40 / 51
エミリアとベルド伯爵家の実情④
しおりを挟む
先代ベルド伯爵は、レミリア嬢が亡くなった後、ゼズ子爵とのエミリアの親権を巡り法的に対応した。ゼズ子爵は、レミリア嬢の腹違いの弟だが、この弟はデリック・ゼズ子爵は、姉思いな男だ。男性不信の姉のレミリアが、自分達の為に嫁いでくれたのを気に病んでいた。レミリア嬢が亡くなった事で、どうして感染症肺炎に罹患したかデリック・ゼズ子爵が不審に思い、ナタリーとフランシスの存在を見つけた。ベルド伯爵から請われてレミリア嬢は嫁いだのに、フランシスまでこさえるなんてふざけるな、だろうな。デリック・ゼズ子爵はエミリアの親権を得ようとしたが、そう簡単ではなかった。確かにエルゴスとナタリーは、不倫してフランシスをこさえたが、先代ベルド伯爵が跡取り娘のエミリアを手放したくなかった。法的にも、フランシスはベルド伯爵の跡取りにはなれない、先代ベルド伯爵は抵抗。それにまだデリック・ゼズ子爵は、当時社会人二年目で、まだ学生の妹二人を抱え、財政的に厳しい事もあり、エミリアの親権は得られなかった。
ミュンヘナー王国では、一度、親権を得る事ができなかった場合、二度と親権を得ようと訴えることはできない。相手側が死亡した場合のみしか、つまりエルゴス・ベルド、先代ベルド伯爵が死亡した時のみ、エミリアの親権を得る事ができる。
先代ベルド伯爵は自分がエミリアを跡取りにするまで生きようと気張っていたが、レミリア嬢が亡くなって3ヶ月後、内臓に致命的な疾患が分かり、呆気なく亡くなった。
そして、エルゴス・ベルドがベルド伯爵当主になった。その伯爵当主についた就任報告パーティーで堂々とナタリーとフランシスを紹介。まだ、レミリア嬢を亡くして喪中でなくてはならなかった時期にだ。
先代ベルド伯爵が亡くなり葬儀が終わった次の日に招き入れ、もう好き勝手にやらかしていた。伯爵夫人の部屋を派手に改装し、短期間にナタリーとフランシスのドレスや宝飾品を買い漁った。で、その理由が、今まで我慢させていたからだて、ふざけた理由だ。本来なら表舞台に出してはいけない存在である愛人と婚外子。ナタリーとフランシスはニールプ子爵とエルゴス・ベルドの援助で、生活はできていた。ナタリーが働かなくても済むだけの援助を受けていただけでも、愛人としては恵まれていたのに。一生我慢させなくてはならない。特にナタリーは、エルゴス・ベルドがレミリア嬢と正式に婚姻しているのをわかっていながら関係を続けていたのだから。フランシスに関しては、民間学校にかよわせて、自活できる様に資格なりなんなり取らせるような援助は許される。ただ、屋敷に招き入れて嫡子エミリアと同じ、いやそれ以上の待遇をする、自分が常識はずれですと看板を掲げているようなものだった。
就任報告パーティーで、愛人のナタリーと婚外子フランシスをベルド伯爵家に入れると堂々と宣誓したため、集まったバージェット侯爵筆頭に、エルゴス・ベルド伯爵が見放された瞬間だ。その時まで、親戚一堂まだレミリア嬢の喪に復しているものだと思っていたのだ。
既に、ナタリーとフランシスによるエミリアへの陰湿ないじめが始まっていた。先代ベルド伯爵は死期を悟ってから、残されるエミリアの為に使用人達に様々な指示を出していた。
嫌な予感がしたんだろう。
ミュンヘナー王国では、一度、親権を得る事ができなかった場合、二度と親権を得ようと訴えることはできない。相手側が死亡した場合のみしか、つまりエルゴス・ベルド、先代ベルド伯爵が死亡した時のみ、エミリアの親権を得る事ができる。
先代ベルド伯爵は自分がエミリアを跡取りにするまで生きようと気張っていたが、レミリア嬢が亡くなって3ヶ月後、内臓に致命的な疾患が分かり、呆気なく亡くなった。
そして、エルゴス・ベルドがベルド伯爵当主になった。その伯爵当主についた就任報告パーティーで堂々とナタリーとフランシスを紹介。まだ、レミリア嬢を亡くして喪中でなくてはならなかった時期にだ。
先代ベルド伯爵が亡くなり葬儀が終わった次の日に招き入れ、もう好き勝手にやらかしていた。伯爵夫人の部屋を派手に改装し、短期間にナタリーとフランシスのドレスや宝飾品を買い漁った。で、その理由が、今まで我慢させていたからだて、ふざけた理由だ。本来なら表舞台に出してはいけない存在である愛人と婚外子。ナタリーとフランシスはニールプ子爵とエルゴス・ベルドの援助で、生活はできていた。ナタリーが働かなくても済むだけの援助を受けていただけでも、愛人としては恵まれていたのに。一生我慢させなくてはならない。特にナタリーは、エルゴス・ベルドがレミリア嬢と正式に婚姻しているのをわかっていながら関係を続けていたのだから。フランシスに関しては、民間学校にかよわせて、自活できる様に資格なりなんなり取らせるような援助は許される。ただ、屋敷に招き入れて嫡子エミリアと同じ、いやそれ以上の待遇をする、自分が常識はずれですと看板を掲げているようなものだった。
就任報告パーティーで、愛人のナタリーと婚外子フランシスをベルド伯爵家に入れると堂々と宣誓したため、集まったバージェット侯爵筆頭に、エルゴス・ベルド伯爵が見放された瞬間だ。その時まで、親戚一堂まだレミリア嬢の喪に復しているものだと思っていたのだ。
既に、ナタリーとフランシスによるエミリアへの陰湿ないじめが始まっていた。先代ベルド伯爵は死期を悟ってから、残されるエミリアの為に使用人達に様々な指示を出していた。
嫌な予感がしたんだろう。
192
あなたにおすすめの小説
嘘つき
金峯蓮華
恋愛
辺境伯令嬢のマリアリリーは先見の異能を持っている。幼い頃、見えたことをうっかり喋ってしまったばかりに、貴族学校で5年もの間「嘘つき」と言われイジメを受けることになった。そんなマリアリリーのざまぁなお話。
独自の世界観の緩いお話しです。
【完結】前世の恋人達〜貴方は私を選ばない〜
乙
恋愛
前世の記憶を持つマリア
愛し合い生涯を共にしたロバート
生まれ変わってもお互いを愛すと誓った二人
それなのに貴方が選んだのは彼女だった...
▶︎2話完結◀︎
私の手からこぼれ落ちるもの
アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。
優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。
でもそれは偽りだった。
お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。
お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。
心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。
私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。
こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。
皆さん、覚悟してくださいね?
柚木ゆず
恋愛
わたしをイジメて、泣く姿を愉しんでいた皆さんへ。
さきほど偶然前世の記憶が蘇り、何もできずに怯えているわたしは居なくなったんですよ。
……覚悟してね? これから『あたし』がたっぷり、お礼をさせてもらうから。
※体調不良の影響でお返事ができないため、日曜日ごろ(24日ごろ)まで感想欄を閉じております。
蝋燭
悠十
恋愛
教会の鐘が鳴る。
それは、祝福の鐘だ。
今日、世界を救った勇者と、この国の姫が結婚したのだ。
カレンは幸せそうな二人を見て、悲し気に目を伏せた。
彼女は勇者の恋人だった。
あの日、勇者が記憶を失うまでは……
駆け落ちした愚兄の来訪~厚顔無恥のクズを叩き潰します~
haru.
恋愛
五年前、結婚式当日に侍女と駆け落ちしたお兄様のせいで我が家は醜聞付きの貧乏伯爵家へと落ちぶれた。
他家へ嫁入り予定だった妹のジュリエッタは突然、跡継ぎに任命され婿候補とのお見合いや厳しい領主教育を受ける日々を送る事になった。
そしてお父様の死という悲しい出来事を乗り越えて、ジュリエッタは伯爵家を立て直した。
全ては此処からという時に、とうの昔に縁を切った筈の愚兄が何事もなかったかのように突然帰って来た。それも三歳になる甥を引き連れて……
本編23話 + 番外編2話完結済み。
毎日1話ずつ更新します。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる