2人の王子

福猫

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第15話

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「……」

「……」

結城の唇とリンの唇が離れその後、結城とリンが見つめ合うとララとルークが現れた。

結城は2人に目線を向け口を開いた。

「ララさん、ルークさん」

「どうしてここに」

口にした後、リンが立ち上がるとララとルークは近づきララが口を開いた。

「リタが俺達のところに来て話してくれた」

「話したって何を」

「結城の唇を奪っていたときリンを感じ結城の心を知った、そしてリタは怒りリンを傷つけたと言っていた」

「それでリタは?」

「それだけ言ってどこかに行った」

「……」

ララの話を聞きながらリンは目線をララから結城に向け口を開いた。

「結城」

「はい」

「ララとルークに大事な話があるから結城は家に帰りなさい」

「わかりました」

「金水晶が結城を守ってくれる」

「わかりました」

リンから金水晶を受け取ると結城は森林の中を歩き出し離れていった。

「ララ,ルーク」

「リン、俺達、国に帰ることにした」

「え…」

驚いた顔でリンが見つめるとララとルークが口を開いた。

「さっき結城を見て確信した」

「俺達に恋をしてないと」

「ララ、ルーク」

「リン、結城のことが本気で好きなら死ぬ気で結城を守れ」

「……」

真剣な顔で無言でリンが頷くとララとルークが手を差し出した。

リンはララの手を握りリンとララは見つめ合った。

そしてララが口を開いた。

「お前なら結城は幸せになる」

「ララ」

「じゃあな」

「……」

互いの手が離れるとリンは姿を消していくララを見送った。

「リン」

「ルーク」

リンはルークの手を握り見つめ合った。

「リタは本気で結城に惚れてる、何をするかわかない気をつけろよ」

「わかってる」

「黄の国に帰って花嫁を探さないとな」

「ルーク」

「じゃあな」

「あぁ」

互いの手が離れるとリンは姿が消えていくルークを見送った。

「……」

リンは無言で立ち尽くした。

その頃、リタは理人が働いているコンビニ近くの公園のベンチに座って結城のことを思っていた。

「結城の唇から感じたリンの気…結城の心はリンを思っている…」

口にしたその時、雨が降り出した。

「……」

ベンチから立つこともなくリタは雨に濡れ続けた。

5分後、リタはベンチから立ち上がった。

そして歩き出そうとしたその時、ふらつき倒れかけた。

そこへ傘をさした理人が現れ理人は傘を捨てリタを抱き止めた。

リタは理人に目線を向けた。

「お前は…」

「大丈夫ですか?」

「俺に触るな」

理人を突き離しリタは歩き出した。

「……」

理人はじっと見つめた。

するとリタがうつ伏せで倒れた。

理人はリタに近づき身体を支えながら公園を離れ近くのホテルに向かった。

5分後、ホテルに着くと理人はリタを部屋に運びベッドに寝かせた。

その後、理人は濡れたリタの服を脱がせタオルで身体を拭きバスローブを着せた。

「……」

理人はベッドに座り眠るリタを見守った。

1時間後、理人は身体を倒し眠りについた。

翌日、目を覚ましたリタは身体を起こし眠る理人を見つめた。
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