異世界で山家として生きる者。

hikumamikan

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第22話 登山道を普請する、てか造っちゃう。

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嵐の様な戦いが終わって私達のクランはまた、中心へとオークを討伐しながら進んで行く。

6日目に火山周辺の植物の生えない白い荒れ地に討伐隊は集まった。
この白い堆積物の地は火山の噴火で出来たみたい。

各クランで点呼を録っている。
怪我人または死人そして行方不明者の有無を調べる為だ。

「諸君!。私はこの討伐隊の総指揮官、王宮軍第三部隊長グレンバッハだ。この6日間で若干の怪我人は出たが、重いもので腕の骨折ぐらいだ。死人も行方不明もいない。大成果と言える。誠にありがとう。感謝する。
狩ったオークはクランのリーダーが王宮から出されたアイテム袋で管理している。
今回はニューラのクランより矢や目潰し弾それに滋養ドリンクの提供があった。有り難い事だ。
何より一番驚いたのは滋養ドリンクと言いつつポーション並みの効き目が有った。あれには助かった。本当にありがとう。

・・・処でオークの数だが予想通りの五千を超えていた。
一人辺りの報酬額はオーク2頭分に成ると思う。
残りは兵站やその他の職員に回されるだろう。
そこは了解して欲しい。
1ヶ月後位に各ギルドから支払われると思うのでよろしく。
今夜はここで夜営に成るが、指定の白い土地から出ないように頼む。
火山の毒ガスにやられるからな。

夜警の者には申し訳ないが、後続の兵站から少ないが酒も届いているので飲んでくれ。
ご苦労で有った。
これで話は終わりだ。
さあ各自夜営の準備をしてくれ。
有り難うみんな」


私の周りにはクランの中の数名の女性冒険者が集まってテントを張っている。
キィは大人気で女性の皆に可愛がられている。
・・・そいつ実は。
キィに睨まれた。
お~恐っ。


お酒かあ、私は飲まないけど(未だ飲ませて貰えない年齢なので)インスタントで出せるかな?。
結果出ました・・・何これ?。
インスタント3回重ねが卦したのは悪酔いしたら困るから。
大人が時々吐いてたしね。

つまみも出したよ。
ついでに私用のお菓子も。
「ここは僕が夜警しとくから皆で楽しんでね」
「いいの?」
「実は僕はお酒が大好きなんだけど・・・イシタントに止められているからね」
「もしかしてキィがイシタント様に叱責されたのは、お酒絡みなの?」
「その・・・僕はウワバミの突然変異で、昔はミワって言われて大暴れしてたんだ。特にお酒目当てで」
「・・・ミワ?」
「知ってるの?」
「いや何となく馴染みが有りそうで無さそうで、ウッフンてな感じ」
「時々レイナはオバン臭いね」


失礼な事を言われたけどお菓子をあげて夜警に行って貰った。


元々女性冒険者は少ないがこのクランでも私を含め5人だ。
その5人でテントを張り焚き火を囲んで食事をしている。
この中のカリーナさんとアラルさんはミスリル鉱脈の時の護衛さんだ。
「いやあレイナは進化してるね。まさかここで鰻丼が食べられるとはね」
カリーナさんはご満悦だ。
「人を猿人みたいに。でもこれもアルフレッド子爵のおかげなんですよ。私を王都の教会でスキル鑑定してくれたので」
「でも食いっぱぐれの無いスキルって羨ましすぎる。これじゃ羨ましスキルだよ」
「アラルのはオーク丼だっけ。それも旨そうね」
「やんねーよ」
「そこまで意地汚く無いわよ」

他の2人もエビピラフと天津飯に夢中だ。
スープは玉子スープ。
全てインスタント3回掛け。

その後はお酒を出した。
「甘~い」
「何これ美味しい」
「この山の鉱泉水も飲めるのな。知らんかったわ。シュワシュワしてこのお酒と割ったら不思議な味やね」
「青いプラムをスピリッツに砂糖で漬け込むのかあ~。砂糖が安かったらなあ」
「男どもはこっちに酒を回さなかった罰だ。チラ見してるけどやんねーよ」
「酷いよね自分達だけでお酒飲もうなんてね。まあそのおかげでこんなご馳走に有り付けるんだけどね。このおかき美味しい」
「この黒いの凄く美味しい。何だろうこれ?」
「カリーナさんはチョコ気に入ったみたいですね。お土産に差し上げますよ」
「「「私も~!!」」」


結局4人分のナッツチョコをお土産に出した後で就寝。


夢の中で誰かが手招きする。
疲れてるんだけどなあ。
男性とそれより少し背の低い女性の2人だ。
彼らはそれぞれアキュビュートにブレイザントって名乗った。
水の神と火の神じゃん!。
凄く端正な顔のお二人。
何故にイシタントは・・・。
怒られるから想像するのは止め。

昔は登山道が有ったらしいのだけど、ブレイザント様が噴火させた事で無くなったらしい。
それを修復して欲しいとの頼みだった。

朝起きて思った・・・私の土魔法では無理。
どうしたものか。
きっちり二神は毒ガスの出ない道を指し示して下さったけどね。
本当にどうすべこれ。


討伐隊はそのまま現地解散と成り、各々拠点の前線基地である村へ帰って行った。

私がしばらくここに残ると言ったので、それは駄目だとカリーナさんとアラルさんも残ると言い出した。
となると当然ゴドルフさんにマールさんそれにメムットさんも残るって事に成るわなそりゃ。
おまけに何故かテントで御一緒した2人の女性も。
お二人もニューラの冒険者だとか。


「ふう~、山の頂上から森の入り口迄終ったあー」
「ご苦労様」
「それにしても凄いわね」
「よく魔力が尽きないな」
綺麗な道と言うかコンクリート。
そう土魔法では無理なので、インスタントでコンクリートを流し出して道を造った。
でもコンクリートって何だ?。
まあいいや。
このコンクリートは5回がけインスタントなので流石に疲れた。
「あっ踏んじゃ駄目ですよゴドルフさん!。足跡が残りますから。数日して乾かないと無理です」
「・・・そっそうか」

5人と2人に護衛されながらついでに二神の祠を途中で建てて、(出しただけだが)前線基地の村までコンクリートの道を繋いだ。
4日かかったよ。
夏の星座と女性冒険者2人は毎食喜んでいたけどね。
おまけになんか夏の星座の2人と女性冒険者2人の仲が怪しい。
ゴドルフさんは既婚者だから関係ない。
インスタント5回掛けしたせいか一晩で乾いていたコンクリート。
なので魔物の・・・あちゃあ~、お決まりで猫の足跡は付いていた。
残念。

村の教会でお供えをしてお祈りしたら二神が現れて一同驚愕した。
神官様は腰を抜かしていた。
「ありがとう」「これは御礼よ」そう言った時私達8人を二色の光が包んだ。
「二神の加護・・・って」
腰を抜かした神官様はポツリと呟いたが他の人には聞こえなかった様だ。
一泊してニューラへ戻った。

いや、馬車遅い。
私の豚さん車凄くノロノロ運転。
まあのんびりして良いか。
魔物も何匹か狩ったので、夏の星座と女性冒険者お二人の護衛料ぐらいには成ったと思う。
魔物の買い取り金を渡そうとしたら渋られたけどね。
「お菓子のお土産まで貰ったのに」
「いえいえ、道造りを手伝って貰ったから」
「あれは私達が勝手にした事だから」
「魔物に襲われなくて本当に助かったですからね。当然の報酬だと思いますよ」
女性冒険者お二人にも納得して貰った。








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