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連載
冷蔵庫ダンジョン①
次の日。
「気を付けるんよ」
『大丈夫なのです』
『ユイとコウタは私達が守るわ』
心配する母に、ビアンカとルージュがすりすり。
両親と花に見送られ、パーティーハウスを出る。ルームの従魔の部屋には元気達がいる。
「三日間だけよ、三日間だけやからね」
私は念押しする。
『分かっているのです』
『大丈夫よ』
軽い足取りのビアンカとルージュ。
冷蔵庫ダンジョンに向かうと、すんなり魔法陣に案内された。
「何階まで行かれます?」
スキップシステムの警備兵さんが聞いてくる。
「15階です」
「中堅層ですね。大丈夫だと思いますが、気を付けてください。15階の魔法陣は、ボス部屋の前のセーフティーゾーンに繋がっています」
「ありがとうございます」
わざわざ教えてくれた。
「じゃあ、ビアンカお願いね」
『分かったのです』
魔法陣の上に移動し、ビアンカは丸の上に前肢を置き、魔力を流す。
ふわっと、周りの景色が変わる。
「草原フィールドって、本当に草原やな」
晃太がポツリ。
広がる草原。お花、咲いてる。目の前には、古墳の様な小さな山と扉。セーフティーゾーンには他の冒険者はいない。遠くでわーわー言ってる。
「ビアンカ、大丈夫ね」
魔力を流したビアンカは、疲れた様子はない。
『大丈夫なのです。ボス部屋に行くのです』
『私が行くわ、いいわよね?』
『いいのです』
え、もう行くん?
『ユイ、コウタ、私の後ろにいるのです』
「わい、ルームに入る」
「あははん、許さんよ。付き合わんね」
念のために私は武器を持つ。そう、武器。
フライパン。
ナイフとか絶対無理ッ。考えた末にこうなった。
ルージュのリンゴサイズの光があれば、私達が戦う必要はないが、念のためだ。
晃太もフライパンを持つ。
私もレベルを上げることが出来たら、いろいろ都合がいいからね。ビアンカとルージュにも言ってある。がちの戦闘はできないから、弱った所をフライパンでちょいちょいだ。あの熊みたいな感じで。
………………凄い罪悪感。
冒険者の皆さんは苦労してレベル上げているのに。
『ルージュ、準備はいいのですか?』
『ええ』
私と晃太はビアンカの側に移動。
ルージュは扉から少し離れて、真正面に向き合う。
ゆっくり、ルージュの表情が引き締まる。
『私はクリムゾンジャガー、血の轍を紡ぐ者』
お座りしたルージュの足元が、揺らぎだす。
『光よ、全てを照らしだせ』
白く輝くラインが浮かび上がる。もともと白い毛並みなのに、はっきり分かる位の光のライン。
『何人足りとも逃すな、排除せよ、全ては我が主の為に』
額の所に浮かんだ光のラインは、まるで王冠の様な模様だ。
『戦闘モード 光の貴婦人(リュミライトレディ)』
ビアンカが前肢で扉を押し開ける。
中のボスを確認する前に、ルージュが弾丸のように飛び込んでいく。
ズドガガガガガガガンッ
『終わったようなのです』
「はあ?」
いや、今、入っていったよね。破壊音、しただけよ。
え、今、今、入っていったよね。
『終わったわ。もう、歯ごたえがないわね』
受け入れられない私と晃太。そこにいつものルージュがぶー、みたいな顔で出てくる。
私と晃太は顔を見合わせて、フライパンをしまう。
うん、神様のブーストのおかげよね。
「なんか、現実味がなかね」
晃太がポツリ。
「そやねえ、さあ、拾うよ」
私は籠を持つ。
ボス部屋の中には色んなものが転がっている。
「ちなみにボスはなんやったん?」
『牛よ、30頭くらいしかいなかったわ』
「そうね。ルージュ、大丈夫ね? ちょっと休んどき」
『大丈夫よ、あれくらいで』
30頭の牛、一撃なのね。もう、よく分からん。凄すぎて、よく分からん。ビアンカも凄かったけど、ルージュも凄か。もう、よく分からん。
拾おう、ドロップ品。悟ろう、うちのビアンカとルージュは凄か、と。本当に凄か。
せっかく出てきたし、わざわざパーティーハウスを準備してくれた冒険者ギルドのリクエストあったからね。
転がっているのは、2リットル位の牛乳瓶と、350ミリリットル位の牛乳瓶。木製の器に入ったチーズ、多分モッツァレラと、もう一種類、分からん。お肉には昔のおにぎり包む笹が、きれいに巻き付いている。あとは黒っぽい皮に、角もある。
せっせと拾う。ビアンカとルージュがしれっとモッツァレラを食べているけど、よかか。たくさんあるし。
「晃太、アイテムボックスに入れて」
「ん」
「全部でいくつね?」
「えーっとな。2リットルの牛乳瓶が35、350ミリリットルの生クリームが12、モッツァレラチーズが15、リコッタチーズが7、肉がバラが19、みすじが14、肩が16、肩ロースが20、リブロースが16、サーロインが19、フィレが11、ランプが21、イチボが17、タンが16、レバーが13、ハラミが22、サガリが23、ほほ肉が12、テールが18、皮は24枚、角が43。魔石が30、大きめ魔石が3」
晃太がアイテムボックスのリストをチェック。分からないチーズは、リコッタチーズか。魔石の数からして牛は33匹。お肉の数がバラけているけど、仕方ないのかな? まあ、ダンジョンの不思議ってことで、よかろう。何より解体して、包んでくれとるしね。親切や。
ポワンッ
「姉ちゃん、あれ」
晃太が指差した先に、小さな箱。典型的な宝箱だ。
あ、なんか、ワクワクしてきた。
「開けようか」
「そやなあ」
晃太も口が尖っている。
『罠がないか、チェックするから』
そう言ってルージュが鼻先を近づけて、黒い靄を出し、小さな宝箱を包む。
『大丈夫よ』
「ありがとうルージュ」
では、ワクワク。
私が手に取り開ける。
「おー」
「宝石や」
青いビロードの箱がある。開けると金の土台に、赤い宝石が填まった、指輪とブレスレット、ネックレス。なるほど、これがダンジョンに潜って、ボス部屋に挑む理由ね。
「ルビーかね?」
晃太が私に聞くが、私には宝石の鑑定は出来ない。
「どうやろ、お父さんに鑑定ばしてもらおうかね」
晃太のアイテムボックスに収まる。
「あ、ルビーやなか、ガーネットや」
リストを見て、晃太が教えてくれる。ガーネットか。立派な宝石や。アイテムボックスのリストアップって便利。入れたら名前が分かるし。正確な鑑定は出来ないけど助かる。
「さて、次の階に行こうかね」
宝箱の後に脱出用魔法陣が出たがスルー。ボス部屋の奥に出た階段を登った。
「気を付けるんよ」
『大丈夫なのです』
『ユイとコウタは私達が守るわ』
心配する母に、ビアンカとルージュがすりすり。
両親と花に見送られ、パーティーハウスを出る。ルームの従魔の部屋には元気達がいる。
「三日間だけよ、三日間だけやからね」
私は念押しする。
『分かっているのです』
『大丈夫よ』
軽い足取りのビアンカとルージュ。
冷蔵庫ダンジョンに向かうと、すんなり魔法陣に案内された。
「何階まで行かれます?」
スキップシステムの警備兵さんが聞いてくる。
「15階です」
「中堅層ですね。大丈夫だと思いますが、気を付けてください。15階の魔法陣は、ボス部屋の前のセーフティーゾーンに繋がっています」
「ありがとうございます」
わざわざ教えてくれた。
「じゃあ、ビアンカお願いね」
『分かったのです』
魔法陣の上に移動し、ビアンカは丸の上に前肢を置き、魔力を流す。
ふわっと、周りの景色が変わる。
「草原フィールドって、本当に草原やな」
晃太がポツリ。
広がる草原。お花、咲いてる。目の前には、古墳の様な小さな山と扉。セーフティーゾーンには他の冒険者はいない。遠くでわーわー言ってる。
「ビアンカ、大丈夫ね」
魔力を流したビアンカは、疲れた様子はない。
『大丈夫なのです。ボス部屋に行くのです』
『私が行くわ、いいわよね?』
『いいのです』
え、もう行くん?
『ユイ、コウタ、私の後ろにいるのです』
「わい、ルームに入る」
「あははん、許さんよ。付き合わんね」
念のために私は武器を持つ。そう、武器。
フライパン。
ナイフとか絶対無理ッ。考えた末にこうなった。
ルージュのリンゴサイズの光があれば、私達が戦う必要はないが、念のためだ。
晃太もフライパンを持つ。
私もレベルを上げることが出来たら、いろいろ都合がいいからね。ビアンカとルージュにも言ってある。がちの戦闘はできないから、弱った所をフライパンでちょいちょいだ。あの熊みたいな感じで。
………………凄い罪悪感。
冒険者の皆さんは苦労してレベル上げているのに。
『ルージュ、準備はいいのですか?』
『ええ』
私と晃太はビアンカの側に移動。
ルージュは扉から少し離れて、真正面に向き合う。
ゆっくり、ルージュの表情が引き締まる。
『私はクリムゾンジャガー、血の轍を紡ぐ者』
お座りしたルージュの足元が、揺らぎだす。
『光よ、全てを照らしだせ』
白く輝くラインが浮かび上がる。もともと白い毛並みなのに、はっきり分かる位の光のライン。
『何人足りとも逃すな、排除せよ、全ては我が主の為に』
額の所に浮かんだ光のラインは、まるで王冠の様な模様だ。
『戦闘モード 光の貴婦人(リュミライトレディ)』
ビアンカが前肢で扉を押し開ける。
中のボスを確認する前に、ルージュが弾丸のように飛び込んでいく。
ズドガガガガガガガンッ
『終わったようなのです』
「はあ?」
いや、今、入っていったよね。破壊音、しただけよ。
え、今、今、入っていったよね。
『終わったわ。もう、歯ごたえがないわね』
受け入れられない私と晃太。そこにいつものルージュがぶー、みたいな顔で出てくる。
私と晃太は顔を見合わせて、フライパンをしまう。
うん、神様のブーストのおかげよね。
「なんか、現実味がなかね」
晃太がポツリ。
「そやねえ、さあ、拾うよ」
私は籠を持つ。
ボス部屋の中には色んなものが転がっている。
「ちなみにボスはなんやったん?」
『牛よ、30頭くらいしかいなかったわ』
「そうね。ルージュ、大丈夫ね? ちょっと休んどき」
『大丈夫よ、あれくらいで』
30頭の牛、一撃なのね。もう、よく分からん。凄すぎて、よく分からん。ビアンカも凄かったけど、ルージュも凄か。もう、よく分からん。
拾おう、ドロップ品。悟ろう、うちのビアンカとルージュは凄か、と。本当に凄か。
せっかく出てきたし、わざわざパーティーハウスを準備してくれた冒険者ギルドのリクエストあったからね。
転がっているのは、2リットル位の牛乳瓶と、350ミリリットル位の牛乳瓶。木製の器に入ったチーズ、多分モッツァレラと、もう一種類、分からん。お肉には昔のおにぎり包む笹が、きれいに巻き付いている。あとは黒っぽい皮に、角もある。
せっせと拾う。ビアンカとルージュがしれっとモッツァレラを食べているけど、よかか。たくさんあるし。
「晃太、アイテムボックスに入れて」
「ん」
「全部でいくつね?」
「えーっとな。2リットルの牛乳瓶が35、350ミリリットルの生クリームが12、モッツァレラチーズが15、リコッタチーズが7、肉がバラが19、みすじが14、肩が16、肩ロースが20、リブロースが16、サーロインが19、フィレが11、ランプが21、イチボが17、タンが16、レバーが13、ハラミが22、サガリが23、ほほ肉が12、テールが18、皮は24枚、角が43。魔石が30、大きめ魔石が3」
晃太がアイテムボックスのリストをチェック。分からないチーズは、リコッタチーズか。魔石の数からして牛は33匹。お肉の数がバラけているけど、仕方ないのかな? まあ、ダンジョンの不思議ってことで、よかろう。何より解体して、包んでくれとるしね。親切や。
ポワンッ
「姉ちゃん、あれ」
晃太が指差した先に、小さな箱。典型的な宝箱だ。
あ、なんか、ワクワクしてきた。
「開けようか」
「そやなあ」
晃太も口が尖っている。
『罠がないか、チェックするから』
そう言ってルージュが鼻先を近づけて、黒い靄を出し、小さな宝箱を包む。
『大丈夫よ』
「ありがとうルージュ」
では、ワクワク。
私が手に取り開ける。
「おー」
「宝石や」
青いビロードの箱がある。開けると金の土台に、赤い宝石が填まった、指輪とブレスレット、ネックレス。なるほど、これがダンジョンに潜って、ボス部屋に挑む理由ね。
「ルビーかね?」
晃太が私に聞くが、私には宝石の鑑定は出来ない。
「どうやろ、お父さんに鑑定ばしてもらおうかね」
晃太のアイテムボックスに収まる。
「あ、ルビーやなか、ガーネットや」
リストを見て、晃太が教えてくれる。ガーネットか。立派な宝石や。アイテムボックスのリストアップって便利。入れたら名前が分かるし。正確な鑑定は出来ないけど助かる。
「さて、次の階に行こうかね」
宝箱の後に脱出用魔法陣が出たがスルー。ボス部屋の奥に出た階段を登った。
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