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連載
エリクサー②
次の日、晃太は地図の件で冒険者ギルドに。時間がかかると言われたので、私は先に帰ることに。晃太はギルドの人が送ってくれると。
キーナさんに申し訳ないが、追加で魔法の指輪を出すと、喜んでくれた。
何でもこういった解毒や回復、魔法補助の指輪は、冒険者に大人気だそうだ。錬金術師でも作れるが、そう簡単には出来る物でもなく、人気の為に常に予約待ち。中には予約待ちすらできないことがあると。
軍隊ダンジョンでポンポン出たから、あんまり有り難みがないのだけど、キーナさんが仏様の様な笑みを浮かべたので、よかとしよう。
私はバギーを押しながらマルシェを買い物。
『ユイ、あれが欲しいのです』
『あれもいいわね』
「はいはい」
あちこちで買い物。あのスパークリングワインのお店にも行ってみた。
あの店員さんが出てきて、笑顔を浮かべる。バギーにはびくり、としていたが、うちのかわいか娘達に笑顔が増す。
「いらっしゃいませ」
「ここで試飲したワインを頂きたいのですが、在庫はありますか?」
「はい、ございます。こちらへどうぞ」
ビアンカとルージュにリードとバギーを預けて店内に。
さすがお酒屋、種類が凄い。
カルーラ産、赤、白。シーラ産、レモンワイン、オレンジワイン。へえ、レモンとかオレンジのワインあるんだ。
「何かお気に召すものが?」
「あ、レモンとかオレンジとかのワイン珍しいかなって」
「こちらはユリアレーナの東にあるシーラ産でございます。女性に人気のワインとなっております。他にもアルコールは含んでおりませんが、レモンとオレンジのシロップがございます。水で割って飲むとお子さんでもいいですし、アルコールが苦手な方は白ワイン等と割ってカクテルのようにして飲まれます」
ほうほう。ちょっと高め。
「こちらはフェラース産のワインです、甘いデザートワインですね。少々値は張りますが」
1本、25万。
私には勿体ない。
結局、スパークリングワインを5本、レモンシロップ、オレンジシロップをそれぞれ2本購入する。
「また、お待ちしております」
店員さんは丁寧に見送ってくれた。
買い物帰りに、小さな女の子がマルシェの隅でお花を売っていた。
小さな手提げの篭に、小さなお花。下手したら雑草とか、呼ばれそうな花だが。よく見たら小さい頃に花冠にした白ツメグサだ。懐かしくて、私はお花を買った。
「ありがとうございますっ」
女の子は嬉しそうだ。
「いいえ。おうちのお手伝いかな?」
よく見たら、女の子の格好はぼろぼろだ。靴なんて繋ぎめが剥がれたのか、紐で縛っているし、スカートの裾もぼろぼろ。
私が聞くと、女の子は首を横に振る。
「おうち、ない」
「え? どこに住んでるの?」
「教会の孤児院」
「そうね」
そうだよね。マーファやアルブレンでもあるなら、ここにもあるか。女の子の様子からして、ここも経営厳しいんだろうなあ。
よし。
「お花、全部ちょうだい」
「あ、ありがとうございますっ」
私はお花を受け取り、女の子の掌に硬貨を握らせて、開かないように包む。
「孤児院の先生おるやろ? その先生に渡すまで見たらいけんよ」
「なんで?」
「帰ったら分かるよ。さあ、今日はもう帰り、いいね?」
「? うん、分かった」
女の子は硬貨を握り締めて、走って帰って行った。
自己満足。
偽善。
どう呼ばれようが構わない。
「お待たせ、帰ろうか」
『ユイ、そんな草どうするのです?』
『食べれないわよ』
「分かってるって。これでよかとよ」
私がさっき女の子に握らせたのは大金貨だ。
「ねえ、あの女の子の気配分かる?」
『勿論なのです』
『それがどうしたの?』
「孤児院に帰るまでに変な気配が近付いたら、助けに行ってくれる?」
ないとは思いたいが。
『それくらいなら、大丈夫なのです』
『任せて』
本当に頼もしい。
女の子はしばらくして、別の気配と合流。つまり無事に帰り着いたようだ。良かった。
私は宿に戻り、お花をダイニングテーブルに飾る。神棚には、できるだけ綺麗なのを選んで飾る。
お祈りすると、お花はなくなっていた。
昼前に晃太が帰宅。
「お帰り、お昼どうする?」
「あー、ネギゴマラーメン、半チャーハンつけて」
「分かった」
ルームを開けて皆で入る。従魔の足拭きタップ。
ビアンカとルージュには、先ほどのマルシェで購入したウサギ肉と野菜の串焼き、香りのいいケバブ、おやきをたっぷり。ノワールのご飯もオッケー。
まず、晃太のネギゴマラーメンとランチセットの半チャーハンをタップ。私はうららのパンケーキにした、ローストビーフのやつ。
「なんなそれ?」
ダイニングテーブルにぽん、と出てきたローストビーフのパンケーキに、晃太が驚く。
「パンケーキたい」
「肉が付いとうやん」
「こういうのもあるったい」
「へー」
「食べるね?」
「肉だけちょうだい」
「あんたね」
結局、ローストビーフを1枚、晃太に。晃太からチャーハン1口もらう。
食べながら、お花の女の子の話をする。
「それで花が飾ってあったんね」
晃太がダイニングテーブルのお花をちょんちょん。
「そう」
「ここの孤児院にも、寄付するん?」
「そうね。明日もあん子がおったら、孤児院に案内してもらって、それで決めるよ」
「ん」
お昼を済ませて、ゴロゴロする。ああ、たまにはよかねぇ。
晃太もラグの上でゴロゴロ。
「そう言えば、地図いくらになったん?」
「150万になったよ」
「結構な額やね」
「それだけ貴重な情報やってさ」
「ふーん」
とりとめのない話をしながら、うつらうつら。
うつらうつら。
ぐー。
「げふぅっ」
お腹に衝撃が走る。パ、パンケーキが出そうっ。
何事かと起きると、元気とコハクが走り回っている。いや、さっきお昼寝してなかった?
そして、気配を感じて起き上がろうとした晃太を、弾けるように踏み越えていく。
「ごふぅっ」
顔面を元気に、腹をコハクにやられてのたうち回る晃太。
「わんわんっ」
「にゃー、にゃー」
「わんわんっ」
「にゃー、にゃー」
「げふぅっ」
再び起き上がろうとした晃太を、元気の体当たりが炸裂。秋田犬サイズの元気の体当たりに、晃太はラグに沈む。そこにコハクが、晃太をジャンプ台にして飛び上がる。かわいかあ。肉球かわいかあ。何故かスローモーションで、コハクがばんざーい、で、飛んで来る。うん、何かの映像番組なら、大賞ものの、かわいさ。
で、着地点、私。
「ごふぅっ」
避けられず、大型柴犬サイズのコハクをキャッチ。首に凄い衝撃。
『こら、元気、大人しくするのです』
『コハク、こっちにいらっしゃい』
ビアンカとルージュが呼ぶ、遅いがな。
中庭に走って行く元気とコハクを見送り、やっとこさ復活。
「姉ちゃん」
何とか起き上がった晃太。
「なんね?」
「軍隊ダンジョンにもスライム部屋ないか、聞いてみちゃらんね?」
「そうやな」
キーナさんに申し訳ないが、追加で魔法の指輪を出すと、喜んでくれた。
何でもこういった解毒や回復、魔法補助の指輪は、冒険者に大人気だそうだ。錬金術師でも作れるが、そう簡単には出来る物でもなく、人気の為に常に予約待ち。中には予約待ちすらできないことがあると。
軍隊ダンジョンでポンポン出たから、あんまり有り難みがないのだけど、キーナさんが仏様の様な笑みを浮かべたので、よかとしよう。
私はバギーを押しながらマルシェを買い物。
『ユイ、あれが欲しいのです』
『あれもいいわね』
「はいはい」
あちこちで買い物。あのスパークリングワインのお店にも行ってみた。
あの店員さんが出てきて、笑顔を浮かべる。バギーにはびくり、としていたが、うちのかわいか娘達に笑顔が増す。
「いらっしゃいませ」
「ここで試飲したワインを頂きたいのですが、在庫はありますか?」
「はい、ございます。こちらへどうぞ」
ビアンカとルージュにリードとバギーを預けて店内に。
さすがお酒屋、種類が凄い。
カルーラ産、赤、白。シーラ産、レモンワイン、オレンジワイン。へえ、レモンとかオレンジのワインあるんだ。
「何かお気に召すものが?」
「あ、レモンとかオレンジとかのワイン珍しいかなって」
「こちらはユリアレーナの東にあるシーラ産でございます。女性に人気のワインとなっております。他にもアルコールは含んでおりませんが、レモンとオレンジのシロップがございます。水で割って飲むとお子さんでもいいですし、アルコールが苦手な方は白ワイン等と割ってカクテルのようにして飲まれます」
ほうほう。ちょっと高め。
「こちらはフェラース産のワインです、甘いデザートワインですね。少々値は張りますが」
1本、25万。
私には勿体ない。
結局、スパークリングワインを5本、レモンシロップ、オレンジシロップをそれぞれ2本購入する。
「また、お待ちしております」
店員さんは丁寧に見送ってくれた。
買い物帰りに、小さな女の子がマルシェの隅でお花を売っていた。
小さな手提げの篭に、小さなお花。下手したら雑草とか、呼ばれそうな花だが。よく見たら小さい頃に花冠にした白ツメグサだ。懐かしくて、私はお花を買った。
「ありがとうございますっ」
女の子は嬉しそうだ。
「いいえ。おうちのお手伝いかな?」
よく見たら、女の子の格好はぼろぼろだ。靴なんて繋ぎめが剥がれたのか、紐で縛っているし、スカートの裾もぼろぼろ。
私が聞くと、女の子は首を横に振る。
「おうち、ない」
「え? どこに住んでるの?」
「教会の孤児院」
「そうね」
そうだよね。マーファやアルブレンでもあるなら、ここにもあるか。女の子の様子からして、ここも経営厳しいんだろうなあ。
よし。
「お花、全部ちょうだい」
「あ、ありがとうございますっ」
私はお花を受け取り、女の子の掌に硬貨を握らせて、開かないように包む。
「孤児院の先生おるやろ? その先生に渡すまで見たらいけんよ」
「なんで?」
「帰ったら分かるよ。さあ、今日はもう帰り、いいね?」
「? うん、分かった」
女の子は硬貨を握り締めて、走って帰って行った。
自己満足。
偽善。
どう呼ばれようが構わない。
「お待たせ、帰ろうか」
『ユイ、そんな草どうするのです?』
『食べれないわよ』
「分かってるって。これでよかとよ」
私がさっき女の子に握らせたのは大金貨だ。
「ねえ、あの女の子の気配分かる?」
『勿論なのです』
『それがどうしたの?』
「孤児院に帰るまでに変な気配が近付いたら、助けに行ってくれる?」
ないとは思いたいが。
『それくらいなら、大丈夫なのです』
『任せて』
本当に頼もしい。
女の子はしばらくして、別の気配と合流。つまり無事に帰り着いたようだ。良かった。
私は宿に戻り、お花をダイニングテーブルに飾る。神棚には、できるだけ綺麗なのを選んで飾る。
お祈りすると、お花はなくなっていた。
昼前に晃太が帰宅。
「お帰り、お昼どうする?」
「あー、ネギゴマラーメン、半チャーハンつけて」
「分かった」
ルームを開けて皆で入る。従魔の足拭きタップ。
ビアンカとルージュには、先ほどのマルシェで購入したウサギ肉と野菜の串焼き、香りのいいケバブ、おやきをたっぷり。ノワールのご飯もオッケー。
まず、晃太のネギゴマラーメンとランチセットの半チャーハンをタップ。私はうららのパンケーキにした、ローストビーフのやつ。
「なんなそれ?」
ダイニングテーブルにぽん、と出てきたローストビーフのパンケーキに、晃太が驚く。
「パンケーキたい」
「肉が付いとうやん」
「こういうのもあるったい」
「へー」
「食べるね?」
「肉だけちょうだい」
「あんたね」
結局、ローストビーフを1枚、晃太に。晃太からチャーハン1口もらう。
食べながら、お花の女の子の話をする。
「それで花が飾ってあったんね」
晃太がダイニングテーブルのお花をちょんちょん。
「そう」
「ここの孤児院にも、寄付するん?」
「そうね。明日もあん子がおったら、孤児院に案内してもらって、それで決めるよ」
「ん」
お昼を済ませて、ゴロゴロする。ああ、たまにはよかねぇ。
晃太もラグの上でゴロゴロ。
「そう言えば、地図いくらになったん?」
「150万になったよ」
「結構な額やね」
「それだけ貴重な情報やってさ」
「ふーん」
とりとめのない話をしながら、うつらうつら。
うつらうつら。
ぐー。
「げふぅっ」
お腹に衝撃が走る。パ、パンケーキが出そうっ。
何事かと起きると、元気とコハクが走り回っている。いや、さっきお昼寝してなかった?
そして、気配を感じて起き上がろうとした晃太を、弾けるように踏み越えていく。
「ごふぅっ」
顔面を元気に、腹をコハクにやられてのたうち回る晃太。
「わんわんっ」
「にゃー、にゃー」
「わんわんっ」
「にゃー、にゃー」
「げふぅっ」
再び起き上がろうとした晃太を、元気の体当たりが炸裂。秋田犬サイズの元気の体当たりに、晃太はラグに沈む。そこにコハクが、晃太をジャンプ台にして飛び上がる。かわいかあ。肉球かわいかあ。何故かスローモーションで、コハクがばんざーい、で、飛んで来る。うん、何かの映像番組なら、大賞ものの、かわいさ。
で、着地点、私。
「ごふぅっ」
避けられず、大型柴犬サイズのコハクをキャッチ。首に凄い衝撃。
『こら、元気、大人しくするのです』
『コハク、こっちにいらっしゃい』
ビアンカとルージュが呼ぶ、遅いがな。
中庭に走って行く元気とコハクを見送り、やっとこさ復活。
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何とか起き上がった晃太。
「なんね?」
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