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第59話 召し上がれ
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「うー寒い、どうなってんだ今年は…」
「快斗寒い…死ぬ」
今日は今年いちばんの寒さということもあって朝から冷え込んだ。
布団でガタガタ震えながらもなんとか身体をおこして学校に向かった。
「快斗、明日は誕生日だね!」
「ああ、そうだなぁ。カレンと二つ違いになるのか」
「快斗大人だね!お祝いしよ!」
そう言いながら二人でケーキをどこで買うかという話になった。
しかしカレンは甘いものよりも味の濃いものばかり食べているので、ケーキなどろくに買いに行った記憶がない。
とりあえず学校でどこかオススメのケーキ屋がないか聞いてみることにした。
「おはよう純也」
「お、快斗。明日は誕生日だな。カレンちゃんとバースデーエッチかぁ?いいなー」
「いや、それは来年に持ち越しだよ…それよりさ、どこかいいケーキ屋知らないか?」
「ケーキ?そういえば校長お抱えのすごいパティシエがいるって聞いたぞ?なんか去年その人に頼んですごかったって話、誰かに聞いた気がする」
「校長お抱えか…それなら後で聞きにいってみるかな…」
俺は昼休みに校長室へ行くことにした。
「失礼します。」
「おお、ハピバ快斗くん。どうしたんじゃ?」
「いえ、その誕生日のことなんですけど、校長の知ってるパティシエのことを聞いてですね…」
「ほう、その情報を聞きつけるとはさすがじゃの。うむ、私からの誕プレとしてそのパティシエを今日派遣してやろう」
「え、いいんですか?でもお金は…」
「なーに、誕プレなんじゃから私の奢りじゃよ」
そんな気の利いたこともできるのかと驚いたが、人の好意は素直にうけることにした。
そのまま午後の授業も終えてカレンと二人で寮に帰った。
しかし寮は特に寒い。
建物が古いのもあって隙間風がえぐい…
俺たちは早速コタツに潜り込むことにした。
カレンはなぜか俺の隣に足を入れてきて、所狭しとコタツに入った。
「カレン、狭くないか?」
「寒いからここがいいの。快斗あったかい」
「い、いやでもな…」
「やだ、ここがいいの!」
そう言って俺と窮屈そうにコタツに入りながら、カレンは俺の手を握った。
「快斗、大好き」
「ああ、俺もだよカレン」
そんな感じでラブラブしているとカレンが恋人つなぎにかえてきた。
カレンの細い指がおれの指の隙間にスルッと入り込んだ時、何かが俺の脳から吹き出した。
「カ、カレン?」
「快斗…」
なんかこのままここで始まりそうな雰囲気になったところで、玄関を叩く音がした。
あぶないあぶないと焦りながらもコタツを出て玄関にいくと、そこにはアンがいた…
「おい、今日はピザ頼んでないぞ」
「ケーキ作りにきた」
「お前パティシエでもあるのか!?どんだけ多才なんだよ!」
「任せろ」
「お、おう…」
そう言って大きな荷物を抱えたアンは寮に上がり込んだ。
そして一瞬でパティシエの恰好に着替えてケーキを作り出した。
俺たちはもう一度コタツに戻り、暖をとった。
「できた」
しばらくまったりしていると、アンがそう言ったのでキッチンに向かった。
「早かったな…ってええ!?」
見事にそびえ立つケーキは、どうやってこの短期間でできたのか、作る過程を見ておけば良かったと思うほどでかい…
それに俺とカレンを模した砂糖菓子の人形もとても精巧にできていた…
「いやすげえな!絶対ケーキ屋した方がいいだろ!?」
「朝早いから無理」
「そもそも寝る時間がないくせに何言ってんだよ!」
さすがにこの出来にはカレンも手放しで喜んでいた。
「わーい、もやしすごい!」
「ありがとうございます」
「じゃ帰って」
「いやほんとにアンに厳しいな!大事にしてやらないと裏切るぞ!?」
アンに領収書の精算をしてあげた。
そしてお釣りが出たのであげることにした。
よほど嬉しかったのかアンはスキップで帰っていった…
その後二人でケーキを食べたのだが、これがまたびっくりするほどうまかった…
絶対ピザ屋よりこっちだよ…
「快斗、美味しい!」
嬉しそうにカレンはケーキを食べていた。
結局半分以上をカレンが食べて、なんだかんだ完食してしまった。
「あーお腹いっぱいだ…」
「あ、快斗ちょっと待ってね?」
そう言ってカレンが俺に目隠しをして電気を消した。
「お、おいどうしたんだよ?」
「待ってて!…いいよ」
目隠しを外して電気をつけるあたりで、嫌なことが頭をよぎった。
そして明るくなった部屋のテーブルには、カレンが布一枚で盛られていた…
「だー、やっぱり!服を着ろ服を!」
「快斗、召し上がれ」
「だから召し上がれないんだって!」
目を覆っていると、ほぼ裸のカレンが俺に抱きついてきた。
色々な生の感触が体中に浸透し、俺はゾクっとした。
「カレン、ダメだ離れろ!」
「やだ、こうしたいの」
そう言いながらも、寒さのせいかカレンの小さなからだは震えていた。
「カレン…」
「わかってるもん…でも見てほしかったの…」
震える彼女を抱きしめながら、俺は下半身をガチガチにしていた…
俺ってほんと罪な男だよな、童貞なのに…
「寒いだろ?もう服着ろ」
「うん、プレゼントどうだった?」
「いや、100%で堪能できないのが本当に悔しいよ…」
カレンに服を着せてから改めてコタツに入った。
「あったかいなー」
「私寒いの大好き!快斗とくっつけるから!」
そう言ってもう一度恋人つなぎをしてからカレンとキスをした。
二人でテレビを見ていると、日付が変わった。
「快斗、ハッピーバースデー!」
「ありがとうカレン」
17歳になった俺は、またカレンとキスをした。
そして一歳歳を取ったことは一切関係ないが、ひたすらキスをした。
特にオチはない…
次回 期末試験開始!
しかしその内容とは…
誕生日はひたすらイチャイチャしちゃいました。
「快斗寒い…死ぬ」
今日は今年いちばんの寒さということもあって朝から冷え込んだ。
布団でガタガタ震えながらもなんとか身体をおこして学校に向かった。
「快斗、明日は誕生日だね!」
「ああ、そうだなぁ。カレンと二つ違いになるのか」
「快斗大人だね!お祝いしよ!」
そう言いながら二人でケーキをどこで買うかという話になった。
しかしカレンは甘いものよりも味の濃いものばかり食べているので、ケーキなどろくに買いに行った記憶がない。
とりあえず学校でどこかオススメのケーキ屋がないか聞いてみることにした。
「おはよう純也」
「お、快斗。明日は誕生日だな。カレンちゃんとバースデーエッチかぁ?いいなー」
「いや、それは来年に持ち越しだよ…それよりさ、どこかいいケーキ屋知らないか?」
「ケーキ?そういえば校長お抱えのすごいパティシエがいるって聞いたぞ?なんか去年その人に頼んですごかったって話、誰かに聞いた気がする」
「校長お抱えか…それなら後で聞きにいってみるかな…」
俺は昼休みに校長室へ行くことにした。
「失礼します。」
「おお、ハピバ快斗くん。どうしたんじゃ?」
「いえ、その誕生日のことなんですけど、校長の知ってるパティシエのことを聞いてですね…」
「ほう、その情報を聞きつけるとはさすがじゃの。うむ、私からの誕プレとしてそのパティシエを今日派遣してやろう」
「え、いいんですか?でもお金は…」
「なーに、誕プレなんじゃから私の奢りじゃよ」
そんな気の利いたこともできるのかと驚いたが、人の好意は素直にうけることにした。
そのまま午後の授業も終えてカレンと二人で寮に帰った。
しかし寮は特に寒い。
建物が古いのもあって隙間風がえぐい…
俺たちは早速コタツに潜り込むことにした。
カレンはなぜか俺の隣に足を入れてきて、所狭しとコタツに入った。
「カレン、狭くないか?」
「寒いからここがいいの。快斗あったかい」
「い、いやでもな…」
「やだ、ここがいいの!」
そう言って俺と窮屈そうにコタツに入りながら、カレンは俺の手を握った。
「快斗、大好き」
「ああ、俺もだよカレン」
そんな感じでラブラブしているとカレンが恋人つなぎにかえてきた。
カレンの細い指がおれの指の隙間にスルッと入り込んだ時、何かが俺の脳から吹き出した。
「カ、カレン?」
「快斗…」
なんかこのままここで始まりそうな雰囲気になったところで、玄関を叩く音がした。
あぶないあぶないと焦りながらもコタツを出て玄関にいくと、そこにはアンがいた…
「おい、今日はピザ頼んでないぞ」
「ケーキ作りにきた」
「お前パティシエでもあるのか!?どんだけ多才なんだよ!」
「任せろ」
「お、おう…」
そう言って大きな荷物を抱えたアンは寮に上がり込んだ。
そして一瞬でパティシエの恰好に着替えてケーキを作り出した。
俺たちはもう一度コタツに戻り、暖をとった。
「できた」
しばらくまったりしていると、アンがそう言ったのでキッチンに向かった。
「早かったな…ってええ!?」
見事にそびえ立つケーキは、どうやってこの短期間でできたのか、作る過程を見ておけば良かったと思うほどでかい…
それに俺とカレンを模した砂糖菓子の人形もとても精巧にできていた…
「いやすげえな!絶対ケーキ屋した方がいいだろ!?」
「朝早いから無理」
「そもそも寝る時間がないくせに何言ってんだよ!」
さすがにこの出来にはカレンも手放しで喜んでいた。
「わーい、もやしすごい!」
「ありがとうございます」
「じゃ帰って」
「いやほんとにアンに厳しいな!大事にしてやらないと裏切るぞ!?」
アンに領収書の精算をしてあげた。
そしてお釣りが出たのであげることにした。
よほど嬉しかったのかアンはスキップで帰っていった…
その後二人でケーキを食べたのだが、これがまたびっくりするほどうまかった…
絶対ピザ屋よりこっちだよ…
「快斗、美味しい!」
嬉しそうにカレンはケーキを食べていた。
結局半分以上をカレンが食べて、なんだかんだ完食してしまった。
「あーお腹いっぱいだ…」
「あ、快斗ちょっと待ってね?」
そう言ってカレンが俺に目隠しをして電気を消した。
「お、おいどうしたんだよ?」
「待ってて!…いいよ」
目隠しを外して電気をつけるあたりで、嫌なことが頭をよぎった。
そして明るくなった部屋のテーブルには、カレンが布一枚で盛られていた…
「だー、やっぱり!服を着ろ服を!」
「快斗、召し上がれ」
「だから召し上がれないんだって!」
目を覆っていると、ほぼ裸のカレンが俺に抱きついてきた。
色々な生の感触が体中に浸透し、俺はゾクっとした。
「カレン、ダメだ離れろ!」
「やだ、こうしたいの」
そう言いながらも、寒さのせいかカレンの小さなからだは震えていた。
「カレン…」
「わかってるもん…でも見てほしかったの…」
震える彼女を抱きしめながら、俺は下半身をガチガチにしていた…
俺ってほんと罪な男だよな、童貞なのに…
「寒いだろ?もう服着ろ」
「うん、プレゼントどうだった?」
「いや、100%で堪能できないのが本当に悔しいよ…」
カレンに服を着せてから改めてコタツに入った。
「あったかいなー」
「私寒いの大好き!快斗とくっつけるから!」
そう言ってもう一度恋人つなぎをしてからカレンとキスをした。
二人でテレビを見ていると、日付が変わった。
「快斗、ハッピーバースデー!」
「ありがとうカレン」
17歳になった俺は、またカレンとキスをした。
そして一歳歳を取ったことは一切関係ないが、ひたすらキスをした。
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しかしその内容とは…
誕生日はひたすらイチャイチャしちゃいました。
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