空飛ぶポー

よしだひろ

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空飛ぶポー

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「あらあら、ハルト。そのシロクマさんはどうしたの?」
 その日ハルトくんはシロクマさんを連れて家に帰って来たので、お母さんは驚きました。
 ハルトくんが海岸で流氷を見ていたら、流氷に乗ってこのシロクマさんがいたんだそうです。
「僕はポーって言うんだ。流氷に乗ってたら流されてここまで来ちゃったの」
「それは大変だったわね。二人とも泥だらけだから、とにかくお風呂に入って体を洗ってらっしゃい」
 ハルトくんとポーは一緒にお風呂に入りました。ポーにお湯をかけてあげたらポーは熱くて嫌がったので、冬なのに水をかけてあげました。
 それから暫くはポーとハルトくんは、ハルトくんの家で一緒に暮らしました。
 そして桃のお花に蕾ができた頃の事です。ポーは言いました。
「何だか最近毎日暑くてかなわないよ」
「もうすぐ春なんだね」
 するとポーは言いました。
「春になったら暑くてとてもここにはいられないよ。北極へ帰りたいな」
 ハルトくんはポーと離れたくありませんでした。だからお父さんにポーを説得してもらおうと、その話をしました。
 しかしお父さんは言いました。
「北極に住むクマさんは、寒さにはとても強いけど暑さにはほとほと弱いんだよ。このままポーがここで暮らしてたらポーは具合が悪くなってしまうよ」
 それを聞いてハルトくんはポーを北極へ帰してあげたいと思いました。でも、どうやって北極へ帰してあげたらいいのか、その方法が分かりません。ハルトくんは一生懸命考えました。そして思い付いたのです。
 ハルトくんは友達を集めて事情を話し、みんなに協力してもらえるように頼みました。
「事情は分かった。それで俺たちは何をやればいいんだ?」
 ハルトくんはみんなに作業を分担しました。たくさんの風船、たくさんのロープ、たくさんの木材が必要です。
 1日では集まらず、必要な材料が揃うまで数日かかりました。
「材料が揃ったから早速作り始めよう」
 みんなは木材を同じ大きさに切りそろえて釘でトントン打ち付けて繋いでいきます。
 そうして四角い箱状のゴンドラが出来上がりました。ゴンドラはロープで地面に打った杭にくくりつけました。
「よし、次は風船を膨らませてゴンドラに繋ごう」
 みんなはたくさんある風船を膨らませ始めました。そしてそれをゴンドラに繋ぎました。全ての風船を膨らませ終わる頃は、みんなクラクラしていました。
「みんなお疲れ様。風船ゴンドラが出来たよ。これにポーに乗ってもらって飛んで北極まで帰ってもらおう」
 早速ポーはゴンドラに乗りました。
「ポー。元気でね」
「ハルトくん、みんな。ありがとう」
 ハルトくんとポーは握手しました。
「じゃあロープを切るよ」
 友達が杭に結ばれてるロープを切りました。風船ゴンドラはゆっくりと空に浮かんで行きました。
「降りる時は一つ一つ風船を割るんだよ」
 ポーはうなずきました。
「みんな、ハルトくん。本当にありがとう」
 そして風船ゴンドラは風に乗って北の空へ飛んで行きました。
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