ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには?

鐘ケ江 しのぶ

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行方不明⑧

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 メイド服に身を包んだ少女が叫んでいる。
 ナタリアだ。学園に呼ばれたローザ伯爵当主と共に来て、そのまま捜索に加わっていた。
 広大は森だが、キズを負ったウィンティアの状況から遠くにいないはずと思われたが、一向に見つからない。
 捜索打ちきりと耳にしたナタリアは、必死に訴えている。
 ランプを、と叫ぶナタリアがレオナルドの姿を捉える。

「……………貴方のせいですっ、貴方のせいでお嬢様がっ、お嬢様がっ」

 ナタリアの言葉が鋭利は刃物となり、レオナルドを抉る。

「貴方がっ、ちゃんとしないからっ、ウィンティアお嬢様がっ、何が誠実ですかっ」

 ふざけないでくださいっ。

 ナタリアが血を吐くように叫び、崩れ落ちて泣き出す。
 捜索が開始されて、もう八時間以上経過している。
 ディミアの証言で、西門付近で見つかったのは、片方の靴だけ。
 口に出さないが、誰もがその可能性を頭に浮かべる。

 誰かに連れ去られた、と。

「ナタリア」

 ローザ伯爵当主がナタリアの肩に触れる。

「私がここに残るからお前は帰りなさい。ウィンティアは私が見つけて連れて帰るから。ウィンティアはお前のお茶しか受け付けないのだから、温かいお茶を淹れて待っているんだ。いいね」

 泣き崩れるナタリアを、ローザ伯爵当主は別のメイドに託す。
 ちらり、とローザ伯爵当主はレオナルドを見ると、軽く会釈する。

「キーファー様、わざわざご足労ありがとうございます」

「いえ、私は何も…………」

「来ていただいたのですが、このような状況です。失礼します」

「は、はい」
 
 背中を向けるローザ伯爵当主を見送り、頭の中が、ぐらぐらするレオナルドは吸い込まれるように、森に脚を向けたが、止められる。ウーヴァ公爵家で、自分専属の執事だ。

「レオナルド様、ご当主がお戻りになるように、と」

 反論しようとしたレオナルドの言葉を遮る。

「ご当主がお戻りになるように、と。レオナルド様、貴方まで遭難します。お戻りください。必ず見つけ出します、さあ」

 想像以上の力で、執事により馬車に押し込めれたレオナルド。執事はそれを見送り、情報確認の為に現場に止まった。
『影』まで使ったのだから、見つかるはずと思ったが。

 数日経っても、ウィンティアの行方が分からなかった。
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