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帰宅しましょう⑥
な ギルドを後にする。
ドラゴンは明後日に受け取ることになる。
帰りにまずは修道院に向かい、シスター・アモルの面会予約をする。四日後だ。次はチュアンさんの弟さんのお墓参り。皆でお祈り。
それからギルドで教えてもらった武器屋さんに向かう。ホークさんの新しい弓だ。今の楡木の弓に付与だけでもいいと言われたけど、せっかくだしね。いいのがあれば購入しよう。お金、あるもん。どやあっ。ビアンカとルージュとノワールのおかげなんだけどね。
晃太の後ろについて歩く。場所聞いたけど、私は、ほら、分からないし。
「姉ちゃん、着いたばい」
「ありがとう」
無事到着。工房併設の武器屋さん。
チュアンさんはビアンカと外で待ってくれる。
中に入ると、色々ある。冒険者の皆さんが、熱心に見ている。さ、弓コーナーは、と。
ズラリと並ぶ弓。
「ホークさん、好きなのいいですからね」
「はい」
中年の男性店員さんに、触っていいか確認する。
ニコニコしながら、了解してくれる。
1つ手にして、引いている。だけど、ホークさんはいまいちすっきりしない顔。
「ユイさん、やはり、今ので十分です」
「そうですか?」
せっかくギルドおすすめの武器屋さんなのに。うーん。
「もうちょっといいやつありません? 出来れば、風と無属性の補助がある、後耐久性のあるもの」
すう、と中年男性店員さんの目が細くなる。
「2属性の物はございませんが、追加付与することが出来るものがあります。少々お待ちを」
中年男性店員さんは、奥に引っ込む。
「ユイさん、今ので十分ですから」
「まあまあ、見るだけ見るだけ」
なんだか、似たような会話した記憶が。
中年男性店員さんが布に包まれた弓を持ち、テーブルで広げる。
おおっ、綺麗なブラウンの弓。
「上位トレントの弓です。中級無属性補助、小の衝撃吸収、硬化強化がございます。ただ、販売するには条件がございます」
「条件?」
「初見で、引くことが出来ること」
なんやそれ? もしかして、とんでもなく硬いのかな?
「ホークさん、試しに引いて見てください」
「ちょっと、自信が…………」
「大丈夫ですよ。ホークさんなら、引けますよ」
だって、ほとんどホークさん、百発百中だし。開いた時間で、よく弓を引いて訓練してるもん。結構ホークさん忙しいのに。
だから、きっと大丈夫。
ホークさんは、私の無責任な励ましが効いたのか、弓を手にする。
足を少し広げて構え、すう、と息を吸う。
うーん、真剣な表情で、かっこいいなあ。中年男性店員さんは、ニコニコのままだ。
ゆっくり、弦を引いていく。
ギリギリいいながら、ホークさんの腕の筋肉が反応するように、蠢く。
「おおっ、凄かっ」
しっかり引けてるっ。やっぱり出来るやんっ。ほらね、ホークさん、真面目に訓練してるもんっ。
「ふうっ」
ホークさんがゆっくり弦を元の位置に。
「どうですかホークさん」
「素晴らしい、弓だと思います。ただ、身体強化と武器強化しないと引けませんが」
私の問いに、手にした弓から目を離さないホークさん。うん、これにしよ。
「購入出来ますか?」
私は中年男性店員さんに聞く。
「はい。もちろん」
弓、価格350万。ホークさんが噴き出す。
「高いっ、高いですってユイさん」
「はーい、ピシャッと払いますよ」
私の冒険者ギルドカードには金がある。どやあっ。
ピシャッとお支払いする。女性店員さんが包んでくれている間に、中年男性店員さんとお話。
なんでわざわざ奥から出してくれたんやろ?
中年男性店員は、ホークさんの弓を引く姿で、直感したそうだ。
「見ただけで、分かりますよ。彼がどれだけ弓を使っているのかを、訓練を怠らなかったかを」
ふふーん。ホークさんが誉められて私は鼻が高い。
「実力もないのに、武器だけいいのが欲しいと言うのがいますからね。でも、彼なら引けると思いまして」
もちろんヒントは与えて。それを理解して、出来るかは実力次第だ。
ホークさんは高いと連発したけど、はいはい、と押し付ける。
「まだまだ、ホークさんには色々頑張って貰いますからね」
「ユイさん…………精一杯、勤めさせて頂きます」
「はい、お願いします」
ホークさんは、新しい弓を大事そうに抱える。
さ、弓も手に入ったし、帰ろうかね。
パーティーハウスに戻る。
「え? パーヴェルさんが?」
私達が出掛けている最中に、お使いの人が来たみたいだ。きっとレディ・ロストークの件や。
生憎私がいなかったけど、父が対応してくれた。
「おそらく、レディ・ロストークの事やと思ってね。優衣、気にしとったし、お受けしたよ」
パーヴェルさんが本日の午後4時頃に来るそうだ。
「ありがとう、気になっとったしね」
子馬、ノワールの子馬。
午後4時なら時間あるね。失礼のない格好にしないと。
ルームに入ると、中庭で爆走していたアレスが、ビアンカに向かって突進してきて、スキンシップのすりすり。ビアンカが遠い目をしている。
『ユイ、おかえりなさい』
ルージュが疲れた声だ。
「何かあったん?」
『アレスが元気とコハクとホルスと遊んでくれたんだけど。皆疲れちゃって昼寝し始めたら、私に絡んできて……………疲れちゃったわ』
「あはは、お疲れ様」
『エビが食べたいわ』
きゅるん。
「お母さんに聞き」
『くうっ』
地団駄を踏むルージュ。また最近ぽっちゃり気味なんだよね。私はビアンカにすりすりしているアレスを見る。
ビアンカと並んでみると、なんと言うか。
「アレス、細かなあ」
もふもふの毛に覆われているのだけど、特にウェストはきゅっとしてるし、お尻もビアンカと比べると、ねえ。
父に体重の鑑定依頼。
「アレスは709キロやな。痩せ気味や」
「なら、栄養になるもんば食べさせるかね」
『お父さんっ、私はっ』
『ユイッ、私はっ』
「ビアンカは33キロ、ルージュは25キロ減量な」
『『そんなーっ』』
ビアンカとルージュが、激しいスキンシップをするアレスに八つ当たりパンチしているけど、当のアレスは構って貰えていると思っているのか、ずーっと、へっへっ言ってた。
時間通りに、パーヴェルさん、本日はパーヴェル様がやって来た。
「ミズサワ殿、急な面会の願いを聞いて頂きありがとうございます」
「いえいえ」
ぴしっとした軍服のパーヴェル様、うん、かっこいいなあ。
パーティーハウスにご案内する。
元気が尻尾ぷりぷりご挨拶。パーヴェル様は笑って撫でてくれる。パーティーハウス内には、私と晃太と両親、ビアンカとルージュ、ホークさん。元気はチュアンさんが食パンで誘導。簡単に着いていく。……………………番犬にならないー、いや、番ウルフか。それに真っ先に誘拐されそうや。いくら大きくても元気はかわいかけんね。仔達はチュアンさん達がパーティーハウスで見てくれる。アリスとシルフィ達は従魔の部屋だ。
アレス? 中庭で爆走している。念のため、エマちゃんとテオ君がおやつを持ち待機している。アレスはエマちゃんとテオ君に対しては、元気達と同じ立ち位置の様だ。だって同じ目でむふむふ言いながら、頬擦りしてるもん。
『うむうむ、人の仔よ、我がしっかり守ってやるかなっ、わーはっはっはーっ』
ですって。
私はさくら庵の日本産紅茶、母が切った新高を出す。
「ありがとうございますミズサワ殿。早速よろしいですか?」
「はい」
きっと、レディ・ロストークや。ドキドキ、子馬。
「残念ですが、今回は」
「そうですか」
あー、残念ー。子馬ー、かわいか子馬ー。
まあ、授かり物だしね。
あー、残念ー。がっくり。
楽しみにしていたから、余計にがっくり。
「それで、再び、ミズサワ殿の魔法馬をお借りしたいのですが」
「ノワールの意思を確認しても?」
「もちろん」
私は一旦失礼して、ノワールにゴニョゴニョと説明する。もちろん、ブヒヒヒンと了解。付いてきてくれたビアンカが通訳。
『レディ・ロストークーッ、て、言っているのです』
「みたいやね」
戻って、パーヴェル様に了承を伝える。
再び、ノワールはレディ・ロストークの元に。ホークさんが付き添い。今回は魔境に行くわけでもないから、ゆっくりだ。明日から、一週間だ。準備ばせんと。
パーヴェル様は安心したような顔だ。新高を口に運ぶと、んっ、と。
「なんと瑞々しい果実。初めて食べました」
「新高、梨です。冷蔵庫ダンジョンで手に入れました」
セレクトショップダリアで手に入れて、冷蔵庫ダンジョンに植えて、ぽこぽこ実った。ビアンカとルージュとノワールの、ちゅどん、どかん、バキバキで、したからよく実った。
「冷蔵庫ダンジョンですか。このような美味な果実まで実るのですね」
「はい、上層階ですが」
「ははは、流石のテイマー殿ですな」
パーヴェル様は新高を綺麗に食べる。ふう、と一息つく。
『ユイ』
『この雄の空気が変わったわ』
「え?」
ドラゴンは明後日に受け取ることになる。
帰りにまずは修道院に向かい、シスター・アモルの面会予約をする。四日後だ。次はチュアンさんの弟さんのお墓参り。皆でお祈り。
それからギルドで教えてもらった武器屋さんに向かう。ホークさんの新しい弓だ。今の楡木の弓に付与だけでもいいと言われたけど、せっかくだしね。いいのがあれば購入しよう。お金、あるもん。どやあっ。ビアンカとルージュとノワールのおかげなんだけどね。
晃太の後ろについて歩く。場所聞いたけど、私は、ほら、分からないし。
「姉ちゃん、着いたばい」
「ありがとう」
無事到着。工房併設の武器屋さん。
チュアンさんはビアンカと外で待ってくれる。
中に入ると、色々ある。冒険者の皆さんが、熱心に見ている。さ、弓コーナーは、と。
ズラリと並ぶ弓。
「ホークさん、好きなのいいですからね」
「はい」
中年の男性店員さんに、触っていいか確認する。
ニコニコしながら、了解してくれる。
1つ手にして、引いている。だけど、ホークさんはいまいちすっきりしない顔。
「ユイさん、やはり、今ので十分です」
「そうですか?」
せっかくギルドおすすめの武器屋さんなのに。うーん。
「もうちょっといいやつありません? 出来れば、風と無属性の補助がある、後耐久性のあるもの」
すう、と中年男性店員さんの目が細くなる。
「2属性の物はございませんが、追加付与することが出来るものがあります。少々お待ちを」
中年男性店員さんは、奥に引っ込む。
「ユイさん、今ので十分ですから」
「まあまあ、見るだけ見るだけ」
なんだか、似たような会話した記憶が。
中年男性店員さんが布に包まれた弓を持ち、テーブルで広げる。
おおっ、綺麗なブラウンの弓。
「上位トレントの弓です。中級無属性補助、小の衝撃吸収、硬化強化がございます。ただ、販売するには条件がございます」
「条件?」
「初見で、引くことが出来ること」
なんやそれ? もしかして、とんでもなく硬いのかな?
「ホークさん、試しに引いて見てください」
「ちょっと、自信が…………」
「大丈夫ですよ。ホークさんなら、引けますよ」
だって、ほとんどホークさん、百発百中だし。開いた時間で、よく弓を引いて訓練してるもん。結構ホークさん忙しいのに。
だから、きっと大丈夫。
ホークさんは、私の無責任な励ましが効いたのか、弓を手にする。
足を少し広げて構え、すう、と息を吸う。
うーん、真剣な表情で、かっこいいなあ。中年男性店員さんは、ニコニコのままだ。
ゆっくり、弦を引いていく。
ギリギリいいながら、ホークさんの腕の筋肉が反応するように、蠢く。
「おおっ、凄かっ」
しっかり引けてるっ。やっぱり出来るやんっ。ほらね、ホークさん、真面目に訓練してるもんっ。
「ふうっ」
ホークさんがゆっくり弦を元の位置に。
「どうですかホークさん」
「素晴らしい、弓だと思います。ただ、身体強化と武器強化しないと引けませんが」
私の問いに、手にした弓から目を離さないホークさん。うん、これにしよ。
「購入出来ますか?」
私は中年男性店員さんに聞く。
「はい。もちろん」
弓、価格350万。ホークさんが噴き出す。
「高いっ、高いですってユイさん」
「はーい、ピシャッと払いますよ」
私の冒険者ギルドカードには金がある。どやあっ。
ピシャッとお支払いする。女性店員さんが包んでくれている間に、中年男性店員さんとお話。
なんでわざわざ奥から出してくれたんやろ?
中年男性店員は、ホークさんの弓を引く姿で、直感したそうだ。
「見ただけで、分かりますよ。彼がどれだけ弓を使っているのかを、訓練を怠らなかったかを」
ふふーん。ホークさんが誉められて私は鼻が高い。
「実力もないのに、武器だけいいのが欲しいと言うのがいますからね。でも、彼なら引けると思いまして」
もちろんヒントは与えて。それを理解して、出来るかは実力次第だ。
ホークさんは高いと連発したけど、はいはい、と押し付ける。
「まだまだ、ホークさんには色々頑張って貰いますからね」
「ユイさん…………精一杯、勤めさせて頂きます」
「はい、お願いします」
ホークさんは、新しい弓を大事そうに抱える。
さ、弓も手に入ったし、帰ろうかね。
パーティーハウスに戻る。
「え? パーヴェルさんが?」
私達が出掛けている最中に、お使いの人が来たみたいだ。きっとレディ・ロストークの件や。
生憎私がいなかったけど、父が対応してくれた。
「おそらく、レディ・ロストークの事やと思ってね。優衣、気にしとったし、お受けしたよ」
パーヴェルさんが本日の午後4時頃に来るそうだ。
「ありがとう、気になっとったしね」
子馬、ノワールの子馬。
午後4時なら時間あるね。失礼のない格好にしないと。
ルームに入ると、中庭で爆走していたアレスが、ビアンカに向かって突進してきて、スキンシップのすりすり。ビアンカが遠い目をしている。
『ユイ、おかえりなさい』
ルージュが疲れた声だ。
「何かあったん?」
『アレスが元気とコハクとホルスと遊んでくれたんだけど。皆疲れちゃって昼寝し始めたら、私に絡んできて……………疲れちゃったわ』
「あはは、お疲れ様」
『エビが食べたいわ』
きゅるん。
「お母さんに聞き」
『くうっ』
地団駄を踏むルージュ。また最近ぽっちゃり気味なんだよね。私はビアンカにすりすりしているアレスを見る。
ビアンカと並んでみると、なんと言うか。
「アレス、細かなあ」
もふもふの毛に覆われているのだけど、特にウェストはきゅっとしてるし、お尻もビアンカと比べると、ねえ。
父に体重の鑑定依頼。
「アレスは709キロやな。痩せ気味や」
「なら、栄養になるもんば食べさせるかね」
『お父さんっ、私はっ』
『ユイッ、私はっ』
「ビアンカは33キロ、ルージュは25キロ減量な」
『『そんなーっ』』
ビアンカとルージュが、激しいスキンシップをするアレスに八つ当たりパンチしているけど、当のアレスは構って貰えていると思っているのか、ずーっと、へっへっ言ってた。
時間通りに、パーヴェルさん、本日はパーヴェル様がやって来た。
「ミズサワ殿、急な面会の願いを聞いて頂きありがとうございます」
「いえいえ」
ぴしっとした軍服のパーヴェル様、うん、かっこいいなあ。
パーティーハウスにご案内する。
元気が尻尾ぷりぷりご挨拶。パーヴェル様は笑って撫でてくれる。パーティーハウス内には、私と晃太と両親、ビアンカとルージュ、ホークさん。元気はチュアンさんが食パンで誘導。簡単に着いていく。……………………番犬にならないー、いや、番ウルフか。それに真っ先に誘拐されそうや。いくら大きくても元気はかわいかけんね。仔達はチュアンさん達がパーティーハウスで見てくれる。アリスとシルフィ達は従魔の部屋だ。
アレス? 中庭で爆走している。念のため、エマちゃんとテオ君がおやつを持ち待機している。アレスはエマちゃんとテオ君に対しては、元気達と同じ立ち位置の様だ。だって同じ目でむふむふ言いながら、頬擦りしてるもん。
『うむうむ、人の仔よ、我がしっかり守ってやるかなっ、わーはっはっはーっ』
ですって。
私はさくら庵の日本産紅茶、母が切った新高を出す。
「ありがとうございますミズサワ殿。早速よろしいですか?」
「はい」
きっと、レディ・ロストークや。ドキドキ、子馬。
「残念ですが、今回は」
「そうですか」
あー、残念ー。子馬ー、かわいか子馬ー。
まあ、授かり物だしね。
あー、残念ー。がっくり。
楽しみにしていたから、余計にがっくり。
「それで、再び、ミズサワ殿の魔法馬をお借りしたいのですが」
「ノワールの意思を確認しても?」
「もちろん」
私は一旦失礼して、ノワールにゴニョゴニョと説明する。もちろん、ブヒヒヒンと了解。付いてきてくれたビアンカが通訳。
『レディ・ロストークーッ、て、言っているのです』
「みたいやね」
戻って、パーヴェル様に了承を伝える。
再び、ノワールはレディ・ロストークの元に。ホークさんが付き添い。今回は魔境に行くわけでもないから、ゆっくりだ。明日から、一週間だ。準備ばせんと。
パーヴェル様は安心したような顔だ。新高を口に運ぶと、んっ、と。
「なんと瑞々しい果実。初めて食べました」
「新高、梨です。冷蔵庫ダンジョンで手に入れました」
セレクトショップダリアで手に入れて、冷蔵庫ダンジョンに植えて、ぽこぽこ実った。ビアンカとルージュとノワールの、ちゅどん、どかん、バキバキで、したからよく実った。
「冷蔵庫ダンジョンですか。このような美味な果実まで実るのですね」
「はい、上層階ですが」
「ははは、流石のテイマー殿ですな」
パーヴェル様は新高を綺麗に食べる。ふう、と一息つく。
『ユイ』
『この雄の空気が変わったわ』
「え?」
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