9 / 9
9
しおりを挟む
「で?…ここ、どこ?」
俺の印象では、こういう家は、屋敷でも、違うだろう。
新庄はいつもここから通勤しているのか。
穏やかな人生をと願った親族一同が、彼に用意したのは、大きな大きな和風な家。
たしか俺は、疲れて死ぬように寝た。
そして、目覚めたら、ここにいた。
横には、俺の顔を嬉しそうに見ている新庄。
しかも、寛げる部屋着。
「…」
麗しい男が、普通の服を着ている。
でも、それを見せているのは、俺だけ。
気分は、悪くない。
始めの言葉を落ち着いて言った俺を、褒めて欲しい。
ここは、寝室のようだ。
しかも、俺用のベッドが新庄の物とお揃いで並んでいる。
「ここ?俺の家です。引っ越しをしておきました」
キラキラと輝くその表情は、言葉を失う。
「え?」
痛む身体を支えられながら、隣の部屋を見ると、俺の仕事の部屋がそのまま。
冷蔵庫や電子レンジはないが、打ち合わせや食事で使う低い机が置かれている。
窓の高さや大きさは違うが、周りの置かれている配置は同じまま。
「どうです、完璧でしょう。
作品にうち込めれるように、配慮をしました」
仕事モードの口調に戻っている新庄。
よかった、普段通りだと安心した俺は、バカだった。
「これで、いつでも育てれるな」
―!!
あれ?
優しくしてください。とか、嫉妬してくださいとか、俺の願いは、どこに行った?
「しんじょう…さ…ン!」
反論しようとしたけれど、俺のどこをみて刺激されたのかわからないが、また、ベッドに逆戻り。
「やぁぁぁ…もう、無理…」
腰を揺らしていい場所を増やしていく新庄。
「新庄って呼ぶより、麗一って言って。
ほら!!」
グイっとしこりの部分を刺激されて身体が波打つように一気に快感が走っていく。
「ヒグ…」
「違うでしょ、れいいち」
容赦ない、攻撃に俺はズタズタだ。
「れーいち。れーいちぃぃ」
壊れたようにただ、喘ぎ声の代わりに目の前の男の名を呼ぶ。
「あなたの話では、俺はどんな風でしたか?
まだ、あったんですか?
今度、一緒にお酒を飲みましょう。
ねぇ、せんせ」
麗しい麗一。
諦めた物を手に入れた彼は、この上なく、幸せを感じている。
俺の印象では、こういう家は、屋敷でも、違うだろう。
新庄はいつもここから通勤しているのか。
穏やかな人生をと願った親族一同が、彼に用意したのは、大きな大きな和風な家。
たしか俺は、疲れて死ぬように寝た。
そして、目覚めたら、ここにいた。
横には、俺の顔を嬉しそうに見ている新庄。
しかも、寛げる部屋着。
「…」
麗しい男が、普通の服を着ている。
でも、それを見せているのは、俺だけ。
気分は、悪くない。
始めの言葉を落ち着いて言った俺を、褒めて欲しい。
ここは、寝室のようだ。
しかも、俺用のベッドが新庄の物とお揃いで並んでいる。
「ここ?俺の家です。引っ越しをしておきました」
キラキラと輝くその表情は、言葉を失う。
「え?」
痛む身体を支えられながら、隣の部屋を見ると、俺の仕事の部屋がそのまま。
冷蔵庫や電子レンジはないが、打ち合わせや食事で使う低い机が置かれている。
窓の高さや大きさは違うが、周りの置かれている配置は同じまま。
「どうです、完璧でしょう。
作品にうち込めれるように、配慮をしました」
仕事モードの口調に戻っている新庄。
よかった、普段通りだと安心した俺は、バカだった。
「これで、いつでも育てれるな」
―!!
あれ?
優しくしてください。とか、嫉妬してくださいとか、俺の願いは、どこに行った?
「しんじょう…さ…ン!」
反論しようとしたけれど、俺のどこをみて刺激されたのかわからないが、また、ベッドに逆戻り。
「やぁぁぁ…もう、無理…」
腰を揺らしていい場所を増やしていく新庄。
「新庄って呼ぶより、麗一って言って。
ほら!!」
グイっとしこりの部分を刺激されて身体が波打つように一気に快感が走っていく。
「ヒグ…」
「違うでしょ、れいいち」
容赦ない、攻撃に俺はズタズタだ。
「れーいち。れーいちぃぃ」
壊れたようにただ、喘ぎ声の代わりに目の前の男の名を呼ぶ。
「あなたの話では、俺はどんな風でしたか?
まだ、あったんですか?
今度、一緒にお酒を飲みましょう。
ねぇ、せんせ」
麗しい麗一。
諦めた物を手に入れた彼は、この上なく、幸せを感じている。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
彼の理想に
いちみやりょう
BL
あの人が見つめる先はいつも、優しそうに、幸せそうに笑う人だった。
人は違ってもそれだけは変わらなかった。
だから俺は、幸せそうに笑う努力をした。
優しくする努力をした。
本当はそんな人間なんかじゃないのに。
俺はあの人の恋人になりたい。
だけど、そんなことノンケのあの人に頼めないから。
心は冗談の中に隠して、少しでもあの人に近づけるようにって笑った。ずっとずっと。そうしてきた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる