猫達の日常

福猫

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ハサミ使いのジェロ

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水晶玉に向かって明花はある猫の名を呼んだ。

「ジェロ」

水晶玉に三毛猫、ジェロの姿が現れた。

「久しぶりだな、明花」

「ジェロに仕事を頼みたいんだけど」

「仕事の内容によって値段、高いぜ」

「猫達の毛を整えて欲しいの、やってくれる?」

「承知した、明日、島に行くよ」

「ありがとう」

「じゃあ明日な」

水晶玉からジェロの姿が消えると明花は水晶玉を使ってミケとハッチとドンとチャチャときなこもちとシロタマとクロネコに明日、毛を整えることを伝えた。

翌日、野原にミケとハッチとドンとチャチャときなこもちとシロタマとクロネコが集合した。

その後、明花が野原に現れた。

「毛を整えるって久しぶりにジェロが来るの?」

「会うの久しぶりでしょ」

「そうだな」

会話をしているとジェロが現れた。

「元気だったか」

「ジェロ、久しぶりだな」

きなこもち以外、ジェロの側に近づき再会を喜んだ。

「……」

きなこもちはじっと見つめた。

ジェロは築き口を開いた。

「新しい仲間か?」

「きなこもちといいます」

「俺はジェロ、こいつらの毛を整えるのが仕事だ」

「話は終わりよ、ジェロ、お願い」

「順番はミケ、ハッチ、ドン、チャチャ、シロタマ、クロネコ、そしてきなこもちで良いかな…ミケ」

「わかった」

ミケが座るとジェロはハサミとクシを器用に使いながらミケの毛を整え始めた。

5秒後、ジェロはハッチ、ドン、チャチャ、シロタマ、クロネコと毛を整えた。

「最後、君だね」

「はい」

きなこもちはジェロに近づき前に座った。

「毛が長いね」

「やりづらいですか?」

「そんなことないよ」

ジェロは器用にハサミとクシを使いながらきなこもちの毛を整えた。

「終わったよ」

「ありがとうございました」

ミケとハッチとドンとシロタマとクロネコとチャチャときなこもちは満足げに野原から離れていった。

「ご苦労様」

明花が声をかけるとジェロが口を開いた。

「明花も毛を整えてやろうか」

「お願いするわ」

明花が座るとジェロは明花に近づき毛を整え始めた。

「相変わらず銀の髪、良い髪だな」

「ありがとう」

10秒後、ジェロが口を開いた。

「終わったぞ」

「ありがとう」

明花は立ち上がり封筒を差し出した。

「……」

ジェロは封筒を受け取り口を開いた。

「久しぶりに会えて良かったよ」

「私も」

「またな」

「封筒の中、調べないの?」

「人数分だろ」

「それ以上、入ってる」

「ありがとう」

「元気でね」

「明花もな」

明花とジェロは見つめ合いその後、ジェロは野原から離れていき明花は見送った。
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