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感覚
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吐きそうになって目が覚める。頭がガンガンする。黒色のキャミソールにショートパンツで床に寝転がっている自分に気づく。
「またか。」
スマホで時間を確認する。2021年8月31日、午後5時半過ぎ。
「もう夕方か。」
荒い網目の薄緑のカーディガンを羽織って、ベランダに出てなんとなく下を見下ろす。空腹な気もするけど、これといって何か食べたい気分でもない。
田舎にある集合団地の四階から見える景色は大したものじゃない。近場の集合住宅と小さな竹林。遠くに見えるのは小さいスーパーとパチンコ屋、それに高級そうなマンションが一つ。あぁ、一応海もかろうじて見える。
でも、夕日が落ちていく途中のオレンジの光と空の青さと千切れ雲の混ざりあって、その手前にある建物たちが黒く映っていく絶妙な光景はいつ見ても何か胸の中の何かがぎゅっとつかまれたような感覚に陥る。
「きれい。」
私は抜けられない。この時間から。なぜかこの後すべきことを知っている。そして、そのあとのことも。いつの間にかこんな風になっていた。明日は9月なのに、私だけ9月に行けない。独りだけ取り残されている。また、戻らなきゃ。
「いくか。」
夏が終わる前に。まだ間に合う。
私はベランダの柵に足をかけた。
「またか。」
スマホで時間を確認する。2021年8月31日、午後5時半過ぎ。
「もう夕方か。」
荒い網目の薄緑のカーディガンを羽織って、ベランダに出てなんとなく下を見下ろす。空腹な気もするけど、これといって何か食べたい気分でもない。
田舎にある集合団地の四階から見える景色は大したものじゃない。近場の集合住宅と小さな竹林。遠くに見えるのは小さいスーパーとパチンコ屋、それに高級そうなマンションが一つ。あぁ、一応海もかろうじて見える。
でも、夕日が落ちていく途中のオレンジの光と空の青さと千切れ雲の混ざりあって、その手前にある建物たちが黒く映っていく絶妙な光景はいつ見ても何か胸の中の何かがぎゅっとつかまれたような感覚に陥る。
「きれい。」
私は抜けられない。この時間から。なぜかこの後すべきことを知っている。そして、そのあとのことも。いつの間にかこんな風になっていた。明日は9月なのに、私だけ9月に行けない。独りだけ取り残されている。また、戻らなきゃ。
「いくか。」
夏が終わる前に。まだ間に合う。
私はベランダの柵に足をかけた。
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