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3話《おしおき》
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僕は助手で、先生は探偵だ。シャツのボタンを上までとめて、きっちりとスーツを着こなす先生はスマートで格好いい。今日も、警察が匙を投げた難事件を華麗に解決してみせたのだ。人々は先生を「名探偵」と呼んだ。
そんな名探偵である先生の足を引っ張らないように、助手である僕もそれなりに頑張っている。先生がスムーズに事件の調査をできるように手伝うのが僕の仕事だ。
ところが、先生ときたら。僕を置いて自分一人で犯人の居場所に向かってしまった。結果的に無事に解決できたから良かったものの、どうしてそんな危ない真似をしたのか。そう問い詰めると、「君を危ない目に遭わせたくなかった」だなんて。過保護もいいところだ、一体何のために僕がいると思っているのだろうか。
──もう少し、先生にはわかってもらう必要がありそうだ。
僕はDomで、先生はSubだ。ネクタイを解き、シャツのボタンを外してゆく。期待するような蕩けた表情でこちらを見上げてくる先生はひどく色っぽくてかわいい。
「先生、いけませんね。僕に黙って一人で犯人のところに行くなんて」
「……あ、」
ばつが悪そうに先生は視線を逸らした。そんな彼の頬に手を添える。
「今日は『お仕置き』ですよ、先生」
「ほら、Look(目を逸らさないで)」
先生が顔を上げる。今にも泣き出しそうな、それなのにどこか高ぶったような表情をしていた。
「ちゃんとできたら、褒めてあげますから」
DomはSubの嫌がることはしないのが基本である。DomとSubという関係は信頼で成り立っているからだ。だから、お仕置きをする場合はちゃんとその後のアフターケアを欠かしてはならない。
「どうするんですか、もし犯人がDomだったら。Subの先生なんか、あっという間に服従させられてしまいますよ?」
犬のように四つん這いになり、高く突き出される先生の尻を手のひらで叩く。パァンと乾いた音が部屋に響く。
「ごめん、なさい……っ」
「じょしゅくん、」
「わかった、からぁ……」
先生は「あっ」とか「ひんっ」とか短く声をあげながらも潤んだ瞳で訴えかけてくる。そろそろ頃合いだろうか。
「本当に?」
「約束する、もう一人で行かない、から……」
「わかればいいんです。えらいですね、がんばりました」
ふわりと微笑み、そのうなじに優しくキスをする。
「あぁ……」
先生はこの世の何よりも幸せそうに顔を緩ませた。
先生がSubであることは他に誰も知らなくていい。誰にも知られたくない。先生のこんな顔を見るのは──僕だけでいいのだから。
お仕置きの後はたっぷり先生を甘やかす。
「ね、先生、Present(見せて)」
うつ伏せの姿勢でくったりとしていた先生は身体を起こすと仰向けになり、羞恥の滲んだ表情で両脚をぱかりと開いた。孔まで丸見えで無防備なまでに曝け出された下半身。こちらを誘うように腰を、くい、と動かす。
恥ずかしいことが好きな先生にとってその行為はきっとご褒美だろう。
「あは、そんな焦らなくてもすぐに挿れてあげますから。……ほら、こういう時はなんて言うんでしたっけ?」
既に受け入れる準備に整った後孔に自分のものを擦りつけながら、彼からの言葉を待つ。
「……っ、いれて、ください」
「もう少し具体的に。何を、どこに?」
「じょしゅくんの、ちんちん、私の、中にいれて……っ」
一節一節区切りながら、蕩けた、期待に満ちた目でそう訴えかけてくる。Subからそんな期待をかけられてしまっては、それに応えたくて仕方なくなるのがDomの性だ。ぞくぞくと、湧き上がる高揚感に自分の中の欲求も満たされていくのを感じる。それでもまだだ、まだ足りない。
「よく言えました、先生……っ、」
入口を浅く擦っていたそれを、ずん、と一気に奥まで突き入れる。彼の身体がびくりと跳ねた。
「あ、あぁっ、」
先生の断続的な嬌声が部屋にこだまする。その悦ぶ声に応じるように目一杯腰を打ちつける。
「せんせ、」
「んぁっ、はげし、っ、ぁッ、…、」
「はげしい方が、好きですもんね……っ」
確かめるように問いかければ、先生は目をちかちかさせながらこくこく頷いた。
「ぁ、ぁ、きもちぃ、っ、ひぁ、」
理性を手放し素直に快楽に身を委ねる彼が可愛くて可愛くて。いつもはあんなにクールで、かっこいいのに。
「ぁっ、?♡」
「それっ、すき、じょしゅくんっ、♡ もっとぉ…っ♡」
こんなに淫らに、乱れて、僕を離さないように締めつけて。昼間の名探偵の面影はもはやどこにもない。従順で、おねだり上手で、愛らしい僕のSub。
もっと支配させてください、先生。
そんな名探偵である先生の足を引っ張らないように、助手である僕もそれなりに頑張っている。先生がスムーズに事件の調査をできるように手伝うのが僕の仕事だ。
ところが、先生ときたら。僕を置いて自分一人で犯人の居場所に向かってしまった。結果的に無事に解決できたから良かったものの、どうしてそんな危ない真似をしたのか。そう問い詰めると、「君を危ない目に遭わせたくなかった」だなんて。過保護もいいところだ、一体何のために僕がいると思っているのだろうか。
──もう少し、先生にはわかってもらう必要がありそうだ。
僕はDomで、先生はSubだ。ネクタイを解き、シャツのボタンを外してゆく。期待するような蕩けた表情でこちらを見上げてくる先生はひどく色っぽくてかわいい。
「先生、いけませんね。僕に黙って一人で犯人のところに行くなんて」
「……あ、」
ばつが悪そうに先生は視線を逸らした。そんな彼の頬に手を添える。
「今日は『お仕置き』ですよ、先生」
「ほら、Look(目を逸らさないで)」
先生が顔を上げる。今にも泣き出しそうな、それなのにどこか高ぶったような表情をしていた。
「ちゃんとできたら、褒めてあげますから」
DomはSubの嫌がることはしないのが基本である。DomとSubという関係は信頼で成り立っているからだ。だから、お仕置きをする場合はちゃんとその後のアフターケアを欠かしてはならない。
「どうするんですか、もし犯人がDomだったら。Subの先生なんか、あっという間に服従させられてしまいますよ?」
犬のように四つん這いになり、高く突き出される先生の尻を手のひらで叩く。パァンと乾いた音が部屋に響く。
「ごめん、なさい……っ」
「じょしゅくん、」
「わかった、からぁ……」
先生は「あっ」とか「ひんっ」とか短く声をあげながらも潤んだ瞳で訴えかけてくる。そろそろ頃合いだろうか。
「本当に?」
「約束する、もう一人で行かない、から……」
「わかればいいんです。えらいですね、がんばりました」
ふわりと微笑み、そのうなじに優しくキスをする。
「あぁ……」
先生はこの世の何よりも幸せそうに顔を緩ませた。
先生がSubであることは他に誰も知らなくていい。誰にも知られたくない。先生のこんな顔を見るのは──僕だけでいいのだから。
お仕置きの後はたっぷり先生を甘やかす。
「ね、先生、Present(見せて)」
うつ伏せの姿勢でくったりとしていた先生は身体を起こすと仰向けになり、羞恥の滲んだ表情で両脚をぱかりと開いた。孔まで丸見えで無防備なまでに曝け出された下半身。こちらを誘うように腰を、くい、と動かす。
恥ずかしいことが好きな先生にとってその行為はきっとご褒美だろう。
「あは、そんな焦らなくてもすぐに挿れてあげますから。……ほら、こういう時はなんて言うんでしたっけ?」
既に受け入れる準備に整った後孔に自分のものを擦りつけながら、彼からの言葉を待つ。
「……っ、いれて、ください」
「もう少し具体的に。何を、どこに?」
「じょしゅくんの、ちんちん、私の、中にいれて……っ」
一節一節区切りながら、蕩けた、期待に満ちた目でそう訴えかけてくる。Subからそんな期待をかけられてしまっては、それに応えたくて仕方なくなるのがDomの性だ。ぞくぞくと、湧き上がる高揚感に自分の中の欲求も満たされていくのを感じる。それでもまだだ、まだ足りない。
「よく言えました、先生……っ、」
入口を浅く擦っていたそれを、ずん、と一気に奥まで突き入れる。彼の身体がびくりと跳ねた。
「あ、あぁっ、」
先生の断続的な嬌声が部屋にこだまする。その悦ぶ声に応じるように目一杯腰を打ちつける。
「せんせ、」
「んぁっ、はげし、っ、ぁッ、…、」
「はげしい方が、好きですもんね……っ」
確かめるように問いかければ、先生は目をちかちかさせながらこくこく頷いた。
「ぁ、ぁ、きもちぃ、っ、ひぁ、」
理性を手放し素直に快楽に身を委ねる彼が可愛くて可愛くて。いつもはあんなにクールで、かっこいいのに。
「ぁっ、?♡」
「それっ、すき、じょしゅくんっ、♡ もっとぉ…っ♡」
こんなに淫らに、乱れて、僕を離さないように締めつけて。昼間の名探偵の面影はもはやどこにもない。従順で、おねだり上手で、愛らしい僕のSub。
もっと支配させてください、先生。
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