13 / 39
エングラントの槍編
守りの布陣
しおりを挟む
翌日シュタインはネーエンを屋敷に呼んだ。今後の方針について話すためだ。
「ネーエン殿。バオホが攻め込んでくるのはどの方角だと思う?」
フェネッケンは西に雪割り山脈を持つ。山脈を超えるとエングラント大公国だ。この山脈は高く聳え夏でも頂には雪が残っている。そして南の方に長く続いていた。軍隊を山脈の向こうから山を越えて移動させる事は現実的ではない。
「セオリーから言えば雪割り山脈が低くなっている北西の方角から攻め込んでくるだろうな」
「確かにね……」
シュタインもそれは考えていた。しかしそれではセオリー通りで、それを元に守りの布陣を敷けば簡単に打ち払う事が出来る。バオホがそんな単純な手で来るだろうか。
「シュタインよ。魔法の軍勢とはどのようなものなのだ?」
一年戦争の頃は魔法使いは重宝されその数も多かった。兵士として訓練された魔法探究者が一部隊として編成されていた。だから戦闘となれば魔法を交えての白兵戦だった。
しかし今回バオホが率いるのは、基本的に普通の兵士軍団だ。その代わり魔法により鍛えられた武具を装備している。
「兵士達は魔法を使うわけではないけれど、魔法により守られていたり魔法をかけられた武器による攻撃はダメージが大きいと思った方がいい」
シュタインは徐ろに腰に挿した剣を取り出した。
「例えばこの剣は一見普通の剣だが、実際は魔剣です。その攻撃力は同じくらいの剣に比べて遥かに大きい」
シュタインは剣を抜いて見せた。気のせいかうっすら光っているようにも見える。
「見た目には普通の剣ですよね? しかし通常の剣より攻撃力は高い。こんな剣を持ってる兵士がゴロゴロいるんですよ。全員ではないけどね」
「ふーむ」
ネーエンはそれを全く信じられなかった。
「恐らくバオホの軍団は総数は五百程度。しかし魔法によって鍛えられている事を考えると攻撃力は数倍と考えた方がいいです」
「たかが魔法で数倍もの力になるとは思えん。敵が五百で来るならこちらも五百で十分だ。北西の陣でいいな?」
「それでいいですよ。ただし国境付近には通常より多く、密に斥候を出していてほしい。迅速に対応するためにね」
「分かった。で、残りの兵士達には何をさせる?」
シュタインはバオホが北西の山を越えてくるとは思えなかった。ネーエンにそう言ったのは、五百で迎え撃つとネーエンが言ったからだ。来もしない布陣に多くの兵を割くわけにはいかない。それでネーエンが納得するならそれで良いと思ったのだ。
北西の山から来ないなら、どこから来る?
雪割り山脈を越える事など到底できないだろう。理屈ではそうだ。
「残りの兵士のうち二千は採掘場の防衛を頼みます。残りで街自体を守ります」
「守る? 北西の平地が戦場だぞ。何から守るのだ?」
「魔法探究者を侮ってはいけない。考えうる全ての事には対処しておくのです。兵を分散配置する事で、臨機応変に対応できる」
シュタインは何か嫌な予感がしていた。
細かい打ち合わせを終えてネーエンは帰っていった。
シュタインはすぐにミカに言った。
「ミカ。雪割り山脈について詳しく調べてみてくれないか。図書館に行けば古い文献もあるだろうから」
「分かりました」
常識的に考えるのならばバオホは北西の、低くなっている山地を超えてくるしかない。それは分かる。しかし、バオホは何か別の道を知っているような気がして仕方がなかった。
もし自分がバオホの立場なら北西の道は選ばない。待ち伏せされているのは目に見えているからだ。
西から来るか?
西からなれば採掘場がそこにある。しかし山をどう越える?
南西、もしくは南から?
採掘場から見てバオホの拠点エングラントの槍は南にある。
雪割り山脈は長く南へ続いている。山越えを避けるなら一旦エングラントの槍から更に南へ下って迂回する方法もある。しかしそれでは時間がかかってしまう。
「バオホは時間に迫られているわけではない。ならば南からの道が一番不意をつけるか……?」
シュタインは結論を決めかねていた。今はあり得る全ての可能性に対応しておく必要がある。
「取り敢えず町長の屋敷の守りも考えなければ」
シュタインは部屋を出て町長の屋敷へ向かった。バオホの最終的な目標は町長の首。これを取り戦意が喪失したところを最終攻撃するつもりだろう。
シュタインは町長の屋敷に着くとあちらこちらをウロウロするのだった。門番は不審に思うのだが考え事をしながらうろついてるのだろうと納得していた。
*
翌日も天気の良い心地よい日だった。
「班長、あの魔法使い……シュタインとか言いましたっけ? 奴は何をやってるのでしょうか?」
街の城壁の上に陣を構えている治安部隊の兵士が城壁から外を警戒していた。街を出て西の方角に広い荒地が広がっているのだが、シュタインはその荒地をあっちへ行ったりこっちへ来たり、ウロウロとさまよっていたのだった。
「さあな。魔法使いと言う者は初めて見たが、噂通り変わり者さ」
魔法使いと言うのはこの当時良く思われてはいなかった。その昔はどこにでも魔法を習得した者がいて日常的に見かける存在だった。しかし時が流れるとともにその数は減り、その実態を知る者も少なくなり、権威は下がり、一般に変わり者と思われるようになっていた。
「西から来るはずもない敵軍の警戒をさせるとか、あいつ戦ってものを分かってるんですかね?」
「一応ネーエン様からの命令だ。ネーエン様には何か考えがおありなのだろう」
昼になりシュタインがウロウロ歩きから帰ってきた。この辺りは西側付近に荒地が多かった。畑を作ってもうまく作物が育たない。だからこの街は食料の多くを近くの街などから輸送してもらっていた。
シュタインが帰ってくるのを見て愚痴を漏らしていた兵士が下の方に向かって叫んだ。
「魔法使い様がお帰りだ! 門を開けよ!」
シュタインが門に着く頃、門扉の片側が外側に少し押し広げられた。
シュタインは兵士に礼を言って中に入った。
丁度そこへミカが走って向かってきた。シュタインの元まできて両膝に手をついてハアハアと息を吐いている。
「どうしたんだい?」
「雪割り山脈に道を見つけました!」
「なんだって⁉︎」
シュタインはチラリと周りの兵士を見た。ここは場所が悪い。
「取り敢えず息を整えよう。ここでは何だから屋敷に戻ろう」
頷くとシュタインとミカは屋敷に向かって歩き出した。
「ネーエン殿。バオホが攻め込んでくるのはどの方角だと思う?」
フェネッケンは西に雪割り山脈を持つ。山脈を超えるとエングラント大公国だ。この山脈は高く聳え夏でも頂には雪が残っている。そして南の方に長く続いていた。軍隊を山脈の向こうから山を越えて移動させる事は現実的ではない。
「セオリーから言えば雪割り山脈が低くなっている北西の方角から攻め込んでくるだろうな」
「確かにね……」
シュタインもそれは考えていた。しかしそれではセオリー通りで、それを元に守りの布陣を敷けば簡単に打ち払う事が出来る。バオホがそんな単純な手で来るだろうか。
「シュタインよ。魔法の軍勢とはどのようなものなのだ?」
一年戦争の頃は魔法使いは重宝されその数も多かった。兵士として訓練された魔法探究者が一部隊として編成されていた。だから戦闘となれば魔法を交えての白兵戦だった。
しかし今回バオホが率いるのは、基本的に普通の兵士軍団だ。その代わり魔法により鍛えられた武具を装備している。
「兵士達は魔法を使うわけではないけれど、魔法により守られていたり魔法をかけられた武器による攻撃はダメージが大きいと思った方がいい」
シュタインは徐ろに腰に挿した剣を取り出した。
「例えばこの剣は一見普通の剣だが、実際は魔剣です。その攻撃力は同じくらいの剣に比べて遥かに大きい」
シュタインは剣を抜いて見せた。気のせいかうっすら光っているようにも見える。
「見た目には普通の剣ですよね? しかし通常の剣より攻撃力は高い。こんな剣を持ってる兵士がゴロゴロいるんですよ。全員ではないけどね」
「ふーむ」
ネーエンはそれを全く信じられなかった。
「恐らくバオホの軍団は総数は五百程度。しかし魔法によって鍛えられている事を考えると攻撃力は数倍と考えた方がいいです」
「たかが魔法で数倍もの力になるとは思えん。敵が五百で来るならこちらも五百で十分だ。北西の陣でいいな?」
「それでいいですよ。ただし国境付近には通常より多く、密に斥候を出していてほしい。迅速に対応するためにね」
「分かった。で、残りの兵士達には何をさせる?」
シュタインはバオホが北西の山を越えてくるとは思えなかった。ネーエンにそう言ったのは、五百で迎え撃つとネーエンが言ったからだ。来もしない布陣に多くの兵を割くわけにはいかない。それでネーエンが納得するならそれで良いと思ったのだ。
北西の山から来ないなら、どこから来る?
雪割り山脈を越える事など到底できないだろう。理屈ではそうだ。
「残りの兵士のうち二千は採掘場の防衛を頼みます。残りで街自体を守ります」
「守る? 北西の平地が戦場だぞ。何から守るのだ?」
「魔法探究者を侮ってはいけない。考えうる全ての事には対処しておくのです。兵を分散配置する事で、臨機応変に対応できる」
シュタインは何か嫌な予感がしていた。
細かい打ち合わせを終えてネーエンは帰っていった。
シュタインはすぐにミカに言った。
「ミカ。雪割り山脈について詳しく調べてみてくれないか。図書館に行けば古い文献もあるだろうから」
「分かりました」
常識的に考えるのならばバオホは北西の、低くなっている山地を超えてくるしかない。それは分かる。しかし、バオホは何か別の道を知っているような気がして仕方がなかった。
もし自分がバオホの立場なら北西の道は選ばない。待ち伏せされているのは目に見えているからだ。
西から来るか?
西からなれば採掘場がそこにある。しかし山をどう越える?
南西、もしくは南から?
採掘場から見てバオホの拠点エングラントの槍は南にある。
雪割り山脈は長く南へ続いている。山越えを避けるなら一旦エングラントの槍から更に南へ下って迂回する方法もある。しかしそれでは時間がかかってしまう。
「バオホは時間に迫られているわけではない。ならば南からの道が一番不意をつけるか……?」
シュタインは結論を決めかねていた。今はあり得る全ての可能性に対応しておく必要がある。
「取り敢えず町長の屋敷の守りも考えなければ」
シュタインは部屋を出て町長の屋敷へ向かった。バオホの最終的な目標は町長の首。これを取り戦意が喪失したところを最終攻撃するつもりだろう。
シュタインは町長の屋敷に着くとあちらこちらをウロウロするのだった。門番は不審に思うのだが考え事をしながらうろついてるのだろうと納得していた。
*
翌日も天気の良い心地よい日だった。
「班長、あの魔法使い……シュタインとか言いましたっけ? 奴は何をやってるのでしょうか?」
街の城壁の上に陣を構えている治安部隊の兵士が城壁から外を警戒していた。街を出て西の方角に広い荒地が広がっているのだが、シュタインはその荒地をあっちへ行ったりこっちへ来たり、ウロウロとさまよっていたのだった。
「さあな。魔法使いと言う者は初めて見たが、噂通り変わり者さ」
魔法使いと言うのはこの当時良く思われてはいなかった。その昔はどこにでも魔法を習得した者がいて日常的に見かける存在だった。しかし時が流れるとともにその数は減り、その実態を知る者も少なくなり、権威は下がり、一般に変わり者と思われるようになっていた。
「西から来るはずもない敵軍の警戒をさせるとか、あいつ戦ってものを分かってるんですかね?」
「一応ネーエン様からの命令だ。ネーエン様には何か考えがおありなのだろう」
昼になりシュタインがウロウロ歩きから帰ってきた。この辺りは西側付近に荒地が多かった。畑を作ってもうまく作物が育たない。だからこの街は食料の多くを近くの街などから輸送してもらっていた。
シュタインが帰ってくるのを見て愚痴を漏らしていた兵士が下の方に向かって叫んだ。
「魔法使い様がお帰りだ! 門を開けよ!」
シュタインが門に着く頃、門扉の片側が外側に少し押し広げられた。
シュタインは兵士に礼を言って中に入った。
丁度そこへミカが走って向かってきた。シュタインの元まできて両膝に手をついてハアハアと息を吐いている。
「どうしたんだい?」
「雪割り山脈に道を見つけました!」
「なんだって⁉︎」
シュタインはチラリと周りの兵士を見た。ここは場所が悪い。
「取り敢えず息を整えよう。ここでは何だから屋敷に戻ろう」
頷くとシュタインとミカは屋敷に向かって歩き出した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる