は6じゃな。ある程度の毒ならば、無効化出来る」
6くらいならば、弱い毒は無効化。強い毒は気分が悪くなる程度に抑え、即死級の劇毒は若干の猶予がある。
……そんな感じですかね。
「まぁ、何かあれば、私の回復魔法でどうにかします」
「ちなみに回復魔法は?」
「勿論、10です」
「…………」
あれ、アカネさんに呆れられました。何ででしょう?
「……うむ、まぁわかった。食事中に関しては、リーフィアを信じるとしよう」
「ええ、お任せください。アカネさんは怪しまれないよう……毒があるとわかって食べるのも精神的に嫌でしょうけど、我慢して食べてください」
「それくらいは慣れておる。構わん。……じゃが、本当に厳しくなった時は、回復を頼む。ミリアは……別に教えなくていいな」
「ええ、この人には、いつも通りの自然体で居てもらった方が、こちらも動きやすいでしょう」
私とアカネさんは、何かがあるとわかっていいても、いつも通りを演じることが出来ます。
ですがミリアさんは、警戒し過ぎて逆に警戒されてしまいそうです。
だったらちょうど眠っている訳ですし、このまま何も知らないで行動していただきましょう。
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