転生

福猫

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第1話

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天使が暮らす国に美しい姉妹の天使がいた。

白い羽に白いドレス金髪の長髪の姉アダンと黒い羽に黒いドレス黒い長髪の妹ベニー。

そんな美しい姉妹を狙う者達がいた。

「妹のベニーも美しいけど姉のアダンはNo.1の美しさですねブライアン様」

「そうだな」

返事をすると黒い羽に黒い長服のガイコツ、ブライアンはじっとアダンを見つめた。

「アダンを俺の部屋に連れてこい」

「ベニーは良いんですか?」

「ベニーはお前達が気に入ってるんだろ、俺はアダンが欲しいんだ」

「ベニーは俺達が」

「好きにしろ」

そう言ってブライアンが飛んで離れていくと黒い羽に黒い長服のガイコツ達は築かれないように一歩一歩、近づいた。

「俺はアダンをさらいブライアン様の元に連れていくお前達は天使達の命を奪えベニーの命は奪うなよ」

「わかりました」

「行くぞ」

そう言ってガイコツ達は天使達を襲いかかった。

天使達とベニーはガイコツ達と戦いアダンも剣でガイコツと戦った。

「キャー」

「ベニー!」

アダンがベニーを助けに行こうとしたその時、ブライアンの1番の手下ガイコツのイアンが行く手を阻んだ。

「ブライアン様が待ってます、俺と一緒に行きましょう」

「帰ってブライアンに伝えなさい、私はブライアンのものにならないと」

「仕方ありませんね」

そう言ってイアンは指を鳴らし地面から蔓を出現させアダンの身体に巻きつけると手から剣を落とさせた。

「素直にならないからいけないんですよ」

「……」

蔓を外そうとアダンがもがくとイアンが口を開いた。

「無駄ですよ、俺が放った蔓は簡単に外れません」

そう言ってイアンはアダンを眠らせ身体を支えるとブライアンの元に運んだ。

ーガイコツが住む国ー

ゆっくり過ごす家の寝室で外を眺めていたブライアンは気配を感じ振り返り眠っているアダンを連れているイアンに微笑んだ。

「イアン、アダンをベッドに」

「わかりました」

返事をするとイアンはアダンをベッドに運び仰向けで寝かせた。

「仲間の元に戻ります」

「イアン、良くやった」

「ありがとうございます」

「お前もベニーとゆっくり楽しめ」

「はい」

お辞儀をするとイアンは寝室から出ていきブライアンはベッドに近づいた。

「今夜、俺達は結ばれる」

そう言ってブライアンが手を伸ばし頬に触れようとしたその時、アダンが目を覚ました。

「目が覚めたか」

ブライアンが手を引っ込めるとアダンは身体を起こし口を開いた。

「私はブライアンのものになりません」

「ベニーに何かあっても良いのか」

「ベニーに何もしないで」

「ベニーを助けたかったら俺のものになれ」

「……」

ブライアンのものになりたくないアダンは顔をそらした。

ブライアンはアダンの顎を掴み自分の方に向かせると口を開いた。

「俺のものになればベニーを助けてやる」

「……」

「ベニーを助けたくないのか」

「…わかりました…あなたのものになります…」

「良い返事だ」

そう言ってブライアンはアダンの顎を掴んだまま唇を奪いそのまま身体も奪った。

その頃、ベニーもイアンと仲間のガイコツに身体を奪われていた。

「やめてー」

叫びながらベニーは力を放ちイアンとガイコツ達を消し去った。

その後、ベニーは立ち上がり仲間の天使達の死を悲しんだ。

そしてベニーは剣を自分の腹に突き刺し倒れ口を開いた。

「アダン、ゴメンね…アダンは生きて…」

口にした後、ベニーの命は消え天使の国と天使達も跡形もなく消えた。

何も知らないアダンはブライアンに身体を奪われ続けていた。

それから暫くしてアダンはブライアンの行為から解放された。

「ブライアン、約束は守ってくださいよ」

「約束は守れないな」

「どうして」

「天使達とベニーとイアンとガイコツ達の命が消えている」

「……」

背を向けながら口にするブライアンの言葉にアダンはショックを受けベッドから立ち上がると剣を手に持ちそのまま背を向けているブライアンに近づき剣を突き刺した。

「アダン…」

「ブライアン、私と一緒にあの世に行きましょう」

「あの世はアダンだけ行け」

そう言ってブライアンはアダンから離れアダンに目を向けるとブライアンはうつ伏せで倒れ命が消えた。

「ベニー、私も行くからね」

そう言って剣を突き刺しその後、手から剣を落とすとアダンはゆっくり仰向けで倒れた。

「転生できたら…幸せな人生を送りたいわね…」

目を閉じるとアダンの命が消えその後、アダンとブライアンとガイコツの国が跡形もなく消えた。

ー現在ー

公園のベンチに座って蓮(れん)はスマホをいじりながら男性を待っていた。

30分後、男性が急いで現れた。

「遅くなってゴメン」

「恭介(きょうすけ)、遅いよ」

「ゴメン」

謝りながら恭介が隣に座ると蓮はスマホをポケットの中に入れ口を開いた。

「俺を呼び出した本人が遅刻だもんな」

「ゴメン、蓮が好きなケーキをおごるから俺の別荘に行こうぜ」

「本当だろうな」

「本当だから行こうぜ」

そう言って恭介はベンチから立ち上がり蓮の手を握り立たせると公園の中を歩き駅に向かった。

その頃、別荘ではスーツを着た男性がいろんな種類のケーキをテーブルに置きながら恭介と蓮を待っていた。
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