転生

福猫

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第7話

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ー夜空が住むマンションー

「恭介、その姿は」

夜空が驚いた顔で見つめると恭介が口を開いた。

「夜っちゃん、死んでくれないかな」

「何、言ってんだ」

「夜っちゃんがいると蓮が俺のものにならないんだよ」

「俺のものってお前、蓮さんにしたこと忘れてないよな」

「夜っちゃん」

名を口にし恭介は夜空に近づき耳元で囁いた。

「好きな者はむりやり手に入れる、そういうものだろ」

「相手が嫌がってもお前はむりやり手に入れる」

「その通り」

「……」

ニヤリと笑う恭介を見つめながら夜空は蓮を恭介に渡すわけにはいかないと感じ口を開いた。

「今のお前は危険だ、そんな奴に蓮さんを渡すわけにはいかない」

「今から俺達はライバルだ」

そう言って恭介が剣を掴み構えると夜空の前に黒い羽に黒い長服のガイコツ、ブライアンが現れた。

「ブライアン」

恭介が名を口にすると夜空は驚いた顔でブライアンを見つめた。

「ガイコツ…」

「お前が転生した姿か」

「……」

「イケメンに転生したもんだ」

「何しに来たんですか?」

恭介が話しかけるとブライアンが口を開いた。

「ベニーが転生した人間に言いたくて来たんだ」

「何ですか?」

「俺とアダンは結ばれなかったが、夜空と蓮は結ばれている」

「夜っちゃんと蓮は結ばれてる?意味がわからない」

「夜空と蓮は思い合ってる、本人達は築いてないけど」

そう言ってブライアンが夜空に目を向けると恭介は苛立ち剣でブライアンを切りつけ消し去った。

驚いた顔で「何してんだ」と夜空が口にすると恭介は剣を夜空に突きつけ口を開いた。

「ブライアンが言ってたこと本当か」

「蓮さんと俺が思い合ってるってことか」

「あぁ」

「蓮さんはどう思ってるかわからないけど、俺は蓮さんに惚れてる」

「やっぱり夜っちゃんの命を奪うしかないな」

そう言って恭介が剣で夜空の腹に突き刺そうとしたその時、白い羽に白い長服に白い長髪の蓮が現れ夜空の代わりに恭介の攻撃を受けた。

「蓮さん!」

「蓮!」

夜空は倒れかける蓮を抱き止め恭介は手から剣を離し蓮を見つめた。

「蓮さん、大丈夫ですか?…蓮さん…」

「蓮…」

自分の剣で蓮が傷ついたショックを受けた恭介は窓から飛び去り夜空はスマホで怜香を呼んだ。

それから暫くして怜香がやって来た。

「天使!」

「怜香、蓮さんを助けてくれ」

「……」

無言で近づき怜香は蓮の傷口を見て口を開いた。

「病院に運んで手当てしないと私、1人じゃ無理」

「この姿で運んだら大騒ぎになる」

「大騒ぎになるかもしれないけど…」

「お前と俺で手当てをするんだ」

「そんなの無理よ」

「医者を目指してるんだろ」

「……」

「怜香!」

真剣な顔で夜空が見つめると怜香が口を開いた。

「わかった、私達で蓮さんの傷を治しましょう」

そう言って怜香は治療道具を準備をし夜空は蓮を床に仰向けで寝かせた。

その後、怜香と夜空は蓮の傷口の治療を始めた。
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