シャンプーカットオナニー

ショタの靴下

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 やだ、やだ、やだ、もういやだ…
夕暮れ時をとっくに過ぎて、地面が暗くて見えない中を走る。こんな遅い時間に何やっているんだろ。そんなどこか冷静な理性を置いてけぼりにして、とにかく走る。もう、あの家に居たくは無かった。
 でも、行く当てなんてあるはずもなく。走り疲れてとぼとぼ歩く。
 あの時の、お兄さん。髪を切ってもらった後、服と靴を買ってくれて、ご飯までごちそうしてくれた、優しい人。思い浮かぶのは、あの人だけ。
自分の手の中にある、何かあったときの電話番号。
お金もケータイも持ってないから、どうにも出来ないんだけれども。そもそも、これは次髪を切ってもらう時にかける番号だ。これは、お守りなんだ。使おうとしてはいけない。


 ああ、目の前まで来てしまった。店の前で突っ立つ。どうしよう、絶対迷惑だ。でも、会いたい。一目だけでも見たい。帰るときってここから出て来るのかな。ドアの前を行ったり来たり。お客さんが出てきそうな時は影に隠れて、また誰も居なくなったら小さな窓から覗く。

「君、どうしたん?」
どれくらいそうしていただろう。後ろから肩を叩かれる。ピアスにタンクトップ、ツンツンした髪で、金髪。黒髪で細身のお兄さんとは違ったタイプのおしゃれ。でも何かこわい。
「あ、の…」
「ここの店の前でずっとうろうろしとったやろ?誰か待っとるん?」
「ごめ…なさい…何でもないです」
「ちょいまちちょいまち!君、まだ未成年やろ。家の人は?心配しとるんとちゃう?」
家の人…心配してくれる人…一気に体が重くなる。きっと今頃、僕がいなくてもテレビを見て、ご飯を食べているんだろう。むしろ、笑っているかもしれない。


『ちょっと、あんたのゴミ箱、ティッシュいっぱいだったんだけど!なに、もう盛ってるの?』
帰って早々怒鳴られる。つり上がった、叔母さんの目。
『まさかうちの娘達をおかずにしてるんじゃないでしょうね!』
『ちがっ…』
『ほんっとにこんなガキが気持ち悪い!犯罪者にだけはならないでよね』
怒っている母親に、ニヤニヤとこちらを見てくる義理の姉たち。気が付いたら外に飛び出していた。

「ヒグッ…っ…」
「ちょ、ほんまに大丈夫?と、とりあえず入り入り。ジュース、飲むか?」
もう、やだ。家も、学校も、どこに行っても僕の居場所はない。誰にも求められないのなら、いっそ、もういっそ…

 一緒に死んでしまえばよかったんだ。
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