銀の鬼神とかわいいお嫁さん

鐘ケ江 しのぶ

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会議と味方④

「王子が? ニシアル王子は、第二とはいえ、ビスマルク王太子に何かあればのスペアでしょう?」

 そうじゃないのか? スペアと言え王族だ、それなのに毒を盛るなんて出きるのか?

「長い歴史の中で、全く無かったわけでないのよ。現在の王族の皆様は、仲は良好のはずよ。それを毒が盛られるなんて考えられないわ。あ、セバス、いい機会だわ、バトルにもう一度歴史の家庭教師を」

「あ、母上、歴史はセバスにならいます。出来れば領地経営の方を」

「あなた、本当に茸、食べてないのよね?」

「食べてませんって」

「………………ま、そうね。剣ばかり振り回していても、小さな女の子は引いてしまうものね。多少知的な部分も伸ばさなくては、呆れられますものね」

 くっ。さすがなのか、何故領地経営なんて言い出したのかわかったみたいだ。自分は領地経営をほぼ両親に任せているが、それじゃあなあ、って思ったんだ。エミリアに、すこしでもかっこいいと言われたい。だからと言って、ほぼド素人と変わらない自分が口を出して言い分けない。フォン辺境伯の領地経営は多岐にわたる。当然両親だって、何人もの文官達と領地を回している。なら、基礎から勉強しなくてはならない。

「いいじゃないか、エミリア嬢にいい格好したいという三十路息子のささやかな願いをかなえてやろうではないか。遅れてきた、何とかだろう? 反抗期も録になかったんだ。かわいいじゃないか」

 うんうんと頷く五十過ぎの父親に、かわいいと呼ばれた三十路息子。

「こほん」

 と、自分が咳払い。

「父上、母上、事はどうして引き起こされたのでしょうか? 一晩考えたのですが、分からないのです」

 両親は顔を見合わせる。

「そうだな。フランシスとベルド伯爵が手駒にされたのは分かるが」

「事を起こして、ベルギッタ侯爵、我がフォン辺境伯、マトデ将軍家を反旗を翻したら国力はガタガタよ。王族の男児はすべてバルドが切り殺してしまったのなら、当然王家は断絶。そこを狙ったと考えられるけど、うーん」

 母が悩む様子。

「タシア王女は?」

 タシア王女とは、ニシアル王子とカシアン王子の間にいる王族たった一人の王女だ。肩をすくめる母。

「無理でしょ。カシアン王子の暴走も止めらかった時点で、祭り上げる価値もないわ」

 なかなか手厳しい。

「まあ、ベルド伯爵は利用された理由は大方予測はつけどね」

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