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3第一話
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第一話。
「優しくして」
麗一は、目の前で、無防備に寝ているこの男に、無性に興奮していた。
シャツの間から見える首筋。
寝息とともに、唇がピクピクと動き、その色は、麗一を誘うように、ほのかに桃色に色づいている。
「麗一…」
自分の名前を呼ばれたら、もう、止めることなどできなかった。
桃色になっている唇に、口づけをし、舌を割るように入れる。
すると、寝ているのに、彼は、麗一に応えようと、舌を追いかけてくる。
口づけだけにしておこうと思っていた理性はそこで、切れてしまった。
貪るように激しさを増す口づけも、寝ている彼は、それを嬉しそうに受け入れている。
寝ている彼の服の中に、手を滑り込む。
そこには、あまり出歩くことのない彼の白い肌が見えていた。
ごくりと麗一は唾を飲み込む。
目の前には、白いシャツを自分の手によって開け、白い肌に微かに主張する胸の頂ぎがあった。
麗一は舌を這わせ、吸い付く。
彼の呼吸も、徐々に高まりを見せて、艶混じりの声が聞こえてくる。
手を下の方に這わせていくと、躊躇うこともなく、彼は自分から、その秘められた場所を見せつけてくる。
なんて…エロイんだ。
いつもは、関心がない様にしている素振りの裏で、こんなに卑猥なことを平気でしている彼を、麗一は、自分の手で乱したいと思った。
そこらにいる男なんて、眼中にない。
自分に自信がなく、けれど、それを他人には知られたくない、この人は、不器用だ。
だからこそ、自分の前だけは、本当の姿をみせて欲しかった。
本当は、寂しがりやで、怖がりで、そして、感激屋で。
ころころと変わるその表情は、麗一の心をいつもとらえていた。
じっと、人を観察しているこの視線を自分だけの物にしたい。
彼と会ったその時に、感じた感覚は、独占したいというものだった。
自分の言葉で傷つく彼を心の中で歓び、自分の言葉で嬉しそうにしている彼を心の中で見守る。
それぐらいしか自分にはできないと思っていた。
なのに、この人は、とことん、無防備だ。
もう、我慢などできない。
自分から開いたその場所は、とても控えめなものだった。
自分から誘うのに、こんなにも、控えめなところは、麗一の心に、また大きな刺激を与えた。
麗一の指を待つように、腰をくねらせる彼。
こちらを、薄っすらと開けた瞳が、どこかまだ夢の中にいるようだったので、現実を見てもらった。
口づけをして、目の前でしっかりと視線を合わせる。
―!!
目が大きく開き、現実に戻った彼は、慌てている。
けれど、火をつけたの、彼だ。
手を抑えて彼の身体を貪る。
高まった体は、快感に狂う。
「やだ…だめ、‥‥吸わないで…」
羞恥心や、快感で混乱している彼を見て、優越感を得る。
麗一は、彼の秘めた場所に、自分のモノを擦りつける。
―!!
彼の身体が大きく跳ね、そして、身体から力が抜けた瞬間に、麗一は、自分の熱く滾った物を、彼の中に突き入れたのだった。
「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」
背中をしならせ、快感に体全体でよろこんでいるようだ。
どんなに抵抗しても、快感で満たされている身体は、ひくひくと麗一を締め付ける。
「先生…嘘はいけませんよ。
こんなにも俺を飲み込んでいるじゃないですか」
麗一は、自分のモノを飲み込んでいるその場所を、指でクニクニと刺激する。
「ヒヤァ…ぁぁぁ…」
女の様に身体を開かれているのに、その表情は、快楽で呆けている。
白い足を折り曲げ、ぶらぶらと揺らす光景に、ぞくりと征服感が湧いてくる。
素直じゃないこの人は、こうすると、本音を言ってくれる。
麗一は、ゆるゆると腰を動かしながらも、彼のいい場所をあえて避けるようにしていた。
それに、気付いたのか、
「ねぇ、動いて…」
涙で、揺らぐ目元、快感を耐えようとしてたのか、唇は、噛みしめた跡で、色が変わっている。
見下ろす麗一は、組み敷いている彼を見つめる。
「ねぇ、先生。
本当は、寂しいんですよね。
ねぇ、どうなんですか?」
麗一の言葉に、一瞬、表情を変えた。
辛い様な、でも、それ以上は口にすることができないという表情。
本音と建て前とは、良い言葉を作った物だ。
建前をずらずらと並べようとしているのだろう。
なかなか答えないのが、証拠だ。
麗一は、先生のいい場所にめがけて腰を動かす。
―!!
「あぁぁぁ…!!いい、いいの…」
こんなはしたない言葉が言えても自分の言葉が言えないのなら、意味もない。
新庄は、限界の近づきそうな状態だが、表情を変えずにもう一度、尋ねる。
「本当は、この部屋に、俺にいて欲しいんでしょ?」
伺うように今度は、目を合わせて言う。
彼は、とうとう、観念したらしい。
うんうんと頷く。
見上げてくる彼の目はそれでも、どこか距離を感じ、麗一は体重をかけて、彼の耳元まで近づき、
「正直に言えた人は、ご褒美です」
そう言って、先生の頭を撫でていく。
―嬉しい…
誰かに褒められてもそれは、あまり効果はない。
けれど、目の前で自分を欲している人にこうして、優しくされるだけで、自分は簡単に心を許してしまう。
「…もっと、優しくして…」
嬉しいのと、それを伝えたい気持ちとしてほしい言葉が混ざる。
素直な姿をさらけ出すなんて、今まで誰にもしたことがない。
だから、余計に、この男だけに見せたその自分自身を、全て受け止めて欲しかった。
「優しくして」
麗一は、目の前で、無防備に寝ているこの男に、無性に興奮していた。
シャツの間から見える首筋。
寝息とともに、唇がピクピクと動き、その色は、麗一を誘うように、ほのかに桃色に色づいている。
「麗一…」
自分の名前を呼ばれたら、もう、止めることなどできなかった。
桃色になっている唇に、口づけをし、舌を割るように入れる。
すると、寝ているのに、彼は、麗一に応えようと、舌を追いかけてくる。
口づけだけにしておこうと思っていた理性はそこで、切れてしまった。
貪るように激しさを増す口づけも、寝ている彼は、それを嬉しそうに受け入れている。
寝ている彼の服の中に、手を滑り込む。
そこには、あまり出歩くことのない彼の白い肌が見えていた。
ごくりと麗一は唾を飲み込む。
目の前には、白いシャツを自分の手によって開け、白い肌に微かに主張する胸の頂ぎがあった。
麗一は舌を這わせ、吸い付く。
彼の呼吸も、徐々に高まりを見せて、艶混じりの声が聞こえてくる。
手を下の方に這わせていくと、躊躇うこともなく、彼は自分から、その秘められた場所を見せつけてくる。
なんて…エロイんだ。
いつもは、関心がない様にしている素振りの裏で、こんなに卑猥なことを平気でしている彼を、麗一は、自分の手で乱したいと思った。
そこらにいる男なんて、眼中にない。
自分に自信がなく、けれど、それを他人には知られたくない、この人は、不器用だ。
だからこそ、自分の前だけは、本当の姿をみせて欲しかった。
本当は、寂しがりやで、怖がりで、そして、感激屋で。
ころころと変わるその表情は、麗一の心をいつもとらえていた。
じっと、人を観察しているこの視線を自分だけの物にしたい。
彼と会ったその時に、感じた感覚は、独占したいというものだった。
自分の言葉で傷つく彼を心の中で歓び、自分の言葉で嬉しそうにしている彼を心の中で見守る。
それぐらいしか自分にはできないと思っていた。
なのに、この人は、とことん、無防備だ。
もう、我慢などできない。
自分から開いたその場所は、とても控えめなものだった。
自分から誘うのに、こんなにも、控えめなところは、麗一の心に、また大きな刺激を与えた。
麗一の指を待つように、腰をくねらせる彼。
こちらを、薄っすらと開けた瞳が、どこかまだ夢の中にいるようだったので、現実を見てもらった。
口づけをして、目の前でしっかりと視線を合わせる。
―!!
目が大きく開き、現実に戻った彼は、慌てている。
けれど、火をつけたの、彼だ。
手を抑えて彼の身体を貪る。
高まった体は、快感に狂う。
「やだ…だめ、‥‥吸わないで…」
羞恥心や、快感で混乱している彼を見て、優越感を得る。
麗一は、彼の秘めた場所に、自分のモノを擦りつける。
―!!
彼の身体が大きく跳ね、そして、身体から力が抜けた瞬間に、麗一は、自分の熱く滾った物を、彼の中に突き入れたのだった。
「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」
背中をしならせ、快感に体全体でよろこんでいるようだ。
どんなに抵抗しても、快感で満たされている身体は、ひくひくと麗一を締め付ける。
「先生…嘘はいけませんよ。
こんなにも俺を飲み込んでいるじゃないですか」
麗一は、自分のモノを飲み込んでいるその場所を、指でクニクニと刺激する。
「ヒヤァ…ぁぁぁ…」
女の様に身体を開かれているのに、その表情は、快楽で呆けている。
白い足を折り曲げ、ぶらぶらと揺らす光景に、ぞくりと征服感が湧いてくる。
素直じゃないこの人は、こうすると、本音を言ってくれる。
麗一は、ゆるゆると腰を動かしながらも、彼のいい場所をあえて避けるようにしていた。
それに、気付いたのか、
「ねぇ、動いて…」
涙で、揺らぐ目元、快感を耐えようとしてたのか、唇は、噛みしめた跡で、色が変わっている。
見下ろす麗一は、組み敷いている彼を見つめる。
「ねぇ、先生。
本当は、寂しいんですよね。
ねぇ、どうなんですか?」
麗一の言葉に、一瞬、表情を変えた。
辛い様な、でも、それ以上は口にすることができないという表情。
本音と建て前とは、良い言葉を作った物だ。
建前をずらずらと並べようとしているのだろう。
なかなか答えないのが、証拠だ。
麗一は、先生のいい場所にめがけて腰を動かす。
―!!
「あぁぁぁ…!!いい、いいの…」
こんなはしたない言葉が言えても自分の言葉が言えないのなら、意味もない。
新庄は、限界の近づきそうな状態だが、表情を変えずにもう一度、尋ねる。
「本当は、この部屋に、俺にいて欲しいんでしょ?」
伺うように今度は、目を合わせて言う。
彼は、とうとう、観念したらしい。
うんうんと頷く。
見上げてくる彼の目はそれでも、どこか距離を感じ、麗一は体重をかけて、彼の耳元まで近づき、
「正直に言えた人は、ご褒美です」
そう言って、先生の頭を撫でていく。
―嬉しい…
誰かに褒められてもそれは、あまり効果はない。
けれど、目の前で自分を欲している人にこうして、優しくされるだけで、自分は簡単に心を許してしまう。
「…もっと、優しくして…」
嬉しいのと、それを伝えたい気持ちとしてほしい言葉が混ざる。
素直な姿をさらけ出すなんて、今まで誰にもしたことがない。
だから、余計に、この男だけに見せたその自分自身を、全て受け止めて欲しかった。
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