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第4話 恋のABC
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「やったのか」
「やってません」
夜だというのに俺は今、校長室に来ている。
警察に連れていかれた俺を引き取りに来てくれたのは校長だった。
「一つ屋根の下で二人きりで何もないってそんなわけあるか!」
「あんたがさせてるんでしょーが!!」
まだ数日しか経っていないのに俺はカレンの世話でボロボロだ。
「じゃあなぜ警察がくるんじゃ?君が裸でカレンの部屋にいたと言っておったぞ!」
「あー、もうめんどくさいあれはですね!…」
かくかくしかじか事情を説明した。
「ふむ、事情は分かった。君はやはり私が見込んだ通りの、いやそれ以上の逸材のようじゃな。あのカレンと数日間一緒に暮らしても何もないとは…貴様まさかインポなのか?」
「うっさいわ!毎日ギンギンじゃい!」
カレンは見た目は超がつくほどかわいい。
しかし口を開けばセックスのことばかり。
こんなことなら一億円放棄してカレンと…
「あ、校長。もしカレンの処女が守れなかったらどうなるんですか?」
「うん、退学にさせて太平洋に捨てる。」
…え!?
「いやいやペナルティきつすぎやしませんかね!?てか退学意味なくね!?」
「じゃあ今退学になるかね?」
俺は寮に戻ってきた。
くそ、大人って汚い生き物だ。
ぐったりする俺をカレンが出迎えてくれた。
「あ、おかえり快斗。なにか悪いことしたの?」
「あなたのせいですが…」
しかし夜這いの連中もいっぱいいるとか聞くし、これから先どうすればいいんだ…
部屋に戻ってウトウトしていると誰かが侵入してくる気配がした。
「快斗、一緒に寝よう?」
寝間着姿のカレンが部屋に入ってきた。
「だ、ダメダメダメ!男と女は一緒に寝ちゃダメなの!てか急にどしたの!?」
「ママから送られてきた動画、この人男の人と一緒に寝てるよ。」
動画?
俺は動画を開いた瞬間爆音で響く喘ぎ声に慌てて、思わずカレンの耳をふさいだ。
「これAVですよね!?なんでこんなのお母さんが送ってくるの!?」
「ママから、参考資料だって。頑張れって。」
なんちゅうおかんだ…校長のいう以上のビッチなのか?そうなのか?
「とにかく一緒には寝ないぞ。もう疲れたから部屋に帰れ。」
俺は布団にもぐりこんで背を向けた。
なにかゴソゴソしていると思った瞬間、俺の背中に柔らかいものが密着していた。
「こ、これは…!?」
これは後ろから抱きしめられて胸が背中に当たって男がドキッとなるやつー!!
俺の心臓は口から飛び出そうだ。
俺が最後の理性で振り払おうとしたがさらに強く俺を抱きしめてきた。
「カ、カレン…?」
「今日変な人が部屋にきた。怖いから一緒がいい…」
そ、そうか。今日変な奴らが部屋に来たせいでカレンは怖いんだ。
というか普通は誰だって怖いよ。
そうだよな、カレンも普通の15歳の女の子なんだ…
今日は一緒にいてやるか。
「ねえ快斗」
「どうした?」
「セックスするでしょ?」
「だからしませんって!!」
カレンの胸の感触が気持ちよすぎてムスコが大暴れな現状でも手を出す勇気が出ない俺って、やっぱりくそ童貞野郎なのかな…。
一億円か退学か死か…もうどれでもいいから楽になりたいという気持ちを抑えるのに必死だった。
「ねえ快斗」
「だからしないって!」
「チューは?」
「!?」
恋のABCというが、校長から出された指令はあくまでカレンのCを阻止すること。
じゃあAは?てかこの状況もはやBに近いし…
「ねえ快斗、チューしよ?」
多分振り向いたら負けだ…
俺はカレンの唇に吸い込まれてしまうだろう。
ゴクリと唾を飲んだあと静寂が辺りを包む。
ピリリリ
俺の電話が鳴った。
「カレン、ちょっとごめん!」
この電話は天の助けだ。そう思って急いで電話に出るとついさっきも聞いた渋い声が俺に語り掛けてくる。
「はいアウト―。快斗くん、早速部屋に連れ込むなんてスケベですなぁ。」
校長だ…
「え、校長どっかから見てんすか!?」
部屋を見渡したがカメラのようなものは見当たらない。
「それはひ・み・つ。そうそう言い忘れてたけどチューもダメだよ。」
「あんた絶対盗聴してるだろ!」
ああ、俺の童貞根性よ今だけはそれを褒めてやりたい。
欲に負けてたら俺は今ごろ…
「ねえ快斗、チューは?」
「電話中だからちょっと待っててね!いや待ってもらってもしないけど!」
俺の袖を引っ張るカレンが離れないので、急いで校長の電話を切って座り込むと、校長からすぐにメールが来た。
『カレンに免じて特別に添い寝は許してあげる。あの子は寂しがり屋さんだからね』
それって生殺しなんですけど…
「ねえ快斗…」
「チューもだめ!でも一緒に寝るのは良いんだって…。ほら、寝るぞ。」
残念そうな顔をした後、少し笑って俺の布団にもぐりこんできたカレンからはとてもいい香りがする。
すぐに彼女は寝息をたてながら眠りについた。
俺は彼女が寝た後でトイレで一人慰めた…。
カレンの朝は早い。
早朝から何か忙しそうにしている。
そして朝ご飯を作ってくれたあと俺を起こしに戻ってくる。
「おはよう快斗。今日はごはんにした。」
広間に並べられた朝食は、旅館の朝ご飯のように整っていた。
「うまそう…これ全部一人で作ったの?」
「うん、快斗おいしいご飯作ると喜んでくれるから。」
にっこりと笑うカレンを見て俺は切に願う。この子を是非お嫁にください…
でもそうなったらあの校長がついてくるのか。それは嫌だな…
朝食は死ぬほど美味かった。たまご焼きなんて店の味みたいだった。
「ごちそうさま。」
食器を片付けて洗い物をするのは俺の仕事だ。
なんか同棲生活が板についてきたなと、台所でふと思った。
登校中は他の生徒の視線を集めながらも手を離さない。
迷子になるというよりはすぐに拉致しにくる連中がうじゃうじゃいるのだ。
通学路すら俺にとっては戦場だ。
「ふぅ…とりあえず休み時間も他の人についていくなよ。」
「うん、わかった。」
そういって学校で別れてから教室に向かう。
「朝からラブラブしてんなー。さっさとやっちゃえばいいのに。お前の童貞もここまできたら病気だな。ほんとになんもないのか?」
嬉しそうに純也がからかってきたせいで、俺は昨日のカレンの胸の感触を思い出してしまった。
「う、うるさいなぁ。なんもねーよ。案外あいつ手間がかかるからそれどころじゃねぇし…」
そんな話をしながら昼休みまでは校内放送もなく平和だった。
昼休み、購買にパンを買いに行こうとした時、カレンが男に言い寄られているのを見かけた。
あいつ、ついていくなって言ったのに…
「ねぇカレンちゃん、エッチなこと興味ないかい?」
「エッチ?セックスのこと?あるよ。」
「ちょっとまったー!」
昨日とほとんどデジャブだな…
男を無理やり追い返してカレンに説教した。
「ついていくなって言っただろ!」
「ついていってない。これ。」
カレンが渡してきたのはラブレターだった。
『昼休みに中庭で待ってます。』
「う、確かについていってはいないけど…手紙にも従ったらダメ!」
「手紙もダメ?うんわかった。」
はぁ…ほんとわざとやってんのかと思うくらいの天然だな…。
「ねえ快斗」
「なんだ」
「なんで快斗は私とセックスしたくないの?」
「え!?」
俺は回答に困った。課題の件は俺と校長の秘密だし、大体お金目当てでカレンの青春の邪魔をしているなどと言えるわけもない。まぁ今は命がけともいえるのだが…
「えーとだな、その、大事な人とはセックスは簡単にしないんだ。」
「大事?快斗は私の事大事なの?」
キラキラとした瞳で見上げてくるこの純粋な少女に嘘をついていることが苦しい。
でもまぁ、誰とでもヤリまくる校風がいいとは思わないので、そこだけはしっかりと教育しておいてやらないと。
「だ、大事だよ。それにセックスってのはよく考えてからするもんだ。わかった?」
「よく考えて…うん、わかった。」
ようやく伝わったと安堵していると、隣でカレンが唸っている。
何か考え事でもあるのか?
しばらくしてまたカレンが口を開いた。
「ねえ快斗」
「今度はなんだよ」
「私を犯して」
「言い方変えてもダメ!!」
考えるの意味が違うんですが…
うっかり昼食を食べ損なってしまった俺は空腹のまま午後の授業を終えた。
「2年B組 桜庭君。至急校長室に来るように。繰り返す…」
放課後の校内放送で俺は校長に呼ばれた。
「お、パパからの呼び出しか?家族ぐるみとは案外おさえてんじゃねーか。」
純也が冷やかしてくる。
「あの校長をパパだなんて呼ぶ日が来たら人生終わりだよ…」
俺はよからぬことが起こるのではと予感しながら校長室へ向かった。
そして予感は見事的中、というかそれ以上にひどいことが待っていた。
「やってません」
夜だというのに俺は今、校長室に来ている。
警察に連れていかれた俺を引き取りに来てくれたのは校長だった。
「一つ屋根の下で二人きりで何もないってそんなわけあるか!」
「あんたがさせてるんでしょーが!!」
まだ数日しか経っていないのに俺はカレンの世話でボロボロだ。
「じゃあなぜ警察がくるんじゃ?君が裸でカレンの部屋にいたと言っておったぞ!」
「あー、もうめんどくさいあれはですね!…」
かくかくしかじか事情を説明した。
「ふむ、事情は分かった。君はやはり私が見込んだ通りの、いやそれ以上の逸材のようじゃな。あのカレンと数日間一緒に暮らしても何もないとは…貴様まさかインポなのか?」
「うっさいわ!毎日ギンギンじゃい!」
カレンは見た目は超がつくほどかわいい。
しかし口を開けばセックスのことばかり。
こんなことなら一億円放棄してカレンと…
「あ、校長。もしカレンの処女が守れなかったらどうなるんですか?」
「うん、退学にさせて太平洋に捨てる。」
…え!?
「いやいやペナルティきつすぎやしませんかね!?てか退学意味なくね!?」
「じゃあ今退学になるかね?」
俺は寮に戻ってきた。
くそ、大人って汚い生き物だ。
ぐったりする俺をカレンが出迎えてくれた。
「あ、おかえり快斗。なにか悪いことしたの?」
「あなたのせいですが…」
しかし夜這いの連中もいっぱいいるとか聞くし、これから先どうすればいいんだ…
部屋に戻ってウトウトしていると誰かが侵入してくる気配がした。
「快斗、一緒に寝よう?」
寝間着姿のカレンが部屋に入ってきた。
「だ、ダメダメダメ!男と女は一緒に寝ちゃダメなの!てか急にどしたの!?」
「ママから送られてきた動画、この人男の人と一緒に寝てるよ。」
動画?
俺は動画を開いた瞬間爆音で響く喘ぎ声に慌てて、思わずカレンの耳をふさいだ。
「これAVですよね!?なんでこんなのお母さんが送ってくるの!?」
「ママから、参考資料だって。頑張れって。」
なんちゅうおかんだ…校長のいう以上のビッチなのか?そうなのか?
「とにかく一緒には寝ないぞ。もう疲れたから部屋に帰れ。」
俺は布団にもぐりこんで背を向けた。
なにかゴソゴソしていると思った瞬間、俺の背中に柔らかいものが密着していた。
「こ、これは…!?」
これは後ろから抱きしめられて胸が背中に当たって男がドキッとなるやつー!!
俺の心臓は口から飛び出そうだ。
俺が最後の理性で振り払おうとしたがさらに強く俺を抱きしめてきた。
「カ、カレン…?」
「今日変な人が部屋にきた。怖いから一緒がいい…」
そ、そうか。今日変な奴らが部屋に来たせいでカレンは怖いんだ。
というか普通は誰だって怖いよ。
そうだよな、カレンも普通の15歳の女の子なんだ…
今日は一緒にいてやるか。
「ねえ快斗」
「どうした?」
「セックスするでしょ?」
「だからしませんって!!」
カレンの胸の感触が気持ちよすぎてムスコが大暴れな現状でも手を出す勇気が出ない俺って、やっぱりくそ童貞野郎なのかな…。
一億円か退学か死か…もうどれでもいいから楽になりたいという気持ちを抑えるのに必死だった。
「ねえ快斗」
「だからしないって!」
「チューは?」
「!?」
恋のABCというが、校長から出された指令はあくまでカレンのCを阻止すること。
じゃあAは?てかこの状況もはやBに近いし…
「ねえ快斗、チューしよ?」
多分振り向いたら負けだ…
俺はカレンの唇に吸い込まれてしまうだろう。
ゴクリと唾を飲んだあと静寂が辺りを包む。
ピリリリ
俺の電話が鳴った。
「カレン、ちょっとごめん!」
この電話は天の助けだ。そう思って急いで電話に出るとついさっきも聞いた渋い声が俺に語り掛けてくる。
「はいアウト―。快斗くん、早速部屋に連れ込むなんてスケベですなぁ。」
校長だ…
「え、校長どっかから見てんすか!?」
部屋を見渡したがカメラのようなものは見当たらない。
「それはひ・み・つ。そうそう言い忘れてたけどチューもダメだよ。」
「あんた絶対盗聴してるだろ!」
ああ、俺の童貞根性よ今だけはそれを褒めてやりたい。
欲に負けてたら俺は今ごろ…
「ねえ快斗、チューは?」
「電話中だからちょっと待っててね!いや待ってもらってもしないけど!」
俺の袖を引っ張るカレンが離れないので、急いで校長の電話を切って座り込むと、校長からすぐにメールが来た。
『カレンに免じて特別に添い寝は許してあげる。あの子は寂しがり屋さんだからね』
それって生殺しなんですけど…
「ねえ快斗…」
「チューもだめ!でも一緒に寝るのは良いんだって…。ほら、寝るぞ。」
残念そうな顔をした後、少し笑って俺の布団にもぐりこんできたカレンからはとてもいい香りがする。
すぐに彼女は寝息をたてながら眠りについた。
俺は彼女が寝た後でトイレで一人慰めた…。
カレンの朝は早い。
早朝から何か忙しそうにしている。
そして朝ご飯を作ってくれたあと俺を起こしに戻ってくる。
「おはよう快斗。今日はごはんにした。」
広間に並べられた朝食は、旅館の朝ご飯のように整っていた。
「うまそう…これ全部一人で作ったの?」
「うん、快斗おいしいご飯作ると喜んでくれるから。」
にっこりと笑うカレンを見て俺は切に願う。この子を是非お嫁にください…
でもそうなったらあの校長がついてくるのか。それは嫌だな…
朝食は死ぬほど美味かった。たまご焼きなんて店の味みたいだった。
「ごちそうさま。」
食器を片付けて洗い物をするのは俺の仕事だ。
なんか同棲生活が板についてきたなと、台所でふと思った。
登校中は他の生徒の視線を集めながらも手を離さない。
迷子になるというよりはすぐに拉致しにくる連中がうじゃうじゃいるのだ。
通学路すら俺にとっては戦場だ。
「ふぅ…とりあえず休み時間も他の人についていくなよ。」
「うん、わかった。」
そういって学校で別れてから教室に向かう。
「朝からラブラブしてんなー。さっさとやっちゃえばいいのに。お前の童貞もここまできたら病気だな。ほんとになんもないのか?」
嬉しそうに純也がからかってきたせいで、俺は昨日のカレンの胸の感触を思い出してしまった。
「う、うるさいなぁ。なんもねーよ。案外あいつ手間がかかるからそれどころじゃねぇし…」
そんな話をしながら昼休みまでは校内放送もなく平和だった。
昼休み、購買にパンを買いに行こうとした時、カレンが男に言い寄られているのを見かけた。
あいつ、ついていくなって言ったのに…
「ねぇカレンちゃん、エッチなこと興味ないかい?」
「エッチ?セックスのこと?あるよ。」
「ちょっとまったー!」
昨日とほとんどデジャブだな…
男を無理やり追い返してカレンに説教した。
「ついていくなって言っただろ!」
「ついていってない。これ。」
カレンが渡してきたのはラブレターだった。
『昼休みに中庭で待ってます。』
「う、確かについていってはいないけど…手紙にも従ったらダメ!」
「手紙もダメ?うんわかった。」
はぁ…ほんとわざとやってんのかと思うくらいの天然だな…。
「ねえ快斗」
「なんだ」
「なんで快斗は私とセックスしたくないの?」
「え!?」
俺は回答に困った。課題の件は俺と校長の秘密だし、大体お金目当てでカレンの青春の邪魔をしているなどと言えるわけもない。まぁ今は命がけともいえるのだが…
「えーとだな、その、大事な人とはセックスは簡単にしないんだ。」
「大事?快斗は私の事大事なの?」
キラキラとした瞳で見上げてくるこの純粋な少女に嘘をついていることが苦しい。
でもまぁ、誰とでもヤリまくる校風がいいとは思わないので、そこだけはしっかりと教育しておいてやらないと。
「だ、大事だよ。それにセックスってのはよく考えてからするもんだ。わかった?」
「よく考えて…うん、わかった。」
ようやく伝わったと安堵していると、隣でカレンが唸っている。
何か考え事でもあるのか?
しばらくしてまたカレンが口を開いた。
「ねえ快斗」
「今度はなんだよ」
「私を犯して」
「言い方変えてもダメ!!」
考えるの意味が違うんですが…
うっかり昼食を食べ損なってしまった俺は空腹のまま午後の授業を終えた。
「2年B組 桜庭君。至急校長室に来るように。繰り返す…」
放課後の校内放送で俺は校長に呼ばれた。
「お、パパからの呼び出しか?家族ぐるみとは案外おさえてんじゃねーか。」
純也が冷やかしてくる。
「あの校長をパパだなんて呼ぶ日が来たら人生終わりだよ…」
俺はよからぬことが起こるのではと予感しながら校長室へ向かった。
そして予感は見事的中、というかそれ以上にひどいことが待っていた。
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