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連載
同郷?⑩
ノワールに騎乗し、カルーラに向かう。
晃太の計算からノワールの騎乗期間は約10日。後は徒歩になる。
本日は快晴なり。一昨日の豪雨の影響か、ぬかるんでいる所があるけど、お構いなしに駆け抜ける。
お昼まで何かに襲われることもなく順調だ。もしかしたら、ヤマタノオロチが眠った影響かな? ビアンカやルージュがいても突っかかって来たのに、こちらに気が付いて逃げてる。
お昼になり、ルームに。従魔の足拭きタップ、と。花がわがままボディで歓迎してくれる。なんね、さっきまでおったやん。かわいかね。ぽちゃぽちゃ。
嗽手洗い済み。ホークさんはノワールを厩舎に誘導してくれる。
あ、コテージから皆さん出てきた。
ルリとクリスをもふもふしていた晃太に気になっていることを聞く。
「晃太、スーパー銭湯どうやった」
「ああ、中は確認したけど、使っとらんよ。姉ちゃんとホークさんが移動しとるのに、流石に入れんから」
「別によかのに」
「他の皆さんにも説明はしたよ。やけど、今日は洗濯とか装備品の手入ればしたかって。それと、やっぱり姉ちゃんがおらんからって」
「別によかのに、なら、今日の夕御飯はあっちで食べようかな?」
ゆっくり大浴場、そしてのんびり食事。よかなあ。
「わいもそれば考えたんやけど」
晃太がルリとクリスをもふもふ。私にはヒスイがごろにゃん、かわいかっ。
「チュアンさんがな、自分達は奴隷やからって、遠慮するんよ」
「本当に別によかのに」
ヒスイをかいかい。ゴロゴロ言ってる。私、エマちゃんとお風呂入ったことあるよ。
「わいらはいいかも知れんけど、他の皆さんがおるやん。本来の奴隷は他の皆さんが使う時間の公衆浴場なんて使えんのやって、使えても後湯なんやってさ」
あ、こっちのルールなんやね。ルーム内では、私達ルールでやってるから。他の人達にしたら、変だと思われるんやね。
「なら、私達最後に入ろう。いっつも頑張って貰っているんや。ゆっくり足ば伸ばして入って貰おう」
そうしよう。
私はそれからお昼の手伝い。今日はJOY-Pのランチだ。日替わりランチはチキン南蛮とポテトコロッケ。タップタップタップと。ビアンカとルージュには白滝混ぜたご飯、痩せぎみのアレスは普通のご飯。イシス達は嘴があるので、ライスではなくパン。仔達の分もよし。
途中でコテージメンバーが手伝ってくれた。人手があるっていいなあ。花がいろんな人に歓迎のはみはみ。
「皆さん、床ですみません」
テーブル、お昼過ぎだもん。
皆さん、笑顔で許してくれる。
一律でお一人様500頂き、JOY-Pの日替わりランチをタップ。ライスかパン、大盛りを選んでもらう。だいたい大盛り。自分達の食事の前にエマちゃんにも、同じメニューを選ぶ。鷹の目の皆さんは、自分達のスペースで食べますと。エマちゃんは問題なく部屋から出てきた。だけど、部屋を出るときは、念のためにマスク装着をしてもらう。食欲もばっちりみたいだ。
店舗だと、ドリンクバーがあるけど、残念ないため、飲み物の準備と。私達も日替わりランチにする。
「では、頂きます」
「「「「「頂きまーす」」」」」
ポテトコロッケ、ぱくっ、熱いっ。ふーふー。
食事をしながら、お昼からの行動確認。異世界への扉を使ったお買い物だ。それぞれ必要物品のリストアップは終わっている。
まずはラスチャーニエのエドワルドさんと、お買い物だ。なんでエドワルドさんかなって思ったら、甘味大好きリーダーのケルンさんは絶対余計な物を買うだろうからと。そしてツヴァイクさんはビールにドはまりしたようで、飲みたい飲みたいと訴えているそうだ。コテージのビールあるけど、高いもんね。それでも軽く5杯も飲んだと。自分のお小遣いだからいいけど、流石に高いから、買って来たいようだ。
この2人を抑えるのはヒェリさんが適任らしい。大変そう。
蒼の麓はフェリクスさん、金の虎はリィマさん、山風はロッシュさんだ。
食後ゆっくりしてから、いざ、お買い物。
トップバッター、エドワルドさん。
「肩に掴まってください」
ちょっと戸惑うエドワルドさん。あまり顔見知りでもない女性の身体に触れるのは、躊躇われると。紳士や。それでもつかまらないと、向かうに行けないからね。おずおずと肩に手を置くエドワルドさん。
よし、よかね私は異世界への扉を開けた。
「こ、これは」
私にしてみたらお馴染みの光景。だけど、エドワルドさんにしたら、初めてだからね。戸惑うわ。しかし、異世界への扉は、私の魔力を消費する。カートにカゴをのせて、と。
「さ、行きましょう」
「あ、ああ」
カートを押して店内へ。
「すごい品揃えだな」
「これでも少ない方ですよ。本来はほとんどの棚に品物が陳列されているんですから」
品物が少ないのは、ルームのスキルレベルだと思う。
誰もいない店内に、私と腰に剣を下げたエドワルドさん。大丈夫なんだけど、最低限の武装はしたかったみたい。
カートを押しながら、エドワルドさんがぶつぶつ。
「野菜も果物も揃っている。季節以外のまで…………」
ぶつぶついいながらもリンゴやオレンジ、トマトや茸類を手にする。
ラスチャーニエの買い物リストは食糧だ。
「ミズサワ殿、塩が欲しいんですが」
「塩ですか」
「はい」
なんでも食べられる魔物の肉があるらしいので、自炊するそうだ、カルーラまでは時間かかるからね。コテージの食事はやや高めだしね。
「塩以外にも、色々ありますよ胡椒とか」
「胡椒は、高価ですし」
「ここではそこまでないですよ」
調味料コーナーにご案内。
「こ、こんなに胡椒って安いんですかっ」
「そうですよ」
多分こちらと違って、栽培方法が豊かなんやろうね。
エドワルドさんは塩とミルに入った胡椒をチョイス。
「こんなに大きなマルシェがあるなんて、ミズサワ殿は首都に住まわれていたんですか?」
「まさか、田舎ですよ。私達の住む国にはこんな形のスーパー、つまりマルシェはどこにでもありますよ。他所の国でもです。昔ながらの個人商店、こっちのマルシェももちろんありますが、ここなら色んな物が一度で手に入りますからね」
「へえ」
スーパーの詳しいシステムは分からないが、便利や。確かに地元の人が直接野菜等を並べている道の駅の方が安かったり、鮮度もいいけどね。私のルームのスキルにディレックスがあるだけで、感謝せんとね。
「では、このマルシェを経営している商会が、あちこちの農家や工房と契約しているから、これだけの種類をまとめて売っているんですか?」
「そんな感じですね」
「そうすると、手数料や販売価格が上がるのでは?」
「そりゃそうでしょ。これだけの店舗の維持もありますからね。それに消費者と供給者の考えが一致しているから、あちこちに店舗があるんですよ。だって、野菜に肉に、魚に、パンにあちこち買い物回るより、ここで揃えられたら楽やないですか?」
「なるほど」
スーパーの中では配達サービスもあるし、ポイントサービスもあるし、割引サービスだってある。エドワルドさんは興味津々で聞いてる。それからパンやジャムを入れる。
「ミズサワ殿、甘味は何かオススメありませんか? うちのリーダーうざくて」
エドワルドさん、うざいって……………
「あー、色々ありますよ」
お菓子コーナーに来たが、あまりの種類にエドワルドさん困惑。
「あー、どうします?」
「ミズサワ殿、申し訳ないのですが、選んで貰えませんか? 出来るだけ数が入っていて、予算は500で」
バナナは含まれますか? 違う、遠足やないんやから。
「そうですね…………」
結局、昔からあるバタークッキーとフルーツ味が色々のアメにした。
最後にアルコール。こちらも種類が多い為に、私がチョイス。500mlのビールケース、ブドウの風の赤ワインと白ワイン。
お支払して、と。
ビニール袋を下げて出る。
出ると、ケルンさんとツヴァイクさんが、わーっとエドワルドさんに駆け寄ってきた。
「甘味ーっ」
「エールーッ」
はいはい、とエドワルドさんがビニール袋やケースを渡す。このラスチャーニエの平均年齢は高い。一番若いのがエドワルドさんだが、何故か悟り顔で、色々差し出している。
「さ、次、フェリクスさん、行きましょうか」
「お世話かけます」
フェリクスさんともお買い物、エドワルドさんと似たような感じに色々聞かれたが、次があるからね。
やはり食糧関係をチョイスして、胡椒にはびっくりしていた。籠に即いれてた。家電にも興味津々だが、時間がね。
「ここにはいつでも来れるんですか?」
「はい、営業時間と私の魔力次第ですが」
「ダンジョン内でも?」
「はい、助かってます」
「羨ましいです」
と、しみじみ呟くフェリクスさん。本来はそうだわな。アイテムボックスだって、マジックバッグだって、許容量がある。皆が皆、晃太みたいなサイズではない。それに一度ダンジョンに入ったら、気軽に売店があるわけもない。手持ちの食糧で遣り繰りするもんだ。
「そうですね。私は恵まれたスキルだと思っています」
神様に感謝だ。
それからもフェリクスさんはてきぱきと籠に入れる。最後にアルコール、ビールケース、ワイン、ジュースを入れて、と。
リストアップの品物を確認して、お買い上げ。
次のリィマさんも唖然として、質問が来る。答えながら回る。リィマさんは果物や野菜は吟味して選び、調味料は悩む素振りだったが決断が早い。ただ、コーヒーだけは迷ってるので、購入したことがある、ドリップコーヒーを進めた。コーヒーはガリストさんが嗜んでいるようだ。コーヒーの産地、サウザマーク出身なんだって。後、興味を示したのは、野菜ジュース。
「これならアルスも飲めるかな」
なんでもアルスさんの偏食に、お姉さんのリィマさんが頭を悩ませているようや。あら、なんでも食べてた気がするけど。
「あんたが、いや、ミズサワさんが出す食事の野菜は嫌わないで食べるんだよ、不思議とね。だけど、他所では口にしないんだ」
「そうなんですか」
うーん、野菜かあ。やっぱりこちらの野菜には苦味があるからかな? でも、アルスさんなんでも食べてたよ。
「食わず嫌い?」
「それもあるだろうね。ミズサワさんが出す食事は大丈夫だって、あいつ思い込んでるから助かるけど、いつまでもそうは言ってられないし」
「大変ですね」
お姉さん大変だね。リィマさんはオレンジ色の定番野菜ジュースを選ぶ。
そしてビールケースと、軽いアルコールと言われて缶チューハイとカクテルを勧める。
お買い上げの前に、リィマさんがばつの悪そうな顔をする。
「最初に会った時、失礼な態度を取って悪かったね」
「最初? ああ、アルブレンの」
「そう。本当に申し訳ないって思ってさ」
「別に気にしてませんよ。だって、私達はあの時、身分証代わりに冒険者ギルドカードが欲しかっただけで、本職にしていた皆さんにしたら、失礼な格好でしたから」
なんせ、フルもへじ生活の格好だったしね。すべてビアンカとルージュと仔達の為だったから、真剣に冒険者している人にしたら、怒られるような格好だったはず。
だから、気にしてません。
リィマさんはもう一度、申し訳ないって。
お会計を済ませて出る。
で、最後。
ロッシュさんとお買い物。
「なるほど、あの依頼の時に出して貰った賄いの材料はここでしたか」
「そうですね。特に調味料とか、カレーのルゥとかは」
「あの、俺達でも作れますか?」
「出来ますよ、私、小学生の頃から作ってますから。教えますよ」
ロッシュさんとカレーの材料や炊飯器を見て回る。
何だかんだと、回っていたら気が付いたら後20分。バタバタとお買い物。ロッシュさんだって色々驚いて聞きたかった筈だけど、ギアを上げてもらう。
やはり山風も食糧がメイン。ハジェル君、食べるもんね。カレーの材料の野菜、塩と胡椒と、オススメ焼き肉のタレ。パンにジャムにチーズ。最後にビールケースとジュース、紅茶のペットボトル。
お会計して出る。なんとか全部買ったかな?
あ、そうや。
「皆さーん」
声をかけると、品物をチェックしていた視線が集まる。
「必要な物が欲しい時は私に言ってくださいね。今の場所に行くには、私の同行が必要ですから。時間は朝10時から夜の10時でーす」
「はいはいはいはいっ、私っ」
ばーっと飛び出そうとする、頬っぺたリスのケルンさん。それを問答無用に取り押さえるヒェリさん。で、めきめき。いやあの、窒息しません?
「私の魔力残量も考慮してください。ほぼ、今、空に近いので」
「「「「はーい」」」」
ケルンさんが潰されたカエルのような悲鳴を上げてる。
エドワルドさんが、気にしないでくださいと、冷めた表情を見せた。
晃太の計算からノワールの騎乗期間は約10日。後は徒歩になる。
本日は快晴なり。一昨日の豪雨の影響か、ぬかるんでいる所があるけど、お構いなしに駆け抜ける。
お昼まで何かに襲われることもなく順調だ。もしかしたら、ヤマタノオロチが眠った影響かな? ビアンカやルージュがいても突っかかって来たのに、こちらに気が付いて逃げてる。
お昼になり、ルームに。従魔の足拭きタップ、と。花がわがままボディで歓迎してくれる。なんね、さっきまでおったやん。かわいかね。ぽちゃぽちゃ。
嗽手洗い済み。ホークさんはノワールを厩舎に誘導してくれる。
あ、コテージから皆さん出てきた。
ルリとクリスをもふもふしていた晃太に気になっていることを聞く。
「晃太、スーパー銭湯どうやった」
「ああ、中は確認したけど、使っとらんよ。姉ちゃんとホークさんが移動しとるのに、流石に入れんから」
「別によかのに」
「他の皆さんにも説明はしたよ。やけど、今日は洗濯とか装備品の手入ればしたかって。それと、やっぱり姉ちゃんがおらんからって」
「別によかのに、なら、今日の夕御飯はあっちで食べようかな?」
ゆっくり大浴場、そしてのんびり食事。よかなあ。
「わいもそれば考えたんやけど」
晃太がルリとクリスをもふもふ。私にはヒスイがごろにゃん、かわいかっ。
「チュアンさんがな、自分達は奴隷やからって、遠慮するんよ」
「本当に別によかのに」
ヒスイをかいかい。ゴロゴロ言ってる。私、エマちゃんとお風呂入ったことあるよ。
「わいらはいいかも知れんけど、他の皆さんがおるやん。本来の奴隷は他の皆さんが使う時間の公衆浴場なんて使えんのやって、使えても後湯なんやってさ」
あ、こっちのルールなんやね。ルーム内では、私達ルールでやってるから。他の人達にしたら、変だと思われるんやね。
「なら、私達最後に入ろう。いっつも頑張って貰っているんや。ゆっくり足ば伸ばして入って貰おう」
そうしよう。
私はそれからお昼の手伝い。今日はJOY-Pのランチだ。日替わりランチはチキン南蛮とポテトコロッケ。タップタップタップと。ビアンカとルージュには白滝混ぜたご飯、痩せぎみのアレスは普通のご飯。イシス達は嘴があるので、ライスではなくパン。仔達の分もよし。
途中でコテージメンバーが手伝ってくれた。人手があるっていいなあ。花がいろんな人に歓迎のはみはみ。
「皆さん、床ですみません」
テーブル、お昼過ぎだもん。
皆さん、笑顔で許してくれる。
一律でお一人様500頂き、JOY-Pの日替わりランチをタップ。ライスかパン、大盛りを選んでもらう。だいたい大盛り。自分達の食事の前にエマちゃんにも、同じメニューを選ぶ。鷹の目の皆さんは、自分達のスペースで食べますと。エマちゃんは問題なく部屋から出てきた。だけど、部屋を出るときは、念のためにマスク装着をしてもらう。食欲もばっちりみたいだ。
店舗だと、ドリンクバーがあるけど、残念ないため、飲み物の準備と。私達も日替わりランチにする。
「では、頂きます」
「「「「「頂きまーす」」」」」
ポテトコロッケ、ぱくっ、熱いっ。ふーふー。
食事をしながら、お昼からの行動確認。異世界への扉を使ったお買い物だ。それぞれ必要物品のリストアップは終わっている。
まずはラスチャーニエのエドワルドさんと、お買い物だ。なんでエドワルドさんかなって思ったら、甘味大好きリーダーのケルンさんは絶対余計な物を買うだろうからと。そしてツヴァイクさんはビールにドはまりしたようで、飲みたい飲みたいと訴えているそうだ。コテージのビールあるけど、高いもんね。それでも軽く5杯も飲んだと。自分のお小遣いだからいいけど、流石に高いから、買って来たいようだ。
この2人を抑えるのはヒェリさんが適任らしい。大変そう。
蒼の麓はフェリクスさん、金の虎はリィマさん、山風はロッシュさんだ。
食後ゆっくりしてから、いざ、お買い物。
トップバッター、エドワルドさん。
「肩に掴まってください」
ちょっと戸惑うエドワルドさん。あまり顔見知りでもない女性の身体に触れるのは、躊躇われると。紳士や。それでもつかまらないと、向かうに行けないからね。おずおずと肩に手を置くエドワルドさん。
よし、よかね私は異世界への扉を開けた。
「こ、これは」
私にしてみたらお馴染みの光景。だけど、エドワルドさんにしたら、初めてだからね。戸惑うわ。しかし、異世界への扉は、私の魔力を消費する。カートにカゴをのせて、と。
「さ、行きましょう」
「あ、ああ」
カートを押して店内へ。
「すごい品揃えだな」
「これでも少ない方ですよ。本来はほとんどの棚に品物が陳列されているんですから」
品物が少ないのは、ルームのスキルレベルだと思う。
誰もいない店内に、私と腰に剣を下げたエドワルドさん。大丈夫なんだけど、最低限の武装はしたかったみたい。
カートを押しながら、エドワルドさんがぶつぶつ。
「野菜も果物も揃っている。季節以外のまで…………」
ぶつぶついいながらもリンゴやオレンジ、トマトや茸類を手にする。
ラスチャーニエの買い物リストは食糧だ。
「ミズサワ殿、塩が欲しいんですが」
「塩ですか」
「はい」
なんでも食べられる魔物の肉があるらしいので、自炊するそうだ、カルーラまでは時間かかるからね。コテージの食事はやや高めだしね。
「塩以外にも、色々ありますよ胡椒とか」
「胡椒は、高価ですし」
「ここではそこまでないですよ」
調味料コーナーにご案内。
「こ、こんなに胡椒って安いんですかっ」
「そうですよ」
多分こちらと違って、栽培方法が豊かなんやろうね。
エドワルドさんは塩とミルに入った胡椒をチョイス。
「こんなに大きなマルシェがあるなんて、ミズサワ殿は首都に住まわれていたんですか?」
「まさか、田舎ですよ。私達の住む国にはこんな形のスーパー、つまりマルシェはどこにでもありますよ。他所の国でもです。昔ながらの個人商店、こっちのマルシェももちろんありますが、ここなら色んな物が一度で手に入りますからね」
「へえ」
スーパーの詳しいシステムは分からないが、便利や。確かに地元の人が直接野菜等を並べている道の駅の方が安かったり、鮮度もいいけどね。私のルームのスキルにディレックスがあるだけで、感謝せんとね。
「では、このマルシェを経営している商会が、あちこちの農家や工房と契約しているから、これだけの種類をまとめて売っているんですか?」
「そんな感じですね」
「そうすると、手数料や販売価格が上がるのでは?」
「そりゃそうでしょ。これだけの店舗の維持もありますからね。それに消費者と供給者の考えが一致しているから、あちこちに店舗があるんですよ。だって、野菜に肉に、魚に、パンにあちこち買い物回るより、ここで揃えられたら楽やないですか?」
「なるほど」
スーパーの中では配達サービスもあるし、ポイントサービスもあるし、割引サービスだってある。エドワルドさんは興味津々で聞いてる。それからパンやジャムを入れる。
「ミズサワ殿、甘味は何かオススメありませんか? うちのリーダーうざくて」
エドワルドさん、うざいって……………
「あー、色々ありますよ」
お菓子コーナーに来たが、あまりの種類にエドワルドさん困惑。
「あー、どうします?」
「ミズサワ殿、申し訳ないのですが、選んで貰えませんか? 出来るだけ数が入っていて、予算は500で」
バナナは含まれますか? 違う、遠足やないんやから。
「そうですね…………」
結局、昔からあるバタークッキーとフルーツ味が色々のアメにした。
最後にアルコール。こちらも種類が多い為に、私がチョイス。500mlのビールケース、ブドウの風の赤ワインと白ワイン。
お支払して、と。
ビニール袋を下げて出る。
出ると、ケルンさんとツヴァイクさんが、わーっとエドワルドさんに駆け寄ってきた。
「甘味ーっ」
「エールーッ」
はいはい、とエドワルドさんがビニール袋やケースを渡す。このラスチャーニエの平均年齢は高い。一番若いのがエドワルドさんだが、何故か悟り顔で、色々差し出している。
「さ、次、フェリクスさん、行きましょうか」
「お世話かけます」
フェリクスさんともお買い物、エドワルドさんと似たような感じに色々聞かれたが、次があるからね。
やはり食糧関係をチョイスして、胡椒にはびっくりしていた。籠に即いれてた。家電にも興味津々だが、時間がね。
「ここにはいつでも来れるんですか?」
「はい、営業時間と私の魔力次第ですが」
「ダンジョン内でも?」
「はい、助かってます」
「羨ましいです」
と、しみじみ呟くフェリクスさん。本来はそうだわな。アイテムボックスだって、マジックバッグだって、許容量がある。皆が皆、晃太みたいなサイズではない。それに一度ダンジョンに入ったら、気軽に売店があるわけもない。手持ちの食糧で遣り繰りするもんだ。
「そうですね。私は恵まれたスキルだと思っています」
神様に感謝だ。
それからもフェリクスさんはてきぱきと籠に入れる。最後にアルコール、ビールケース、ワイン、ジュースを入れて、と。
リストアップの品物を確認して、お買い上げ。
次のリィマさんも唖然として、質問が来る。答えながら回る。リィマさんは果物や野菜は吟味して選び、調味料は悩む素振りだったが決断が早い。ただ、コーヒーだけは迷ってるので、購入したことがある、ドリップコーヒーを進めた。コーヒーはガリストさんが嗜んでいるようだ。コーヒーの産地、サウザマーク出身なんだって。後、興味を示したのは、野菜ジュース。
「これならアルスも飲めるかな」
なんでもアルスさんの偏食に、お姉さんのリィマさんが頭を悩ませているようや。あら、なんでも食べてた気がするけど。
「あんたが、いや、ミズサワさんが出す食事の野菜は嫌わないで食べるんだよ、不思議とね。だけど、他所では口にしないんだ」
「そうなんですか」
うーん、野菜かあ。やっぱりこちらの野菜には苦味があるからかな? でも、アルスさんなんでも食べてたよ。
「食わず嫌い?」
「それもあるだろうね。ミズサワさんが出す食事は大丈夫だって、あいつ思い込んでるから助かるけど、いつまでもそうは言ってられないし」
「大変ですね」
お姉さん大変だね。リィマさんはオレンジ色の定番野菜ジュースを選ぶ。
そしてビールケースと、軽いアルコールと言われて缶チューハイとカクテルを勧める。
お買い上げの前に、リィマさんがばつの悪そうな顔をする。
「最初に会った時、失礼な態度を取って悪かったね」
「最初? ああ、アルブレンの」
「そう。本当に申し訳ないって思ってさ」
「別に気にしてませんよ。だって、私達はあの時、身分証代わりに冒険者ギルドカードが欲しかっただけで、本職にしていた皆さんにしたら、失礼な格好でしたから」
なんせ、フルもへじ生活の格好だったしね。すべてビアンカとルージュと仔達の為だったから、真剣に冒険者している人にしたら、怒られるような格好だったはず。
だから、気にしてません。
リィマさんはもう一度、申し訳ないって。
お会計を済ませて出る。
で、最後。
ロッシュさんとお買い物。
「なるほど、あの依頼の時に出して貰った賄いの材料はここでしたか」
「そうですね。特に調味料とか、カレーのルゥとかは」
「あの、俺達でも作れますか?」
「出来ますよ、私、小学生の頃から作ってますから。教えますよ」
ロッシュさんとカレーの材料や炊飯器を見て回る。
何だかんだと、回っていたら気が付いたら後20分。バタバタとお買い物。ロッシュさんだって色々驚いて聞きたかった筈だけど、ギアを上げてもらう。
やはり山風も食糧がメイン。ハジェル君、食べるもんね。カレーの材料の野菜、塩と胡椒と、オススメ焼き肉のタレ。パンにジャムにチーズ。最後にビールケースとジュース、紅茶のペットボトル。
お会計して出る。なんとか全部買ったかな?
あ、そうや。
「皆さーん」
声をかけると、品物をチェックしていた視線が集まる。
「必要な物が欲しい時は私に言ってくださいね。今の場所に行くには、私の同行が必要ですから。時間は朝10時から夜の10時でーす」
「はいはいはいはいっ、私っ」
ばーっと飛び出そうとする、頬っぺたリスのケルンさん。それを問答無用に取り押さえるヒェリさん。で、めきめき。いやあの、窒息しません?
「私の魔力残量も考慮してください。ほぼ、今、空に近いので」
「「「「はーい」」」」
ケルンさんが潰されたカエルのような悲鳴を上げてる。
エドワルドさんが、気にしないでくださいと、冷めた表情を見せた。
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リリアーナは淡い金髪を揺らし、静かに王太子を見つめ返した。
「理由を、お聞きしてもよろしいでしょうか」
「理由など明白だ。君は嫉妬深く、心が狭い。それに比べ、私は真実の愛を見つけた」
そう言ってエドワードが隣へ引き寄せたのは、男爵令嬢のセシリアだった。