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第1章 王国叙勲式

番犬 レオン

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レオンを救出後なんとかレオンを襲おうとした者達が気絶している間に、レオンを連れてジュラフ村に走って戻った。


ジュラフ村は、ゼブラ大森林のおかげで村全体が緑の木々に覆われている為人の目から見つかりにくい為俺達は危機を脱したのだった。


ゼェハァゼェハァ言っていた俺たちを心配してか同じ村に住む仲の良い住人達がやって来た。
その中には、親友であるクラウドの姿もあった。

<スカイ!一体どうしたんだ!?何があった?それとその獣人?は何だ?>

と聞かれ俺は矢継ぎ早に質問されたので、神の使いとされているフェンリルを無理やり従属させようとした者達から救ったこと。大きくなったら、母さんフェンリルを助けに行くこと。本意ではないが、フェンリルと契約する羽目になったことなどを話している間にいつのまにか俺の母親であるローズ母さんもやって来ていた。


<お前の事情はよく分かった。俺もお前に何か出来ることがあれば喜んで協力するからな。いつでも言ってくれ。>


【スカイ!貴方とこの子が無事で良かったわ。大切なアナタの身に何かあったら、私とリーフはきっと悲しくて泣いちゃうわ。】

と大袈裟に抱き締められた。リーフとは俺の父の名だ。

「大袈裟だよ、母さん。俺なら大丈夫だよ。レオンもいるしね!!」

と俺がレオンに目配せするとレオンと応じるように

"もちろんだ"


と言うと村の皆がレオンが突然話したことで驚いていた。

[[[フェンリルが喋った!?]]]


"当たり前だ!俺は誇り高いフェンリルの王子だぞ!!
''




「何!?お前王子だったのか!?ということはお前の母さんは、女王か…」


と俺はますます平穏な生活がこれから送りにくくなるだろうと落胆したが、レオンは何を勘違いしたのか


"俺はこの村の番人ならぬ番犬になってやるから安心しろ。"

となぜか斜め上の解釈をしてきたことに頭を抱える俺であった。

頭を抱えた俺の元にクラウドがやって来て2人で少し村人達から離れて人気のないところに移動するとクラウドが話を切り出した。

<スカイ少しいいかお前に話がある。俺と一緒に冒険者になる気はないか?もちろんすぐにというわけじゃないギルドで冒険者登録ができるのは、最低でも12歳からだからな。考えておいてほしい。>

とクラウドは真剣な表情で告げたのだった。
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