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最終話
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ー翌日ー
先に目を覚ましたリクは側で寝ている衣都を起こさないように身体を起こしベッドからおりると魔法で赤いタキシードと赤いマントを身にまとった。
そしてリクは魔法で壁に空間を開け中に入ると空間を閉じ歩き出した。
50秒後、空間が開くとリクは空間から出て崩れた洞窟を見つめた。
「……」
「リク、何しに来た」
「……」
背後から話しかけられ振り返ったリクは1人で立っている王様に目を向けた。
「王様」
「何しに来た」
「崩れた洞窟がどうなったか気になって様子を見に来たんだ、すぐにいなくなるから安心してください」
「それだけか、俺に用事があるから来たんじゃないのか」
「俺は王様の息子じゃないし王子でもない」
「……」
「衣都と過ごすのに魔法はいらない、王様、魔法を解いてください」
「……」
お辞儀をするリクに王様は無言で近づき肩に触れると顔をあげさせた。
「……」
「姿は赤いままだが心は元に戻ったようだな」
「衣都のお陰です」
「ソウゴ王子とタイキ王子に言われたよ」
「……」
「衣都ならリクの赤い姿を元に戻すかもしれないから悪魔の国の王子に戻してやってくれと」
「アイツら余計なことを」
「一度、衣都の元に戻って衣都を連れて城に来い」
「王様」
「わかったら早く行け」
「……」
無言でお辞儀をするとリクは空間の中に入り衣都の元に向かった。
「……」
笑みを浮かべると王様も離れ城に向かった。
ー寝室ー
私服に着替えた衣都はリクがいなくなりベッドに座りながら落ち込んでいた。
「リクさん、どこに行ったんだろ」
壁に目を向けると空間が現れ衣都は驚いた。
その空間からリクが現れると衣都は立ち上がり「リクさん!」と言ってリクに抱きついた。
「どうした」
「何も言わずいなくなるから心配しました」
「すまない」
「どこに行ってたんですか?」
「崩れた洞窟を見に行ってた」
「洞窟を?」
「そこで王様に会った」
「何かされませんでしたか」
「王様が衣都を連れて城に来いって」
「え…」
驚いた顔で衣都が見つめるとリクが口を開いた。
「今から城に行こう」
「今からですか…」
「嫌か?」
「嫌じゃないです、行きましょう」
そう言って衣都は差し出されたリクの手を握りそのまま空間の中に入ると歩き出した。
その頃、悪魔の国の城では王様と王妃は椅子に座り兵士達とソウゴ王子とタイキ王子は立ってリクと衣都を待っていた。
それから暫くして兵士が慌てて現れた。
「王様、リク王子が衣都さんを連れて来ました」
「わかった」
「……」
兵士が仲間の兵士達の元に向かうとリクと衣都が社交場の中に現れた。
そしてリクは兵士達とソウゴとタイキに驚いた。
「リク、衣都さん、私の前へ」
「……」
リクと衣都は言われた通り王様に近づくと立ち止まった。
王様は椅子から立ち上がり衣都に目を向けると口を開いた。
「衣都さん」
「はい」
「リクと一緒にこの国を守ってほしい」
「え…」
「……」
衣都とリクが驚くと再び王様が口を開いた。
「あなたがいなかったら俺は赤い悪魔になったリクの命を奪ってた、あなたが側にいてくれたらリクは大丈夫、衣都さん、リクを頼みます」
そう言って王様が衣都に向かってお辞儀をするとリクは驚いた顔で見つめた。
「顔をあげてください」
「……」
顔をあげ王様が見つめると衣都が口を開いた。
「俺はリクさんが好きです、俺でリクさんの力になれるのならリクさんの側にいます」
「ありがとう」
王様がホッとするとソウゴが口を開いた。
「王様、パーティーを始めましょうか」
「そうだな」
王様の許可が入ると兵士達は酒と食事を準備しパーティーが始まった。
「衣都、俺と踊ってください」
ソウゴとタイキが衣都を王様とリクから離れさせると王様が口を開いた。
「リク、俺にはお前しかいない」
「父さん」
「リク、この国を頼む」
「父さん」
「リク」
「……」
リクが目を向けると王妃が口を開いた。
「明日から私達、人間が暮らす国に旅行に行くのリク、国のことお願いね」
そう言って王妃と王様が社交場を出ていくとパーティーは盛り上がった。
「盛り上がってるな」
そう言ってリクは酒が入ったグラスを取りにテーブルに近づくとグラスを掴み飲んだ。
そこへソウゴとタイキが近づいてきた。
「リク、良かったな」
「お前ら俺を恨んでないのか」
「何で恨むんだよ」
「衣都を俺だけのものにした、恨んでないわけないだろ」
兵士達と楽しく騒いでいる衣都を見つめながらリクが口にするとソウゴとタイキが口を開いた。
「3人を好きだと言っていた衣都がリクを選んだんだ、俺達は諦めらしかないだろ」
「ソウゴの言う通りだ」
「リク、衣都を悲しませたら絶交だからな」
「わかったか」
「衣都を悲しませることはしない約束する」
衣都を見つめながらリクが誓うとソウゴが魔法で音楽を流した。
「リク」
タイキがリクの身体を押し中央に行かせると兵士達も衣都を中央に行かせた。
「リクと衣都のダンスでパーティーを終えよう」
ソウゴの言葉と同時に兵士達が目を向けるとリクと衣都は音楽に合わせてダンスを踊り始めた。
それから暫くして音楽が終わりダンスも終わった。
その後、社交場は誰もいなくなった。
ーリクの部屋ー
バルコニーでリクと衣都は寄り添いながら空を見つめていた。
「本当に良いのか?」
「リクさんの力になりたいのは本当だから」
「宮下から受け継いだスーパーがあるだろ」
「スーパーは宗正さんと義久さんに任せるから大丈夫です」
衣都の言葉通りスーパーは宗正と義久が受け継いだ。
ー翌日ー
兵士達は城の前に集まった。
そして赤い長髪に赤い瞳、赤いタキシードに赤いマントを羽織ったリクと私服姿の衣都が姿を現した。
「王が来たぞ」
会話をしていた兵士達は静になりリクと衣都に目を向けた。
「皆、嫌かもしれないけどこの国を守るために俺の力になってほしい」
そう言ってリクと衣都が兵士達に向かってお辞儀をすると兵士達が口を開いた。
「俺はリク王のために働きます」
「俺も」
「俺も」
1人の兵士の言葉に全ての兵士達が新しい王を認めるとリクと衣都は顔をあげ見つめ合い微笑んだ。
そしてリクは嬉し涙を流しながら兵士達に向かって「ありがとう」と口にした。
こうしてリクは悪魔の国の新しい王様になり衣都はリク王を支える王妃になった。
完結
先に目を覚ましたリクは側で寝ている衣都を起こさないように身体を起こしベッドからおりると魔法で赤いタキシードと赤いマントを身にまとった。
そしてリクは魔法で壁に空間を開け中に入ると空間を閉じ歩き出した。
50秒後、空間が開くとリクは空間から出て崩れた洞窟を見つめた。
「……」
「リク、何しに来た」
「……」
背後から話しかけられ振り返ったリクは1人で立っている王様に目を向けた。
「王様」
「何しに来た」
「崩れた洞窟がどうなったか気になって様子を見に来たんだ、すぐにいなくなるから安心してください」
「それだけか、俺に用事があるから来たんじゃないのか」
「俺は王様の息子じゃないし王子でもない」
「……」
「衣都と過ごすのに魔法はいらない、王様、魔法を解いてください」
「……」
お辞儀をするリクに王様は無言で近づき肩に触れると顔をあげさせた。
「……」
「姿は赤いままだが心は元に戻ったようだな」
「衣都のお陰です」
「ソウゴ王子とタイキ王子に言われたよ」
「……」
「衣都ならリクの赤い姿を元に戻すかもしれないから悪魔の国の王子に戻してやってくれと」
「アイツら余計なことを」
「一度、衣都の元に戻って衣都を連れて城に来い」
「王様」
「わかったら早く行け」
「……」
無言でお辞儀をするとリクは空間の中に入り衣都の元に向かった。
「……」
笑みを浮かべると王様も離れ城に向かった。
ー寝室ー
私服に着替えた衣都はリクがいなくなりベッドに座りながら落ち込んでいた。
「リクさん、どこに行ったんだろ」
壁に目を向けると空間が現れ衣都は驚いた。
その空間からリクが現れると衣都は立ち上がり「リクさん!」と言ってリクに抱きついた。
「どうした」
「何も言わずいなくなるから心配しました」
「すまない」
「どこに行ってたんですか?」
「崩れた洞窟を見に行ってた」
「洞窟を?」
「そこで王様に会った」
「何かされませんでしたか」
「王様が衣都を連れて城に来いって」
「え…」
驚いた顔で衣都が見つめるとリクが口を開いた。
「今から城に行こう」
「今からですか…」
「嫌か?」
「嫌じゃないです、行きましょう」
そう言って衣都は差し出されたリクの手を握りそのまま空間の中に入ると歩き出した。
その頃、悪魔の国の城では王様と王妃は椅子に座り兵士達とソウゴ王子とタイキ王子は立ってリクと衣都を待っていた。
それから暫くして兵士が慌てて現れた。
「王様、リク王子が衣都さんを連れて来ました」
「わかった」
「……」
兵士が仲間の兵士達の元に向かうとリクと衣都が社交場の中に現れた。
そしてリクは兵士達とソウゴとタイキに驚いた。
「リク、衣都さん、私の前へ」
「……」
リクと衣都は言われた通り王様に近づくと立ち止まった。
王様は椅子から立ち上がり衣都に目を向けると口を開いた。
「衣都さん」
「はい」
「リクと一緒にこの国を守ってほしい」
「え…」
「……」
衣都とリクが驚くと再び王様が口を開いた。
「あなたがいなかったら俺は赤い悪魔になったリクの命を奪ってた、あなたが側にいてくれたらリクは大丈夫、衣都さん、リクを頼みます」
そう言って王様が衣都に向かってお辞儀をするとリクは驚いた顔で見つめた。
「顔をあげてください」
「……」
顔をあげ王様が見つめると衣都が口を開いた。
「俺はリクさんが好きです、俺でリクさんの力になれるのならリクさんの側にいます」
「ありがとう」
王様がホッとするとソウゴが口を開いた。
「王様、パーティーを始めましょうか」
「そうだな」
王様の許可が入ると兵士達は酒と食事を準備しパーティーが始まった。
「衣都、俺と踊ってください」
ソウゴとタイキが衣都を王様とリクから離れさせると王様が口を開いた。
「リク、俺にはお前しかいない」
「父さん」
「リク、この国を頼む」
「父さん」
「リク」
「……」
リクが目を向けると王妃が口を開いた。
「明日から私達、人間が暮らす国に旅行に行くのリク、国のことお願いね」
そう言って王妃と王様が社交場を出ていくとパーティーは盛り上がった。
「盛り上がってるな」
そう言ってリクは酒が入ったグラスを取りにテーブルに近づくとグラスを掴み飲んだ。
そこへソウゴとタイキが近づいてきた。
「リク、良かったな」
「お前ら俺を恨んでないのか」
「何で恨むんだよ」
「衣都を俺だけのものにした、恨んでないわけないだろ」
兵士達と楽しく騒いでいる衣都を見つめながらリクが口にするとソウゴとタイキが口を開いた。
「3人を好きだと言っていた衣都がリクを選んだんだ、俺達は諦めらしかないだろ」
「ソウゴの言う通りだ」
「リク、衣都を悲しませたら絶交だからな」
「わかったか」
「衣都を悲しませることはしない約束する」
衣都を見つめながらリクが誓うとソウゴが魔法で音楽を流した。
「リク」
タイキがリクの身体を押し中央に行かせると兵士達も衣都を中央に行かせた。
「リクと衣都のダンスでパーティーを終えよう」
ソウゴの言葉と同時に兵士達が目を向けるとリクと衣都は音楽に合わせてダンスを踊り始めた。
それから暫くして音楽が終わりダンスも終わった。
その後、社交場は誰もいなくなった。
ーリクの部屋ー
バルコニーでリクと衣都は寄り添いながら空を見つめていた。
「本当に良いのか?」
「リクさんの力になりたいのは本当だから」
「宮下から受け継いだスーパーがあるだろ」
「スーパーは宗正さんと義久さんに任せるから大丈夫です」
衣都の言葉通りスーパーは宗正と義久が受け継いだ。
ー翌日ー
兵士達は城の前に集まった。
そして赤い長髪に赤い瞳、赤いタキシードに赤いマントを羽織ったリクと私服姿の衣都が姿を現した。
「王が来たぞ」
会話をしていた兵士達は静になりリクと衣都に目を向けた。
「皆、嫌かもしれないけどこの国を守るために俺の力になってほしい」
そう言ってリクと衣都が兵士達に向かってお辞儀をすると兵士達が口を開いた。
「俺はリク王のために働きます」
「俺も」
「俺も」
1人の兵士の言葉に全ての兵士達が新しい王を認めるとリクと衣都は顔をあげ見つめ合い微笑んだ。
そしてリクは嬉し涙を流しながら兵士達に向かって「ありがとう」と口にした。
こうしてリクは悪魔の国の新しい王様になり衣都はリク王を支える王妃になった。
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