秘密の恋

福猫

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第2話

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30分後、インターホンが鳴った。

千春は寝室を離れ玄関に向かった。

そして千春はドアを開き入ってきた英治を見つめた。

「千春」

「英治さん」

英治に会って嬉しいはずなのに千春の心は落ち込んでいた。

千春は玄関を離れリビングに向かった。

「……」

英治は靴を脱ぎリビングに向かった。

千春はソファーに座りうつ向いた。

「……」

英治はソファーに近づき千春の側に座った。

「もう1人の不倫相手と何かあったのか?」

「え!」

驚いた顔で千春が見つめると英治が口を開いた。

「気づいてないと思ったか」

「……」

英治「たぶん、もう1人の不倫相手も俺のことに気づいていると思う」

「知らなかった」

英治は千春の顎を掴み自分の方に向かせ唇を重ねた。

「……」

「……」

唇と手を離し英治は千春の顔を見つめた。

「英治さん…」

頬を赤らめながら千春が見つめるとインターホンが鳴った。

「もう1人の不倫相手かな」

「……」

無言で千春はリビングを離れ玄関に向かった。

そして千春は鍵をあけドアを開いた。

すると肩まで長い髪の女性が現れた。

見たことない女性に千春は声をかけた。

「どちら様でしょうか?」

「英治の妻、利江(としえ)です」

「……」

驚きで千春が無言になると利江が口を開いた。

「英治がいるでしょ、あがらせてもらいます」

靴を脱ぎ利江はリビングに向かい英治に声をかけた。

「英治」

「利江!」

英治は驚いた顔で見つめながらソファーから立ち上がった。

「どうしてここに」

「英治のあとをつけたの」

「利江」

「男性と不倫してたなんて…」

「……」

千春がリビングに姿を見せると利江は振り返り千春を見つめた。

「男性に夫を奪われるなんて」

「ゴメンなさい」

千春はお辞儀をした。

その後、千春は顔をあげ利江に耳元で言われたことに驚いた。

「あなたのこと許さないから」

「……」

「……」

利江はリビングを離れ玄関に向かうと靴を履き家を出ていった。

「千春」

英治が近づくと千春が口を開いた。

「帰ってください」

「利江に何か言われたんじゃないのか?」

「1人にしてください」

千春は英治から離れソファーに座った。

「あとでメールする」

リビングを離れ玄関に向かうと英治は靴を履き家を出ていった。

「別れたほうが良いかもな」

千春はスマホで英治と悠聖の写真を見つめながら涙を流した。

それから30分後、インターホンが鳴った。

千春は涙を拭いソファーから立ち上がると玄関に向かい声をかけた。

「開いてます」

ドアが開きおとなしい女性が入ってきた。

女性を見て千春は悠聖の妻だと思い口を開いた。

「悠聖さんと別れますから心配しないでください」

「どうして私が悠聖の妻だとわかったんですか?」

「女性が現れたら悠聖さんの妻だとわかります」

「悠聖と別れるって悠聖のこと嫌いになったんですか?」

「好きです…」

千春が無言になり落ち込むと里紗(りさ)が口を開いた。

「何かあったんですか?」

「悠聖さんと別れますから帰ってください」

玄関を離れ千春は寝室に向かい中に入りドアを閉めた。

里紗は外に出て玄関のドアを閉めるとマンションから離れながらスマホで悠聖に電話をかけた。

5秒後、悠聖がでた

「もしもし」

「悠聖、私」

「言った?」

「言おうと思ったんだけど言えなかった」

「何で?」

「会って話さない?」

「わかった」

「マンションの近くに喫茶店があるよねそこで待ってる」

「わかった、すぐ行く」

会話を終えると悠聖と里紗は歩いて喫茶店に向かった。

それから暫くして悠聖と里紗は喫茶店で合流しコーヒーを注文した。

「言えなかったってどういうことだ」

「彼が悠聖さんと別れますから心配しないでくださいって言ったの,だから言えなかった」

「……」

「彼のこと諦めて私とよりを戻す?」

「俺は千春のことが好きだ、里紗とよりを戻すことはない」

「彼のことが本気で好きなら彼を守りなさい」

「わかってる」

「彼の心は弱ってる、側にいてあげて」

「弱ってるってどういうことだ」

「お金は私が支払うから今から行きなさい」

「わかった、ありがとう里紗」

悠聖は喫茶店を出ていき走りながらマンションに向かった。

その後、悠聖はマンションの前で英治と出会った。

「……」

「……」

悠聖と英治は見つめ合った。

「千春の」

「不倫相手」

会話後、悠聖と英治はマンションの中に入り千春の元に向かった。
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