家を訪ねて三千里

Lam

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6.お供が出来ました。

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「おじさん、しっかりしてよ!起きてポーション飲んで!!」

とりあえず、お兄ちゃんと1番手近な所に倒れている虎の獣人さんを起こすことにしました。
虎さんは、ちょっと痩せてるけど素晴らしい筋肉がついた体格の良い人です。
かなり体力を使っていたからか?回復魔法で治療した後も中々目が覚めません。
仕方ないので、お兄ちゃんと2人でしつこく揺すってみます。

「「おじさん!おじさん!起きて!」」

「う、う、う、だ、誰がおじさんだー!!俺はまだ22だっ!!」

「う、わーん!!おじさんが怒ったー!!」

「あ!ベル危ないから離れて!」

いきなり起きたおじさんに怒られました!
怖いです!まだ3歳の私に怒鳴るなんて酷いです!
心が幼児の精神に引っ張られてるのか、大きな声で叫ばれると怖くて泣けてきました。
そんな時お兄ちゃんは素早く私を抱き上げて虎さんから距離を取りました。
例えロリコンでもカッコイイです。

「お前!ベルを脅かすな!」

「へ?ダンジョンに内に子供?あれ?ここボス部屋だよな?何でこんな所に子供がいるんだよっ!」

「だから怒鳴るなよ!ベルが怖がってるだろ!だいたいお前!あんまり動くとぶっ倒れるぞ?怪我を治したばかりなんだから!」

「はぁ?怪我を治したって、お前達がか?あ!そうだ!!他の奴らはっ!?」

「あぁ!お前とそこで倒れてる2人しか残ってなかったから、他は死んだんじゃないか?ほら、そこら中に武器とか防具が残ってるし?」

お兄ちゃんは、私を背後に隠しながら虎のおじさんと話をしています。
うーん…でもおじさんのHPも残り少ないのでポーションを飲まないとまた気絶するんじゃないかな?

「あ!ハリー!!ヒルダ!!おい!しっかり…し…ろ…」

あらーおじさん、やっぱり倒れた!

「おじさん、まだ体力回復してないのに、そんなに騒いだら倒れるに決まってるのー!これ体力ポーションだから飲んで!!」

まだ怖いからお兄ちゃんの後ろから顔と手だけ出してポーションを見せる。

「俺は、まだおじさんじゃないって…は?体力ポーションなんてそんな高級なモノをくれるのか?金は払えないぞ?…それでもくれるって言うならヒルダ…この娘だけど、こいつにやってくれ!俺とハリーは体力なんざ少し寝てりゃ回復するからいいが、ヒルダは女だから回復が遅れれば置いて行かれるんだ!頼む!!」

あれれ?強面の虎さんだけど、女性に優しいわ!

「えっとね?体力ポーションは3人分あるから、虎さんも飲んでいいよ?で、そのお姉さんともう1人のおじさんにもあげて?」

と言って残り2本のポーションも出してみせる。

「は?お前…金持ちなのか?その割に気前いいな?」

「えー?お金持ちはケチなの?私、お金持ちじゃないけど使う時は使うよ?」

そう言って3本渡すと、1本を開けてグビグビ飲み、直ぐに効いてきたのか素早く立ってヒルダとハリーのそばに寄り声をかけて起こした。

「ハリー、ヒルダ、起きてくれ!俺たち生き残ったぞ!ほら体力ポーションだ!起きて飲んでくれ!!」

どうやら先に起きたのは、狼のお姉さんで半分寝ぼけながら体力ポーションを飲み飲み終えて体力が回復したのか「え?」と驚いて飛び起きた。
だが、状況が分からず困惑した目で私とお兄ちゃんや周りを見ている。次にやっと目を開けた熊のおじさんが、虎のおじさんに支えられて起きポーションを飲み干しやっと起き上がった。

「ジーク…ちょっと聞くが、この体力ポーションはどうしたんだ?」

「あーうーえっと…そこのお嬢ちゃんから貰った?」

「何で返事が疑問形なの?不安になるじゃない!」

「いや俺もどう言っていいのかわからなくて…何しろあげるから飲んでくれって渡されたんだから…」

獣人さん3人は、そんな話を仲間内でして困惑したままこちらを向いた。
そして、1番年上な熊さんが、

「お嬢ちゃん、ありがとう。ただ、見てわかる通り俺たちは奴隷なんだ、体力ポーションのお金は払えないんだが…ん?それより、ここにはお嬢ちゃんとお兄ちゃんだけなのかい?お父さん達はどこだい?」

と聞いてきた。

「お父さん達は、死んじゃったのー!だからここにはベルとお兄ちゃんしかいないのー!」

と私が答えると3人は驚いて

「マジか!?子供連れてダンジョン入ったのか!?」

「えぇー!冗談でしよー!自殺行為よ!」

「子連れでダンジョンなんて、バカかっ!!正気の沙汰じゃないだろう!」

とお父さん達に怒っている。
だけど、お父さん達のせいじゃないから、ちゃんと訂正しないと!

「違うのー!お父さん達は王子様達と殺されたのー!私達は王子様達の代わりをしてたんだけど侍従の人が裏切って、私達が邪魔になったのでこのダンジョンに箱詰めして捨てたのー!」

と、状況を説明してみた。

「「「なんだってー!!!!」

獣人さん達は蒼白になって顔を見合わせている。
そんな中で、虎さんが

「あー突っ込みどころ満載な話なんだけどよ、ひとつふたつお嬢ちゃん達に聞きたい事ががあるんだ…で、俺たち結構な怪我をしてたと思うんだけど、誰が治療したか知ってるか?」

って聞いてきたので答えようとしたら、お兄ちゃんに口を押さえられて、お兄ちゃんが逆に質問した。

「…何でそれを聞きたい?」

「あー誤解しないでもらいたいんだが…さっきも言ったが俺たちは奴隷だ、この状態でなら多分俺たちの主人は死んでる…だからポーション代も払えないし、治療費だって払えない…それに新しい主人を持たなけりゃこのダンジョンからも出られないんだ…だがな、せめて礼くらいはしたいだろう?だから知っているなら教えてくれないか?」

その話を聞いてお兄ちゃんは深い深いため息をついた。

「はあ…やっぱり主人はいないのか…じゃあ選択肢は1つだな。あ!虎さんの質問に答える前に僕たちの今後の事情を話すけど、僕たちは両親が亡くなったので2人きりの家族になった。政変があって一緒に国も家もなくなったんだけど、2人で生きるのに行く場所があるんだ、そこで相談なんだけど僕たちと契約しない?僕たちをそこまで護衛して連れてってくれたら契約は解消するよ!もちろん行くまでの食事や移動用の馬車は僕達が用意するよ?どうかな?」

「は?食事や移動手段の用意もしてくれるって破格な話だけどよ…場所はどこだよ!場所も言わずに連れてけってのはないだろう?」

あ!虎さんがキレた?まあそうね…場所も言わずに連れてっては無いかー
でも、お兄ちゃんにも詳しい場所は言ってなかったような…?

「あーそうだなー…ベル?」

うん、やっぱり言ってなかったねー

「えっと、ちなみに虎さん達のお国はどこなの?なんて国?」

「あん?俺たちの国か?奴隷になってからは色んな国を連れ回されてるから帰ってないが…生まれて奴隷になる前はコーラル国に住んでたな…ここからはかなり遠いぜ?それがどうかしたか?」

「じゃあ、そのコーラル国まで連れてって?」

「「「はぁ?」」」

私がコーラル国まで連れてって欲しいと言うと、奴隷さん達は一斉に驚き、お兄ちゃんは苦笑して頭をかいていた。

「ベルとお兄ちゃんはコーラル国の隣に行きたいのーだからコーラル国まででいいから私達と契約してくれない?護衛しながら連れてってほしいのー!」

あまりな私のお願いに虎さんが

「おいおい、お嬢ちゃんコーラル国がこの国からどれだけ遠いか分かってるのか?」

って言うから約12000キロをこちらの世界の距離に直して言ってみた!

「分かってるよー!ここから約三千里!!」

「うわーお前わかって言ってるんだ…っつーかマジでそんなに距離あるのか…ちなみにお前達2人じゃ行けないんだよな?」

うん、まあ普通そんな距離聞いたら驚くよねー

「無理なのー!それよりダンジョンも出られないの!」

「確かに…ここは7階だしな…ところでお前たちどうやって3階から来た?」

ん?気になるのはそこなの?

「3階の落とし穴に落とされて、その真後ろにあった滑り台を滑ってきたら…ここの隣の部屋だったのー!それで扉を開けて入ったらみんなが倒れてたのー!」

「何だそりゃー?3階から7階まで直通!?はあ…とりあえず3人で相談させてくれ!」

そう言って3人は壁際に集まってボソボソと話をし出した。なので、その間お兄ちゃんと散らばった武器と防具を回収することにした。と言ってもベルがクリーンをかけレオンがアイテムポーチに入れるという流れ作業なのであっさり終わっている。
そこで、3人の方に戻ると3人がビックリした顔でこっちを見ていた。

「どうしたの?決まった?」

「ああ、お前たちと行くことにするよ…しかし、お前達アイテムポーチまで持ってるのか…?落とされる時に取られなかったのか?」

「うん、ベルが持ってたから大人達は気がついてなかったよ?」

「ま、そうだな、そんな幼児がマジックアイテムを持ってるなんて普通は考えないさ…」








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