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五日目 夜の訪問者2
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部屋に着くとすぐ、突然マリウスが私の前に跪いた。ふわりと床に広がるマントの美しさに思わず見惚れていると、マリウスは手を胸に当て私を見上げた。
「マリウス?」
「アメリア、僕は貴女との将来を真剣に考えています」
「え?」
「僕は、貴女を好きだと言う気持ちを今だけのものだと思っていません」
マリウスはそう言うと、私のスカートの裾を持ち上げ口付けを落とした。
簡素な部屋着が安っぽく見え恥ずかしくなるほど、その姿の神々しさに顔が火を吹くように熱くなった。
「マリウス、やめて、私にそんな価値はないわ」
「あります。貴女は僕にとって唯一だから」
(どうしよう、マリウスがとんでもなく甘いわ!)
「貴女があの夜空のような美しいドレスで会場に現れてからずっと、僕は貴女に囚われたままだ」
立ち上がったマリウスに腰を引き寄せられる。密着した身体から、ふわりと森のような香りと熱が漂い、私の思考を絡めとる。
「……もの好きだわ」
「そんなことはありません。貴女に他の誰かが声を掛けないか、気が気じゃなかった」
「貴方こそ、ご令嬢たちに人気があるでしょう」
「妬いてます?」
「なっ……」
私の顔を見下ろして、ニヤリと口端を意地悪に上げる。
「アメリアが妬いてくれるなら、悪くないですね」
下ろしている髪を手に取り、口元に運ぶ。伏せたその瞳の長い睫毛を見つめていると、視線を上げたマリウスと至近距離で目が合った。
瞳の奥で何かが燃えている気がして、それが何かを知りたくて見つめていると、湖のような瞳が視界いっぱいに広がる。
「……ん」
優しく合わされた唇はふわりと互いの唇の柔らかさを確認するように、触れては離れ、また触れる。
「……アメリア」
ああ、こうして時々名前を呼ばれるのが、私は本当に好きだと思う。
いつからそんな風に思うようになったのか、彼が発する声、その心地いい発音に、私はいつの間にか囚われていた。
「……時々、王都に来るわね」
マリウスの胸に手を当てながら、唇を触れさせながら合間にそう呟くと、ピタリとマリウスが動きを止めた。
「し、仕事で、こちらに来ないといけないことが増えるし」
「……俺に会いに?」
マリウスの掌が私の頬を撫で、その気持ちよさにそっと瞳を閉じると、また柔らかく唇に触れられる。
熱い吐息が唇に触れ、彼が我慢しているのだと思うとまた愛しさが込み上げる。
「そうよ。仕事がなくても、時間を見て会いに来るわ」
「貴女が僕のことでそう思ってくれるだけで、この上なく幸せです」
「ま……」
優しく甘やかだった口付けは、噛み付くような口付けに変わり、必死にその首にしがみつく。
舌を絡め取られ吸い上げられて、その気持ちよさに力が抜けるのをマリウスの逞しい腕に支えられた。
私の舌を吸い上げていたマリウスがちゅぽっと音を立てて離れると、くったりと彼の肩に顔を埋めた。
はあはあと息を整えている間にも、マリウスは頬や額、こめかみ、耳にと、いくつもの口付けを降らせる。
「アメリア、僕はちゃんと貴女と繋がっていたい。そのために、使えるものは使うことに決めたんです」
「……?」
「貴女は貴女らしく、自分の道を進んでください。僕はその隣で、僕のすべきことをするから」
「マリウス……」
この先どうなるかなんて分からない。
けれど、今こうして互いを求め好きだと伝え合い、離れても会う約束をする。
離れてしまうと相手を求める気持ちや不安が強くなるだろうけれど、今はこれでいい。
好きだという気持ちに、従えばいい。
「……マリウス、もっとして」
顔を引き寄せてそう囁けば、マリウスは私を抱き上げ、強く唇を合わせた。
「マリウス?」
「アメリア、僕は貴女との将来を真剣に考えています」
「え?」
「僕は、貴女を好きだと言う気持ちを今だけのものだと思っていません」
マリウスはそう言うと、私のスカートの裾を持ち上げ口付けを落とした。
簡素な部屋着が安っぽく見え恥ずかしくなるほど、その姿の神々しさに顔が火を吹くように熱くなった。
「マリウス、やめて、私にそんな価値はないわ」
「あります。貴女は僕にとって唯一だから」
(どうしよう、マリウスがとんでもなく甘いわ!)
「貴女があの夜空のような美しいドレスで会場に現れてからずっと、僕は貴女に囚われたままだ」
立ち上がったマリウスに腰を引き寄せられる。密着した身体から、ふわりと森のような香りと熱が漂い、私の思考を絡めとる。
「……もの好きだわ」
「そんなことはありません。貴女に他の誰かが声を掛けないか、気が気じゃなかった」
「貴方こそ、ご令嬢たちに人気があるでしょう」
「妬いてます?」
「なっ……」
私の顔を見下ろして、ニヤリと口端を意地悪に上げる。
「アメリアが妬いてくれるなら、悪くないですね」
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瞳の奥で何かが燃えている気がして、それが何かを知りたくて見つめていると、湖のような瞳が視界いっぱいに広がる。
「……ん」
優しく合わされた唇はふわりと互いの唇の柔らかさを確認するように、触れては離れ、また触れる。
「……アメリア」
ああ、こうして時々名前を呼ばれるのが、私は本当に好きだと思う。
いつからそんな風に思うようになったのか、彼が発する声、その心地いい発音に、私はいつの間にか囚われていた。
「……時々、王都に来るわね」
マリウスの胸に手を当てながら、唇を触れさせながら合間にそう呟くと、ピタリとマリウスが動きを止めた。
「し、仕事で、こちらに来ないといけないことが増えるし」
「……俺に会いに?」
マリウスの掌が私の頬を撫で、その気持ちよさにそっと瞳を閉じると、また柔らかく唇に触れられる。
熱い吐息が唇に触れ、彼が我慢しているのだと思うとまた愛しさが込み上げる。
「そうよ。仕事がなくても、時間を見て会いに来るわ」
「貴女が僕のことでそう思ってくれるだけで、この上なく幸せです」
「ま……」
優しく甘やかだった口付けは、噛み付くような口付けに変わり、必死にその首にしがみつく。
舌を絡め取られ吸い上げられて、その気持ちよさに力が抜けるのをマリウスの逞しい腕に支えられた。
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「マリウス……」
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けれど、今こうして互いを求め好きだと伝え合い、離れても会う約束をする。
離れてしまうと相手を求める気持ちや不安が強くなるだろうけれど、今はこれでいい。
好きだという気持ちに、従えばいい。
「……マリウス、もっとして」
顔を引き寄せてそう囁けば、マリウスは私を抱き上げ、強く唇を合わせた。
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