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第十一章
揺れる日常
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翌日。
店はいつもと変わらず賑やかで、商店街の常連たちは、朝から霧弥と龍二の軽口を楽しそうに眺めていた。
「赤城さん、昨日も仲良かったじゃん!」
「な、なんだよ、うるせぇ!」
霧弥は照れ隠しのように頭をかき、龍二は耳まで真っ赤になる。その様子がまた、客たちの笑いを誘った。
けれど昼過ぎ、霧弥はふと店の外で足を止める。
街角で見かけた二人組の女性が、龍二に気軽に声をかけているのが目に入ったのだ。
――やっぱり……気になるのか?
胸の奥が落ち着かず、鼓動がひとつ跳ねる。
ずっと感情を抑えることに慣れていたはずなのに、今はどうしようもなく揺れている自分がいた。
その夜。
店を閉めたあと、霧弥は深いため息をつき、思い切って龍二に訊ねた。「……お前さ、誰かに触れられたりしたら、どう思う?」
龍二は一瞬だけ目を見開き、少し考えてから、ゆっくりと言葉を選ぶように答えた。
「……嫌だな」
「嫌?」
「うん。霧弥が誰かと触れ合ってるところなんて、見たくない」
まっすぐに向けられた視線は、揺れも迷いもない。
その言葉に胸を打たれ、霧弥は思わず俯いた。
けれど心のどこかで、ひそやかに温かいものが広がっていく。
沈黙の中、ふたりはそっと肩を寄せる。
触れたところから、互いの存在が確かに伝わる。
恋だと呼ぶにはまだ早いかもしれない。
それでも、まだ名前のない感情が、たしかにここに芽生えていた。
店はいつもと変わらず賑やかで、商店街の常連たちは、朝から霧弥と龍二の軽口を楽しそうに眺めていた。
「赤城さん、昨日も仲良かったじゃん!」
「な、なんだよ、うるせぇ!」
霧弥は照れ隠しのように頭をかき、龍二は耳まで真っ赤になる。その様子がまた、客たちの笑いを誘った。
けれど昼過ぎ、霧弥はふと店の外で足を止める。
街角で見かけた二人組の女性が、龍二に気軽に声をかけているのが目に入ったのだ。
――やっぱり……気になるのか?
胸の奥が落ち着かず、鼓動がひとつ跳ねる。
ずっと感情を抑えることに慣れていたはずなのに、今はどうしようもなく揺れている自分がいた。
その夜。
店を閉めたあと、霧弥は深いため息をつき、思い切って龍二に訊ねた。「……お前さ、誰かに触れられたりしたら、どう思う?」
龍二は一瞬だけ目を見開き、少し考えてから、ゆっくりと言葉を選ぶように答えた。
「……嫌だな」
「嫌?」
「うん。霧弥が誰かと触れ合ってるところなんて、見たくない」
まっすぐに向けられた視線は、揺れも迷いもない。
その言葉に胸を打たれ、霧弥は思わず俯いた。
けれど心のどこかで、ひそやかに温かいものが広がっていく。
沈黙の中、ふたりはそっと肩を寄せる。
触れたところから、互いの存在が確かに伝わる。
恋だと呼ぶにはまだ早いかもしれない。
それでも、まだ名前のない感情が、たしかにここに芽生えていた。
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