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変わらないもの①
考えられるのは事故や。
ビアンカやイシス達が人達を襲うわけない。もちろん仔達も、アレスもだ。それに両親やマデリーンさん達もすぐ近くにいる。もし、あのアルブレンの石少年みたいのがいても、ここはギルドの真ん前だ。そんなことしたら、すぐに捕まる。例え石を投げられたとしても、賢いビアンカ達がその相手を安易に傷付けるとは思えない。
それにうちのビアンカとルージュ達は何度も警備の人に付き添われて、街中を歩き、ちゃんとした従魔だと、その存在は知れ渡っているはずだ。
色々消去して、考えたのは、何かしらの事故に子供が巻き込まれたんやかな。
晃太が不安そうに私を見る。
私は腰をあげる。救急の経験はないが、色んな手段はある。
「チュアンさん」
「はい、ユイさん」
「表で負傷者がいます。力を貸してください」
「もちろんです」
ラソノさんとガトールさんが慌てる。
「ミズサワ様? どうされました?」
「負傷者とは?」
「すみません、急を要するかもしれません。失礼します」
返事を待たずに、私とチュアンさんは応接室を飛び出す。晃太とホークさん、ルージュとコハクとヒスイもだ。
すぐにロビーに出ると、職員さんや冒険者さん達が騒然している。やっぱり何かあったんや。そしてハッキリ聞こえる低音の狼系特有の唸り声。アレスや。
どうしたんね。
そう叫びそうになったが、止まる。
けが人、おらん。
おらんけど、ギルドの前は、ロビー以上に騒然となっていた。
全身の毛を逆立てたアレスが、今にもすべてを噛み砕かんばかりに唸り声を上げていた。思わず主人である私でも引きそうなくらい、恐ろしい形相だ。そのアレスの首に、父が腕を回し、視線を固定させていた。
その先にあるのは、チュアンさんが上級商会のものだと言った、豪華な馬車だ。
人垣は馬車とアレスの回りから引き、一様に怯えている。それはそうだ。只でさえデカイウルフが、眉間に深い皺を刻み、牙剥き出したら、誰でも逃げ出すよ。
「あ、ユイさんっ」
「ユイさんっ」
近くで馬車を守っていたエマちゃんとテオ君。おそらく馬車には母と花、シルフィ達が乗っている。アリスも馬車から離れない。マデリーンさんとミゲル君も馬車に張り付いている。ビアンカとイシスがアレスと少し距離を置いている。
豪華な馬車の前には護衛らしき人達が、ひーっ、と言った顔だけど、踏ん張って立ってる。
いかんっ、立ち止まってしまった。
「アレスッ、お父さんっ」
私は唸り声を上げるアレスの元に駆け寄る。
「どうしたんね、何で唸りようと?」
『主よっ、この木の箱に、弱った童達がいるのだっ』
「えっ?」
目の前には、豪華な馬車が3台。
弱った童達って、複数? これ、もしかして救急車? な、わけない。
『妙な魔力で隠しているが、我の気配感知から逃れられないのだっ』
アレスが轟くように吼える。
ひーっ、凄い迫力っ。
ちらり、とビアンカとルージュ、イシス達に視線を送る。
『いるのですね』
『そうね。何かしら、妙な魔力で覆っているわ』
『ウム、イルナ数匹。ヌシヨ、ドウスル? ソノ木ノ塊、破壊スルカ?』
ど、どうしようっ。
弱った子供がいるというが、どうみても豪華な馬車に、不釣り合いやない?
「おいっ、お前っ、我が商会によくもこのような無礼をっ」
ひーっ、となっている護衛さん達の後ろから、豪華な格好したメタボな男性が吠える。
『ああああぁぁぁぁぁっ、弱った童を、妙な魔力で拘束している屑どもがっ』
アレスの顔が、や、の付く人達が逃げ出すような形相にっ。ひーっ、厄災クラスやーっ。
やけど、ここで引くわけはいかん。だいたい、アレスは基本的に小さな子供には優しいんや。アリスやシルフィ達、ビアンカやルージュ、仔達にはでれでれして引かれているけど。孤児院の子供達にだってなにされても、へっへっ言って大人しく触られている。それにエマちゃんやテオ君も、保護対象にしているんや。そんなアレスがこんなに怒っている。それにビアンカやルージュ、イシスが言うなら、いるはずや。
弱って、拘束されている子供達が。なら、引くわけにはいかんやろ。
「あの、その馬車に乗っている子供達、凄く弱っています。すぐに手当てをっ」
とりあえず、言葉は選んでみたけど。
だけど、その言葉に、さっきのメタボな男性の顔色が変わる。
「無礼者っ、これはアスラ王国とユリアレーナ王国の更なる友好の為にっ、お、王太子妃殿下になられる、か、方の、花嫁衣装の生地であるぞっ。子供が乗ってぇ、いるわけがないっ」
あ、なんや、不味いことになりそうっ。
かみかみのメタボな男性。顔色、真っ赤っ赤。
『ユイ、その雄の言葉には嘘はないわ』
まさかのルージュの反応。
『ただし、前半だけね。だけど、あからさまに動揺しているわ、探られたくないようね』
あ、やっぱり。
子供達がいるのは確かな。だけど、知られたくないってことか。
「分かっているのかっ、お前がこれに触れることしら許されぬのだっ。これは両国の関係を更に強固にするために……………」
メタボな男性のかみかみ説明が続く。
私のすぐ後ろにラソノさんが恐る恐る近づいて来た。
「ミズサワ様。あの馬車はアスラ王国一の商会です。王太子妃殿下になられる方の為に、ミッシェル王太后様が特別発注したものです」
やっぱり、不味いことになりそうやっ。ユリアレーナ王家の皆様にはお世話になっている。特にご高齢で、足を引きずっていたミッシェル王太后様は、社交界に復帰し牽制までしてくれている。パーヴェル様は、死ぬまで王族だと言ったけど、私は申し訳なかった。
あの馬車の荷は、ジークフリード殿下の正室のご令嬢のものなんだろう。これで何かしらのトラブルに巻き込まれたら、あまりよろしくない事になりそう。
私は決断を一瞬迷う。だが、アレスがいう弱った、拘束の言葉が押す。
「その馬車には、弱った子供達がいますっ。すぐに手当てをっ」
アレスが嘘言うわけない。今は目の前の子供達を助けんと。
「我がズロー商会を愚弄する気かーっ」
メタボな男性が吠える。顔色、真っ赤っ赤。
どうしようっ。早く、子供達の手当てをしたか。しかし、無理矢理ってのはちょっと。
『真っ二つにするのです?』
『妙な魔力で、はっきり気配が分からないわ、当たったら死んでしまうわ。回りから剥がしましょう』
『ウム、アノ木ノ上ダケ剥ガスカ?』
ちょっと待って。
後ろのラソノさんが、お待ちくださいと繰り返す。
恐らく、この馬車が運ぶのは、アスラ王国とユリアレーナ王国が、これからも仲良くしていくためのものなんだろう。それだけなら良かったが、そう、それだけなら。
「優衣」
今まで、アレスの首に腕を回していた父が静かに発する。
「子供はみんな未成年。マーランからの違法奴隷として、拘束されとる」
違法奴隷っ? 何でそんなあからさまに、この馬車に不釣り合いな単語がっ。
「全部で14人。誘拐、もしくは違法と分かっている親に故意に売られとる。一番年上の狼の獣人の男ん子の容態が一番悪かっ」
『僅かに聞こえるのだ、遮断されているが、怯えて泣いているのだっ』
はい、決定。
強行突破します。
誘拐? 親に売られた? 怯えて泣いてる? ほっておけるわけがないやろ。単純に考えて、このメタボな男性、噛んでるな。
許せん。許せん。許せん。
腹の奥底から、ふつふつと怒りが沸き上がる。
私は一歩前に出る。すぐにビアンカとルージュが張り付き、ホークさんもすぐそばに。
「このっ、無礼者っ、無礼者っ。何をしている早く追い返せっ。ギルドも何をしているっ。我がズロー商会が、アスラ王国で筆頭であるぞっ」
「だから、なんや」
私は息を吸う。
「子供達を解放しなさい」
「無礼っ、この馬車にはっ」
「子供達を解放せんねっ」
メタボな男性の声に、私の声量が勝る。
「ミズサワ様、落ち着いてください。この馬車は………」
ラソノさんも私を止めてくる。多分、両国を思っての事やね。
「ラソノさん。すみません。目の前で、子供達が弱って泣いています」
「そ、その、証拠は……………」
「うちの従魔達が、嘘を付くとでも?」
ぐうの音もでないラソノさん。違法奴隷ってよくわからないけど、響きでよくないはずや。だって誘拐や故意に売られたんやから。ホークさん達とは、絶対に違う。
「このっ、馬車に何かあれば、アスラ王国は黙っていると思うのかっ」
それはつまり、ユリアレーナ王国と、火の粉が舞うと?
『嘘なのです』
『嘘ね』
『嘘なのだ』
『嘘ダ』
そうだろうね。花嫁衣装の布をのせてる馬車に、違法奴隷が載ってる。罰を受けるの、このズロー商会やないの?
まあ、それは、後々。
「さあ、子供達ば解放せんね。それとも、うちの従魔が探しだそうか?」
私の言葉に、ゆっくり前に出るビアンカとルージュ。そしてその2人の前にアレスが進み出る。イシスは最後尾にオシリスと並ぶ。
「そんなことして………………」
メタボな男性が喚く中、父が私にこしょこしょ。
「分かったありがとうお父さん。下がっとって」
父はミゲル君が後ろに誘導。
「貴様っ、分かっているのかっ。自分がどれだけ、回りに影響するかっ」
「それは後で考える」
ピシャッと答える。
そう、まず、最優先すべき事。
目の前で、弱って、怯えて泣いている子供達がいるのならば、引いておられん。
「さあ、あんたらも、いい加減、私達とやりあう覚悟、出来たよね?」
ビアンカやイシス達が人達を襲うわけない。もちろん仔達も、アレスもだ。それに両親やマデリーンさん達もすぐ近くにいる。もし、あのアルブレンの石少年みたいのがいても、ここはギルドの真ん前だ。そんなことしたら、すぐに捕まる。例え石を投げられたとしても、賢いビアンカ達がその相手を安易に傷付けるとは思えない。
それにうちのビアンカとルージュ達は何度も警備の人に付き添われて、街中を歩き、ちゃんとした従魔だと、その存在は知れ渡っているはずだ。
色々消去して、考えたのは、何かしらの事故に子供が巻き込まれたんやかな。
晃太が不安そうに私を見る。
私は腰をあげる。救急の経験はないが、色んな手段はある。
「チュアンさん」
「はい、ユイさん」
「表で負傷者がいます。力を貸してください」
「もちろんです」
ラソノさんとガトールさんが慌てる。
「ミズサワ様? どうされました?」
「負傷者とは?」
「すみません、急を要するかもしれません。失礼します」
返事を待たずに、私とチュアンさんは応接室を飛び出す。晃太とホークさん、ルージュとコハクとヒスイもだ。
すぐにロビーに出ると、職員さんや冒険者さん達が騒然している。やっぱり何かあったんや。そしてハッキリ聞こえる低音の狼系特有の唸り声。アレスや。
どうしたんね。
そう叫びそうになったが、止まる。
けが人、おらん。
おらんけど、ギルドの前は、ロビー以上に騒然となっていた。
全身の毛を逆立てたアレスが、今にもすべてを噛み砕かんばかりに唸り声を上げていた。思わず主人である私でも引きそうなくらい、恐ろしい形相だ。そのアレスの首に、父が腕を回し、視線を固定させていた。
その先にあるのは、チュアンさんが上級商会のものだと言った、豪華な馬車だ。
人垣は馬車とアレスの回りから引き、一様に怯えている。それはそうだ。只でさえデカイウルフが、眉間に深い皺を刻み、牙剥き出したら、誰でも逃げ出すよ。
「あ、ユイさんっ」
「ユイさんっ」
近くで馬車を守っていたエマちゃんとテオ君。おそらく馬車には母と花、シルフィ達が乗っている。アリスも馬車から離れない。マデリーンさんとミゲル君も馬車に張り付いている。ビアンカとイシスがアレスと少し距離を置いている。
豪華な馬車の前には護衛らしき人達が、ひーっ、と言った顔だけど、踏ん張って立ってる。
いかんっ、立ち止まってしまった。
「アレスッ、お父さんっ」
私は唸り声を上げるアレスの元に駆け寄る。
「どうしたんね、何で唸りようと?」
『主よっ、この木の箱に、弱った童達がいるのだっ』
「えっ?」
目の前には、豪華な馬車が3台。
弱った童達って、複数? これ、もしかして救急車? な、わけない。
『妙な魔力で隠しているが、我の気配感知から逃れられないのだっ』
アレスが轟くように吼える。
ひーっ、凄い迫力っ。
ちらり、とビアンカとルージュ、イシス達に視線を送る。
『いるのですね』
『そうね。何かしら、妙な魔力で覆っているわ』
『ウム、イルナ数匹。ヌシヨ、ドウスル? ソノ木ノ塊、破壊スルカ?』
ど、どうしようっ。
弱った子供がいるというが、どうみても豪華な馬車に、不釣り合いやない?
「おいっ、お前っ、我が商会によくもこのような無礼をっ」
ひーっ、となっている護衛さん達の後ろから、豪華な格好したメタボな男性が吠える。
『ああああぁぁぁぁぁっ、弱った童を、妙な魔力で拘束している屑どもがっ』
アレスの顔が、や、の付く人達が逃げ出すような形相にっ。ひーっ、厄災クラスやーっ。
やけど、ここで引くわけはいかん。だいたい、アレスは基本的に小さな子供には優しいんや。アリスやシルフィ達、ビアンカやルージュ、仔達にはでれでれして引かれているけど。孤児院の子供達にだってなにされても、へっへっ言って大人しく触られている。それにエマちゃんやテオ君も、保護対象にしているんや。そんなアレスがこんなに怒っている。それにビアンカやルージュ、イシスが言うなら、いるはずや。
弱って、拘束されている子供達が。なら、引くわけにはいかんやろ。
「あの、その馬車に乗っている子供達、凄く弱っています。すぐに手当てをっ」
とりあえず、言葉は選んでみたけど。
だけど、その言葉に、さっきのメタボな男性の顔色が変わる。
「無礼者っ、これはアスラ王国とユリアレーナ王国の更なる友好の為にっ、お、王太子妃殿下になられる、か、方の、花嫁衣装の生地であるぞっ。子供が乗ってぇ、いるわけがないっ」
あ、なんや、不味いことになりそうっ。
かみかみのメタボな男性。顔色、真っ赤っ赤。
『ユイ、その雄の言葉には嘘はないわ』
まさかのルージュの反応。
『ただし、前半だけね。だけど、あからさまに動揺しているわ、探られたくないようね』
あ、やっぱり。
子供達がいるのは確かな。だけど、知られたくないってことか。
「分かっているのかっ、お前がこれに触れることしら許されぬのだっ。これは両国の関係を更に強固にするために……………」
メタボな男性のかみかみ説明が続く。
私のすぐ後ろにラソノさんが恐る恐る近づいて来た。
「ミズサワ様。あの馬車はアスラ王国一の商会です。王太子妃殿下になられる方の為に、ミッシェル王太后様が特別発注したものです」
やっぱり、不味いことになりそうやっ。ユリアレーナ王家の皆様にはお世話になっている。特にご高齢で、足を引きずっていたミッシェル王太后様は、社交界に復帰し牽制までしてくれている。パーヴェル様は、死ぬまで王族だと言ったけど、私は申し訳なかった。
あの馬車の荷は、ジークフリード殿下の正室のご令嬢のものなんだろう。これで何かしらのトラブルに巻き込まれたら、あまりよろしくない事になりそう。
私は決断を一瞬迷う。だが、アレスがいう弱った、拘束の言葉が押す。
「その馬車には、弱った子供達がいますっ。すぐに手当てをっ」
アレスが嘘言うわけない。今は目の前の子供達を助けんと。
「我がズロー商会を愚弄する気かーっ」
メタボな男性が吠える。顔色、真っ赤っ赤。
どうしようっ。早く、子供達の手当てをしたか。しかし、無理矢理ってのはちょっと。
『真っ二つにするのです?』
『妙な魔力で、はっきり気配が分からないわ、当たったら死んでしまうわ。回りから剥がしましょう』
『ウム、アノ木ノ上ダケ剥ガスカ?』
ちょっと待って。
後ろのラソノさんが、お待ちくださいと繰り返す。
恐らく、この馬車が運ぶのは、アスラ王国とユリアレーナ王国が、これからも仲良くしていくためのものなんだろう。それだけなら良かったが、そう、それだけなら。
「優衣」
今まで、アレスの首に腕を回していた父が静かに発する。
「子供はみんな未成年。マーランからの違法奴隷として、拘束されとる」
違法奴隷っ? 何でそんなあからさまに、この馬車に不釣り合いな単語がっ。
「全部で14人。誘拐、もしくは違法と分かっている親に故意に売られとる。一番年上の狼の獣人の男ん子の容態が一番悪かっ」
『僅かに聞こえるのだ、遮断されているが、怯えて泣いているのだっ』
はい、決定。
強行突破します。
誘拐? 親に売られた? 怯えて泣いてる? ほっておけるわけがないやろ。単純に考えて、このメタボな男性、噛んでるな。
許せん。許せん。許せん。
腹の奥底から、ふつふつと怒りが沸き上がる。
私は一歩前に出る。すぐにビアンカとルージュが張り付き、ホークさんもすぐそばに。
「このっ、無礼者っ、無礼者っ。何をしている早く追い返せっ。ギルドも何をしているっ。我がズロー商会が、アスラ王国で筆頭であるぞっ」
「だから、なんや」
私は息を吸う。
「子供達を解放しなさい」
「無礼っ、この馬車にはっ」
「子供達を解放せんねっ」
メタボな男性の声に、私の声量が勝る。
「ミズサワ様、落ち着いてください。この馬車は………」
ラソノさんも私を止めてくる。多分、両国を思っての事やね。
「ラソノさん。すみません。目の前で、子供達が弱って泣いています」
「そ、その、証拠は……………」
「うちの従魔達が、嘘を付くとでも?」
ぐうの音もでないラソノさん。違法奴隷ってよくわからないけど、響きでよくないはずや。だって誘拐や故意に売られたんやから。ホークさん達とは、絶対に違う。
「このっ、馬車に何かあれば、アスラ王国は黙っていると思うのかっ」
それはつまり、ユリアレーナ王国と、火の粉が舞うと?
『嘘なのです』
『嘘ね』
『嘘なのだ』
『嘘ダ』
そうだろうね。花嫁衣装の布をのせてる馬車に、違法奴隷が載ってる。罰を受けるの、このズロー商会やないの?
まあ、それは、後々。
「さあ、子供達ば解放せんね。それとも、うちの従魔が探しだそうか?」
私の言葉に、ゆっくり前に出るビアンカとルージュ。そしてその2人の前にアレスが進み出る。イシスは最後尾にオシリスと並ぶ。
「そんなことして………………」
メタボな男性が喚く中、父が私にこしょこしょ。
「分かったありがとうお父さん。下がっとって」
父はミゲル君が後ろに誘導。
「貴様っ、分かっているのかっ。自分がどれだけ、回りに影響するかっ」
「それは後で考える」
ピシャッと答える。
そう、まず、最優先すべき事。
目の前で、弱って、怯えて泣いている子供達がいるのならば、引いておられん。
「さあ、あんたらも、いい加減、私達とやりあう覚悟、出来たよね?」
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