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第7章 呪われた血筋
215.マーヘ大陸のダンジョンと一つの可能性
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嫌な予感がだんだんと形になって来るのを自覚して、マーヘ大陸に来るにあたって勉強した内容を思い返してみる。
この大陸には鉄級ダンジョンが一つ、銅級ダンジョンが一つ、銀級ダンジョンが6つ、金級ダンジョンが3つ、白金級ダンジョンが2つあって、神銀級ダンジョンはゼロだ。
鉄、銅、銀はすべて攻略済み。
3か所ある金級ダンジョンは一つが未踏破で、俺たちが通って来たスィンコ国の北側にあった。
白金級ダンジョンも、二つのうち一つが未踏破で、ギァリッグ大陸の騎士たちが人質に取られていたも同然の、あの場所だ。
言い換えるとマーヘ大陸は既に白金級ダンジョンを一つ制覇しているわけだ。
「ダンジョンから出て来る設計図の内容って、ダンジョンの難易度が上がるほど凄いものが出て来るって認識で合ってますよね?」
「うん」
クルトさんが頷く。
急にどうしたのって言いたげに首を傾げる動作が可愛い。心の内側が浄化されるような気分でいたら、ドーガさん。
「その難易度が単純な級の上下で決まればラクなんだけどな」
「というと?」
「前にレイナルドさんが言ってたろ。同じ金級ダンジョンでも各階層の広さが違い過ぎて、ヤバいダンジョンは白金級の方が難易度下がるって」
言われて思い出したのはレイナルドさんの話じゃなくて、リーデン様の声だった。
ダンジョンの級に関して、リーデン様が鉄級と銅級は市町村。銀級は都道府県、金級は国、白金級は大陸で神銀は世界そのものだって教えてくれたことがある。
都道府県や国と一言で表現しても、その土地面積はそれぞれだ。
元の世界には某国より広い都道府県だってあった。
方位磁石がなく、時間も判らない土地で常に命の危険と隣り合わせで過ごすのだから、難易度なんて挑戦者の個性でも簡単に上下するだろう。
「何をすごいって思うかも人それぞれだし、まぁ一概に上級の方が良いものが出るとは言えないよな」
「ですね……あ、じゃあ、人に対して危険な設計図って見つかっていますか?」
「危険?」
「どういうこと?」
クルトさんとヒユナさんが聞き返してくる。
ヒユナさんも、今の俺よりは年上だけどとても可愛い女性だ。
「例えば……」
例えば何だろう。
爆弾を思い浮かべたらミッシェルさんが嬉々として終焉の炎檻をぶっ放している姿が思い浮かんだ。
魔法使いたちの方が怖い。
戦争の道具もイメージしてみたが、リーデンさまがそんなものをダンジョンのお宝に含めるかだろうか。
……ないわー。
うん、あのリーデン様がそんなものをこの世界の人たちに与えるとは思えない。
「すみません。何でもないです」
「?」
ドーガさんまで加わって首を傾げてる。
三人揃って可愛いか!
「レンくんはなにを悩んでいるの?」
「……悩んでいるというか、不安なんだと思います。カンヨン国の人たちが俺たちに気付いてないわけないでしょうし、何の動きもないのが怪しいなって」
「カンヨン国も今頃首脳陣が頭突き合わせて作戦練ってんじゃないかな。メッセンジャーないんだし」
「え?」
「ん?」
俺がびっくりしたら、ドーガさんは戸惑った様子で続ける。
「だってメッセンジャーがなかったら遠距離同士じゃ連絡取り合えないし、何するにしても仲間が集まってないとどうしたらいいか判んないだろ」
メッセンジャーは大陸会議で公表されて、どんな人でも術式を買い取れば利用できるようになっているはずだが、今回の騒動が落ち着くまでマーヘ大陸の各国には購入自体が出来ない。
当然だ。
代表のカンヨン国が大陸会議を無断欠席したのだから。
「いままでは戦争って……」
「プラーントゥ大陸では戦争無いけど、インセクツとかギァリックは内輪揉めが多いよ。王位の継承時とか。まぁギァリック大陸の場合は闘技場でサシで勝負するって聞いたけど」
強い方が王だと決まっているから、らしい。
いずれにせよ争うってなったら双方が全員揃って陣形を組んで、拡声魔法で合図を出して、いざ激突っていうのが大半で、こんな風に目的地から離れた位置でバラバラに待機しながらタイミングを合わせて城を落とすなんて手法はいまだかつて誰も見たことないそうだ。
「だってレンくんがいなかったら獄鬼除けもメッセンジャーも存在してないからね」
「あー……」
なるほど、俺のせいだった。
この大陸には鉄級ダンジョンが一つ、銅級ダンジョンが一つ、銀級ダンジョンが6つ、金級ダンジョンが3つ、白金級ダンジョンが2つあって、神銀級ダンジョンはゼロだ。
鉄、銅、銀はすべて攻略済み。
3か所ある金級ダンジョンは一つが未踏破で、俺たちが通って来たスィンコ国の北側にあった。
白金級ダンジョンも、二つのうち一つが未踏破で、ギァリッグ大陸の騎士たちが人質に取られていたも同然の、あの場所だ。
言い換えるとマーヘ大陸は既に白金級ダンジョンを一つ制覇しているわけだ。
「ダンジョンから出て来る設計図の内容って、ダンジョンの難易度が上がるほど凄いものが出て来るって認識で合ってますよね?」
「うん」
クルトさんが頷く。
急にどうしたのって言いたげに首を傾げる動作が可愛い。心の内側が浄化されるような気分でいたら、ドーガさん。
「その難易度が単純な級の上下で決まればラクなんだけどな」
「というと?」
「前にレイナルドさんが言ってたろ。同じ金級ダンジョンでも各階層の広さが違い過ぎて、ヤバいダンジョンは白金級の方が難易度下がるって」
言われて思い出したのはレイナルドさんの話じゃなくて、リーデン様の声だった。
ダンジョンの級に関して、リーデン様が鉄級と銅級は市町村。銀級は都道府県、金級は国、白金級は大陸で神銀は世界そのものだって教えてくれたことがある。
都道府県や国と一言で表現しても、その土地面積はそれぞれだ。
元の世界には某国より広い都道府県だってあった。
方位磁石がなく、時間も判らない土地で常に命の危険と隣り合わせで過ごすのだから、難易度なんて挑戦者の個性でも簡単に上下するだろう。
「何をすごいって思うかも人それぞれだし、まぁ一概に上級の方が良いものが出るとは言えないよな」
「ですね……あ、じゃあ、人に対して危険な設計図って見つかっていますか?」
「危険?」
「どういうこと?」
クルトさんとヒユナさんが聞き返してくる。
ヒユナさんも、今の俺よりは年上だけどとても可愛い女性だ。
「例えば……」
例えば何だろう。
爆弾を思い浮かべたらミッシェルさんが嬉々として終焉の炎檻をぶっ放している姿が思い浮かんだ。
魔法使いたちの方が怖い。
戦争の道具もイメージしてみたが、リーデンさまがそんなものをダンジョンのお宝に含めるかだろうか。
……ないわー。
うん、あのリーデン様がそんなものをこの世界の人たちに与えるとは思えない。
「すみません。何でもないです」
「?」
ドーガさんまで加わって首を傾げてる。
三人揃って可愛いか!
「レンくんはなにを悩んでいるの?」
「……悩んでいるというか、不安なんだと思います。カンヨン国の人たちが俺たちに気付いてないわけないでしょうし、何の動きもないのが怪しいなって」
「カンヨン国も今頃首脳陣が頭突き合わせて作戦練ってんじゃないかな。メッセンジャーないんだし」
「え?」
「ん?」
俺がびっくりしたら、ドーガさんは戸惑った様子で続ける。
「だってメッセンジャーがなかったら遠距離同士じゃ連絡取り合えないし、何するにしても仲間が集まってないとどうしたらいいか判んないだろ」
メッセンジャーは大陸会議で公表されて、どんな人でも術式を買い取れば利用できるようになっているはずだが、今回の騒動が落ち着くまでマーヘ大陸の各国には購入自体が出来ない。
当然だ。
代表のカンヨン国が大陸会議を無断欠席したのだから。
「いままでは戦争って……」
「プラーントゥ大陸では戦争無いけど、インセクツとかギァリックは内輪揉めが多いよ。王位の継承時とか。まぁギァリック大陸の場合は闘技場でサシで勝負するって聞いたけど」
強い方が王だと決まっているから、らしい。
いずれにせよ争うってなったら双方が全員揃って陣形を組んで、拡声魔法で合図を出して、いざ激突っていうのが大半で、こんな風に目的地から離れた位置でバラバラに待機しながらタイミングを合わせて城を落とすなんて手法はいまだかつて誰も見たことないそうだ。
「だってレンくんがいなかったら獄鬼除けもメッセンジャーも存在してないからね」
「あー……」
なるほど、俺のせいだった。
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