ホワイトストーン

福猫

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第4話

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「着いたようだな」

そう言ってジュノは龍二から離れ足首まで長い自分のマントを外し龍二に渡した。

その後、ジュノはジュンのマントを掴み魔法で足首まで長いマントを身につけ部屋を出ていった。

龍二は立ち上がり全裸を隠すように足首まで長いマントを身につけ部屋を出た。

そして龍二は砂浜に降り立つヴァンパイア達を見つめ龍二も降りようとはしごに近づいた。

そこへジュンが現れた。

「俺と散歩しない?」

「…ジュノにジュンといるなと言われているから散歩しない」

「ジュノには俺が言うから」

「……」

「行こう」

そう言ってジュンは龍二の手を握りながら一緒にはしごで砂浜に降り立った。

その後、ジュンはジュノが行った方向ではない道に歩いた。

「ジュノに言わなくて…」

そう口にしたその時、龍二はふらつき倒れた。

「おい、大丈夫か?」

ジュンは龍二の身体を抱き起こしながら声をかけた。

「おい、しっかりしろ、おい」

「……」

「船に戻るか」

返事をしない龍二をジュンはお姫様抱っこし宇宙船に向かって森林を歩いた。

30分後、ジュンは龍二をお姫様抱っこしながら立ち止まった。

「宇宙船からあんまり離れてないのに何で森林から出られないんだ」

不安になってきたジュンはジュノを探すために再び歩き出した。

その頃、ジュノと仲間のヴァンパイア達は謎の妖精と戦っていた。

「ヴァンパイアはここから立ち去れ」

「断る、俺はここに城を建てて住む」

「ここは俺と妖精達の森林だ出て行け」

そう言って腰まで長い緑の髪に足首まで長いフード付きの緑の服を着た男性が現れた。

「精森(きよもり)!」

妖精達が精森に近づくとジュノが口を開いた。

「あんたが主か」

「妖精達を守る森林の主、精森、森林を汚す者は俺が許さない」

「仕方ないな、戦って森林を俺のものにするか」

そう言ってジュノが手のひらに魔法の玉を出現させたその時、龍二をお姫様抱っこしながらジュンが現れた。

ジュノは手のひらの玉を消し声をかけた。

「ジュン、何でここにいる」

「龍二と散歩しようと森林の中に入ったら龍二が急に倒れたんだ」

「何だと」

ジュノはジュンに近づき眠っている龍二を見つめた。

「船に戻って部屋に」

「そう思って船に戻ろうと歩いてるんだけど船にたどり着かないんだ」

「お前の仕業か」

「俺は何もしていない、森林がしたんだろ」

そう言って精森はジュンにお姫様抱っこされている龍二に目線を向け口を開いた。

「龍二!」

「……」

「……」

精森の言葉にジュノとジュンは精森に目線を向けジュノが口を開いた。

「お前、龍二のこと知っているのか」

「北代龍二、人間と同じ大きさの猫達と暮らしている人間だ、俺と龍二と猫達は友達だ」

「ジュノ」

「厄介な奴と出会ってしまったな」

「君達はヴァンパイア、何で龍二が君達と一緒にいるんだ」

「ジュン、やるぞ」

「OK」

返事をするとジュンは龍二を地面に寝かせ精森に目線を向けた。

精森は妖精達に龍二を任せ精森はジュノとジュンに攻撃し龍二から離れさせた。

妖精達は龍二に近づきその場から離れさせ精森の家に運んだ。

ー精森の家ー

仰向けで龍二を寝かせると1人の妖精が首筋の傷に築いた。

「ヴァンパイアに噛まれたあとだ」

「精森に相談しないと」

「そうだな」

そう言って妖精は心の中で精森に呼びかけた。

「精森、龍二の首筋にヴァンパイアに噛まれたあとがある、今すぐ戻ってこい」

「……」

ジュノとジュンを相手しながら妖精の言葉を聞いた精森は魔法でジュノとジュンとヴァンパイア達を森林から追い出し森林の姿を消した

追い出されたジュノとジュンとヴァンパイア達は砂浜で驚いた。

「森林が消えてる」

「ジュノ、龍二がいない」

「行くぞ」

「龍二は?」

「ジュン、行くぞ」

そう言ってジュノがヴァンパイア達を連れて宇宙船に乗り込むとジュンも宇宙船に乗り込みその後、宇宙船は動き出した。

ー精森の家ー

「精森に伝えたか」

「伝えた、もうすぐ来るだろう」

1人の妖精が口にしたその時、精森が現れた。

「精森」

妖精達が口にすると精森が口を開いた。

「暫く2人だけにしてくれ」

「わかった」

そう言って妖精達が部屋から出ていくと精森は眠る龍二を見つめた。

「ヴァンパイアに噛まれたんだな可哀想に」

そう言って精森は龍二の首筋の傷に手を当て魔法を送ると傷を治した。

「……」

龍二が目を覚ますと精森が口を開いた。

「目が覚めたか」

「ここは…」

「俺の家だ」

「……」

身体を起こし龍二は精森に向かって驚きの言葉を口にした。

「あなた誰ですか?」

「俺のことわからないのか?」

「……」

龍二が立ち上がると精森も立ち上がり口を開いた。

「どこに行くんだ」

「どこって家に帰ります」

「家ってどこの家に帰るんだ」

「どこの家って…」

口にしたその時、龍二の頭は混乱し倒れかけ精森に抱き止められた。

龍二を抱き止めながら精森は思ったヴァンパイアに噛まれたことで記憶を失ってしまったんだと。

そして精森は龍二をお姫様抱っこし妖精達を呼んだ。

「誠達に会いに行ってくる、俺がいない間、森林を頼む」

「わかった、精森、気をつけて」

「お前達も気をつけろよ」

そう言って精森は龍二をお姫様抱っこしたまま森林から姿を消した。
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