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二. 西暦2300年
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1957年、初めて有人人工衛星が109分で地球を1周して以来、着々と人類は宇宙への道のりを進め続けた。
1972年、アポロ17号が月の大地を踏みしめてから50年近くの歳月が流れた。
2050年、再び月への有人旅行が始まった。まるで、宇宙への進出は止まってしまったかの様に見えていたが、月あるいは他の惑星への旅を確実なものとするために、人類は宇宙ステーションや宇宙エレベーターの開発に全精力を注いでいたのであった。2050年以降、その念願が叶って、月はもちろんのこと、有人による惑星探査が始まった。しかし、宇宙エレベーターは完成できなかったので、一般人にとって、宇宙は遠い存在だった。
宇宙への旅は、親から子へ引き継がれるようなあまりにも長いスケジュールと膨大な費用を必要とした。このスケールは21世紀の世界では到底考えられないような安定した国家間の協力が必要であった。
2150年に初の一般客を乗せた月旅行第1便が周航し、同じ年に核分裂型原子力宇宙船が登場した。
更に2228年には核融合型原子力宇宙船も開発され、太陽系内惑星間航行技術が確固たるものとなっていた。
2300年も間近となり、恒星間航行を目的とした反物質ロケットも研究段階ではあるがどうにかこうにか試験飛行レベルまで到達していた。2300年時点で、人類は冥王星にまで企業の工場や研究所が構築できるようになっていた。
人類の宇宙への進出を要約すると次の宇宙年表の通りであった。
宇宙年表
1957年 有人人工衛星地球を周回
1969年 月への有人ロケット月面着陸成功
1970年 大阪万国博覧会で、月の石展示
1981年 スペースシャトル就航開始
1998年~宇宙ステーション建設・運営
2006年、冥王星が惑星から準惑星に降格
2006年、冥王星を目指してニューホライズンズという無人宇宙船が旅立
2015年 ニューホライズンズが冥王星へ到達
2050年 第2期月探査開始。
2060年 火星への有人ロケット到達
2100年 小惑星への有人ロケット
2115年 宇宙エレベーター完成
2150年 核分裂型原子力ロケット完成
2161年 木星への有人ロケット到達
2169年 土星への有人ロケット到達
2186年 天王星への有人ロケット到達
2191年 海王星への有人ロケット到達
2196年 月のラグランジェポイントに人口1万人の初代スペースコロニー完成
2199年 冥王星への有人ロケット到達
2228年 核融合パルスロケット完成(太陽系圏内の航行がほぼ1年以内に)
2283年 反物質ロケット完成。恒星間航行の可能性がでてきた。
人類史上大きなできごとは、2150年頃に世界人口が120億人を超え、否応なく居住空間を宇宙へ求めざるを得なくなったことにある。2196年に構築されたスペースコロニーでは、1万人程度の宇宙産業に携わる人々が生活できるようになった。その後、巨大なスペースコロニーが建築されるようになっていった。
2200年には地球人口150億人に対して、宇宙人口は10億人に達していた。宇宙人口のほとんどは、月と地球の重力バランスが安定しているラグランジェポイントのスペースコロニーに集中していた。
木星とその衛星のラグランジェポイントにもスペースコロニーが建築されるようになった。そして、太陽からはるか遠く離れた土星や天王星にまで、スペースコロニーは建築されるようになっていった。
そして、この宇宙への進出は、経済的な国家間の結合を必要とし、経済結合に引っ張られる形で政治的な結合を産み出していった。
政治的には、国家は存在していたが、もはや国益という言葉は古めかしい考え方として使われるようになっていた。協力し合い資金を出し合って、莫大な資本を捻出できた国家連合のみが、宇宙資源や地球外居住空間を享受することができた。いつまでも国益にこだわりすぎた国は、限られた資本、限られた技術力、限られた資源で、莫大な軍事予算のみを捻出するだけとなり、衰亡していった。国家の連合体としては、国際連合による統治力が大きくなり、加盟国では国際会議や国際法や国際行政の比重が大きくなっていた。しかし、23世紀になっても、いったん減少傾向にあったオゾン層破壊再燃、人口爆発、温暖化などの問題は続いていた。
経済界では、世界的な3つの超巨大企業連合(ハイパー・エンタプライズ)が存在していた。また、過去に遡ろうと未来へ進もうと世の中には闇の世界も存在し、大企業連合の裏にもやはり巨大化したいくつかの企業マフィアが存在していた。
そんな状況の中、2300年代に入り、利権をめぐって巨大な権力を持つ国連事務総長の先々のポストを巡って熾烈な権力闘争が繰り広げられるようになっていた。
1972年、アポロ17号が月の大地を踏みしめてから50年近くの歳月が流れた。
2050年、再び月への有人旅行が始まった。まるで、宇宙への進出は止まってしまったかの様に見えていたが、月あるいは他の惑星への旅を確実なものとするために、人類は宇宙ステーションや宇宙エレベーターの開発に全精力を注いでいたのであった。2050年以降、その念願が叶って、月はもちろんのこと、有人による惑星探査が始まった。しかし、宇宙エレベーターは完成できなかったので、一般人にとって、宇宙は遠い存在だった。
宇宙への旅は、親から子へ引き継がれるようなあまりにも長いスケジュールと膨大な費用を必要とした。このスケールは21世紀の世界では到底考えられないような安定した国家間の協力が必要であった。
2150年に初の一般客を乗せた月旅行第1便が周航し、同じ年に核分裂型原子力宇宙船が登場した。
更に2228年には核融合型原子力宇宙船も開発され、太陽系内惑星間航行技術が確固たるものとなっていた。
2300年も間近となり、恒星間航行を目的とした反物質ロケットも研究段階ではあるがどうにかこうにか試験飛行レベルまで到達していた。2300年時点で、人類は冥王星にまで企業の工場や研究所が構築できるようになっていた。
人類の宇宙への進出を要約すると次の宇宙年表の通りであった。
宇宙年表
1957年 有人人工衛星地球を周回
1969年 月への有人ロケット月面着陸成功
1970年 大阪万国博覧会で、月の石展示
1981年 スペースシャトル就航開始
1998年~宇宙ステーション建設・運営
2006年、冥王星が惑星から準惑星に降格
2006年、冥王星を目指してニューホライズンズという無人宇宙船が旅立
2015年 ニューホライズンズが冥王星へ到達
2050年 第2期月探査開始。
2060年 火星への有人ロケット到達
2100年 小惑星への有人ロケット
2115年 宇宙エレベーター完成
2150年 核分裂型原子力ロケット完成
2161年 木星への有人ロケット到達
2169年 土星への有人ロケット到達
2186年 天王星への有人ロケット到達
2191年 海王星への有人ロケット到達
2196年 月のラグランジェポイントに人口1万人の初代スペースコロニー完成
2199年 冥王星への有人ロケット到達
2228年 核融合パルスロケット完成(太陽系圏内の航行がほぼ1年以内に)
2283年 反物質ロケット完成。恒星間航行の可能性がでてきた。
人類史上大きなできごとは、2150年頃に世界人口が120億人を超え、否応なく居住空間を宇宙へ求めざるを得なくなったことにある。2196年に構築されたスペースコロニーでは、1万人程度の宇宙産業に携わる人々が生活できるようになった。その後、巨大なスペースコロニーが建築されるようになっていった。
2200年には地球人口150億人に対して、宇宙人口は10億人に達していた。宇宙人口のほとんどは、月と地球の重力バランスが安定しているラグランジェポイントのスペースコロニーに集中していた。
木星とその衛星のラグランジェポイントにもスペースコロニーが建築されるようになった。そして、太陽からはるか遠く離れた土星や天王星にまで、スペースコロニーは建築されるようになっていった。
そして、この宇宙への進出は、経済的な国家間の結合を必要とし、経済結合に引っ張られる形で政治的な結合を産み出していった。
政治的には、国家は存在していたが、もはや国益という言葉は古めかしい考え方として使われるようになっていた。協力し合い資金を出し合って、莫大な資本を捻出できた国家連合のみが、宇宙資源や地球外居住空間を享受することができた。いつまでも国益にこだわりすぎた国は、限られた資本、限られた技術力、限られた資源で、莫大な軍事予算のみを捻出するだけとなり、衰亡していった。国家の連合体としては、国際連合による統治力が大きくなり、加盟国では国際会議や国際法や国際行政の比重が大きくなっていた。しかし、23世紀になっても、いったん減少傾向にあったオゾン層破壊再燃、人口爆発、温暖化などの問題は続いていた。
経済界では、世界的な3つの超巨大企業連合(ハイパー・エンタプライズ)が存在していた。また、過去に遡ろうと未来へ進もうと世の中には闇の世界も存在し、大企業連合の裏にもやはり巨大化したいくつかの企業マフィアが存在していた。
そんな状況の中、2300年代に入り、利権をめぐって巨大な権力を持つ国連事務総長の先々のポストを巡って熾烈な権力闘争が繰り広げられるようになっていた。
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