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ボール
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8月半ばのなんもない真昼間。家の周りは田んぼと畑しかないし、しいて言うなら山の上に古びた神社があるくらい。鳥居をくぐって10メートル先くらいにお堂がある小さな神社。だけど妙に小ぎれいでとても静かで、昼間に行くと木の隙間から光が漏れ出していてとても幻想的な雰囲気に思わず息をするのを忘れそうになる。でも、それにしても…。
「暑すぎる。」
こんな炎天下になんで一人で神社にいるんだろ。
「あ、そうだ。どこ行ったんだろ。」
思い出した。夏休みなのにすることなくて、独りでボール蹴りながら散歩してたんだった。どうせ田舎だし、めったに車も通らないから、道の真ん中で蹴ってたんだよな。そしたら、ボールが吹っ飛んでそれを追いかけてここまで来たんだっけ。いや、その前になんか白いイタチみたいなのが畑から出てきたんだっけ。あんまり思い出せないな。
「これ?」
不意に背中の方から子供の声が聞こえてパッと振り返った。自分よりかは三つくらい下、たぶん小学三年生くらいの男の子がいた。真っ白な甚平を着てボールを手に持っている。
「次はこっちであそぼ。」
この子がだれか分からない。それにさっき勢いよく振り向いたせいか、首や腰がめちゃくちゃ痛い気がする。だけど、暇だし遊んでやるか。
「いいよ。」
その子は手を差し出して言った。
「一緒にいこ。」
何だろう、何か忘れている気がする。
そんなことを考えながら、僕はその子に手を引かれていった。
「暑すぎる。」
こんな炎天下になんで一人で神社にいるんだろ。
「あ、そうだ。どこ行ったんだろ。」
思い出した。夏休みなのにすることなくて、独りでボール蹴りながら散歩してたんだった。どうせ田舎だし、めったに車も通らないから、道の真ん中で蹴ってたんだよな。そしたら、ボールが吹っ飛んでそれを追いかけてここまで来たんだっけ。いや、その前になんか白いイタチみたいなのが畑から出てきたんだっけ。あんまり思い出せないな。
「これ?」
不意に背中の方から子供の声が聞こえてパッと振り返った。自分よりかは三つくらい下、たぶん小学三年生くらいの男の子がいた。真っ白な甚平を着てボールを手に持っている。
「次はこっちであそぼ。」
この子がだれか分からない。それにさっき勢いよく振り向いたせいか、首や腰がめちゃくちゃ痛い気がする。だけど、暇だし遊んでやるか。
「いいよ。」
その子は手を差し出して言った。
「一緒にいこ。」
何だろう、何か忘れている気がする。
そんなことを考えながら、僕はその子に手を引かれていった。
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