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アップデート要因3
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僕は、声変わりをしたのに、どういうわけか声が男っぽくない。
つまり、目を閉じると女の子の声に聞こえないでもない。と、言われることがある。
これは、自分の親にも言われたことで、密かにコンプレックスを持っていた。
この声を揶揄ってくる奴は、自分の周りにはいないけど、印象に残る声であるとは自分でも自覚していた。
「先生の声ってなんかカワイイ」
週に2回入っている塾のバイトで中学生や高校生の子からよく言われる。
まぁ、マスクをなるべくするようにしているから、自分の地声を素で出すことはあまりないのだけれど…
準備が整ったとヨシキから報告が入り、彼の部屋に行くと、学生たちが多く住んでいるエリアには珍しい高級車が停まっているのに気づいた。
どこかの誰かの所かな?ぐらいにとらえていた僕だが、ヨシキの部屋を訪れてすぐに、それがヨシキのお兄さんの物だと気づく。
「あぁ…君か」
―!!?
綺麗な顔。冷たい眼差し。一瞬、そんな表情だった彼のお兄さんが僕を見て一気に様子を変えた。
?
すごくこの人、怖い。
僕にそんな野生の勘など備わっていないけれど、今までに出会ったことのないタイプとの出会いに、危険信号が鳴り響いていた。
「…兄さん、ありがとう。」
ブスっとしたいつもと違うヨシキの様子も気になるけれど、部屋の奥にいるヨシキの傍には近づけなかった。
玄関の扉の前には僕が。
そして、キッチンには、彼のお兄さんがいたのだ。
お兄さんは、明らかに僕の様子を見ている。
えっと…
「そんなに怖がらなくてもいいよ。君が…ヨシキの相手をする一葉君か…」
綺麗な男の人っているんだ。
サラッとした髪、すらっとした首元。シックな服を着ているから印象はより研ぎ澄まされたように感じる。
背が高く、手首には少し重みがありそうな時計まである。
その時計が、僕に近付いてきた。
―!!
いつの間にか、僕は、お兄さんの長い指で喉の下あたりから首を通り、耳の下あたりまでツーっと撫でられた。
「ッン!」
思いがけない行動に、逃げることもできず、その昇ってくる感覚に、身体が反応した。
それを見ていたヨシキが慌てて近寄ってきて
「一葉に、何すんだよ!!」
と、僕を抱きしめてくれて守ってくれた。
この時、一瞬、彼のお兄さんと目が合った。
―!!??
それは、何か、面白い物を見つけたような目だった…
「ごめんごめん、どんな子かなって興味がわいただけ。
いいか?私が言ったことを守ってなら、私は止めないからな」
またくると、言って、彼のお兄さんは帰っていった。
「またね、一葉くん」
ヨシキには聞こえないような低い声でそう残して。
つまり、目を閉じると女の子の声に聞こえないでもない。と、言われることがある。
これは、自分の親にも言われたことで、密かにコンプレックスを持っていた。
この声を揶揄ってくる奴は、自分の周りにはいないけど、印象に残る声であるとは自分でも自覚していた。
「先生の声ってなんかカワイイ」
週に2回入っている塾のバイトで中学生や高校生の子からよく言われる。
まぁ、マスクをなるべくするようにしているから、自分の地声を素で出すことはあまりないのだけれど…
準備が整ったとヨシキから報告が入り、彼の部屋に行くと、学生たちが多く住んでいるエリアには珍しい高級車が停まっているのに気づいた。
どこかの誰かの所かな?ぐらいにとらえていた僕だが、ヨシキの部屋を訪れてすぐに、それがヨシキのお兄さんの物だと気づく。
「あぁ…君か」
―!!?
綺麗な顔。冷たい眼差し。一瞬、そんな表情だった彼のお兄さんが僕を見て一気に様子を変えた。
?
すごくこの人、怖い。
僕にそんな野生の勘など備わっていないけれど、今までに出会ったことのないタイプとの出会いに、危険信号が鳴り響いていた。
「…兄さん、ありがとう。」
ブスっとしたいつもと違うヨシキの様子も気になるけれど、部屋の奥にいるヨシキの傍には近づけなかった。
玄関の扉の前には僕が。
そして、キッチンには、彼のお兄さんがいたのだ。
お兄さんは、明らかに僕の様子を見ている。
えっと…
「そんなに怖がらなくてもいいよ。君が…ヨシキの相手をする一葉君か…」
綺麗な男の人っているんだ。
サラッとした髪、すらっとした首元。シックな服を着ているから印象はより研ぎ澄まされたように感じる。
背が高く、手首には少し重みがありそうな時計まである。
その時計が、僕に近付いてきた。
―!!
いつの間にか、僕は、お兄さんの長い指で喉の下あたりから首を通り、耳の下あたりまでツーっと撫でられた。
「ッン!」
思いがけない行動に、逃げることもできず、その昇ってくる感覚に、身体が反応した。
それを見ていたヨシキが慌てて近寄ってきて
「一葉に、何すんだよ!!」
と、僕を抱きしめてくれて守ってくれた。
この時、一瞬、彼のお兄さんと目が合った。
―!!??
それは、何か、面白い物を見つけたような目だった…
「ごめんごめん、どんな子かなって興味がわいただけ。
いいか?私が言ったことを守ってなら、私は止めないからな」
またくると、言って、彼のお兄さんは帰っていった。
「またね、一葉くん」
ヨシキには聞こえないような低い声でそう残して。
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