上 下
60 / 90

第58話 神は平等では無い。(2))

しおりを挟む
57話でタイトルの主旨が全く反映されて無い事に気付きました。
最近ちょっとおかしく成ってますね。
文脈も読み返したらあれっ?って感じです。
夏風邪も惹いてる感じかな。
「体調のせいにしてはいけんね。反省しちょりますわ」

58話はですので(2)にしました。
すいません。
後に上塗りの形に成りますが徐々に修正と成ります。あしからず。

────────────────

明日の面会の前にアルフレッド様と少し話をした。
面会についてでも両親についてでも無い話だ。

「実はつい先日ミラージュビーの討伐が有りまして」
「ああ、ノマシから報告は受けている」
「・・・冒険者ギルドって中立ですよね」
「当然中立で貴族には諂う事は無いが、目的や利害が合えば協力はするぞ。ムスクナの盗賊討伐も最終的にはそうなったから和解している」
「・・・ノマシさんて何者ですか」

「そう来るか・・・」
少しアルフレッド様は沈黙したが。
「お~い、誰かノマシをここへ呼んでくれんか」

暫くしてノマシさんが私達の居る部屋へ現れた。
コンッコンッ。
「ノマシです」
「おう、入ってくれ」
ドアが開いてノマシさんが入って来た処で、「そこへ掛けてくれ」とアルフレッド様に言われ、ノマシさんは私の横に座った。

私とアルフレッド様は向かい合ってソファーに座っていて、私の座ったソファーはそんなに大きく無い。
なのでノマシさんと少し体が触れる。

「どうしたレイナ顔が少し赤いぞ」
「・・・余り男性の方が直ぐ側にいた事が無いので」
「すいません」
「あっ、いえノマシさんがどうこう言う訳では無くて、私が男性に慣れていないから・・・」
「はは、未だ14だからな。やっと色気付いた頃だが、ノマシは品行方正きっちりした男だ心配ない。それともノマシが気に成るか?」
私は更に真っ赤に成って俯いてしまった。
「あっ、いかんな失敗した許せ」
「そんなに緊張しないで下さい。席を変わりましょうか?」
「いっいえ、ここに居て下さい」
「クックク」
「叔父さん笑っちゃ駄目ですよ」
「えっ、叔父さん?」
「ああ、血は繋がって無いんだ。ほら僕は黒髪で君と一緒だろ。アルフレッド叔父さんは僕の養父のお兄さんで、僕は孤児院で5歳まで育ったんだよ」
「弟・・・マーシュは平民として商売をしている。ノマシはその養子で知ってると思うが、ギルドの探索方だ」
「ああ、ビヲラさんの部下でしたね」
「未だ16だがしっかりしている。そろそろ縁組みも考えてはいるがな」
「叔父さん未だ早いよ、仕事も忙しいしね」
「・・・どうだレイナ、ノマシを貰わんか」
「叔父さん!。レイナが困ってるから」
私はもはや沸騰寸前に成ったが。
「この前の蚊取り線香がですね」
「「話を無理やりすり替えたな」」

「で、その蚊取り線香がどうしたのだ」
「あっ、・・・いや蚊取り線香じゃ無くて、蚊取り線香を出した時に気付いたんですよ」
「「何に?」」
「私のスキルって全て知識が無くても検索して出せるって」
「検索?」
「つまりスキルの中で知らない物を願えば差がし出せるって事なの?」
「遭難ですよ。いやあの遭難事件で蜂用蚊取り線香を私は知らずに検索していた様なんです」
しょうもない親父ギャグは完全にスルーされて話は続く。

「ああ、あのオレンジの蚊取り線香は検索して出した物なのか」
「わしは未だ見ていないからな」
「これです」
私は緑とオレンジの蚊取り線香を出して見せた。
「私の知らない蜂用の蚊取り線香が出せたんですよ」
「これはどうやって使うのだ」
「火をつけてこうやって線香台に乗せて置いておくだけです」
私は手に持って生活魔法の火で着火して、グラスウールが敷かれた円い携帯用の線香台に、火の着いた蚊取り線香(緑)を乗せた。
「これで蚊などの虫が落ちて死にます」
「便利だのう、後でくれないか」
「勿論お渡ししますよ」
「有り難う助かる」


「しかしイメージ出来ない物まで検索で出せるって事は、完全に創造神のスキル様々だな」
「・・・今回の面会でも決して知られては成りませんね」
「・・・たぶん・・・実の両親だと思います」
「なっ、この前は偽物と言ったでは無いか!」
「偽物と思いたかったんです」
「どういう事?」
「ノマシさん・・・私は神に拾われたんですよ。山家の里に現れた両親は実は火と水の神です。おそらくはその二人を神とは知らないと思いますが、私が二人に拾われる時まで私を見ていたから、明日会う二人は本当の両親でしょう。ただ私は神に拾われた時には死ぬ寸前でした。火と水の神は私の命の恩人です。そして本当の両親は私を間違いなく殺そうとしたと言う事です。2月なので凍死させようと、そして死を見届け様としたのかと・・・目的は判りませんが」
「「・・・生け贄か?」」
「生け贄ですか?」
「だとすればアスター教徒かも知れんな」
「そして今更力に気付いて引き戻しに来たと言う訳ですか」
「そんな処だろう」
「私のスキルは二神に拾われてから授かったものです、おそらく両親は私には何も無い事を知ったから」
「生け贄を使って何をしたかったのかな?」
「叔父さん・・・」
「どちらにしても捨て置けん。レイナ悪いが取り調べの後は極刑に成ると思うが許せ」
「多分神の召喚・・・」
「「なっ!」」
「十神と主神以外にも眷属としてキィの様な獣神もいますから、おそらくはそれを召喚しようとしたのでは」
「「出来るのか?」」
「無理でしょう。出来るのは十神か主神・・・それとキィ程の力を持つ眷属としての神かと」
「僕は異世界間は渡れるけど、イシタント様や時空神みたいに人や獣は連れて来れないよ。もしそんな事をすればその人は分子か原子レベルで塵の様に消えて死ぬよ」
突然に私の胸ボタンを開けて出て来たキィにノマシさんは驚いていたけど、私はそれ処では無くて、あわてて服を押さえた。
この世界ブラジャーなんて無いからサラシみたいなのを巻くかノーブラなのだ。
当然私も未だ発育途上なのでノーブラだった。
多分・・・見られたと思うが。
聞くわけにもいかない。
ノマシさんはキィの方を見て知らん顔をしていた。

私程度の胸など見ても興奮すらしないとか、それはそれで腹が立つのだが・・・。
ただオッパイは授乳の際に普通に目にするので、さして回りは気にしないのがこの世界なんだけど。
レイナとしては好意を持ちつつある人に見られたのは・・・。

「まっいいか」
「「何が?」何がだ?」
「・・・・・・腹立つっ!」


どうやら本当に気にして貰ってはいなかった様で有る。

くそっボンキュボンに成ってやる。


翌日からの経緯は拘束された両親の供述によると、商売が上手くいかない両親につけこみ、迷信として黒髪黒目の私を生け贄にするよう、アスター教の教祖が言い含めた様だ。
因みにアスター教は隣国の小さなカルト教で、早速国王陛下の打診によって隣国で全員捕縛となり処刑されたので、消滅した。
十神や主神を怒らせば大災害処か、大陸の人間が消滅しかねない案件なので、極刑に処される。

二度の大事件にトリオネ爺さんとカトレアさんにメノーラさんまで私に土下座した。
いやいや、それは私の方こそ勘弁願いたい。
それを王都に報告に上がった国王陛下眼前でやられたものだから私は焦ったよ。


私の両親?。
聞かないで欲しい。
後で例の火山の森の二神の祠の直ぐ奥に、ひっそりと飾りっ気の無い祠を置いて来た。
後にアルフレッド様から国軍1万が出向き、半数は冒険者の格好でレストランの周りや街頭を抑え、ニューラの門や街道に控えていたそうだ。
もう半数は正規軍として各街道の検問に当たっていたらしい。
かなりの厳戒態勢だった事に私は驚いた。


「沢山人が処刑されたねキィ」
「レイナは道を歩く時足下の蟻に絶えず気を配って歩くかい」
「そんなの無理よ」
「神はね全てに平等では無いのはそう言う事だよ。偶々レイナの記憶を入れる器を探していたら、そこに君の両親が君を森に置いた。しかも逆さ吊りにしてね」
「・・・逆さ吊り」
「最初から殺す気だったんだ。生け贄として」
「・・・・・・」
「実はね神は君の両親を見張っていたんだ。君との接触が無くてもアスター教は信者諸とも近く滅亡しただろうね。人にその道を委ねたにすぎない。だからね・・・レイナが気に病む事は無い」
「・・・有り難うキィ」
「どういたしまして。僕は最近丸く成ったとイシタント様に言われててね。イシタント様に言われるのもどうかと思うけど。でもそれはレイナのせいだと思っている」
「いいやキィは元々優しいよ」

「あんがとっ!」
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

主人公にはなりません

BL / 完結 24h.ポイント:1,242pt お気に入り:646

闇落ちフラグ乱立注意報、僕はただの弟です!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:347pt お気に入り:143

脇役転生者は主人公にさっさと旅立って欲しい

BL / 連載中 24h.ポイント:18,070pt お気に入り:408

か弱い猫は獅子に勝てない(とは限らない)

恋愛 / 完結 24h.ポイント:575pt お気に入り:38

継母の心得

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:112,948pt お気に入り:23,594

これって普通じゃないの?~お隣の双子のお兄ちゃんと僕の関係~

BL / 完結 24h.ポイント:1,696pt お気に入り:161

やらないでください

ホラー / 完結 24h.ポイント:2,896pt お気に入り:0

優しい人

恋愛 / 完結 24h.ポイント:830pt お気に入り:5

処理中です...