同性愛~3人の王子~

福猫

文字の大きさ
1 / 10

第1話

しおりを挟む
スーパーで働く富山衣都(とやまいと)は経営者と2人の店員に言い寄られていた。

今日も閉店後、控え室のロッカーの前でスーパーの制服から私服に着替えていると経営者の宮下が近づいてきた。

「お疲れ様、衣都さん」

「お疲れ様です」

お辞儀をし控え室を出ようとしたその時、宮下に手首を掴まれた。

「今日は付き合って貰うよ」

「何回も言いましたよね、俺は」

「……」

言いかける衣都の唇を宮下は唇で塞ぎ薬を飲ませた。

その後、宮下は唇を離し口を開いた。

「薬を飲ませた」

「薬?」

「暫くすると身体に力が入らなくなる」

「……」

宮下から逃げようそう思った衣都は足を動かすも力が入らず倒れかけ宮下に抱き止められた。

「宮下さん…」

「素直に言うこと聞かないからこうなるんだよ」

「……」

「おい、良いぞ」

宮下が声をかけると隠れていた私服姿の2人の店員が現れた。

「先に衣都さんの唇を奪うなんてずるいよ」

「薬を飲ませるために唇を奪ったんだ仕方ないだろ」

そう言って宮下は衣都を仰向けで寝かせ私服を脱がせると全裸にした。

「誰が先に交わる?」

「俺が先に交わります」

「宗正(むねまさ)が終わったら俺が交わります」

「宗正、義久(よしひさ)、俺、良いだろ」

「……」

許可を得た宗正は私服を脱ぎ全裸になった。

そして宗正は衣都に覆い被さり唇を奪うと身体も奪った。

「やめてください」

力が入らない衣都が言葉で抵抗するも宗正に身体を奪われ続けた。

「やめてください…」

目から涙を流しながら衣都は宗正と義久と宮下に身体を奪われた。

「3人で襲うなんて最低な奴らだな」

「……」

宗正と義久と宮下は衣都への交わりを止め立ち上がると白いタキシードに白いマントを羽織った3人の男に目を向けた。

「鍵をかけていたはずなのにどうやって中に」

宮下が話しかけると男が口を開いた。

「姫を傷つけた罪は重いよ」

「姫?何、言ってんだ」

「 ソウゴ」

「OK」

そう言って杖を出現させ掴むとソウゴは宗正と義久と宮下に向かって森の空間に閉じ込めた。

「何だよこれ」

森の空間に閉じ込められた宗正と義久と宮下は全裸姿で助けを求めた。

「助けてくれ」

「悪い心が浄化されれば解放される、タイキ、衣都さんを」

「あぁ」

衣都に近づき身体を抱き起こすと魔法で私服を着せ支えながら立たせた。

「大丈夫か?」

「身体に力が入らないんです」

「わかった」

そう言ってタイキは衣都の身体を支えながら唇を重ねすぐに唇を離すと口を開いた。

「唇を重ねたのは力を取り戻すために唇を重ねました」

「手が動きます、力が戻りました、ありがとうございます」

「送るよ」

「大丈夫です、1人で帰れます、ありがとうございました」

お辞儀をすると衣都は控え室を出ていきスーパーを出ると家に向かって歩き出した。

「1人で帰らせて良かったのか」

「1人で帰ると言ったんだ仕方ないだろ」

そう言ってタイキが控え室を出ていくとソウゴとリクも控え室を出ていった。

その時、森の空間に閉じ込められていた宮下と宗正と義久が解放され全裸姿で倒れた。

「何で全裸でいるんだろ」

「私服に着替えて帰ろうぜ」

そう言って義久と宗正が私服を着て控え室を出ていくと宮下も私服を着て控え室を出ていった。

ー衣都の家ー

衣都が無事に家に着き中に入る姿を見つめながらリクが口を開いた。

「宗正と義久は浄化されたが宮下という男は浄化されないまま解放された」

「嫌な思いをさせないように守るぞ」

「俺達の大事な姫だもんな」

「3人で衣都を守ろうぜ」

そう言ってタイキとソウゴとリクは衣都が住む家を見守った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる

七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。 だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。 そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。 唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。 優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。 穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。 ――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

人生はままならない

野埜乃のの
BL
「おまえとは番にならない」 結婚して迎えた初夜。彼はそう僕にそう告げた。 異世界オメガバース ツイノベです

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...