18 / 131
答え合わせ
しおりを挟む
「それってタバコの事か?」
返答を聞いたソールは大きく頷く。
「どこでそんな危険な物を手に入れたのか知らないけど、それをあんたが吸い始めた時、あんたの魔力が大幅に上がったわ。」
俺はレインと目を合わせる。と言ってもレインは見えてはいない訳だが。そんなレインもキョトンとした顔で首を捻っている。
「ソールは他人の魔力の匂いを嗅ぐことが出来る特殊な嗅覚の持ち主なんですよ。」
「前巫女のエリザ様も使えたとってもすごい能力なのよ!!」
ソールは机に上がって誇らしげに腰に手を当てている。
こういう姿を見ると馬鹿っぽいんだよな……
「巫女ともあろう者がはしたないから降りなさい。あと普通に危ないです。」
「あんたは私を巫女扱いしないで!!私は私よ!!」
「おーりーなーさーい!」
ルシウスは机に上がったソールの両脇を掴んで持ち上げ、そのままソファに座らせた。
ルシウスに注意されたソールは、お母さんに怒られた子供のようにちょっと落ち込んだ様子だった。
どっちもどっちで互いに無い部分を補い合ってる良いコンビだなコイツら。
「話を戻すけど、そのタバコとか言うもの?それをあんたが火を付けて吸い始めた時、周囲の自然や人間、空気中の魔力がそのタバコを通じてあんたに吸収されたわ。」
「わ、私はそのまま復元しただけで……」
「ああ。元々の物にそんな効果は無いはずだし、レインに毎日復元してもらっている物は味も風味も変わらないぞ。」
「レインあんたそんな頻度で復元出来るの!?」
ルシウスとソールは驚き前のめりになっている。
レインが毎日普通にタバコを増やしてくれるから別に珍しい事だとは思っていなかった。
「レインの魔力量は常人のそれじゃないとは思ってたけど……」
「普通は1ヶ月間魔力を貯め続けてようやく1回使えるか使えないかって所です。そこまでの魔力量を持っている人間、居なくはありませんが大変珍しいですね。」
2人が腕を組み、あれやこれやと話している。
普通じゃない、珍しいと言われたレインはあまり良い気はしていないようで、いつもの笑顔が少し引きつっている。
「また話が逸れたぞ。それで、タバコがなんだって?」
「ああ、そうだったわ。」
レインがこちら見ながらさっきの引きつった笑顔とは違う本当の笑顔を送って少し頭を下げる。
ソールとルシウスは、机の上に出していたタバコの箱を再び見つめ直す。
「原理は分からないけどあんたが言うタバコは、周囲の魔力を吸収してあんたに与えるパイプの役割を果たしてたのよ。」
「なるほどな。だから最初の一撃だけあんなに威力が出たのか。」
俺自身が一番違和感だった。
最初に放った正拳突きだけこれまでの戦いで出たことのなかった威力だったからだ。人間の筋力だけであんなに破壊力が出るはずがない。
「あと、結果的にだけど最後にあんたがエクスの盾を止めることができたのもタバコのおかげね。」
「奴の盾にタバコを当てた事か。」
「エクスはあの時、常に反射を使い続けると魔力の消費が激しすぎるので、所謂回数制、盾に何かが当たった時にそれを反射するという方法をとっていたんです。」
「それが分からん。なんでアイツはそれまでずっと盾に魔法を貼り続けていたのに最後だけ回数制にしたんだ?」
直前まで俺の乱打は全て跳ね返されていた。
その度盾に当たっていないのに拳にだけダメージが合ったのは俺が1番良く分かっている。
俺の乱打の間に1回1回常に魔法を張り変えていたのならそれまでだが、そんなに余裕があったようにも見えなかった。
「分かりませんか一成さん?最後のあの突進の時だけ、エクスはそうせざるを得なかったんですよ。」
返答を聞いたソールは大きく頷く。
「どこでそんな危険な物を手に入れたのか知らないけど、それをあんたが吸い始めた時、あんたの魔力が大幅に上がったわ。」
俺はレインと目を合わせる。と言ってもレインは見えてはいない訳だが。そんなレインもキョトンとした顔で首を捻っている。
「ソールは他人の魔力の匂いを嗅ぐことが出来る特殊な嗅覚の持ち主なんですよ。」
「前巫女のエリザ様も使えたとってもすごい能力なのよ!!」
ソールは机に上がって誇らしげに腰に手を当てている。
こういう姿を見ると馬鹿っぽいんだよな……
「巫女ともあろう者がはしたないから降りなさい。あと普通に危ないです。」
「あんたは私を巫女扱いしないで!!私は私よ!!」
「おーりーなーさーい!」
ルシウスは机に上がったソールの両脇を掴んで持ち上げ、そのままソファに座らせた。
ルシウスに注意されたソールは、お母さんに怒られた子供のようにちょっと落ち込んだ様子だった。
どっちもどっちで互いに無い部分を補い合ってる良いコンビだなコイツら。
「話を戻すけど、そのタバコとか言うもの?それをあんたが火を付けて吸い始めた時、周囲の自然や人間、空気中の魔力がそのタバコを通じてあんたに吸収されたわ。」
「わ、私はそのまま復元しただけで……」
「ああ。元々の物にそんな効果は無いはずだし、レインに毎日復元してもらっている物は味も風味も変わらないぞ。」
「レインあんたそんな頻度で復元出来るの!?」
ルシウスとソールは驚き前のめりになっている。
レインが毎日普通にタバコを増やしてくれるから別に珍しい事だとは思っていなかった。
「レインの魔力量は常人のそれじゃないとは思ってたけど……」
「普通は1ヶ月間魔力を貯め続けてようやく1回使えるか使えないかって所です。そこまでの魔力量を持っている人間、居なくはありませんが大変珍しいですね。」
2人が腕を組み、あれやこれやと話している。
普通じゃない、珍しいと言われたレインはあまり良い気はしていないようで、いつもの笑顔が少し引きつっている。
「また話が逸れたぞ。それで、タバコがなんだって?」
「ああ、そうだったわ。」
レインがこちら見ながらさっきの引きつった笑顔とは違う本当の笑顔を送って少し頭を下げる。
ソールとルシウスは、机の上に出していたタバコの箱を再び見つめ直す。
「原理は分からないけどあんたが言うタバコは、周囲の魔力を吸収してあんたに与えるパイプの役割を果たしてたのよ。」
「なるほどな。だから最初の一撃だけあんなに威力が出たのか。」
俺自身が一番違和感だった。
最初に放った正拳突きだけこれまでの戦いで出たことのなかった威力だったからだ。人間の筋力だけであんなに破壊力が出るはずがない。
「あと、結果的にだけど最後にあんたがエクスの盾を止めることができたのもタバコのおかげね。」
「奴の盾にタバコを当てた事か。」
「エクスはあの時、常に反射を使い続けると魔力の消費が激しすぎるので、所謂回数制、盾に何かが当たった時にそれを反射するという方法をとっていたんです。」
「それが分からん。なんでアイツはそれまでずっと盾に魔法を貼り続けていたのに最後だけ回数制にしたんだ?」
直前まで俺の乱打は全て跳ね返されていた。
その度盾に当たっていないのに拳にだけダメージが合ったのは俺が1番良く分かっている。
俺の乱打の間に1回1回常に魔法を張り変えていたのならそれまでだが、そんなに余裕があったようにも見えなかった。
「分かりませんか一成さん?最後のあの突進の時だけ、エクスはそうせざるを得なかったんですよ。」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる