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連載
再び材料確保⑤
残り日数は、つつがなく終了。
結局、異世界のメニューは両親との相談の上、選択となる。
「じゃあ、鼻水君、じゃないシヴァ、またね」
「わふん」
大きなお肉を咥えているシヴァ。なかなかあれからシヴァから言葉がでない。出ても、ビアンカかへっくしょん。よく、鼻水を飛ばされる。一緒に来た補佐ウルフと共に魔境に見送り、アレスが戻って来る。
『ボス部屋なのだ』
「しばらく復活せんよ。それにもう帰るよ」
『そんなーっ』
「我慢して。ほら、ボス部屋の壁に雷ば頼むばい」
『むー、あんパン食べたいのだ』
「それくらいよかたい」
ドロップ品を拾い、宝箱の確認する。罠があり、アリスが解除。
「わふんっ」
細やかにどやっ。
縦長の宝箱だ。サイズ的に長物の武器やないかな? 開けると、やっぱりロングソードが3本。それからビロードの箱が2つ。ビロードの箱、1つは小さな石の嵌まった片方のピアス。もう1つは小さな茶色の石がさがったペンダント。冷蔵庫ダンジョン最上階で、小さな宝石のアクセサリーはだいたいマジックアイテムや。剣も絶対付与があるはず、この2つは父の鑑定待ちや。
「アレス頼むばい」
『任せるのだ、ふんっ』
鼻息、一発。
ドガァァァァァァァンッ
凄かっ。
『妻よ、今の雷を見たのだ?』
すぐにアリスにすり寄っていくアレス。アリスは、あー、はいはい、みたいな顔。
「あ、ユイさん、ご褒美部屋出ました」
エマちゃんが教えてくれる。今回初めてや。初めて見る人もいるので、興味津々だ。
覗くと、大きな宝箱が3つ。
アリスはご褒美部屋チェック。やっぱり罠があり、解除は半分程したが、これ以上は無理と。本職のエリアンさんにも見てもらったが、さ、と網を出された。エドワルドさんが言ってた特殊網ね。そんなの使ったら壊れちゃうよ。
「アレス、氷」
『いいのだが、クリームパンが食べたいのだ』
「よかたい、それくらい」
『分かったのだっ、えいっ』
ピキキキキキキキィ
以前のように、中の宝箱は凍らせず、床、壁が氷で覆われる。
「凄いっ」
「流石っす」
マアデン君とハジェル君が声を上げる。
『出来たのだっ』
どやややっ。
『妻よっ、今の見たのだっ、あ、待つのだーっ』
アリスがスタスタと入っていく。同時にパキパキと氷が鳴る。やっぱり罠が発動している。慌ててアレスが付いていく。アリスが罠チェック。
「わふんっ」
いいみたいやね。
晃太が慎重に入り、アイテムボックスに宝箱を入れて出てくる。こうしたほうがゆっくり宝箱の中身確認できるしね。
晃太が出てきてアレスが入り口を氷で封鎖、よし。
ワクワク宝箱チェックの時間や。
宝箱は3つ。ご褒美部屋の配置は左右に小さな宝箱。中央に大きな宝箱だ。
まずは小さな宝箱ね。
だいたい予想できるよ。
皆さんが注目するなかでぱかり。はい、ビロードの箱。サイズは私の両手の手のひらサイズ。
更にぱかり。キラキラッ。キラキラッ。キラキラッ。
合計9個の宝石。まあ、でかか。サイズと色はバラバラ。
「あのー、リィマさん」
「はいはい、見ようね」
リィマさんが査定してくれる。値段によってはグーテオークションに寄贈やな。あ、そうや。私はひらめく。これは後やね。
次の小さな宝箱オープン。
ビロードの箱が4つ。
全部小さな石の嵌まった指輪。サイズ的にごつそうだから男性物だね。普通の指輪じゃないよね。これは父の鑑定待ち。
最後の大きな箱、ワクワク、布かな? たくさん武器がずらりかな? ワクワク。皆さんもワクワクしながら私の手元を見ている。
ぱかり。
……………………………え。こんなに大きな宝箱に、たった1つの箱。なんやろ? 取り出して、更にぱかり。涙型のペンダントトップが4つ。赤、青、緑、茶色だ。うん、父の鑑定待ちや。きっと何かしらのマジックアイテムや。
「皆さん、父の鑑定した後こちらは配布しますね」
それでいいって。
「ミズサワさん、査定終わったよ」
リィマさんが最初の宝石類を持ってくる。
「詳しい査定額じゃないけど。だいたい500~600万」
リィマさんが教えてくれる。
「左上からルベライト、アクアマリン、インディゴライト、デマントイドガーネット、サファイア、エメラルド、パライバトルマリン、ルチルクォーツ、アパタイト。ただね」
リィマさんは声を潜める。
「この真ん中のサファイア、5000万以上するよ」
「わっふ」
相変わらずやなあご褒美部屋や。
「リーダーさん達集合ー」
ホークさん以外のリーダーさんに集合をかける。なんだろう、みたいな顔だ。
私はリィマさんから宝石が並んだビロードの箱を差し出す。
「さ、2個ずつ選んでください」
「「「「はい?」」」」
まさにはい? みたいな顔。
「これはご褒美ですよ。私達は何回かご褒美部屋当たってますし、さ、どうぞどうぞー」
後ろでリィマさんが、ちょっとミズサワさん、と言うがスルーさせてもらう。
「さ、さ、どうぞどうぞー」
私が戸惑うリーダーさん達にビロードの箱を差し出す。
顔を見合せるリーダーさん達は、ちょっと考えたけど、それぞれ選ぶ。
「では。私はこちらとこれを」
ケルンさんはルベライトとデマントイドガーネットを手にする。
「そうですね…………これとこれを」
フェリクスさんはアクアマリンとルチルクォーツ。
「じゃあ。これと、これ、あ、これにするっ」
ファングさんはインディゴライトと、サファイアを選ぼうとして、慌ててパライバトルマリンにしている。
「俺はこれとこれにします」
ロッシュさんはファングさんが選ばなかったサファイアを除いた残りを選ぶ。エメラルドとアパタイトを手にする。
残ったのは、リィマさんが5000万以上と言ったサファイア。買取りやね。
「なんかリィマさん、一瞬、鬼みたいな顔してたぞ」
「怖いっす。直ぐに戻ったっす」
マアデン君とハジェル君がこそこそ。
残りは晃太がアイテムボックスに。
それからケルンさんとヒェリさん、蒼の麓、金の虎の皆さんをルームに誘導する。
「では。しばらくコテージで待っててくださいね」
「「「「はい」」」」
これから冷蔵庫ダンジョンを出て、ギルドに行ったりするからね。時間かかると思うし。勝手知ったるとかで、皆さんコテージに向かう。シルフィ達をバギーに乗せて、と。
忘れ物ないかな。
「ユイさん。全員、います」
ノワールの手綱を握ったホークさんが確認。
「はい」
私も魔法陣に乗る。
「わふん」
アリスが魔力を流すと、景色が変わる。
いつもの小屋や。
『ん? 主よ』
アリスに張り付いていたアレスが、ふいに私に向く。
『こちらを伺う、妙な気配があるのだ』
「なにそれ?」
「リティアさんやないね」
晃太が憶測で言う。あんたね。
『あのハイテンションな雌ではないのだ』
「リティアさんもあんたには言われたくないやろ」
私達の会話がわからない皆さんは、どうしたんだろうと、こちらを見ている。
『なんと言うか、醜悪な気配なのだ』
「「醜悪って」」
『消してくるのだ?』
何を? 息の根?
やけど、アレスが気配を感じるのならそうなんやろう。アリスもオシリスも頷いているし。
「ユイさん、どうしました?」
心配そうなホークさん。他の皆さんもそんな感じだ。
「実はアレスがですね………………」
説明すると、さ、と緊張感が走る。
どうしたものか。
「出ましょう」
と、エドワルドさんが即決。
「まあ、そうじゃな。ここで待っていても仕方無いじゃろうし」
ツヴァイクさんも同意。
いつまでもここにいてもしょうがないのは確かだし。
「ミズサワ殿を中に、我々は外を固める。まあ、バカな連中なら、従魔殿が弾くだろうが念のために」
エドワルドさんとツヴァイクさんが指示を出して、ごそごそと並ぶ。
『あ、主よ。醜悪な奴らが呟いているのだ』
「え? 何?」
結局、異世界のメニューは両親との相談の上、選択となる。
「じゃあ、鼻水君、じゃないシヴァ、またね」
「わふん」
大きなお肉を咥えているシヴァ。なかなかあれからシヴァから言葉がでない。出ても、ビアンカかへっくしょん。よく、鼻水を飛ばされる。一緒に来た補佐ウルフと共に魔境に見送り、アレスが戻って来る。
『ボス部屋なのだ』
「しばらく復活せんよ。それにもう帰るよ」
『そんなーっ』
「我慢して。ほら、ボス部屋の壁に雷ば頼むばい」
『むー、あんパン食べたいのだ』
「それくらいよかたい」
ドロップ品を拾い、宝箱の確認する。罠があり、アリスが解除。
「わふんっ」
細やかにどやっ。
縦長の宝箱だ。サイズ的に長物の武器やないかな? 開けると、やっぱりロングソードが3本。それからビロードの箱が2つ。ビロードの箱、1つは小さな石の嵌まった片方のピアス。もう1つは小さな茶色の石がさがったペンダント。冷蔵庫ダンジョン最上階で、小さな宝石のアクセサリーはだいたいマジックアイテムや。剣も絶対付与があるはず、この2つは父の鑑定待ちや。
「アレス頼むばい」
『任せるのだ、ふんっ』
鼻息、一発。
ドガァァァァァァァンッ
凄かっ。
『妻よ、今の雷を見たのだ?』
すぐにアリスにすり寄っていくアレス。アリスは、あー、はいはい、みたいな顔。
「あ、ユイさん、ご褒美部屋出ました」
エマちゃんが教えてくれる。今回初めてや。初めて見る人もいるので、興味津々だ。
覗くと、大きな宝箱が3つ。
アリスはご褒美部屋チェック。やっぱり罠があり、解除は半分程したが、これ以上は無理と。本職のエリアンさんにも見てもらったが、さ、と網を出された。エドワルドさんが言ってた特殊網ね。そんなの使ったら壊れちゃうよ。
「アレス、氷」
『いいのだが、クリームパンが食べたいのだ』
「よかたい、それくらい」
『分かったのだっ、えいっ』
ピキキキキキキキィ
以前のように、中の宝箱は凍らせず、床、壁が氷で覆われる。
「凄いっ」
「流石っす」
マアデン君とハジェル君が声を上げる。
『出来たのだっ』
どやややっ。
『妻よっ、今の見たのだっ、あ、待つのだーっ』
アリスがスタスタと入っていく。同時にパキパキと氷が鳴る。やっぱり罠が発動している。慌ててアレスが付いていく。アリスが罠チェック。
「わふんっ」
いいみたいやね。
晃太が慎重に入り、アイテムボックスに宝箱を入れて出てくる。こうしたほうがゆっくり宝箱の中身確認できるしね。
晃太が出てきてアレスが入り口を氷で封鎖、よし。
ワクワク宝箱チェックの時間や。
宝箱は3つ。ご褒美部屋の配置は左右に小さな宝箱。中央に大きな宝箱だ。
まずは小さな宝箱ね。
だいたい予想できるよ。
皆さんが注目するなかでぱかり。はい、ビロードの箱。サイズは私の両手の手のひらサイズ。
更にぱかり。キラキラッ。キラキラッ。キラキラッ。
合計9個の宝石。まあ、でかか。サイズと色はバラバラ。
「あのー、リィマさん」
「はいはい、見ようね」
リィマさんが査定してくれる。値段によってはグーテオークションに寄贈やな。あ、そうや。私はひらめく。これは後やね。
次の小さな宝箱オープン。
ビロードの箱が4つ。
全部小さな石の嵌まった指輪。サイズ的にごつそうだから男性物だね。普通の指輪じゃないよね。これは父の鑑定待ち。
最後の大きな箱、ワクワク、布かな? たくさん武器がずらりかな? ワクワク。皆さんもワクワクしながら私の手元を見ている。
ぱかり。
……………………………え。こんなに大きな宝箱に、たった1つの箱。なんやろ? 取り出して、更にぱかり。涙型のペンダントトップが4つ。赤、青、緑、茶色だ。うん、父の鑑定待ちや。きっと何かしらのマジックアイテムや。
「皆さん、父の鑑定した後こちらは配布しますね」
それでいいって。
「ミズサワさん、査定終わったよ」
リィマさんが最初の宝石類を持ってくる。
「詳しい査定額じゃないけど。だいたい500~600万」
リィマさんが教えてくれる。
「左上からルベライト、アクアマリン、インディゴライト、デマントイドガーネット、サファイア、エメラルド、パライバトルマリン、ルチルクォーツ、アパタイト。ただね」
リィマさんは声を潜める。
「この真ん中のサファイア、5000万以上するよ」
「わっふ」
相変わらずやなあご褒美部屋や。
「リーダーさん達集合ー」
ホークさん以外のリーダーさんに集合をかける。なんだろう、みたいな顔だ。
私はリィマさんから宝石が並んだビロードの箱を差し出す。
「さ、2個ずつ選んでください」
「「「「はい?」」」」
まさにはい? みたいな顔。
「これはご褒美ですよ。私達は何回かご褒美部屋当たってますし、さ、どうぞどうぞー」
後ろでリィマさんが、ちょっとミズサワさん、と言うがスルーさせてもらう。
「さ、さ、どうぞどうぞー」
私が戸惑うリーダーさん達にビロードの箱を差し出す。
顔を見合せるリーダーさん達は、ちょっと考えたけど、それぞれ選ぶ。
「では。私はこちらとこれを」
ケルンさんはルベライトとデマントイドガーネットを手にする。
「そうですね…………これとこれを」
フェリクスさんはアクアマリンとルチルクォーツ。
「じゃあ。これと、これ、あ、これにするっ」
ファングさんはインディゴライトと、サファイアを選ぼうとして、慌ててパライバトルマリンにしている。
「俺はこれとこれにします」
ロッシュさんはファングさんが選ばなかったサファイアを除いた残りを選ぶ。エメラルドとアパタイトを手にする。
残ったのは、リィマさんが5000万以上と言ったサファイア。買取りやね。
「なんかリィマさん、一瞬、鬼みたいな顔してたぞ」
「怖いっす。直ぐに戻ったっす」
マアデン君とハジェル君がこそこそ。
残りは晃太がアイテムボックスに。
それからケルンさんとヒェリさん、蒼の麓、金の虎の皆さんをルームに誘導する。
「では。しばらくコテージで待っててくださいね」
「「「「はい」」」」
これから冷蔵庫ダンジョンを出て、ギルドに行ったりするからね。時間かかると思うし。勝手知ったるとかで、皆さんコテージに向かう。シルフィ達をバギーに乗せて、と。
忘れ物ないかな。
「ユイさん。全員、います」
ノワールの手綱を握ったホークさんが確認。
「はい」
私も魔法陣に乗る。
「わふん」
アリスが魔力を流すと、景色が変わる。
いつもの小屋や。
『ん? 主よ』
アリスに張り付いていたアレスが、ふいに私に向く。
『こちらを伺う、妙な気配があるのだ』
「なにそれ?」
「リティアさんやないね」
晃太が憶測で言う。あんたね。
『あのハイテンションな雌ではないのだ』
「リティアさんもあんたには言われたくないやろ」
私達の会話がわからない皆さんは、どうしたんだろうと、こちらを見ている。
『なんと言うか、醜悪な気配なのだ』
「「醜悪って」」
『消してくるのだ?』
何を? 息の根?
やけど、アレスが気配を感じるのならそうなんやろう。アリスもオシリスも頷いているし。
「ユイさん、どうしました?」
心配そうなホークさん。他の皆さんもそんな感じだ。
「実はアレスがですね………………」
説明すると、さ、と緊張感が走る。
どうしたものか。
「出ましょう」
と、エドワルドさんが即決。
「まあ、そうじゃな。ここで待っていても仕方無いじゃろうし」
ツヴァイクさんも同意。
いつまでもここにいてもしょうがないのは確かだし。
「ミズサワ殿を中に、我々は外を固める。まあ、バカな連中なら、従魔殿が弾くだろうが念のために」
エドワルドさんとツヴァイクさんが指示を出して、ごそごそと並ぶ。
『あ、主よ。醜悪な奴らが呟いているのだ』
「え? 何?」
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